2015年11月13日

変わったものと変わらないもの

この前の定休日はデスクワークを早めに切り上げ、
夕方、かつて住んでいた文京区の小石川へ行ってきました。

懐かしかったですよ。
あれは確か、2001年から2005年にかけての4年間だったかな。
かなり老朽化の進んだ借家があったのは小石川3丁目。
東京ドームまで徒歩5分とは思えない落ち着いたところでね。
あの頃はまだ印刷の堅省堂さんも健在でした。
共同印刷さんの企業城下町的な出版の街だったので、
そこに紐づく家族経営の町工場が沢山あり、
軽快な輪転機の音がそこかしこから聞こえていたのを覚えています。

あの借家、今はどうなっているんだろう?

そう思って細い路地を入ってみると・・・

おおっ! あるじゃん!

しかし、その佇まいときたら、
殆どミニチュア版のホーンテッドマンション。

多分、僕たちが引っ越してからの約10年間、
誰も住まなかったんだろうなぁ・・・

当時でさえ2階は傾き、脱衣場の床はボヨンボヨン、
ベランダは支柱が腐食してブービートラップそのものだし、
そこかしこに隙間があるせいで屋外と室内の温度が変わらないという、
まことにサバイバルな一軒家だったのです。

残念ながら僕らのように奇特な借家人は、現れなかったのでしょう。

周辺も変わりました。
出版業界が先細りになった昨今、
その深刻な影響は、ここ小石川にも深い影を落とし、
堅省堂さんの本社と工場が移転した後は、
小さな町工場がドミノ廃業に追い込まれ、
かつて街に満ちた輪転機や本を運ぶフォークリフトの音は、
住宅街の静寂に取って代わられたのです。

また、古い商店は取り壊されてマンションや駐車場になり、
あの頃とはまた別の意味で、静かな街になってしまった気がします。

一抹の寂しさを抱いて歩いていた僕らですが、
今日、訪れたのはノスタルジーに浸る為ではありません。

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ここでコマーシャルです。

本日から15日(日)までと、
19日(木)から23日(月)のランチまで、
珍しいワインをグラスやデカンタでお楽しみ頂けます。
ご紹介するのは、

白  レバノン  (クレレット・ミュスカ・ソーヴィニヨンブラン)
ロゼ チュニジア (サンソー・グルナッシュ・カリニャン)
赤  ブルガリア (カベルネソーヴィニヨン・メルロー)

 グラス        600円
 デカンタ      1400円
 飲み比べ3杯セット 1600円

ボジョレーヌーボーもいいですが、
旅の食堂ですから、こんな楽しみ方もおつなものでしょう?
売り切れ御免ですのでお早めに!
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そう、目的は、第97回伝通院寄席!

実は僕たち、隠れ落語ファンでして。
そのきっかけとなったのがこれだったのです。

出演するのは極楽カルテットのメンバー、
三遊亭遊之介さん・桂歌助さん・春風亭柳好さん・三遊亭金也さんの四真打。

元は二つ目の勉強会からスタートしたそうですが、
僕たちが住んでいた頃に、一番若い金也さんも真打に昇進し、
今でも1,500円という木戸銭でじっくり楽しめる、
大変お得なお楽しみ。

今回は柳好さんがトリ兼前座。
絶妙なマクラから観客を引き込み、
金也さんの欠伸指南、歌助さんのそば清と続き、
仲入後に遊之介さんの堀之内、
柳好さんの人情もの、文七元結で幕となりました。

個々の噺家の達者な芸もさることながら、
お寺の書院というこじんまりした場所がまたいい味を出していまして。
本当に数メートル先で名人の噺を楽しめますからね。
寄席が定休日に当たったら、また行きたいなぁ。

さて、伝通院を出たのが20時頃。
そろそろお腹も空いて来ます。
そこで立ち寄ったのが、
これまた小石川時代によく通った台湾料理の萬盛園(まんじょうえん)さん。

春には桜の美しい播磨坂を下って左に曲がった所に・・・
あった!

このお店、美味しいだけではなく、
同業者としても一目、いやニ目を置くお店でしてね。

何が凄いって、まずはそのスピード。
週末の夜は30席前後の客席がほぼ埋まっているにもかかわらず、
まだかな? と思うことなく、じゃんじゃん料理が出てきます。
一度なんか、頼んで1分も経たずに熱々のチャーハンが出てきて、
違うテーブルの注文では?
と訝りつつも、訊いてみれば僕たちのじゃないですか。

どうやって作ってるんだろう?

それから、いつ行ってもブレていない味。
大体3人でキッチンを切り盛りしていますけど、
とにかく味が安定しているのですよ。
これはプロでも難しい。
ところが7、8年ぶりに行ってでさえ、
ああ、あの味だ、と頷けるのは流石としか言いようがありません。

ん〜・・・見習いたいですね。

今回注文したのは、
棒ギョウザ、焼売と油淋鶏、そして、じゃこの炒飯。
あの頃と少しも変わらず、とても美味しかったです。

さて、帰りは播磨坂を上って春日通りを丸ノ内線の茗荷谷駅へ。
束の間のでしたけど、
想い出と現在が混じり合う、小旅行を楽しみました。

えーじ
posted by ととら at 18:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記