2017年04月29日

ととらな本 その6

「ん〜・・・弱ったな・・・」

書きかけの第2章が表示されたPCのスクリーンを見つめながら、
僕は珍しく独り言を呟いてしまいました。

「・・・? どうしたの? 行き詰まっちゃった?」
「あ、いや、そうじゃないんだ。
 この前、トルコ編を入稿しただろう?
 あれをウェブでプレリリースするから写真が欲しいと、
 村尾編集長から連絡があったのさ」
「写真ならいっぱいあるじゃない」
「トルコ編ならね。でもここがないんだよ」

いま書いているのは『本場の美味しさとの出会い 〜中国のジャオズ〜』。
あの旅に出たのは17年も前の2000年9月のこと。
この本で紹介する旅の中では最も古いものです。

当時、僕はまだネクタイを締めてIT稼業に携わり、
ともこは箱根のオーベルジュでフランス料理の修業中。
渡航経験は今でこそ55ヵ国を数える彼女も、まだ海外旅行は3回目でした。
当然、旅行の目的は純粋に休暇だったのです。
(それもたった3日間の!)

また、僕はまだ高価だったデジタルカメラを持っておらず、
使っていたのは一眼レフのフィルムカメラ(ミノルタα7i)。
まさかこれで料理の写真をバシバシ撮る訳には行きません。

そんなこんなで、風景写真はあるものの、肝心なギョーザの写真がない。

もう一回北京まで行き、ジャオズの写真だけでも撮って来ようかな?
と真剣に考えましたが、予算も時間もなく、このアイデアはボツ。
仕方なく村尾編集長に連絡を取り、
第2章のみ、現物の写真なしで行く了解を取り付けました。
その代り、ビジュアルなしではインパクトに欠けるので、
ウェブリリースは共に現物写真のある、
第1章トルコ編と第3章ドイツ編に差し替えて落着。

やれやれ。

思えば僕たちの旅も当時に比べて変わったものです。
同じ外国に行くにしても、
目的が違えば装備やスタイルは別ものになりますからね。

こうした純粋に休暇で食を楽しむ長閑な旅は、
ととら亭の開業に向け、会社を辞める直前、
2008年のスペインで幕を閉じ、
次に僕たちを待っていたのは、3カ月間で中南米9カ国を巡る、
ある意味で最も僕たちらしい、トホホで感動に満ちた旅でした。

to be continued.

えーじ
posted by ととら at 14:37| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記