2015年09月17日

シアタージャパンへようこそ!

一昨日は久し振りに下北沢に行き、
ザ・スズナリで風琴工房さんの「無頼茫々」を観てきました。

新聞とは?
報道とは?
民主主義とは?
そして、自由とは?

大正時代に起こった米騒動や白虹事件を縦軸に、
作・演出の詩森ろばさんが描き出す新聞記者たちの群像劇は、
レトロな背景とは裏腹に、
不気味なまでの「今日性」を持って迫って来ました。

初演が2009年5月ですから今回の再演は、
昨今の風潮を考えてのことなのかもしれません。

そう、2013年12月に特定秘密保護法が成立したように、
まさにあと数日で、
安全保障関連法案が可決されようとしています。

いや、可決されるでしょうね。
確実に。

どうして?

与党が過半数を超える議席を持っているから?

直接的にはそうなのですけど、
僕はそう思っていません。

それが僕たち日本人の、
「最も多くの民意」を表しているから。

ですよね?

だって民主主義の国でしょ、日本は。

2014年12月14日に行われた衆議院選挙の結果は、
投票率52.66%とはいえ、自民党だけで61.2%の議席をゲット!
連立を組む公明党も合わせると、その数は68.6%ですよ。
単純に計算するなら、
これはもう、あなたの自宅の向こう3軒両隣のうち、
3軒以上が与党側に投票したことになります。

ふ〜ん・・・そうなのかぁ・・・

というのが開票速報を見ていた僕の、率直な感想でした。

え?
君は朝日新聞を購読するリベラル派なのか?

あ、いや、そんな風に聞こえちゃいました?

ま、リベラルと言えばそうなんでしょうけど、
僕はアンチ自民ではありません。
彼らは彼らなりに、与党として、
いい仕事をしていると真面目に考えています。

僕が今更ながらに、そうかぁ〜・・・と溜息をついたのは、
民主主義の大きなバグについてなのです。

他のイズムに比べれば、結構いい線を行ってる民主主義も、
全ての国民にとってバラ色の社会を約束してくれるものではないことは、
誰にも説明不要でしょう。

民主主義は、端的に言うと、
最も多くの人の意見を取り入れる仕組みであって、
取り入れた意見の合理性や正当性を保証するものではありません。
「民主的」に組織された軍隊が、
「民主的」に決められた目的のために他の国で暴れまわった、
なんてことは、具体的な国名を列挙しないまでも、
近代史の中では、ありふれたことでしょう?

今、僕たちが置かれている状況は、
そうした意味で第二次世界大戦後から、
「民主的」に織り上げられた結果なのですけど、
大丈夫なんでしょうかね、実際?

その延長で付け加えるなら、
この劇場化の構造は、あまりにも陳腐過ぎやしませんか?

再び盛り上がりつつある、スターウォーズシリーズに例えるなら、

政府+与党           = 帝国軍
首相              = ダースベーダー
野党+与党の意見に反対する国民 = 反乱同盟軍

このキャスティングのなんとも分かり易い、変ちくりんさ。

日本が北朝鮮のような圧政下であるならいざ知らず、
ダースベーダーだけではなく、帝国軍の軍人は、
すべからく、反乱同盟軍の有権者による、
「民主的」な選挙で選ばれたのではなかったでしょうか?

その文脈でいうなら、反乱同盟軍の戦場は、
国会の前ではなく、反乱同盟軍兵士の自宅のご近所になりますし、
戦うべき相手は、反乱同盟軍に紛れ込んだ、多くの帝国軍シンパという、
映画のシナリオなら、ボツになりかねないオチになっちゃいます。

そう、僕がこうした舞台を客席から見ている時、
いつも気になるのが、
このダースベーダーや帝国軍に権力というフォースを与えている、
帝国軍シンパの不在なのですよ。

彼らはなぜ、舞台の上に現れないのでしょう?
そして反乱同盟軍は、
なぜ彼らが存在しないかのように振る舞うのでしょう?

閑話休題。

日本という劇場で上演されているこの大芝居。
人気絶頂の自民党が主演する二幕目のエンディングは、どうなるのか?

新聞とは?
報道とは?
民主主義とは?
そして、自由とは?

もう一度、僕たちは、それぞれが当事者として、
特に3番目の言葉の意味を、考えてみるべきなのかもしれません。

えーじ

風琴工房
無頼茫々

http://windyharp.org/index.html
posted by ととら at 14:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記