2019年02月12日

僕らの星

ととら亭の仕事とは、
僕たちが現地で食べた料理の感動をシェアすること。

換言すると、それは現地の料理をアレンジせず、
可能な限り再現しなければならないということになります。

しかしながら白状すれば、
その判断は基本的に『自己判断』なのですね。
第三者が客観的に判定している訳ではありません。

だから多少ブレていても、
「まぁ、いいか、これで」と逃げを打てるのはご愛敬・・・

にはならないんですよ!

と申しますのも、旅の食堂なんて仕事は、
マーケティング戦略的にフランスやイタリアなど、
メジャーな国を対象にしてもNGでしょ?
(そうなんですよ!)

だからアフリカ、中南米、コーカサス、中央アジア、中東など、
あまり専門店のない地域を取り上げざるをえません。
(そうなんですよ!)

で、そうなるとですね、国際色豊かな東京では、
「わぁ、私の国の料理をやってるんだ!」と、
当該国の方がご来店されるのです。
しかも抜き打ちで。

先日も、一見して外国人と分かるお客さまがご来店されました。
僕もこの仕事を始めてまもなく9年。
オーダーされる時の料理名の発音で、
その言語のネイティブスピーカーか否かは概ね分かります。

いま特集しているのはポーランド料理。
その女性のお客さまは驚くほど流暢な日本語を話されましたが、
(日本語のメニューまで読めるとは!)
「ナレシュニキとその他のポーランド料理を全部」と言われた時、
『ナレシュニキ』の発音を聞いただけで僕は確信しました。

彼女はポーランド人に間違いない。

慣れてはいても、やっぱりドキッとしますね。
僕はそれとなく、サーブする度に彼女の反応を確かめていました。

ん〜・・・あの様子だとOK・・・かな?
帰り際に訊いてみるか・・・

しかし、そんな僕の心を見透かしたのか、
僕が声をかける前に彼女は、

「わたしポーランド人なんです」

「だと思ってました。
 じゃ、訊きたくないけど訊きますよ。
 料理の率直な感想は?」

彼女は可愛らしい笑顔を浮かべ、

「家に帰ったような気持ちになりました!」

ミシュランとはまったく関係ありませんけど、
この言葉が僕たちの仕事に与えられた星なのです。

ジェンクイエン!(ありがとう!)。

えーじ
posted by ととら at 12:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記