2018年07月05日

第16回取材旅行 その11

今はフィンランド時間19時30分。
ヘルシンキ駅のカフェからお話しています。

18日間に及ぶ今回の取材旅行も間もなく終わり。
これからヴァンター国際空港に移動し、
経由地のドーハへ向かう、
20時30分発のカタール航空QR308便で帰路につきます。
予定通り行けば、
日本時間5日の22時40分には羽田空港に着いているでしょう。

ブログが追い付かないので、
まだまだお話ししていないことが沢山ありますが、
北欧を離れるに際して手短に言えることがふたつあります。

これらの国々の料理は独自性こそ強くないものの、
とても美味しいものが多かったこと。

もうひとつが、僕たちの日本と同じく、
資本主義、民主主義国家であるにもかかわらず、
北欧の国々が社会システムではなく、
思想と価値観において僕たちとは大きく異なり、
その精神の結果が国の在り方そのものに表れているということです。

いろいろな意味で大変勉強になりました。
その辺のコアなお話は帰国後にゆっくりしましょう。
まずは遅れに遅れているビジュアルなご報告の続きをしなければ!

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僕たちを乗せた急行列車は、
定刻を1時間遅れてヨーテボリを出発しました。
車窓はオスロからと同じく、
街を出て30分もしないうちに森や湖沼に変わり、
時折、小さな街が過ぎて行きます。

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しかしダイヤの乱れからか、
急行列車は3度も30分以上停車した上に、
スピードも上がらず、結局、鈍行列車になってしまいました。
当初の約2倍の所要時間に乗客はご覧の通り。
でも急行料金は返ってこなかったな。

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やっと着きましたストックホルム!

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さすがは首都の玄関口。
ヨーテボリ駅とは規模が違います。
さて、まずは宿を目指さねばなりませんが、
今夜のホステルは20時でフロントが閉まってしまうとのこと。
列車の中からメールで連絡したところ、
『ビッグブラザー』式のチェックイン方法が書かれたレスが返ってきました。

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今回はですね、
まず入り口の右側にあるテンキーで4桁の暗証番号を入力し、
エントランスに入ります。

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次に閉まったフロントの左側にあるご覧のキーボックスに、
もうひとつの暗証番号を入力し小さな金庫状のふたを開くと、
間に合わなかった宿泊客たちのカードキーが15枚ほど入っていました。
カードキーには名前と部屋番号が書いてある紙が輪ゴムで留められており、
その中から僕のものを探してふたを閉めます。
こうしてようやく僕らは部屋の中に。

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到着日は遅くなってしまったので取材は翌日から。
ストックホルムは複数の島で構成された海辺の都市。
美しいですね。

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僕らが投宿したホステルのあるストックホルム駅周辺は、
ご覧の通りビルが立ち並ぶ大都会ですが・・・

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ちょっと裏に入ると、
こうしたユニークな形の教会を中心にした公園が幾つもあります。

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目抜き通りのドロットニングガータンを南に進むと、
そこは中世の面影を残すガムラスタンの入り口。
平日でも朝から晩まで沢山の人々が行き交っています。
国際色も豊かでマンウォッチングしていても楽しいですよ。

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短い橋を渡っただけで景色が一変します。
初めて行った時はインパクトがありましたね。

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小さな島の外周を取り巻く路地には、
お洒落な商店やセンスのいいレストランが並んでいます。
ただ見ているだけでも時間を忘れてしまいます。

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北欧に限らずヨーロッパは店のディスプレイのセンスがいいですね。
特にこうした袖看板はどれも個性的。
アジア圏でお馴染みの原色てらてらLEDピカピカ系はまずありません。
内照式の看板ですら少数派です。

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そして北側から丘を登ると王宮が街と港を見下ろしていました。
おもちゃのような衛兵の交代がちょっとユーモラス。

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そこから少し南に進むと中心の大聖堂と広場に出ます。
もう気分はすっかり中世ですね。

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広場の周辺にはレストランやカフェがたくさんあります。
この時期に訪れたのならテラス席に座りたいですね。
美味しい食事だけではなく、贅沢な時間を楽しもうじゃありませんか。
そうそう、この辺のカフェのケーキはほっぺが落ちますよ!

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ここでも指標料理のフィスクズッペを比べてみましょう。
具はほとんど同じでもスープはバリエーションが増えました。
今日入ったレストランではミネストローネに近いトマト風味。
でもアイオリ(上に浮かんでいる白いもの)を入れるとはやりますね。
ちょっとピリ辛で食欲が出ます。

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シンプルですけどこの上なく美味しい、
ハーブバターを挟んだ新鮮なニシンのパン粉焼き。
これもビールよりきりっと冷えた白かスパークリングワインが合います。
どちらもこの地域では作っていませんけどね。

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これは家庭料理のヒュッティパンナ。
ダイス状にカットしたポークやビーフにジャガイモを加えて炒め、
サニーサイドアップを乗せたスウェーデン版の炒め肉じゃが。
ボリュームあります。どちらかというと居酒屋メニューかな?

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市場の総菜売り場では面白いものを見つけました。
ほぼ中央の揚げパン風なものはピロシキです。
(正しくPIROGと書かれています。日本に定着したピロシキはピログの複数形)
ロシアの影響とこんなところで出会えるとはね。
しかしながら形がフィンランドのカレリアパイそっくりなところから、
ロシアから侵略を受けたカレリア地方に住む、
スウェーデン語話者のフィンランド人が作っているのかもしれません。
スカンディナビアの民族事情もまた複雑なんですよ。
それをこうした一つの料理から垣間見ることができます。

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さて、ランチの取材が終わったら、
ディナーに備えてお腹を空かさなくてはなりません。
それには次のレストランを探して歩くに限ります。
ここはその目的にうってつけの場所なんですよ。

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こんな美術館のような道がくねくねと続いています。
さぁ、自分だけの名所を探して歩きましょうか。

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ご覧のような抜け穴が至るところにあり、
位置関係が頭に入っていないと、
すぐどこにいるか分からなくなってしまいます。
でもこうした街でなら、すすんで迷子になりたいですね。

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なぜならこんな美術品を発見できるからです。
いかがです? ただの壁が一枚の絵画のようでしょう?

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どういう意図で作ったのか、こんな細い路地もありました。
人がすれ違うのもちょっと難しいくらいです。

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名所旧跡はガムラスタンだけではありません。
西側に位置するリッダーホルム島も絵葉書のような美しさです。

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南へ坂を下るとガムラスタンの喧騒を離れた静かな場所があります。
ここのベンチでぼ〜っと行き交う船を見る。
これもまた今の僕たちには贅沢な時間です。

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そしてその南側にあるセーデルマイム島には、
ガイドブックにも載っていない、
隠れたビューポイントが沢山あるのですよ。

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ほら、こんな路地もきれいでしょう?
こうしたところはガイドブックでもネットでも分かりません。
自分で歩いて探すのです。
それが写真より心に残る、旅の楽しさなんですよ。

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これは『ヤンソン氏の誘惑』というスウェーデン料理。
千切りにしたジャガイモと玉ねぎ、アンチョビをバターを塗ったキャセロールに並べ、
ミルクをひたひたにかけ、チーズをのせてベークします。
このレシピを聞いただけでも美味しいって確信できますよね?
食事によし、酒のつまみにまたよし。
ちなみにこの料理名の由来は諸説あり、
菜食主義者で宗教家のヤンソン氏もこの味の誘惑に勝てなかったとか、
昔から『アンチョビとジャガイモのキャセロール』と
ベタな名前で呼ばれていた料理を、
スウェーデン人作家のGunnar Stigmarkの母が、
同名の映画のタイトルからパクッた、などと言われています。

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そしてこれが今回の取材の目玉の一つ、クロップカーカ。
イモ餅によく似た生地でソテーしたキノコを包み、
茹でてからバターソースを添えて頂きます。
この何が目玉なのかと申しますと、料理名の英訳はPotato Dumplingなのですよ。
そうダンプリングといえば、ギョーザの英訳でもあります。
ではこれもまたロシアのペリメニと並んで、
ユーラシア大陸北限のギョーザの一種なのか?
僕らの結論はNOでした。
紛らわしいことにダンプリングという言葉は、
すいとんのような団子状の食べ物にも使われます。
クロップカーカは日本語でいうとイモ団子といった方が近いですね。
うん、味は美味しかったですよ!

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セーデルマイム島のレストランでディナーを食べた帰りの夕焼け。
(時刻は21時半過ぎですけど・・・)
時ガ経つのを忘れてしまいそうです。
ほんと地球は美しい。
この前もお話しましたけど、
こうした瞬間をシェアできないのはとても残念です。

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さぁ、間もなく空港に向かう列車が出ます。
僕らもホームに移動しましょうか。
次は蒸し暑い東京から!

えーじ
posted by ととら at 00:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記