2016年11月30日

第4回研修旅行 その2

マカオでのミッションは、
今年の2月に南アフリカのケープタウンで食べたペリペリチキンと、
ポルトガルがここに伝えたと言われるアフリカチキンの食べ比べ。
で、その結果は?

全然違いました。

ケープタウンバージョンは、
レモンなどの柑橘系の果汁とガーリック、
トウガラシなどがベースのペーストでマリネしたチキンのグリルでした。
ところがマカオではグリルしたチキンに豆板醤風味のトマトソースや、
エビチリ風のソースがどばっとかかっているもの。
これはこれでまぁ美味しかったですが、
はっきり言って別物です。

ん〜・・・何故だろう?

ポルトガルを源流とするマカオ版の『洋食』も面白かったです。
例えばポルトガルチキン。
どんな料理かと思いきや、
出て来たのは土鍋に入ったマイルドなフツーのチキンカレー!
茹で卵とポテトがゴロっと入るのがお約束。

ん〜・・・何故だろう?

次がポルトガルライス。

これは何と、ただのチキンライス!
いやほんと、オムライスの中身のアレです。

ん〜・・・何故だろう?

この辺はもう一度行って掘り下げてみたいですね。

ちょっとしたサプライズは昨日の晩。
何処で食べようかな〜、とぶらついていてふと目に入ったのは、
Halalの文字。

お? アラブ系のレストランかしらん?

と思って近付くと、ウイグル族の料理店じゃないですか。
しかも表のメニューに一番大きく書かれているのは、
6月の取材で訪れたキルギスでも食べたダパンジ(Dapanji)!
これは無視できません。

マカオは往々にして料理の量が多いのですが、
ダパンジも日本サイズの2倍で登場。
肝心の味は・・・キルギスバージョンと近いですね。
花山椒とスターアニス、
そしてガーリックとショウガの織りなす独特なハーモニーは、
まさしく中国とは一線を引く中央アジアの香り。
ここでこのように再会するとは思っていませんでした。

さて、今日は再び高速艇で香港に移動。
僕たちは今、
香港島のサイインプンにある高層ホテルの25階の部屋にいます。
海側の部屋なので夜景が美しい・・・

とロマンティックに言いたいところですが、
人様を見下すような高い場所で生活したことがないので、
なんか落ち着きません。

僕らにはやっぱり、
せいぜい2階建て程度のゲストハウスがお似合いなのかも。

えーじ
posted by ととら at 21:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年11月29日

第4回研修旅行 その1

日本の皆さま、こんばんは!
僕たちは今、マカオにいます。
そちらとの時差は1時間。
これなら殆ど差とは言えませんね。
今日の天気は曇り。気温は18度。
東京の10月中旬程度の陽気で、とても過ごし易いです。
風に吹かれていると長袖のシャツだけでは肌寒いくらい。

昨日は飛行機に乗るまで、
寝過ごしたらアウト!の可能性が2回ありました。
一番気を付けていたのは朝4時半起きの出発。
次が成田エクスプレスの終点ではなく、
一つ手前の「空港第2ターミナル」で下車すること。
どちらも疲労と寝不足で寝過ごすのではないかと心配していたのですが
幸い「ヤバっ!」とはなりませんでした。

9時に成田空港を出発予定だったキャセイパシフィックCX509便は、
機内整備の関係で出発が遅れたのに加え、香港国際空港の着陸渋滞で、
到着したのは定刻を40分ほど遅れた14時過ぎ。
乗継の方は焦っていましたが、僕らは時間に縛られていなかったのでのんびり。
マカオ行きの高速艇が出るまで、ちょっと遅いランチをしていました。

マカオに着いたのは19時。
高速艇に乗っていた時、途中で見た海に落ちる夕焼けは美しかったなぁ・・・
こんな風景を楽しめたのは、ととら亭を開業する前、
2009年に中南米を3カ月間、旅していた時以来ではないかしらん?

マカオの入国はパスポートを提示するだけですんなり終了。
入国カードは要りません。税関は無きに等しい感じ。
半島の東側にある外港から西側のホテルまではタクシーで10分程度の距離です。

そうそう、旅の面白さは何回行っても「初めて」の体験が出来ること。
今回もすでに2つありました。

その1。

香港国際空港でトイレに入った時のこと。
僕が歯を磨いていると、
ふたつ隣の洗面台に体格のいい黒人のお兄さんが来ました。
彼は用をたして手を洗うのかと思いきや、
いきなりしゃがむと、おもむろにスニーカーとソックスを脱ぎ、
器用に足を洗面台に入れて、じゃぶじゃぶ洗い始めたではないですか!

今までトイレで髪を洗っていた人は何度か見かけましたが、
さすがに足は初めてです。
彼は片足が洗い終わると、
ペーパータオルでゴシゴシ拭いてソックスとスニーカーを履き、
次は反対の足に。
手慣れた段取りからして、よくやっているのかもしれません。
洗面台はそれなりの高さがあるのに、なかなか体の柔らかい人です。

さて、彼が立ち去った時、僕もトイレを出ようとしたら、
初老のおじさんが彼が使ったばかりの洗面台で、
本来の使い方をしようと顔を屈めていました。
おじさんに神のご加護を。

その2。

僕らがホテルにチェックインして5階の部屋まで行こうとした時、
コントロールパネルの5階のボタンを押してもエレベータは沈黙したまま。

故障してるのかしらん?

で、隣のエレベータに行っても状況は同じ。

・・・?
2基とも故障中? それはないよね?

はたと気付いたのは、
コントロールパネルに見慣れないものがあることです。

それはカードキーのスロット。
そしてその下には、

Please insert and remove card key.
Then push floor button.
(カードキーを挿入して抜き、それからフロアボタンを押して下さい)

ほ〜、こんなセキュリティもあるのか。
勉強になりました。

えーじ
posted by ととら at 19:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年11月28日

第4回研修旅行の準備 その3

今は日付が変わって24時40分。
ととら亭からアパートへ帰って来ました。

今日は雨にもかかわらず、
ランチ、ディナー共に沢山のお客さまにご来店頂き、
お蔭さまで殆どの料理が完売となりました。
それから「いってらっしゃい」の温かいお言葉が嬉しかったです。
本当にありがとうございます。

さて、これからシャワーを浴びてパッキング。
渡航先がマカオと香港なので装備はかなり少な目です。
ささっと終わらせたらすぐ仮眠。
この前と同じく、成田エクスプレスの始発に乗る為、
4時半に起きて5時11分に野方を出発しなければならないのです。
寝過ごしたら一大事!

それでは次のお話はマカオから。

えーじ
posted by ととら at 02:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年11月27日

巨星が去り

男って生き物は単純なもので、
根はいい奴でも、
カネ、権力、女の何れかで身を持ち崩すというのは、
洋の東西、昨今を問わず、枚挙に暇がありません。

しかも、その強力な魅力を持つ3つが全て揃う国家の権力者ともなると、
引退するまで、まっとうでいるのは至難の業。

悲惨な最期を遂げたカダフィ大佐やフセイン大統領のみならず、
スターリンにポルポト、チャウシェスクだって、
最初は大志を抱き、人望も厚く、
虐げられた人々の為に戦ったナイスガイだったのでしょう。

ところが末路はあの通り。

しかし、いつの世にも例外はあるものです。

それはキューバのフィデル・カストロ。

勿論、彼とて完全無欠のスーパーヒーローという訳ではありませんが、
90歳で亡くなるまで、バチスタ政権と戦った頃の、
いや、護身用の拳銃を忍ばせて大学に通っていた頃のスピリッツを、
失くさずに持ち続けた、稀有な男だと、僕は思っています。

彼の伝記を手にすれば、
眉唾で読んでも、そんじょそこらの指導者には及びもつかない、
とてつもない人間を感じることが出来でしょう。

革命家としての栄光と政治家としての挫折。

お疲れさまでした。
今頃は久し振りにチェとハバナクラブの7年物を傾け、
懐かしい話をしていることでしょう。

Adios Fidel me Héroe! Hasta la vista!

えーじ
posted by ととら at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年11月26日

第4回研修旅行の準備 その2

僕が海外旅行に出始めた頃に比べ、
各国の旅行産業は大きく変わったと思います。
今回の渡航地、香港とマカオもそう。
初めて訪れたのは香港が返還前の1994年のこと。
まだ空港も着陸難易度が飛び抜けて高かった啓徳空港でした。

香港に行くならパックツアーに参加するのが基本の時代。
レートがイマイチの両替屋はまだしも、
買い物に興味のない人には免税店巡りは興醒めだと思いますが、
その分、安いコストでいいグレードのホテルに泊れたりしました。

ところが自由度を優先して個人旅行をするとなると、
航空券はまだしも、ホテル代がとにかく高い!
ロンドンやニューヨークほどとは言いませんが、
バンコクやカルカッタ、カトマンドゥなど、
バックパッカーが集う都市の相場で比較するならやっぱり腰が引けたものです。
勿論ローカル相手の入り組んだ雑居ビルにある旅社なら安く上げられますが、
火災などで脱出することを考えれば、選択肢に入れるのは難しいでしょう。

そこで今回もその折衷案で、スケルトンツアーに参加しようかしらん?
と思いました。

しかし、お世話になっている旅行代理店さんの回答は、
「取扱いがございません」

仕方ない。
じゃ、ある程度のコストアップは目をつぶるとして、
いつものように自分でブッキングするか・・・

で、驚いたのは、booking.com のようなホテル予約サイトを見ると、
立地のいい手頃なホテルがマカオ、香港共に結構あるじゃないですか!
へぇ〜・・・変わったもんだな。

2カ月くらい早めに押さえれば、
マカオでならセナド広場まで400メートルの場所にある、
バストイレ付きのダブルルームが1泊約6,000円、
香港はマカオ行きフェリーターミナルにほど近い、
上環の同グレードのホテルで約1泊約7,700円。
この程度なら僕らの乏しい懐事情でも予算内です。

香港を訪れるのは何と12年振り。
旅行産業だけではなく、街はどんな風に変わったでしょうね?
以前は何かと胡散臭い場所がありましたが、
バンコクなどの変わりようを思うと、
「健全」になったんじゃないかな?

はてさて。

えーじ
posted by ととら at 15:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年11月24日

困った「休憩」時間

一昨日の定休日は、
新宿の花園神社でやっている酉の市に行って来ました。
熊手を新調すると、ああ今年も冬の入り口だな・・・
という気持ちになります。

しかし今日は入り口どころか真っ只中!
雪まで降ったじゃありませんか。

積もらなかったのは幸いでしたが、
今からこんなじゃ先が思いやられます。
今年の冬はどうなるんだろう?

温暖化ガスを撒き散らしまくっているお蔭で気象が過激化し、
夏は気温が体温を超え、冬はこんな時期から震え上がる。

マクロな話からいきなりミクロな話題で恐縮ですが、
そこで問題になるのが老朽化の進むととら亭のエアコン。

寒さが厳しくなると、室外機が霜取り運転に入り、
1時間中、10分は「お休み」してしまいます。

外が寒ければ寒いほど頻繁に「お休み」しちゃう。
で、「今日は結構温かいね〜」な日は、
休みも取らず、必要以上に効いてくる。

おいおい、それじゃ逆だよ!
と言ってみてもエアコン君には馬耳東風。

最新型では改善されているのかしらん?
いや、その前に予算が問題だ。

取り敢えず2台のエアコンが動いているので、
2台同時に「お休み」されなければ、
今のところ何とかなっています。

でも、たまぁ〜にあるんですよ。
「なんか寒いな・・・」と思っていたら、
2台揃ってお休みしている時が。

ん〜・・・鍋料理でも始めようかしらん?

えーじ
posted by ととら at 18:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年11月22日

人智か運か

速いですね。
外国の友人たちから既に「大丈夫か?」とメールが入り始めました。
『あの時』と同じです。

で、僕は「ありがとう、大丈夫だよ」とレスしましたが、
その後をどう続けていいものやら、
キーボードを打つ手が止まったまま。

これをあなたは個人的にどう考えています?

「ああ、これは経験から学んだ成果だ!」

それとも、

「あの時も今回も運に救われた。3回目はこうはいかないかも・・・」

・・・・・・・・・・

自分で考えて、自分の意見を持ち、自分で行動する。

そのチャンスが、いつまでもあるとは限りません。

小さなことでもいい。
今できることをやろう。

もし、僕たちが、そう思っているのなら。

えーじ
posted by ととら at 11:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年11月20日

愉快な誤変換

ととら亭ウェブサイトのアクセスログを見るのは、
僕の小さな楽しみです。

面白いことがあるのですよ。
特に、以前お話したことのある検索文字列。

例えば、

「ととら低」

この文字列で検索した方は、
当店の経営事情に精通しているのかもしれませんね。
税務署の方かな?

「ととら停」

これも鋭い!
多分、月曜日や木曜日の夜に、店の前を通りかかった人でしょう。
「停まって」いることがままあります。
明日の夜なんて、更に雨が降るそうだし・・・

傑作なのが、「ととら帝」!
かっこいいね!
手塚治虫の漫画に出てきそうだな。

それにしても感心したのは、
「旅の食堂」や「亭 野方」でも、ととら亭がヒットしていること。

そうか、野方でXXXX亭ってのは、うちだけかもしれない。

それから「旅の食堂」。
全国的に見ても、こんなバカなことをやってるのは、
僕たちだけなのでしょう。
同業者はまずマネしようなんて思いませんからね。

えーじ
posted by ととら at 17:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年11月18日

昨日と1996年の秋

昨日のランチでご予約のお問い合わせを頂いたお客さま、
すみませんでした。
営業スケジュールには載せておいたのですが、
僕はパシフィコ横浜国立大ホールで行われた、
ダライ・ラマ法皇の講演を聴講しに行っていたのです。

30分ほどの講演は、
幸福への鍵としての共感をテーマに、
かつて本で読んだ内容とあまり変わらないものでしたが、
その後の聴講者との質疑応答は興味深かったですね。

Yes or No 型の回答を求める質問者に、
その答えは自分で探すべきであり、
彼が教えられるのは、その方法でしかないという、
極めて仏教的な対応をしていたのが印象的でした。

また質問者は日本人だけではなく、
モンゴル人や韓国人の方もおり、
突然場内に流れた言葉に関係者が顔を見合わせ、
ダライ・ラマ法皇自ら、
「え? モンゴル語を喋っているのですか? 
 誰かモンゴル語を通訳できる方はいませんか?」

こうしたやり取りを聴いていると、
言葉や文化が違っても、人間の悩みと言うのは同じなんだなぁ・・・
とつくづく思います。

敵を作り、壁を作り、敵愾心を煽ることで、
批判の矛先をかわしながら集団をまとめるという手法は、
大は国から小は小学校や幼稚園まで、
広い範囲で採用されているポピュラーなものですが、
「あいつらは俺たちと違う」という考え方は、
事実の表面を一方からみたものでしかありません。
より深い所まで降りて立体的に捉えることが出来れば、
そこにあまり違いはないのではないか?

これは宗教的な発想ではなく、
僕にとっても旅の中で教えられたものです。
とどのつまり地球人なんですよ、みんな。
あなたと僕との間にある違い以上のものが、
地球の裏側にだけある訳じゃない。

また彼の独特なユーモアを垣間見れた時もありました。

司会者が写真撮影をしないよう英語で注意したところ、
「写真くらいいいでしょう? カメラは危険物ではありませんから」
と応じたのは彼らしいところ。
すると同時に場内から、
写真アプリの音が鳴り響き始めたのには苦笑していましたが。

僕が思い出すのは1996年の秋。
チベット仏教と出会ったのは、カトマンドゥの書店でした。
そこの柱に貼ってあった一枚のステッカー。

Chinese army go home!

なんだろ? これ?

そして手にした中古のチベット仏教についての本。
帰りに寄ったカフェで、
チャイを啜りながら読んだ時のことを今でも覚えています。

僕がまだロン毛のお兄ちゃんだった頃のことでございます。

えーじ
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2016年11月16日

ボジョレー・ヌーボー…ではなくて!

この時期になるとしばしば訊かれる解禁日。
今年もフランスの新酒の季節がやって参りました。

ととら亭でも2010年のオープン以来、
何回かは面白そうなネゴシエーターのものをご紹介していましたが、
やはりライトなガメイ種のワイン。
旅の料理にはもうちょっと腰の太いワインが欲しい・・・
で、今年は趣向をガラッと変えて、

グラスもOK売り切れ御免!のポルトガルワイン特集!

でどうだ!?

昨今のワインの大御所と言えば、フランス、スペイン、イタリア・・・
それもまぁいいのですが、
ワインを作っている国は思いの外たくさんあります。

ととら亭は旅の食堂ですから、
チュニジア、アゼルバイジャン、クロアチアなど、
ちょっと珍しい国の逸品を揃えてお待ちしております。

えーじ
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2016年11月13日

錆びた民主主義

選挙権が18歳まで広げられ、
初めて行われた国政選挙が今年の7月11日。
若者たちは、どんな考えを持って投票所へ行ったのでしょうね。

野方の中でととら亭はお客さまの平均年齢が高めですから、
18歳から20歳の人と話をする機会は残念ながら殆どありません。
その所為か、僕はこの話を聞いた時、
若者たちが事前に何を教えられたのか、
とても興味がありました。

寡黙にして僕はその具体的な内容を知りませんが、
少なくとも、
この国が採用している「民主主義」という仕組みの概略は教わったのでしょう。
今や世界のデファクトスタンダードでもありますからね。

しかし、僕にはずっと前から引っかかっていたことがあるのですよ。

それは民主主義の美しさ。

特に戦中の帝国主義と相対化されて語られる時に帯びる民主主義の輝きは、
一種、熱狂的な眩しさすら感じることがあります。

確かに、封建時代から参政権が一般化する戦後まで続いた茨の道を振り返れば、
それも無理からぬことかもしれません。
独裁者や一部の組織に牛耳られた、
息の詰まる社会が未だ存在している現状を鑑みても、
(しかもすぐ近くに)
やっぱり我々の選択は間違っていなかった!
と安堵する材料には事欠かないでしょう。

と分かっていても、どうした訳か、僕はそれを手放しで喜べない。

むしろ、何か言いしれない不気味なものを感じる時があります。

若者が持つ夢と希望に水を差すのはオヤジの悪趣味ですが、
民主主義と言うのは、とどのつまり「みんなのことはみんなで決める」仕組みです。
それ以上でも以下でもない。

そして人間が作ったものから、
不完全性を全て取り除くことは出来ないという原則通り、
(作った本人が完全に不完全なのですから)
作られたものもまた完全なものではありません。
民主主義なるイズムもまた例外ではないでしょう。

たとえば議決する時や選挙の投票日。
選ぶ人たちの前に並べられているのは無限の選択肢ではなく、
ととら亭のランチ並みに少ないメニューから選ぶしかないことは珍しくありません。
しかもその中に必ず食べたい料理があるとも限らない。
選挙の場合はそれでも選ぶしかない。

もうひとつ誤解しちゃまずいのは、
民主主義は満場一致を前提としているのではないこと。
基本的に過半数を超えた人々の意見を採用するのであって、
少数派の意見は原理的に通りません。
一握りの人々の意見がまかり通ったら封建主義に逆戻りでしょう?

この点は日本で生まれて日本に住んでいる、
日本人にはピンと来ないかもしれませんが、
民主主義の多民族国家で少数民族の家に生まれた場合はシビアな問題です。
字義通りに多数決で決められたら、
自分たちの意見が多数派と違っていた場合、通る可能性はゼロなのですから。
キツイですよ、これは。

ここが民主主義のビミョ〜な点のひとつ。

そして何より僕が一番違和感を感じているのは、
民主主義への期待感です。

この仕組みには、みんなで選んだものが、
封建主義的な選択より正しいと保証する機能は実装されていません。
つまり、選択後に必ずやって来る幸福はサポートされていないのです。

でしょ?

もしそんな夢みたいな機能を民主主義が持っているのであれば、
過去10年を遡っただけでも、国内外でゴロゴロ出て来た、
とんでもないリーダーたちを、どう説明します?

近所を見たって某都知事「たち」は、
イカサマやクーデターで知事の椅子に座った訳ではありません。
どなたも公正な民主的選挙を通じて選ばれた方たちなのです。
(東京都民の皆さま! 僕たちが彼らを選んだのですよ!)

で、来年の1月20日にはトランプさんが、
世界で最も権力のある椅子に座れるようになりました。
ちゃんちゃん。

如何です? 民主主義。

良くも悪くも、こうした限界があるのです。

ともあれ若人諸君。
すべてのバグに手が付けられない訳ではないと僕は思っています。
拙い脳みそからひねくり出したそのフィクス方法は・・・

1.候補者の公約や政党のマニフェストだけではなく、
  過去少なくとも5年は遡って、彼、彼女の行動を確認する。
  口では何とでも言えますが、行動で嘘をつくことはなかなか難しい。
  ましてや5年も遡れば、かなりの精度でその候補者や政党の本質が分かります。

2.公約やマニフェストを自分の利益と言う秤だけで測るのではなく、
  より大きな、組織や社会、国と言うフレームに当てはめて評価する。
  絞った票田の利益を高らかに鼓舞するのはポピュリストの常套手段でしょう。
  外国の商売敵の製品に高い関税をかけてくれるから、
  コケても不安のない補助金をくれるから、
  大学のOBだから、同郷人だから、知人に頼まれたから、ルックスがいいから、
  こう言う理由で選ぶのはやめましょう。
  結局、小さな利益と引き換えに大きな不幸がやって来ます。

3.選挙に行く。これに尽きます。
  行かなきゃダメです。始まらない。

ま、大した効果はないかもしれませんが、
少なくともこの程度でもやれれば、
この国で『日本のトランプさん』が権力の座に就くようなことは避けられる・・・

と思いたい。

えーじ
posted by ととら at 21:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年11月11日

夢と理想の国で

一昨日以来、
トランプ大統領誕生の話でそこかしこが盛り上がっていますね。

かくいう僕も開票速報を断続的に見ていて、
数字の下馬評とは異なる動きに「ん?」となり、
トランプ票が過半数を超えた時には「マ、マジですか〜?」となった一人です。

どうなっちゃうんですかね、アメリカ。

ともあれ、よその国のこととはいえ、
今回のアメリカ大統領選挙は色々なことを考えるきっかけになりました。

その筆頭は候補者の討論会から、選挙結果が出た今日までの間で、
民主主義を否定るする動きが出ていることです。
世論調査の数字に異議を唱えた挙句、
それを選挙の正当性にまでエスカレートさせたトランプさん。
ところが逆転した結果が出ると、今度は全米規模で起こっている抗議デモ。

これが専制政治からの移行期にある国であればいざしらず、
世界に名だたる「自由と民主主義の国」で起こっているのは、
何とも示唆的なことだと思いませんか?

それから世界が地滑り的に移行しつつある、
保護主義と言うグローバリズム。
矛盾した表現になりますけど、
僕にはこれがぴったりな気がするのですよ。

イギリスがEU離脱を表明し、
低迷する経済のみならず難民問題で揺れる欧州各国。
第二次世界大戦の惨禍から学んだ教訓で、
「みんなでやって行こう!」と始めたEUの理念は確かに美しかった!

でも、異なる環境と状況に置かれ、
思考方法や価値観が異なる各国、各民族が一緒に何かをやろうとした場合、
それはどうしても最小公倍数的な内容にならざるを得ません。
違いが大きければ大きいほど、やれることも小さくなっちゃう。

で、結局、
走り始めてみたものの、ぐるっと回って元通りになってしまうのか?

今回はアメリカがそれに同調する流れを選びました。
とどのつまり、アダム・スミスの言う「神の見えざる手」にもう一回任せましょうよ!
てなオチなんでしょうかね?

反して同じ経済学のタームで「合成の誤謬」ってのがあります。
「個々の最適化が必ずしも最適な全体を実現するわけではない」っていうあれです。
これ、マクロな話じゃイメージし難いかもしれませんが、
組織で横断的なプロジェクトに参加したことのある人なら覚えがあるでしょう。

それぞれの部署がそれぞれの部署の都合で勝手なことを言って来る。
しかし、それを全部実現したら会社の利益になるどころか、
下手すると不利益になりかねない。
よくある話です。

そしてトランプさんの言う「アメリカンドリーム」。
これって何だろう?
みんながみんな第2のビル・ゲイツさんになるってことかな?

でもね、
世銀がまとめた2012年のデータを見ると、
アメリカにおける国民一人当たりの平均所得は114ヵ国中6位で384,083円/月。
日本は17位で316,058円/月。その差は月額67,980円。

所得の格差を現すジニ係数は、
ワールドファクトブック(CIA)の2013年のデータを見ると、
141ヵ国中アメリカは45%で41位。(順位が高ければそれだけ格差が大きい)
日本はもうちょいと格差が少なく、世界平均以下の37.9%で73位。

更に、一人当たりのエネルギー消費量が世界で最も大きいのはカナダですが、
2位のアメリカは人口がカナダを上回っているので、
国としては実質的に世界の消費量の1/4を占めている。

まぁ、統計を鵜呑みにするのは非常にリスキーだとはいえ、
少なくともこうした数字を俯瞰しなくても、
体感的に、アメリカ人がプアーでサハラ以南のアフリカ諸国だけではなく、
日本の方がリッチだと考えている人はあまりいないでしょう。

にもかかわらず、何が不満で、どうなりたいのか?

かつて眩しく輝いていたアメリカンドリームを可能にする社会が、
何を約束し、とどのつまり何を実現したのか、
僕はそれを考えずにはいられませんでした。

そう、このいま目の前にある現実を認めることが、アメリカだけではなく、
世界の所得平均を上回る国の人々に求められているのではないか?

そんな気がしたのですよ。

えーじ
posted by ととら at 16:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年11月01日

第4回研修旅行の準備 その1

先日取材旅行のお話をしたばかりですが、
順番が逆になってしまいました。
今月末の28日(月)から翌12月3日(土)まで、
研修でマカオと香港に行って来ます。

 →11月と12月の営業スケジュール

今年は2月と6月の取材がハードな場所だったので、
最後は楽をさせて頂こうと近場にしたのです。
香港は12年振り。マカオは初めてです。

研修は香港で受けることにしました。
今回のテーマは点心の包み方。
世界のギョーザを追いかけるととら亭としては、
その包み方のバリエーションにも精通していなければなりません。
そこで最も多様なギョーザの包み方がある中国で学ぼう! という訳です。

もう一つのマカオではちょいと休暇・・・ではありません。
これも取材です。

今年の2月に訪れた南アフリカのケープタウン。
大航海時代には列強の中継地としてイギリス、オランダ、
スペインの船が寄港していましたが、
その中にはマカオを占領していたポルトガルも含まれていました。
彼らは東洋から様々な商品をヨーロッパに持ち帰りつつ、
逆の働きもしていたのです。

その中のひとつがケープタウンで出会ったぺリぺリチキン。
中米のトウガラシがアフリカに伝わり、
柑橘系のフルーツ、ガーリックと結び付いて生まれた、
フルーティでピリッと辛いチキン料理。
これがマカオに伝わり、
その名もずばり、アフリカチキンとなって根付いたのです。
前情報によれば、ココナッツミルクや醤油など、
アジア系の調味料も加わり、オリジナルとは大分変化した様子。
この食べ比べは楽しみです。

もうひとつの調査対象がポルトガルチキン。
これもマカオ名物らしいのですが、
おそらくポルトガルには存在しない料理だと思います。

こうした例はよくあるもので、
日本では洋食のひとつに数えられているトルコライスもそう。
ドライカレーや炒めピラフにトンカツを乗せ、
デミグラスソースをかけた面妖なしろもの。
この料理の語源には諸説ありますが、
トンカツが乗っていること自体、トルコ起源とは考えにくいでしょう。
少なくとも僕はトルコでトルコライスやそれに似た料理に、
お目にかかったことはありません。

それからデニッシュ(デンマークのパン)。
日本ではバターたっぷりでリッチな菓子パンの代名詞のようになっていますが、
デンマークにデニッシュはありません。
いや、ものとしては存在していますが、
デンマーク人はそれをヴィーナーブロート(ウィーンのパン)と呼んでいるのです。
そのココロは、ウィーンから呼んだパン職人が作ったのが始まりだからとか。
(オーストリアではデニッシュと呼ばれていますが)

実はこうした例は枚挙に暇がないのですけど、
今日の本題からはそれるのでこれくらいにして、
ポルトガルチキンですよ。
どうもチキンをカレー風味のココナッツミルクで煮込んだ物のよう。
どんな味なのでしょうね?

航空券と宿は手配済です。
先日お話したバルカン半島の取材と同じく、これもかなりの低予算。
飛行機はキャセイパシフィックさんのお世話になることになりました。
キャセイさんはエコノミーでも中華の機内食が美味しいので楽しみです。
それでいて昨今の原油安に助けられて、二人で往復62,120円也!
ホテルはアジアでも有数の相場の高い地域とはいえ、
地の利のいいところでダブルルームを探し、
マカオが一泊約日本円で5,500円、同じく香港が7,000円です。

相変わらずセコイ僕たちの旅。
とまれ慣れた場所なので気分的にはとても楽です。
アジアはやっぱりいいですね。

えーじ
posted by ととら at 18:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記