2017年04月09日

ととらな本 その5

「取りあえず書いてみましょう!」

と言われてみたものの、どうしたもんだろ?

章立てが決まったとはいえ、
具体的なストーリーはまだ漠然としたままです。

文体はブログと同じでOK・・・だったな。
でもいいのかしらん?
出版社の東海教育研究所さんは大学系。
本自体はアカデミックなものではないにしても、
1人称と疑似3人称が入り乱れる僕のいつもの語り口では、
ちょっと軽薄過ぎるのでは?
ともあれ慣れた文体の方がやり易いのも事実。
じゃ、それで行くか。
で、次はボリュームだ。

本全体が260ページ前後と言うのは指定されているものの、
各章への割り振りはまだ何も決まっていません。
しかも本編は更に地域ごとに分割することになりましたが、
その文字数も未定なのです。

大まかに言って、各国それぞれのギョーザを説明するだけなら、
かなり簡潔にまとめることが出来ます。
たとえば、ととら亭のメニューのキャプションがいい例でしょう。
しかし、料理の写真と最小限のキャプションで描けるのは、
平坦なオブジェとしての料理だけ。
本のコンセプトからいって、
ギョーザを文化の文脈で捉えなければ意味がありません。
では、該当する旅の記憶を全て表現すればいいかと言うと、
それでは紙数を無視した冗長なものになってしまうでしょう。

村尾編集長は何を求めているのか?

ん〜、分からん。
こうした場合はいきなりカウンターではなく、
ジャブを打って相手の出方を見る方が良さそうだ。

そこで書き始めたのが、本編の第一話となる、
『ギョーザをめぐる旅の始まり 〜トルコのマントゥ〜』です。

さて、どんなエピソードを入れようか?

最初の打ち合わせで僕が出した意見の一つに、
この本をいわゆる無謀な旅のお手本のようにはしたくない、
とういうのがありました。

そう、お店でも時々目を輝かして訊かれるのが、
「危険なことはありましたか?」というご質問。

それはありますよ。幾らでも。

しかし僕らはチープスリルを求めて旅をしているのではありませんし、
そもそも危険は大嫌いです。
無事に帰国したからこそ笑って話せることでも、
直面している時には顔が引きつりますからね。
(場合によってはマジでビビりますよ)

そんな運に救われただけの武勇伝を開陳するより、
旅の中で人と接したエピソードを盛り込みたい。
料理とはとどのつまり、
それを作った人(文化)を抜きにして語れないものなのですから。

そこで思い当たる幾つかのエピソードを入れた、
バージョン1をフリーで書いてみました。
これは文字数で2687文字。400字詰めの原稿用紙で6枚強です。

ふんふん、こんな感じかな?

次に必要最低限までエピソードをそぎ落とし、
文章の繋ぎを修正したバージョン2に取り掛かりました。
雰囲気はととら亭のメニューキャプションに近い感じ。
文字数は1107文字となり、バージョン1の半分以下。

ここで両バージョンを村尾編集長に送ってみると、

「バージョン1の方が臨場感があっていいですね!」

OK、それじゃこの雰囲気で行きますか。

僕が次に取り掛かったのは第2話の、
『本場のおいしさとの出会い 中国のジャオズ』です。

えーじ

to be continued.
posted by ととら at 16:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記