2016年02月17日

第11回取材旅行 その7

早いものでエチオピアの旅も今日が最終日。
あまりに色々なことがあり過ぎて、
1週間は字義通りのあっという間でした。

南京虫の歓迎はたっぷり受けたものの、
(気前のいい僕は50回以上献血しました。)
当初気になった治安上の問題はなく、
取材はほぼ予定通りに終了。
今日は21時にホテルをチェックアウトして、
23時半のナイトフライトで南アフリカのケープタウンへ向かいます。

アディスアベバでの取材がすんなり進んだのは、
実のところ、出発前から多くの人々の支援を受けたからでした。
特に現地で僕たちの仕事をアテンドしてくれた、
エチオピア人のミキからは、料理に関する情報だけではなく、
この国の文化に肌で触れる、多くの機会をもらえたと思っています。

料理とはただ空腹を満たすだけのものではありません。
それは歴史であり、いま、ここの文化そのものでもあります。
そして、異文化という鏡を自分自身の目で見つめることは、
そこに映る自分たちの文化を、相対的に知ることにもなります。

エチオピアという鏡は、まるで万華鏡のように、
様々な角度と色で、僕の姿を映し出しました。

正直に言うと、どこから話をすればいいのか、
僕にはまだ頭の中の整理がついていません。
そこで今日は、こんなお話だけしておきましょうか。

出発前から電子メールでやり取りをしていたミキと現地で初めて会った晩、
僕らは彼の友人たちと一緒にエチオピア料理の夕食を食べていました。
料理の量は意外と多く、高度適応がまだ済んでいない僕たちは、
半分近くの量を残してしまったのです。
するとミキが、

「もう食べないのですか?」
「ああ、もったいないけど、まだあまり量は食べられないみたいだ。」
「ごめんなさいね、本当に美味しいんだけど。」
「OK、いいんですよ。」

彼はここでホールの女性を呼び、何かアムハラ語で話を始めました。
料理が下がり、会計を済ませた頃、戻って来た彼女の手には茶色い紙袋が。

「それは?」
「さっきの残りです。」
「持ち帰り?僕たちが残したものでしょう?」
「ええ、通りにいる人々にあげるのです。」

ホテルの外にはいつも5、6人のストリートチルドレンがいます。
年齢は10歳から18歳くらいでしょうか。
僕は彼らがいたのをチェックインした時から知っていました。
しかし、自分が食事をしていた時も、料理を残した時も、
僕の頭の中には、肌寒い路上でうずくまる彼らの姿はなかったのです。

料理が運ばれてきた時、
それが全部食べ切れないと、僕は分かっていたんだよな・・・
そうだろ?

「じゃ、明日、8時に迎えに来ますよ。」

そう言って出て行った彼を見送った時、
僕は自分の無邪気な無神経さに腹が立っていました。

食べきれないのが分かっていたなら、
もっときれいな状態で取り分けておけたじゃないか。
あれじゃどう見ても残飯だ。

OK、エチオピア。
もう一度最初から教えてくれよ。

こんな風に、アジスアベバでの取材は始まったのです。

えーじ
posted by ととら at 14:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記