2016年05月15日

ビンボー旅行の効能 その1

先日、旅のコストを下げる、
ナイナイトイレについてお話しましたが、

 → 旅のグレードを決めるもの

あまりお勧めできないビンボー旅行にも、
実は思わぬ効能があるのですよ。

それは「感謝の気持ち」。

特に20歳代のビンボー旅行は、
その後の人生、永きに渡って、じわっと効いてきます。

僕の場合、30歳でバックパッカーに転身するまで、
ハイティーンの頃から登山ライダーでした。
登山、キャンプ道具をバイクに積んで、
離島も含めた全都道府県を旅していたのですよ。

で、そんなことをやっていると、
どんなことが起こるのかと言うとですね、
日常生活で当たり前のことが、
「ああ、ありがたいものなんだなぁ・・・」
と、しみじみ感じるようになってきます。

例えば、舗装道路。
当時、北海道では、多くの道道(どうどうと読みます。)で、
まだ未舗装の部分が沢山ありました。
アスファルトが突然途切れてダートになると、
オフロードバイクに乗っていても、
荷物を満載している状態では、走りがかなり慎重になります。
そしてまた舗装が始まって、ホッと一息。

いやいや、ダートですら、あたら軽んじることは出来ません。

登山中、密生した細い竹林で藪漕ぎを強いられた時、
冬山で新雪が膝上まで積もった状態でラッセルしなければならなかった時、
もがきにもがいて、やっとこさ林道に転がり出ると、
「お、おお〜っ!道に出た〜っ!」
と、ひとり叫んだものです。

そしてテント泊となれば、
冬は高性能の冷房付き、夏は効率抜群の暖房付き、
水道や電気はありません。
陽が暮れれば、ランタンの火を灯し、水場まで水を汲みに行き。
食事は小さな携帯コンロひとつで作ります。

そうそう、キャンプ場であればトイレがありますけど(一応・・・ね。)、
山中の野宿だと、トイレは自分で穴を掘っただけのシンプルなもの。
景色と風通しは抜群です。

こうした状況で嵐に遭遇すれば、
強風でテントはひしゃげ、設置場所を見誤ればやがて水没し、
深夜にほうほうの体でトイレか炊事棟に避難・・・
なんてことはよくある話。

ここまでお聞きになると、
6畳2間とキッチンだけのアパート住まいで、
僕がなぜ不満を持たないのか、ご理解頂けたのではないでしょうか。

だって、小さいながらも我が家はですね、
飲める水の出る水道付き、夏は涼しく冬は暖かいエアコン付き、
本が読める明るい照明はあるし、炊事用のガスだって来ている。
その上、お湯の出るシャワーも水洗トイレもあるじゃないですか。

こうしてビンボー旅行の経験は、
その後も日常生活における様々な要求レベルを下げ、
身の回りのありふれた環境に対する感謝の念と共に、
志のとても低い僕のような人間を作り出します。

ま、こんな戯言を言う人がいるから、
日本の経済は良くならんのだ!
と、13日、都内の某高級ホテルの一室で、
安倍さんと黒田さんは嘆いていたのかもしれませんけどね。

えーじ
posted by ととら at 17:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記