2018年11月10日

僕の小宇宙 その3 神保町4

間隔がだいぶ開いて書いております神保町シリーズ。
楽器、山、音楽と続いて最後はやっぱり古本です。

20歳代の頃はみすず書房の硬い本を入れても、
月に4〜5冊くらいのペースで読んでいましたから、
懐具合が追いつかない。

さらに『学校で教えてくれない』系の趣味な本は、
図書館も『教育上の配慮』から置いてくれません。
そこで足が向かうのは必然的に古本屋になった訳です。

当時、横浜に住んでいた僕の楽しみは、
春秋年2回の神保町めぐり。
とりわけ古本まつりでの買い出しは気合が入っていましたよ。
神保町にある古書店の品揃えは質量ともに日本随一ですからね。
しかしながら相場の高さもこれまたトップクラス。
そこでなるべく価格の下がるこの時期に行っていたのです。

古書店の書架はまさしく僕の小宇宙でした。
背表紙に惹かれて手に取り、
目次に目を通して「へぇ〜!」となり、
売値を見て「はぁ〜・・・」となる。
予算は限られていましたからね。

忘れられないのは、
神田古書センター(の確か3階?)で見つけた澁澤龍彦責任編集の雑誌、
『血と薔薇』全4冊(渋澤が編集したのは3冊目まで※)です。
彼のファンなら必読とされていたとはいえ、
いかんせん1968年に創刊され1969年に終刊してしまったレアな雑誌。
しかも版元の天声出版はとうに倒産しているので復刻の可能性もない。
(2003年に白順社から1〜3号が復刻されましたが・・・スゴイ!)
僕がそれまで現物を見たのは回顧展の展示物としてだけでした。

こりゃ読むなら国会図書館に行くしかないかぁ・・・

と、ほとんど諦めていた若かりし僕は、
この4冊が売り物として書架に並んでいるのを見て、
思わず「おぉっ!?」と叫んでしまいました。
今でも手に取った時の感動を覚えています。

しかし恐る恐る値段を見ればやっぱり「はぁ〜・・・」。
4冊セットで4万円かぁ・・・
(定価は1冊1,000円だったのですけどね)

ま、プレミアがついてるのはしょうがない。
そこで僕は帰りの電車賃を除いた手持ちの全財産、
約4,000円と血と薔薇を持ってレジに行き、
店主さんに「来週また来ますのでこれをとっといて下さい!」
とかけあったのです。
僕の気迫に押されたのか店主さんは苦笑しながら快諾してくれました。

翌週、抱きしめたお宝のページを『さぼうる』の隅で開いた時、
謎の古文書を読み始めたかのような高揚感に打ち震えましたよ。
雑誌とは思えない錚々たる執筆陣とその内容でしたからね。
あれはやはり時代の奇跡のひとつだったのかもしれません。

その他にもこれまたレアなハンス・ベルメールの作品集や、
ウニカ・チュルンの『ジャスミンおとこ』など、
足を棒にして探し出した喜びは今でも忘れません。

あの「おぉっ!?」って驚きと感動は、
amasonさんの検索でヒットしたものが届けられた時には、
けして味わえないものです

残念ながら最近は時間がなくてあまり行けなくなってしまいましたが、
秋や春の季節のいい時期に、
一日中じっくりお宝探しをやってみたいですね。

えーじ

※ 販売されたのは全4冊ですが、幻の創刊準備号があると言われています。
これは関係者だけに配布されたものらしいので国会図書館にもないでしょう。
いつか探し出してやるぜ!
posted by ととら at 10:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年11月08日

ウサギとカメ 2018

ある秋の晩。
夕方から店内に侵入した蠅がしつこく飛び回っておりました。

そして営業が終わり、
草臥れた僕が洗い物をしている後ろから・・・

いやったああああぁぁぁぁっ!

な、なんだ?

振り返ると泡だらけのスポンジを突き出して、
不敵な笑みを浮かべたともこが仁王立ちになっています。

「ど、どしたの?」
「ふふふふふ、これ!

よく見るとスポンジの上にはさっきから飛び回っていた蠅が。

やっつけた!
「ほぅ、よく捕まえ・・・ん? まだ生きてるよ」
「え?」

彼女が視線を落とすやいなや、スポンジの上で息を吹き返した蠅は、
ころっとコールドテーブルの上に落ちました。

「あ、動いてる!」

だけではなく、ここぞとばかりに離陸態勢に入ったではないですか。
そこへ凄まじいともこ爆裂拳が、

ちぇいっ! ちぇいっ! ちえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇいっ!

と3発。
気合と共に飛び散る洗剤の泡!

ところが慌てた彼女はことごとく的を外し、
その隙間を潜り抜けた蠅はゆっくり、ぷぉ〜いとエスケープ。

あ〜っ! 逃げちゃった! 腹立つ!

「・・・あのさ」

「はぁはぁはぁはぁ」

「ともこ」

「はぁはぁはぁはぁ」

「もしもし!」
「え?」

「・・・疲れない?」

「・・・・・・・・・うん」

こうして秋の夜は更けて行ったのでありました。

えーじ
posted by ととら at 14:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年11月05日

旅の落とし穴

どんなことにも100パーセント良いことや、
100パーセント悪いことはありません。

旅もまた例外ではなく、
せっかく行った旅が結果的に本人だけではなく、
それ以外の人にも好ましくない影響を及ぼすことがあります。

その典型的なケースが『知ってるんだ症候群』。

これ、パックツアー、個人旅行を問わず、
概ね20カ国前後の渡航経験を積んだ頃に罹ることがありまして、
(僕も例外ではありませんでした)
特にインドがその中に含まれていた場合、
罹患率がぐんと上がるようです。

どんな症状かと申しますと、
自分の限られた経験を恣意的に拡大解釈し、
ひとつ知っただけで全てが分かったと錯覚してしまう。

ま、これだけなら若気の至りの範囲内ですが、
大半を空想で補った世界観に立脚し、
『知っているわたくしが無知な皆さまに教えてさしあげます』
的な活動をおっぱじめると、
ひとりよがりなトラブルメーカーの一丁上がり!
になってしまうんですよ。

このビョーキの最も不幸な面は、
その当事者がそうした旅をやめないことにあります。

というのも、ひとたび『オレは知っている』状態になると、
何処へ行って何を見ようが、
無意識的に自分の先入観やイデオロギーに合致したことしか
認識できなくなってしまうからなのですよ。

そして彼、彼女は旅をしながら自分の幻想を肥大化させ続けて行く。
これは実に悲しい。

しかし幸いにして効果的な治療方法があります。

それは『挫折』。

個人的な幻想は、
とどのつまりその閉ざされた領域を出ることが出来ません。
たいてい共同化を目論んで高い壁にぶち当り、
なんでやねん? となる。

これは難しい話ではなく、
上から目線の人に『教えてあげる』的なアプローチをされて、
「知らなかった! どうもありがとう!」
となる人はあまりいないでしょう?

この挫折の先に待っているのは、
旅のリアルな可能性と限界の地平なんですよ。
たとえば、

世界1周の旅に出ました。

それは確かに一般的にはレアな経験です。
しかし、どんな旅でも畢竟、点と点を線で結ぶ行動でしかない。
それに対して旅の舞台となるこの星は球体であり、
すべての面が時とともに絶え間なく変化し続けている。

そうして遅かれ早かれ落とし穴から頭を出した旅人は悟ります。

僕たちが知っていること、いや、知ることができるのは、
無限の中の一雫でしかない。

では、たった一雫を知るための旅に何の意味があるのか?

残念ながら僕はここでその問いに答えることができません。
でも、ただひとつ言えるとしたら、

だから、あなたにも旅をしてほしい。

これかな?

えーじ
posted by ととら at 18:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年11月02日

旅の自由と責任と

何年もいろいろな土地を、職場を彷徨って、
40歳前後に気付いのは、
僕にとって大切なのはおカネや社会的な地位よりも、
人間としての自由だということ。
だから独立して旅を続ける今の自分は一大決心の結果ではなく、
こうした生き方を続けた成り行きなんですよ。

自由。
それはなにものにも代えがたい。

しかし僕の言う自由とは、
手放しで好き勝手に振る舞うことを意味していません。
ととら亭の仕事では経営責任が重くのしかかって来ますし、
取材や研修も個人旅行ですから、すべての結果は自分に返って来ます。

そう、自由とはただそれだけで成り立つ『権利』ではなく、
その結果の質量に比例した『責任』を伴っているのです。

で、責任です。

責任とれますか?

というのは日常的にもよく飛び交うフレーズですけど、
どういう意味で使っています?

辞書を紐解けば、
『立場上当然負わなければならない任務や義務』
とか
『自分のした事の結果について責めを負うこと』
なんて書いてありますけど、
目の前の具体的な事案に当てはめると実は漠然としているんですよね。

だから何かしでかして、
「どうすんのよ!」って詰問されると黙っちゃう。

自由主義者を標榜する僕としては、
『好ましからざる何か』が起こった時、
切るべきカードを持っていることが責任だと考えています。
(残念ながら関係者全員を納得させられるものではありませんけど)

そんなわけで今も来年の取材旅行のブッキングを始めていますが、
渡航先の選択もこのポリシーに照らして決めているのです。

旅の中で『カードを持つ』というのは、
置かれた状況をコントロールすることを意味します。

換言すると『何か』が起こった場合、
お手上げになる場所には行かないし、そうしたこともしない。

先に言いましたように、個人で取れる責任が限定的であるならば、
『自己責任』は勝手な旅の免罪符とはなり得ません。
ことそれが外国の場合、
状況によっては想像を超えた範囲の人や組織を巻き込み、
次元の異なる問題にエスカレートすることが考えられるからです。

そして最後に付け加えるなら、その旅の目的は、遊びも仕事も関係ない。
なぜなら『好ましからざる何か』を引き起こす相手は、
人間にしろ自然にしろ、
そもそも旅人の目的など関知していませんから。

『話せばわかる』は理想であって、
現実に適用できるケースは極めて少ない。

これは僕が旅で学んだことのひとつです。

えーじ
posted by ととら at 12:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年10月31日

お母さんの旅立ち

とある静かな月曜の晩。
最初にのれんをくぐって来たのは、僕より少し年下と思われる女性。
彼女がオーダーしたのは、
リトアニアのギョーザのコルディナイとビールでした。

粋だねぇ。

こんな夜のBGMはちょっとシックなヨーロピアンジャズ。
Dorota Miskiewiczのヴォーカルがよく似合います。
回している作品はAle。

「あの、どこか近くの国でおすすめのところはありますか?」

彼女が不意に話しかけてきました。

「ひとりで行くのですけど、海外旅行は初心者なんですよ」
「何日くらいのご予定ですか?」
「2泊3日くらい・・・かな?」
「それじゃ台北やソウル、香港あたりはいかがですか?
 どこも治安がいいし、親日なので安心して旅行できますよ」

彼女はちょっと考えています。

「飛行機やホテルはどうやって予約したらいいでしょう?」
「旅行会社でツアーを申し込むのが一番簡単です。
 もしお買い物に興味がないのであれば、
 スケルトンタイプのツアーを選べば免税店めぐりに行かなくても済みますし」
「スケルトン?」
「ああ、航空券とホテルの予約しかない必要最低限のツアーのことです。
 空港からの移動も自分でやらなければなりませんが、
 さっき挙げた都市は交通の便がいいので心配はないでしょう」

彼女の表情がだんだん生き生きしてきました。

「実は子供が大学に入って手が離れたので、
 ちょっと旅行をして来ようと思ったのです」

なるほどね。

専業主婦も社会の役割の一つ。
区切りがついたところで新しいことにチャレンジするなんて、
素晴らしいじゃないですか。

なにより「素敵だな」と思ったのは、
彼女の過去についての姿勢でした。

区切り目の後ろ側はもう終わったこと。
それは主婦も学生も会社員も同じ。
その潔い割り切り方は、
初心者というよりむしろ手練れの旅人のものです。

となれば台北、ソウル、香港。
何処へ行こうと心配はないでしょう。

なぜなら彼女の旅は、すでに始まっているのですから。

えーじ
posted by ととら at 17:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年10月28日

君の旅 僕の旅

「ちょっと! 早く持って行ってよ!」

おおっと、いけねぇ・・・怒られちゃった。

旅行の計画を立てはじめているお客さまから声がかかると、
つい足を止めてしまうんですよね。
秋の連休が終わり、年末年始に向けて、
いろいろな行き先の話を聞いています。
なかには早くも来年の10連休を視野に入れている方がいたりして。

「フランス国内の移動はやっぱりレンタカーですかね?」
とか、
「スペインならどこがいいでしょうか?」
ふんふん。
「べダペストに行こうと思っているんですよ」
なんて聞くと、
「へぇ〜、いいですねぇ!」

旅人ってのは聞くも語るも同じなんですよ
一緒になってそのルートをイメージし始めちゃう。。

そんな僕に、
「年末は南米に行くんですよ」
なんて女性のバックパッカーから聞かされちゃ、
「ああ、いってらっしゃい」の一言で終るわけがありません。

「ルートは?」
「アルゼンチンから入ってボリビア、ペルーを周ります」
「ってことはブエノスアイレスからスタートだね。
 それでボリビアに行くならウユニも考えているんでしょ?
 どういうルートでアクセスするの? チリを経由する?」
「いいえ、日にちがあまりないので直接ボリビアに入ります。
 え〜と、なんて言ったかな? 確かサルタっていう街を抜けて」
「サルタ? あ〜、それじゃ僕たちが行ったルートの逆じゃないか!」

聞けば聞くほど僕も盛り上がってきました。
というのも、彼女がやろうとしてるルートは、
概ねアルゼンチンの西部からボリビアに入り塩の平原で知られるウユニへ、
そこからラパス、さらにペルーに入ってチチカカ湖の街プーノ、
そして北上しながらクスコを目指し、最後のメインイベントはマチュピチュ!
これ、僕たちが2009年の夏にやったルートのほぼ真逆。
しかも季節も正反対なのです。

夏の南米で、僕らとは逆のルートを辿り、
彼女は何を見て、何を感じるのでしょう?

10年近く経って、あの辺も大分変ったんじゃないかしらん。
若い旅人から帰国後の話を聞くのが楽しみです。
ちょいとハードルの高いエリアですけど、
アジアで場数を踏んだ彼女なら大丈夫でしょう。

!Ten un buen viaje!

えーじ
posted by ととら at 15:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年10月25日

ととら亭のナンバー1

どこの世界にもランキングというのがありますが、
ととら亭でも思えば「あの人がナンバー1だな」
という方がいらっしゃいます。

これは何も僕たちが「挑戦しますか?」とアジったわけではなく、
ごく自然な成り行きから分かったものなんですけどね。
今日はそのレアな記録をご紹介しましょう。

・ご来店頻度
 飲食店というのは業態ごとにお客さまの『来店頻度』を想定しています。
 ととら亭の場合、ランチが月1回、ディナーが3カ月で2回なんですけどね。
(それで旅のメニューが3カ月で変わるのですよ)
 ところがお客さまによっては週平均3回ランチでいらっしゃったり、
 月に平均3回ディナーにご来店されるお客さまもいらっしゃいます。

・1日のご来店回数
 なかでもレアなのが1日のご来店回数。
 一般的にお店に来るのは1日1回ですけど、
 同日のランチとディナー両方にいらっしゃった方がこれまで2名。
 
・ディナーの同日ご来店回数
 さらにレアなのがこの記録でしょう。
 ディナーの始まりに来て食事をした彼女が閉店間際に再度いらっしゃいました。
 あれ、忘れ物でもしたのかな? と思ったら、
 「デザートを食べに来ました!」
 というわけで同日ディナーで2回のご来店。これはこの方だけ。

・ランチの連続ご来店回数
 毎日メニューが変わっているわけではないにもかかわらず、
 5日連続でランチにいらっしゃったお客さまがひとり。
 飽きなかったかな? と心配になりました。

・特定のメニューにおける記録
 ととら亭が特異な飲食店である理由は、看板メニューがないこと。
 変化そのものが看板なんですよね。
 しかし、そうした中でもお気に入りのメニューを食べ続けた方がいらっしゃいます。
 どちらもデザートで、
 
 リッチプリン    お一人で通算100食以上!
 エスプレッソプリン お一人で通算80食以上!

・ランチの食べた量
 ととら亭のランチは一般的に言って量が多い方だと思いますが、
 それでも「ぜんぜん足りない!」と感じたのか、
 それとも「美味しくて止まらない!」だったのか、
 ひとりで2人分フルで召し上がられた方がこれまで2名いらっしゃいます。

・旅のメニューの完全制覇
 2010年3月に開業して以来、ご紹介した各国の料理は110種類を超えました。
 それをすべて召し上がられたお客さまが1人だけいらっしゃいます。

と、まぁこんな数字が思い浮かびましたが、
なによりも一番レアな記録は、
ととら亭の存在そのものではないでしょうか?
こんな得体のしれない飲食店が8年7カ月以上も続いているのですからね。

これもひとえに皆さまのお蔭だと、
しみじみ思う秋の日でございます。

えーじ
posted by ととら at 17:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年10月22日

第6回研修旅行の準備 その1

先日パスポート更新のお話でちょろっと触れました今年の研修旅行。
行く先はインドネシアのバリ島に決めました。
期間は11月27日(火)から12月4日(火)まで。

かの地は僕にとってタイ(渡航6回)や台湾(同4回)と並んで馴染み深く、
これで4回目の渡航となります。
で、滞在地はとうぜん中部のウブド。

新婚さんには南部のクタやレギャン、
ヌサドゥアあたりのリゾートビーチがおすすめですけど、
僕らがあの辺をうろついたって浮くだけですからね〜。
(6月の北欧諸国では浮いていました。とても)
で、やっぱりバックパッカーはウブドなんですよ。
あそこは手頃なロスメン(安宿)や、
美味しいワルンマカン(ローカル食堂)がたくさんありますからね。
それに土地勘があるので地図なしでも歩けます。

今回は半分(以上?)休暇ですから宿はちょいと奮発しました。
王宮から1分もかからないウォーターパレス脇から、
ちょっと奥に入ったバンガロー。
まさにウブドのど真ん中です。
この宿は2015年の取材の時にもお世話になったところでして、
すこぶる居心地がいいんですよ。
スタッフはみなフレンドリーだし、中心にもかかわらずとても静か。
でもダブルルーム一泊がゴージャスな朝食付きで約5,500円(2人分)!

この街はクッキングクラスが沢山ありますから、
研修先のブッキングは来月に入ってからやります。
バリネーズの料理は美味しいんですよ。
それにヒンドゥー教の地域なのでポークだけではなくお酒もOK!
(そのかわりビーフがNG)
ここが以前訪れたジャワ島のジョグジャカルタやソロとは大きく違うところ。

オフタイムの楽しみは何と言ってもジャランジャラン(お散歩)に尽きます。
ウブドのモンキーフォレスト通り周辺は繁華街ですが、
外郭は美しい田園地帯が広がっていましてね。
そこを夕方、のんびり歩くなんて、
ある意味、今の僕らにとっては大きな贅沢なのですよ。

あ〜、やっぱりアジアはいいなぁ。

えーじ
posted by ととら at 20:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年10月19日

僕のおすすめ その3 最終回

2010年3月にともこと僕が立ち上げた『旅の食堂ととら亭』。
業種はもちろん飲食店ですけど、
思いはそれにとどまりませんでした。

むしろ僕たちの意識として一番大きいのは、
異文化へのゲートウェイなんですよ。

誰もが予備知識なしで使える、食という世界の共通言語を用い、
目の前の食卓を時間と空間を超えた地平へ繋ぐ。

そこからそれぞれの旅が始まってくれたら、
僕らのミッションは終了です。

旅には標準化された方法も定番コースもありません。
そのひと独自のスタイルで、目指すべき場所に行けばいい。

日本を旅し、世界に範囲を広げた旅人たちは、
そうしてさまざまな国々を旅していることでしょう。

そこで最終回は、ある程度の経験を積んだ旅人に、
中、南米と中東、そしてサハラ以南のアフリカをおすすめしたいと思います。

いずれの地域もすんなり旅できる場所ではありません。
おそらく、いや、ほぼ確実に、
それまで積んだすべての経験を試されるようなことが起こるでしょう。
にもかかわらず、なぜ僕がその地域をすすめるのか?

そこには、僕たちの独りよがりな常識や価値観、
甘っちょろい理想や正義感を完膚なきまでに破壊する現実が待っているからです。

多分、ある程度の経験を積んだ旅人とは、
年齢も35歳から40歳くらいになっているのではないでしょうか?
その年齢になれば、若い頃にはなかった社会的責任を背負い、
公私ともに周囲からのプレッシャーが高まっていると思います。

しかし、直面した困難を乗り越える方法は、
いかなる公共の学校でも教えてくれなかった。
いや、そもそも『ルール通り』にやっていた自分が、
今のような状況に置かれていること自体、
想像もしていなかったのではないでしょうか?

それでも、その旅人は薄々気付いているはずなんですよ。
人生の困難を乗り越える方法は、
How to本やネットの情報から得られるものではないし、
教壇に立つ先生が上から教えてくれるものでもないということを。
ただ、それを認める踏ん切りがつかないだけ。

そうした旅人のひとりとして、
僕が中、南米や中東、そしてサハラ以南のアフリカを旅して得たのは、
圧政者や搾取を身上とする資本家からではなく、
自分自身からの『解放』でした。

王道主義者にとってもっとも受け入れ難いこと。
それは、僕らが拠りどころとしている常識とは、
生まれて初めて知った社会の在り方のことでしかない、
という事実に他なりません。

もっと言えば、政治も経済も宗教もひっくるめて、
いっさいの人間の活動を包み込む文化という人工的なレイヤーには、
普遍的な真実なんてものはない。

それを突き付けてくるのが、
他ならない、いま、ここにおける僕たち人間の多様性なんですよ。

この星には、
空気と同じように土地も人間が所有できるものではないと考える文化圏がある。
国家ではなく、民族にアイデンティティを置く人々がいる。
数の勝敗ではなく、全体の同意に重きを置く人々がいる。
復讐ではなく和解を選んだ人々がいる。

おじさんになってだんだん物言いの歯切れが悪くなって来た僕ですが、
これだけは確信している、ということがあります。

それは、
心を開いた旅で得た経験は、けしてその旅人を裏切らない、
ということ。

僕は今もそれを信じて旅を続けているのです。
いってらっしゃい!

えーじ

P.S.
今回おすすめした地域はハイリスクなので、
たとえば南西アジアの国々を陸路で国境を越え、
1週間以上、ソロで旅した経験のある方向けです。
無茶はダメですよ。
posted by ととら at 15:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2018年10月16日

僕のおすすめ その2

日本をある程度まわった旅人たち。
その年齢はおおむね30歳前後になっているのではないでしょうか?
というのも、旅をするにはおカネ以上に必要なのが時間。
狭い島国でもある程度の密度で周ろうとすると、
10年くらいはすぐに経ってしまいます。
実は僕も国内から国外へシフトしたのはそのくらいの年齢でした。

で、30歳前後ともなれば、
社会人になってある程度の経験を積んだころ。
夢と希望に燃えた(最近は違うの?)若者たちもリアルな大人の社会の中で、
そうなのかぁ〜・・・となった年齢ですよね?

成長という意味では必要な段階かもしれませんが、
周囲が見えてきただけに、奥行きの想像もつきはじめる。
となると行き過ぎれば、壁に突き当たるのは必然的な結果です。

ご同輩はご存知の通り、
これを乗り越えるのはなかなか難しい。

そこで、そんな年頃の皆さんに、
旅先として僕がお勧めしたいのは北欧諸国とキューバ。

経験則から学んで突き当たった壁を乗り越えるヒントが、
これらの国にはたくさんあるんですよ。

僕たちがあたり前と思って密かに抱え込んでいる悩み。
たとえば学歴、経済状態、社会的ステータス、組織と自己の関係、
LGBTを始めとするさまざまな差別から、
マクロな話では政治や経済から宗教まで、
同じように悩み、しかし異なるアプローチで乗り越えようと試み、挫折し、
時には実際に『向こう側』に抜け出た人々が、この星には存在しています。

それをゲームやネットの疑似体験からではなく、
現地の空気に触れ、市井の人々の姿から学べたことは、
少なからず僕にとって大きな意味がありました。

貨幣経済の社会に住んでいる限り、おカネと無縁ではいられません。
でも、自分にとって本当に必要なものは何か?
そしてそれには幾ら必要なのか?
それを知ることは、心の平静に欠かせないんですよね。

僕らが売り上げの良い月だけではなく、
悪い月でもニコニコしていられる理由のひとつがここにあるんですよ。

反対にそこが分かっていないと、傍から見れば大繁盛店の店主でも、
金銭的な不安をずっと抱きながら働くことになってしまいます。

これは個人事業主に限らず、会社員でも公務員でも同じ。
自分の中に自分だけの基準を持たなければ、
隣に座っている同僚の給料や、日本人の平均所得なんて数字に、
一喜一憂するのは避けられません。

最悪は、この手段としてのおカネが目的にすり替わり、
人間にしか通用しない奇妙な数字の魔法に憑りつかれて、
かけがえのない一生を終わることになりかねない。

自分にとって大切なこととは何か?
家族やパートナーにとって大切なこととは何か?
自分が基準にしている優先順位は間違っていないか?

そうした疑問と静かに向き合うには、
北欧諸国とキューバはお誂え向きのところでした。

え? そのために何を準備をしてどんな旅をすればいいんだ?

大丈夫、英語が覚束なくても、
(キューバじゃスペイン語じゃないと通じないし)
特別な知識がなくても心配はいりません。

自分なりの問題意識と好奇心を持ったら、
あとは心を開いて旅をすれば、
おのずとあなただけの『何か』が見つかりますよ。

パウロ・コエーリョの『アルケミスト』や、
リチャード・バックの『イリュージョン』、
ジャック・ケルアックの『オン・ザ・ロード』は、
そんな旅のお話でしたよね?

えーじ
posted by ととら at 17:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記