2019年02月12日

僕らの星

ととら亭の仕事とは、
僕たちが現地で食べた料理の感動をシェアすること。

換言すると、それは現地の料理をアレンジせず、
可能な限り再現しなければならないということになります。

しかしながら白状すれば、
その判断は基本的に『自己判断』なのですね。
第三者が客観的に判定している訳ではありません。

だから多少ブレていても、
「まぁ、いいか、これで」と逃げを打てるのはご愛敬・・・

にはならないんですよ!

と申しますのも、旅の食堂なんて仕事は、
マーケティング戦略的にフランスやイタリアなど、
メジャーな国を対象にしてもNGでしょ?
(そうなんですよ!)

だからアフリカ、中南米、コーカサス、中央アジア、中東など、
あまり専門店のない地域を取り上げざるをえません。
(そうなんですよ!)

で、そうなるとですね、国際色豊かな東京では、
「わぁ、私の国の料理をやってるんだ!」と、
当該国の方がご来店されるのです。
しかも抜き打ちで。

先日も、一見して外国人と分かるお客さまがご来店されました。
僕もこの仕事を始めてまもなく9年。
オーダーされる時の料理名の発音で、
その言語のネイティブスピーカーか否かは概ね分かります。

いま特集しているのはポーランド料理。
その女性のお客さまは驚くほど流暢な日本語を話されましたが、
(日本語のメニューまで読めるとは!)
「ナレシュニキとその他のポーランド料理を全部」と言われた時、
『ナレシュニキ』の発音を聞いただけで僕は確信しました。

彼女はポーランド人に間違いない。

慣れてはいても、やっぱりドキッとしますね。
僕はそれとなく、サーブする度に彼女の反応を確かめていました。

ん〜・・・あの様子だとOK・・・かな?
帰り際に訊いてみるか・・・

しかし、そんな僕の心を見透かしたのか、
僕が声をかける前に彼女は、

「わたしポーランド人なんです」

「だと思ってました。
 じゃ、訊きたくないけど訊きますよ。
 料理の率直な感想は?」

彼女は可愛らしい笑顔を浮かべ、

「家に帰ったような気持ちになりました!」

ミシュランとはまったく関係ありませんけど、
この言葉が僕たちの仕事に与えられた星なのです。

ジェンクイエン!(ありがとう!)。

えーじ
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2019年02月09日

ととら亭再起動201902

ひゃあ〜、寒いですね!
東京は粉雪が舞い、気温もほぼ氷点下。

しかし、ととら亭の店内は熱気が満ちています。
取材旅行から帰った後の再起動は、とにかくやることが多いんですよ。
しかも旅行期間が月を跨いだのでペーパーワークも盛りだくさん。
というわけで、昨日からともこも僕も自分の仕事に没頭しております。

さいわい帰国日と昨日の午前中が暖かかったので、
体の環境適応はすんなりできました。
時差ボケしない体質の僕らは昨日の朝から元気いっぱい。

長旅と長距離フライトの後で疲れを取るなら、
熱い風呂に入って布団の上で体を伸ばして寝るに限りますね。
ほんと、あ〜帰って来た!って感じがします。

ただ僕の場合、頭の切り換えにはもう少々時間がかかるんですよ。
最後にいた国がエジプトでしょ?
いろいろな意味で日本とは違う環境なので、
頭のチューニングを元に戻すのはちょっと骨が折れまして。

案の定、今朝起きた時も、

・・・ん? ・・・朝か・・・まだ暗いな・・・
えっと・・・今日はどこに移動だったっけ?
バス? いや鉄道だったよな?
あれ? そもそも僕は何処にいるんだ?
そうだ、日本だ、帰って来たんだった!

こんな調子ですからね。

旅先で目覚めた時、安宿の天井を見つめながら、
自分が何処にいるのか思い出すのに、いつもちょっと戸惑います。
それがまだ終わっていません。

ただ、店に向かって歩き始めると、
気持ちがリラックスしているのを感じました。
トルコ、エジプトともに治安は悪くありませんでしたが、
やっぱり日本と比べれば安心・安全のレベルが違いますからね。
昨日お話しましたようにエジプトの道路事情は論外なので、
ちょっと朝食を食べに出かけるにしても、
日本ではしないような気の配り方をしているのです。

そういえば2月6日の外務省さんからのメールで、
(旅レジは便利ですね!)
ルクソールで発生した建物の崩壊事故を知りました。
なんでもルクソール駅の北400メートルほどの場所で、
ドロ煉瓦製の3階建ての建物が突然崩壊し、
近くを歩いていたドイツ人観光客の方が死傷したとのこと。

実はあそこ(mostafa kamel St)、僕らも取材で歩いていたんですよ。
近くにいいレストランがありましてね。
そんな訳で、とにかく歩道を歩くにしても、前後左右だけではなく、
上下も注意しなくちゃいけない。
(歩道はデコボコで、穴もあいているんですよ!)
ある意味、いつ何が起こってもおかしくありませんから。

まぁ、日本だって突拍子もない事故はゼロではありませんけど、
それでもやはり確率は全然違うと思います。
こうした肩の力の抜け具合から、
僕もだんだん頭が切り替わって来るんですね。

さて、それじゃ仕事に戻りますか。
今日からアンコールメニューが変わります。
ウェブサイトを更新しなくちゃ!

えーじ
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2019年02月08日

第17回取材旅行 その11

ただいま〜!

昨日の23時半頃、
僕らは予定通り野方まで帰って来ました。

いやぁ〜、日本はいいですね!
内外ともにいろいろ問題は山積していますけど、
総合的に考えて、いい国だとしみじみ思いますよ。
街も空港も鉄道もきれいだし、道路を渡る時に危険を感じません。

エジプトの道路には首都のカイロですら信号機がほとんどなく、
自動車は『チキチキマシン猛レース』状態。
(この例えに反応したあなたは同世代)
よって道路を渡る時は基本的に『ベトナム式』なんですけど、
ベトナムと違うのは自動車がかなりすっ飛ばしていること。

マジで怖いです。
ローカルですら「きゃあ〜!」と言いながら渡っているくらい。

ま、あきらかに外国人の僕らが体を寄せ合い、
片側3車線の道路の中央で顔を引きつらせていると、
気付いたドライバーは減速してくれましたけどね。

さて、こうして長らく旅を続けている僕らでも毎回『初体験』があります。
たとえば今回は、

・空港のバゲッジクレームで一部の人の荷物だけ、
 別の部屋のターンテーブルに出されるとは! ロストしたかと思いました。

・トルコの地方都市のローカル食堂では、
 オーダーした料理よりおまけのボリュームの方が多かった!
 ご来店のお客さまはもれなくフードファイトにご参加頂きます。

・イスタンブールのホテルでは天井のペンキが剥がれて雪のように降って来た!
 翌日、内装屋さんが来て応急修理をしてくれました。

・往路の逆を行けば帰れるとは限らない!
 ブルサ、ムンダナ間の復路は単純に『行ってこい』ではありませんでした。
 なんと同じ道を逆行するバスルートが存在しなかったのですよ。
 結局、英語が殆ど通じない状況での Ask and Go で港まで戻るはめに。

・そんなわけで道を訊こうとツーリストインフォメーションに入ったら、
 小学生の男の子が二人、ちょこんとカウンターデスクに座っていた!
 いたずらかと思いましたが、ドアの南京錠を開けて入っていたので、
 本物? なんだろうと思います。英語は話せませんでしたけど。

・アレクサンドリアでは、
 1泊ダブル3,000円台の安ホテルで朝食がルームサービスだった!

・そのホテルで前のお客さんが使ったタオルが交換されていなかった!
 僕は気付かないで顔を拭いちゃった!(うへぇ〜!)

・南西アジアの道路ではクラクションがひっきりなしに鳴っていましたが、
 エジプトの騒音はそれを超えたAC/DCのライブ級だった!
 Come on Angus! Play Highway to the hell!!

・エジプトの安宿ではいろいろな騒音で寝るのが困難になりますが、
 エレベ―ターのモーター音まで原因になるとは!
 エレベーターシャフトが開放型で機械室もむき出しなんですよ。
 工場のような場所にベッドがあるとご想像下さい。

・カイロの博物館で表裏が違う国のリバーシブル国旗が売っていた!
 友好の表現かしらん? でも日の丸とのペアはなかったな。

・カイロのレストランで支払いを済ませ、お釣りを待っていたら、
 からっぽのレシートケースを返された! コラっ!

・エジプトの安ホテルが入っている雑居ビルのエレベーターは、
 博物館級のしろものでチキンレースに使えそうなレベルだった!
 年間に何件の事故があるんだろう?
 これでフリーフォールを経験するのはゴメンだな。

・カイロ国際空港は航空会社によってイミグレーションブースが分かれていた!
 しかも航空会社によっては出国カードも書かなければならないとは。

・カイロ国際空港のビザのシールはセルフサービスでパスポートに貼り付けるとは!
 さぁ、お好きなページにどうぞ。

・エコノミークラスの機内食が3回連続でとても美味しかった!
 (スパイシーな料理が好きなかた向き)
 これはターキッシュエアラインズさんのハットトリック!

こんな風に初めて訪れた街で繰り広げられる初めての経験。
だから旅はおもしろいんですよね。(でしょ?)

エジプト編のビジュアルなご報告はもう少々お待ち下さい。

さぁ、ととら亭を再起動させなくちゃ。
営業は明日のディナーから再開です。

え? 明日の関東地方は冷え込んで雪だって?

ありゃ〜、それじゃヒマだな。

えーじ
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2019年02月06日

第17回取材旅行 その10

アッサラームアライクム!
これが現地からの最後のブログになると思いますので、
今日は二人でお話しますね。
それではまず!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ともこです。

18日間の旅だから何回か私もブログを書こう!
って思ってたのに、気付いたら帰国の直前に・・・
今回はトルコもエジプトも盛りだくさんの内容ですごく忙しかったぁ。
料理の取材対象がいっぱいあったし、訪れたい場所も多かったので、
早朝から夜遅くまで充実した毎日でした。

どちらの国でも歩いていると、よく「ウェルカム!」って、
通行人やカフェでお茶してるおじいちゃんたちが声をかけてくれます。
日本で私は外国人の旅行者に「ようこそ!」って急に声をかけたことないなぁ・・・
歓迎していることを素直に表現できる人ってステキだと思います。

帰国したら私もちょっと勇気を出して、
日本に来てくれた旅行者に声をかけてみよう!
そう決めました。

言葉が分からなくても表情や態度で伝わることって多いと思うから。
今回の旅でも私は私なりに現地の人たちとコミュニケーションが取れたと、
ささやかながら満足しています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
シュクラン(ありがとう)、ともこ!

で、えーじです。

今は12時8分。
アレキサンドリア発カイロ行き912列車のコーチ3からお話しています。
昨日と変わって今日は1等車に乗ってみました。

車内に入って驚いたのは、2等とのギャップです。
まず席が横3列しかありません。2等は4列でしたからね。
シートの豪華さやシートピッチは、
飛行機のエコノミーとビジネスの差に近いものを感じます。
その上、エアコンが効いているし(ちと寒い!)、
何よりキレイじゃないですか!
いや、もちろん日本標準に比べれば、
お世辞にもキレイとは言い難いのですけど、
2等車のボロボロ&ゴミだらけとは雲泥の差があります。
トイレは・・・ん〜、2等ほど恐ろしくはないものの、
ここは南米レベルか・・・

え? 値段なりなんだろうって?

いや、それが殆ど差がないんですよ。
昨日乗った2等のチケットは約300円弱。
で、今日の1等は約300円強だから概ねたった30円くらいの差しかない。

不思議な価格設定ですね。

そしてグレードもスペースやエアコンの有無だけではなく、
衛生環境で差をつけるとは。
多分、1等はゴミ一つ落ちていないので、
運行ごとに毎回清掃していると思いますが、
2等は1日1回くらいしかしないんじゃないかしらん?

ちなみにゴミの状態は車内だけではなく、
駅構内、ひいては街全体で悲惨な状態です。
そこいらじゅうにゴミが散乱しており、
街はずれのドブやゴミ捨て場からは腐臭が漂ってきます。
一応、公共のゴミ収集は行われているようですけど、
路面の状態だけ見ていると、
収入比率でエジプトの1/10以下のエチオピアやモザンビークあたりと、
そう変わらない気がします。
同じ北アフリカでいえば、
かつて訪れたモロッコやチュニジアの方がキレイだったかな?

車窓からはナイルデルタに広がる広大な農地が見えています。
しかしその間を張り巡らされた灌漑用水路はほとんどドブ。
ツアー、個人旅行を問わず、
エジプトの旅で体調を崩した話をよく聞いた訳が分かる気がしますね。

それで僕たちも、
今回、この国では衛生警戒レベルを南西アジアやアフリカ南部級に上げ、
生野菜、フルーツ、乳製品など、
非加熱食品はいっさい口にしていないのでした。
移動の多い旅で食中毒は絶対に避けたいことの最上位ですからね。

もうひとつ出発前から懸念された治安ですが、
両国とも僕たちが見た範囲では問題ありませんでした。
22時過ぎでも危険を感じることなく食事に出かけられましたし、
警察や軍隊に特異な動きは見られませんでした。
ただテロの標的となる観光地、行政施設、コプト教会などは、
かなりの数の警察官が警備に当たっていましたけどね。
警察官と言っても殆どが自動小銃で武装していますから、
軍隊のように見えます。

それよりエジプトで困ったのは、観光地での『客引きDJ』です。
これ、どういう方たちかと申しますと、
歩いている僕たちに小走りで駆け寄り、
耳元で「タクシー!」「ファルーカ(観光ボート)!」、
などの売り込みをDJよろしくしゃべり続けるんですよ。
しかもけっこう大きい声で。

当然、近寄ってきたら即座にノーサンキューとは言いますけれど、
そんな一言で引き下がるやわな『客引きDJ』ではありません。
とにかく大声&早口で強烈なエジプト訛りの英語をしゃべり続ける。

僕は例によって『インド作戦』で切り抜けますが、
ルクソールなどでは1日で相手にするのが10人や20人ではありませんから、
写真を撮りながら歩いている時など、
振り切り難いときはけっこう疲れます。
まぁ、この国の経済事情を考えると、
あんまり邪険にはしたくないんですけどね。

それから一般的な旅行者とのもめごとの上位は『バクシーシ』でしょうね。
これ、和訳すると『喜捨』となりますが、
要は富者(外国人)が貧者(ローカル)にお金をあげるということです。
具体的には初対面のローカルが親切そうに手短な観光案内や道案内をした後、
にまっと笑って右手の親指と人差し指をこするジェスチャーをします。

困るのは、本当に必要なヘルプをしてくれた結果ではなく、
『客引きDJ』よろしく、勝手にやってきて要らぬお節介を焼いた挙句、
バクシーシ! となるのでもめるんですよ。

そこで僕は『エジプト作戦』を考えました。

あ、やってきたな? と思ったら、
インド作戦と同じようにニカっと笑顔を浮かべ、
Yo brohter! I'm broke! (やぁ兄弟! おいらはオケラだ)
次に困った顔つきで相手の目を見つめ、
Is this a problem for you?(これ、あんたにゃ問題じゃないかい?)

これで大抵すぐに離れて行きます。
それでもしつこくついてきたら、歌うように、
I'm broke! I'm broke! No bakshishi!と言い続ければ、
さすがに「ダメだこいつは!」と思っていただけるでしょう。

ともあれ、基本的にエジプシャンムスリムは人懐こくて親切です。
(観光地の人が若干スレているのは世界共通でしょ?)
ともこも言っていたように、
さまざまな場所でこれまで何度「ようこそ!」と声をかけられたか分かりません。
(この列車に乗る前なんか駅のトイレで小用を足している最中に、
同じく横で憚り中の男性からWelcome!と言われました!
さすがに握手はしませんでしたけど・・・)

特に右掌を心臓の上に当て、
相手の目を見てアッサラームアライクムと挨拶すると、
何をするにしても、とても誠実に接してもらえます。
これ、何をしているのかというと、
うろ覚えのアラビア語で挨拶というより、相手に敬意を払っているんですよ。
人種や国籍、宗教、職業、性別、肌の色の違いに関わりなく、
世界中どこでも旅をする上で大切なのは、
おカネ以上に、目の前にいる人への敬意だと僕は考えています。

さて、いよいよこの旅も佳境となりました。
明日は21時25分カイロ発ターキッシュエアラインズTK695便で帰路につきます。

次は真冬の東京でお会いしましょう!

ともこ & えーじ
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2019年02月05日

第17回取材旅行 その9

今朝は10時にカイロの安ホテルをチェックアウトして、
鉄道でアレキサンドリアに向かいました。

今は12時22分。
僕らはアレキサンドリア行き89番列車のコーチ9に乗っています。
席のグレードは2等。片道約300円で2時間半の旅です。
車両は結構ゆったりした大きさがありますが、
かなり老朽化が進んでおり、床にはゴミが散乱してることもあって、
インドの鉄道を思い出しました。
エアコンがないので車内はドライサウナに近い状態。
加えてトイレは旧国鉄時代のそれがホテル級に思える恐ろしさ。
便器を覗けば線路がよく見えます。
そして客車のドアが開くたびに車内は公衆トイレの臭いが充満し・・・
という訳で移動中に駅弁を食べるのはお勧めしません。

2等とはいえ一応、指定席にもかかわらず、
自分の席にたどり着くのがひと騒動なのもインド級。
まず、どのプラットフォームから出るのか分からないんですよ。

インフォメーションボード?

そんなものを期待しちゃいけません。
あることはありましたけどね。
僕らの列車のフォーム表示はなし。
そこで例によってAsk and Go作戦の始まりです。

これ、正確に言うと、
Ask and Go Ask and Go Ask and Go Ask and Go.....
なんですけどね。
とにかく訊いた人によって答えが違いますから。
(間違っていても、皆さん悪気はないんですよ)

ようやく一番確度が高そうな10番ホームに辿り着いた僕らは、
ここでも複数の人に行き先を訊いて確認を重ねました。
どうやら間違っていない・・・ようです。

しかし! 列車が来ません。
いや、来ました! これかな? 時間からしてこれだろう!

そこでまた英語を話しそうな人を探して訊くと、
次の便だとのこと。

そして定刻を過ぎること40分。
隣の9番ホームに列車が息を切らせながら滑り込んでくると、
周囲の親切なローカルたちが「これだよ!」と教えてくれました。

めでたし、めでたし・・・

にはまだなりません。
次はコーチ9のシート53,54を探さなくてはならないのです。
どうしてこんなことをしているのかというと、
列車にはコーチナンバーはおろか行き先すら表示がないのですよ。
というわけで席に座るまで延々と Ask and Go を繰り返すしかない。

でもローカルの方たちはおしなべて親切ですからね。
仮に英語が通じなくても、
アッサラームアライクム(こんにちは)と笑顔でチケットを見せれば、
みなさん僕の意図を理解してくれます。

こうしてようやく僕らを乗せた列車は北に向かって出発したのでした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、それでは落ち着いたところで昨日のトルコ編の続きを再開しましょう。
今日はブルサとイスタンブールですね。

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アダナを離陸した僕らの飛行機が着陸したのは、
新設されたサビハギョクチェン国際空港の国内線ターミナル。
きれいですけど市内へのアクセスはイマイチ。
路線バスで1時間以上はかかります。

istanbulnightview02_tr.jpg

アジア側のカラキョイフェリーターミナルに着いたのは夕餉れ。
どうです、この風景? 旅情を誘うでしょう?
このフェリーは香港のスターフェリーと同じく庶民の足。
20分ほどの小旅行ですが、船内では美味しいチャイも楽しめます。

istanbulnightview02_tr.jpg

お〜、旧市街が見えてきました。
右側に見える細長い光の帯はライトアップされたガラタ橋です。
うっとりする眺めでしょう?

istanbulport_tr.jpg

エミノニュの港に着くと12年前の記憶がはっきり蘇ってきました。
だってバリックエキメッキ(サバサンド)の香りまで、
漂っているんですからね。
懐かしいなぁ。
なんか、帰ってきた〜! って感じがします。

istanbulhotel02_tr.jpg

僕たちが投宿したのはエミノニュの港から徒歩10分ほどの場所にある、
スィルケジ駅のすぐ脇。
この辺は手頃で使い勝手のいいホテルがたくさんあり、
どこへ行くにもとても便利なのです。
もちろん飲食店探しにも不自由しません。

istanbulhotel01_tr.jpg

部屋はご覧の通り東横イン級の狭さ。
しかも5階の部屋でもエレベーターはなし。
毎日いいエクササイズが無料でできます。

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翌日は歩いて懐かしのアヤソフィアへ。
どの方向から見ても端正な美しい造りですね。
対面の要塞のように武骨なブルーモスクとはまったく印象が違います。

istanbulayasofia02_tr.jpg

内部は残念ながら修復作業が行われていましたが、
荘厳な雰囲気はそのまま。
この空間にいるとイスタンブールではなく、
コンスタンティノープルにいるという気持ちになってきます。

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ガラタ橋の袂から望む新市街。
あの辺のお洒落な雰囲気は大好きです。
トレンドに敏感でお洒落なトルコ人の集う場所。

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ここからはオスマン帝国が最初に都をおいたブルサまで、
高速船なら日帰りで行けます。
アジアとヨーロッパを隔てるボスボラス海峡を航行している時は霧が出て、
タイムマシンに乗っているような幻想的なムードに。

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この街でのミッションは、
ととら亭でも紹介したイスケンデルケバブ発祥の店で、
オリジナルを食べること。
この料理、19世紀後半にメフメトウル・イスケンデル・エフェンディ氏が、
ブルサのヘイケルにある店で考案したといわれています。
ここでは今でも次男の家系の本店と長男と三男の家系の支店が盛業中で、
僕らは二手に分けれてチェックに行きました。
この写真は僕が担当した支店の方。
11時15分の時点では混んでいたものの、すぐに座れましたが、
13時頃もう一度前を通ってみたら長蛇の列が。
本店の方がずっと広いので昼時に行かれる方はそちらをお勧めします。

brusaiske04_tr.jpg

で、これがトルコ料理のひとつとして世界的に広がった、
イスケンデルケバブのオリジナル。
エキメッキを2センチ四方くらいの角切りにして皿に並べ、
その上に薄切りの香ばしいラムケバブを並べます。
そしてシンプルなトマトソースをかけて、
ヨーグルトを添えたものがサーブされるのですが、
テーブル上で溶かしバターをジュワっとかける演出付き。
味はなるほど本家の美味しさでした。
この料理は僕らも様々なところで食べましたが、
オリジナルは意外とシンプルなんですね。
ちなみにこの店、メニューはこれひとつしかありません。
いわゆる専門店です。

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さてイスタンブールに帰った僕らは次のミッションへ。
まずはこれまた懐かしのグランバザールへ行きましょうか。
ここでの目的はお店でディスプレイするアンティーク探し。
残念ながらお目当てのファティマの手や、
アストロラーベは見つかりませんでしたけど、
ぶらぶら冷かしながら歩いているだけで楽しいですね。
疲れたらお洒落なカフェがたくさんありますから、
甘いチャイかトルココーヒーで一息つきましょう。

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驚いたのがエジプシャンバザール。
きれいに改装されて土産物市場化していました。
ん〜・・・これはちょっと残念。
しかしイスタンブールは僕らの期待を裏切りません。
建物を出た脇道は以前と変わらず、
ローカル御用達の店が軒を並べて待っていてくれました。
ここでのミッションは店で使うケバブ用の飾り串をゲットすること。
これは・・・あった! それも手ごろな長さで素敵なのが!
しかも安い。いや、ともこが強烈に値切った結果ですけどね。
(もちろんともこ語で)
店員さんはやれやれ・・・って感じ。
テシェッキュレデリム!(どうもありがとう!)

istanbullocanta01_tr.jpg

イスタンブールでは大衆食堂のロカンタを中心に取材を進めました。
ロカンタとは実に僕ら向きの飲食店で、
ご覧の通り、目で見て料理を選べるのです。
トルコ語が話せなくても指さしオーダーでぜんぜん大丈夫ですから、
トルコに行った際はせひお試しを。
ちなみにとても安いです。
僕らは二人でお腹いっぱい食べて800円くらい。

istanbulmousakka_tr.jpg

何だと思います? これ。
ムサカなんですよ。
昨春のギリシャ料理特集でギリシャバージョンをご紹介しましたが、
ビジュアル的にこれは別物ですね。
でもベシャメルとポテトを除けば材料はほぼ同じなんです。
一番近い味のイメージはアラブ版の麻婆ナスかな?
発祥はアラブなのでこちらの方がオリジナルに近いと考えられます。
とろっとしたナスがとても美味しい。

istanbulsalma_tr.jpg

中東からコーカサス、バルカン半島も含め、
非常に広い範囲で食べられているブドウの葉を使ったサルマ。
この料理の発祥も料理名(トルコ語のサルマク(巻く)が語源)を考えると、
ここがオリジナルと考えられるかもしれません。
他の地域でも同じ名前で呼ばれていますので。
注意すべきは詰め物のドルマの名前が誤用されて根付いた場所もあること。
ギリシャでは同じ料理をドルマダキアと呼びます。
ちなみにドルマはトルコ語のドルマク(詰める)が語源だそうな。
味を比べると、中東、コーカサスバージョンは、
ほぼこのオリジナルに近いですね。
でも日本人の口に合うのは欧州風のギリシャバージョンかもしれません。
確かにアテネのプラカ地区で食べたドルマダキアは絶品でした。

istanbulwaterbridge_tr.jpg

イスタンブールの楽しみ方は無限です。
極端な話、ただぶらぶら歩いているだけでも楽しい。
歴史に興味のある方なら退屈はありえないでしょう。
ほらビザンティン帝国時代の水道橋が、
現代と共存しているんですよ。

istanbulgarata02_tr.jpg

最終日の夜は思い出の新市街へ行きました。
ライトアップしたガラタ塔が美しい。
入り組んだ細い路地にはストリートミュージシャンが、
それぞれのメロディーを奏でています。
中には中央アジアや南米のミュージシャンの姿も。
この街は今でも文化と人種の交差点なんですね。

istanbulairport02_tr.jpg

さぁ、出発はアタテュルク国際空港から。
予想はしていましたが、今回も後ろ髪を引かれての移動となりました。
何度訪れても興味の尽きない街ですね。
そう遠くない未来にまた来るよ。
僕らはそう言い残してカイロ行きエジプト航空MS736便に乗り込みました。
2時間半後の未来には、初めて訪れる国が僕らを待っています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

お、乗客たちが荷物をまとめ始めました。
そろそろエジプト第2の都市アレキサンドリアに到着するようです。
時刻は14時40分。お腹が空きました。
降りたらまず飲食店を探してかなり遅いランチにしましょう。
ここではもちろん地中海のシーフードがお目当て。
ホテルは・・・また安宿だからなぁ・・・静かなことだけを祈っています。
ここで一泊したら明日はまたカイロに戻り、いよいよこの旅もフィナーレか。
ちょっと寂しくなってきました。

えーじ
posted by ととら at 03:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年02月04日

第17回取材旅行 その8

日本を出発して二週間が経ちました。
僕たちは今、カイロのラムセス駅から2キロほど南を東西に走る、
7月26日通りにほど近い安ホテルに投宿しています。
例によって宿代は朝食付きのダブルで1泊約2,350円くらいですから、
内容はけして皆さまにお勧めできるものではございません。
料理の取材には地の利のいい場所なのですけど、
耳栓なくして安眠もなし・・・

ともあれ、ルクソールからカイロまでの夜行列車の移動は、
出発が1時間ほど遅れた以外は問題ありませんでした。
列車はかなりの年代物でしたが、
2人用の寝台個室は居心地もよく、
疲れていた僕らは車内で夕食を食べるなり爆睡。
車掌さんのノックで起こされたらカイロの手前1時間のところでした。

さて、大変遅くなりましたが、
今日はこの旅の前半、
トルコの中からカイセリとアダナ編をビジュアルにお伝えしましょう。

いや〜、今回は何かと忙しくて手が回らなかっただけでなく、
ルクソールでは泊まった宿がいずれもネットワーク環境がプアーで、
写真をアップロードできなかったんですよ。
引っ越しを余儀なくされた宿なんて、ほとんど繋がらなかったし。

それじゃ時間を2週間巻き戻して出発から行きましょう!

airmap_tr.jpg

今回お世話になったのはターキッシュエアラインズさん。
エアバス330系はエンターテインメントシステムが充実しており、
退屈知らずのフライトでした。
と言っても僕は映画を一本観ただけで寝てしまいましたけど。
もったいない。帰りにもう一本観よう。

airmeal_tr.jpg

僕がターキッシュエアラインズさんを気に入っている理由の一つがこれ。
エコノミーでも機内食が結構イケるんですよ。

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イスタンブールで国内線に乗り換えた僕らは、
アナトリア半島中央高原の街、カイセリへ。
ステップ気候の上、標高が1300メートル前後もありますから、
しばれかたは函館級。
機内預け荷物にコートを入れていたともこは、
雪の積もる駐機場で震えていました。

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カイセリはカッパドキアのゲートウェイとはいえ、
観光地的な要素はほとんどありません。
街の目抜き通りもご覧の通り。

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僕たちの宿がある旧市街はビザンチン帝国時代の城壁に囲まれています。
過去と現在が奇妙な形で同居しているんですね。

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でも僕らの取材に不可欠なローカル食堂と市場は充実しています。
中心部には結構大きなバザールがありました。

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ローカル市場なのでお土産物屋さんはありません。
しかしこの街のなまの生活に触れるには最適なんですよ。

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ここで取材中のともこを入れたシーンで1枚・・・
と思ってカメラを向けたら、
「なんじゃ? わしも一緒に撮ってもらおうかの」
とばかりにおじいちゃんが現れてパチリ。

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僕たちが投宿した安ホテル。

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ご覧の通りの部屋ですが、床暖房でポカポカ。
スタッフも皆さんフレンドリーで居心地はとても良かったです。

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この街に来た理由はこれ。
そう、トルコギョーザのマントゥです。
12年前にアヴァノスやギョレメで食べていたものの、
本場のカイセリは未チェックだったのです。
で、さっそくオーダーしてみれば・・・
この小ささをご覧ください。
こりゃサイズを競うアゼルバイジャンのダシュバラを超えていますよ!
味の方はどうかというと、肉があまり入っていないせいか、
ギョーザと言うよりニョッキに近い感じ。
驚きました。

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ここまで小さいと食べる方はいいけど作るのは大変です。
そう思ってたらやっぱり・・・
こうして既製品も売っていました。
でも常温で置いてあったけど肉は入ってるのかな?

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気温は日が暮れると氷点下に下がります。
そんなときは熱いスープが一番。
でもこれ、ヨーグルトのスープなんですよ。
ヤイラチョルパといいまして、
どろっとしたヨーグルトに米と豆が入り、
ミントの香りが爽やか。
これもアゼルバイジャンのドゥブガに似ていました。
あっちは香りがホーリーバジルでしたけど。

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カイセリからは料理をもう一品ご紹介しましょう。
干し肉のパストラマを使ったピデ。
熟成された生ハムのようなうま味がじわっと美味しい。
ちなみにピデは皆さまご存知イタリアのピザと同根で、
親はギリシャのピタと言われています。
場所は違いますが同じように変化したのですね。
もしかしたらビザンティン帝国とオスマン帝国の文化的交流の中から、
共通する変化が生まれたのかもしれません。

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さて、カイセリからアダナまではバスで移動します。
トルコはバス大国。この交通網はよくできていて、
街はずれに大きなバスターミナル(オトガル)があり、
中心とはシャトルバスやタクシーで結ばれています。
こうすると道路の狭い中心部が渋滞しにくくなるんですね。

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僕たちが乗ったのはこんな20人乗りのミニバン。
3時間程度の移動であれば、まぁOK。

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出発してから2時間くらいはこんな道を走っていました。
いかがです? 雪国そのものでしょう?

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アダナに着いたのは予定を2時間半以上も過ぎてのこと。
オトガルでバックパックを背負って歩き始めた時はホっとしました。
あ〜、お尻が痛い。

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アダナもまたカイセリと同じく観光地ではありません。
街の中心は地味そのもの。

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南北に流れるジーハン川は庶民の憩いの場所。
石造りの人道橋越しに望むモスクは絵になっていましたね。

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ひとつ手前の橋から写真を撮っていたら現れた若い衆。
英語は話せませんでしたけど、
ジェスチャーで「オレたちの写真を撮ってくれよ!」
で、カメラを向けたら「あ、お姉さんも一緒に入って!」
ラブリーな連中でした。
それにしてもみんな顔が濃いね。

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川沿いで出っくわした羊の群れ。
馬や牛もフツーに道路を歩いています。
いいですね、こういうの。

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僕たちが投宿したのは雑居ビルの一角にある安ホテル。
1階に入り口があり、客室はその上のフロアーとなります。
僕たちの部屋はエレベーターなしの5階。

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でも部屋はやたらと広かったです。
朝食も質素だけど僕らには十分でした。
チーズとオリーブ、そしてパンがとても美味しい。

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近くのバザールでは生鮮3品がセクションごとにまとめられていました。
地中海が近いので魚介類が豊富です。
ほとんどの魚屋さんが飲食店を併設しており、
焼き魚のいい匂いが鼻をくすぐります。
取材中じゃなかったら間違いなく入ってみましたね。

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精肉はどうかな?
と調べつつ、「すみません、写真を撮ってもいいですか?」
と声をかけたら、
「オレも一緒に撮ってくれよ!」
実はこの反応、先の魚売り場でもありました。

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ここで先日お話ししたレストランの『オマケ』をお見せしましょう。
どう思います? これ、ぜんぶ注文していないんですよ。
最後はデザートまで出てきちゃいました。降参!

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オマケの後にやってきたのが注文したラフマジュン。
アラブ風のピザともいえる料理です。
しかしこの量は・・・

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そしてこの街を訪れた目的の料理アダナケバブ。
ピリ辛でガーリックの効いたラムのひき肉ケバブです。
美味しかったですよ。どれも。
完食はさすがに諦めましたけど・・・
ちなみに以上でお代は約1,000円也。
ビジネスになるのかしらん?

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ここでも食べ終わって外から写真を撮ろうとすると、
「なんだなんだ、オレも撮ってくれよ!」
「え? なに? 写真? オレも入れて!」
となりまして。
とにかくトルコの人はラブリーなんですよ。
なんか皆さん、初めて会った気がしない。
初対面なのに「よぅ! 久しぶりじゃないか!」
ってな笑顔で外国人の僕たちに接してくれます。
嬉しいですね。

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さぁ、次はいよいよ12年ぶりのイスタンブールです。
街は変わったかな?

えーじ
posted by ととら at 08:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年02月01日

第17回取材旅行 その7


アッサラーム アライクム!(こんにちは!)

僕らは今、エジプト南部の遺跡群で知られる街、
ルクソールにいます。

ホテルの部屋の窓からは悠々と流れるナイル川が・・・
はぁ〜・・・ようやくここまで来ました。

今は7時50分。朝日に輝く西岸の風景を眺めていると、
ネクロポリスともいわれた死者の世界と現世の東岸側では、
街の雰囲気だけではなく、
時の流れ・・・いや、生きている時代まで違うような気がしてきます。

そうした意味で、エジプトは先日までいたトルコと、
気候も文化もまったく違うんですよ。
同じイスラム教圏ではあっても、
まず先の挨拶にのように言葉からして変わりますから。

こうした文化を跨ぐ旅をしていると、
移動直後に必要なのは気候適合よりむしろ文化適合です。

そんなわけで国境を越えた直後は体力だけではなく、
気力も萎えているのですが、
ハプニングはそうした僕らの事情を考慮してくれません。
時には、「早くベッドに入りたい」という、
生物学的に最低限の要求ですら受け入れてもらえないこともあるんですよ。

そう、一昨日、ルクソールに予定通り到着し、
チェックインしたホテルで僕たちを待っていたのが、
そんなオチでした。

ホテルは英語があまり通じませんでしたが、
1泊朝食付きで3,000円以下の安ホテルと考えれば、内容的には問題なし。
それじゃシャワーを浴びてさっさと寝よう!

というところで、シナリオの変更を余儀なくされてしまいました。

あ〜、うるさくて眠るどころではないんですよ。

ホテルは東西の両面が道路に挟まれ、
深夜でも暴走族仕様のバイクが爆音を上げて走り回り、
通りの反対側にあるローカル食堂からは、
スタッフたちの大声が絶え間なく響いてくるじゃないですか。

これには耳栓も効果なし。

そこで宿のスタッフに部屋を変えてもらおうとしましたが、
どちらの向きの部屋も、何らかの騒音がけたたましく、
結局、僕らが眠りに落ちたのは、騒音レストランが閉店した深夜3時過ぎ・・・

ルクソールでの活動は遺跡巡りを考えると、
朝6時前に起きなければなりませんから、
これでは体調を崩しかねません。

で翌日、
残りの宿泊をキャンセルして引っ越しとなったのでございます。
ま、宿は長旅のように直接見て決められませんので、
こうしたミスチョイスも仕方ないんですよ。

さて、軌道修正が終わった僕らは予定通り取材を続け、
今日は22時45分発の夜行寝台列車でカイロに向かいます。

次のベッドまでの旅はすんなり行くかな?

ん〜・・・そう願いたい。

えーじ
posted by ととら at 22:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記