2019年02月16日

第17回取材旅行 その12

トルコ・エジプトの取材旅行から帰って1週間。
これだけ時間が経てば、僕の頭もすっかり日本に切り替わって・・・

いないようです。

いや、さすがに起きている時は戻っているのですけど、
夢の中ではまだ時々エジプトにいるんですよ。

あれ? 次の列車は何時発だろう?
出発ホームは? 困ったぞ。これを逃したら次はないのに。
誰かに訊いてみるしかないな。
あの〜、すみません!

ってところで今朝、目が醒めました。
ん〜、エジプトでの移動は骨が折れたからな。
それが意識の片隅に残っているのかもしれません。

それではまだ記憶に新しいドタバタのととらな旅を、
ビジュアルにお伝えしましょうか。
エジプトもトルコと同じくボリュームがありましたから、
今日はまずルクソール編からお話しますね。

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カイロで入国審査を済ませた僕らは国内線に乗り換えてルクソールへ。
駐機場に出てその涼しさにびっくり。
Tシャツではちょっと肌寒いくらいでした。

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ルクソール空港は国際便も発着していますが、
到着時間が遅かったせいかガランとしていました。
そういえばここでもトルコと同じく、
僕らのバックパックが出てこないじゃないですか!
おいおい、と思って訊いたら、国際線を乗り継いだ乗客の荷物は、
国際線ターミナルのバゲッジクレームに出てるんだって。

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初日に泊った駅にほど近い安ホテルはあまりの騒音で眠れず、
1泊だけしてナイル河沿いの静かなホテルにお引越し。
ここの料金は安ホテルの3倍ほどで日本円にして7,000円くらいでしたけど、
安眠できるだけではなく、ロケーション、朝食、部屋ともに、
今回の旅の中で最高でした。
たまにはこういうのもいいね、うん。

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ほ〜ら、部屋もこの通り!
え? 皆さんがツアーで使っているホテルでは当たり前?
ん〜、そうでしょうねぇ。うらやましい。

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引っ越しを終えた僕らはさっそくルクソール駅まで行って情報収集です。
しかし駅前のインフォメーションは閉鎖されてるじゃないですか!
あちゃ〜・・・

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ところがどっこい駅中のインフォメはまだ健在。
ご覧の神殿風の建物はルクソール駅です。
英語を話す親切なスタッフさんがとても丁寧に教えてくれたので、
料理の取材場所や治安の状況だけではなく、
遺跡を周る方法や、タクシーや馬車など要交渉の料金相場も分かりました。
シュクラン(ありがとう!)。

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駅を出て移動方法を考えていたら、
ローカルの女の子たちが声をかけてきました。
お互いの共通言語がないので会話は出来ませんでしたけど、
ジャスチャーからして「一緒に写真を撮りましょう!」かな?
で、やっぱりそうでした。みんな、かわいいね。
トルコと同じくエジプトの人たちも、とてもフレンドリーです。

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それじゃまずカルナック神殿まで行きましょうか。
短距離であればこうした馬車が便利です。
約4キロメートルほどの距離を交渉して約180円で手打ち。
もうちょっと落とせましたがとても感じのいい方だってので、
ハードネゴはなし。
御者はおじいちゃんと小学生くらいの男の子のペアでした。
小さいうちからこうして仕事を覚えているんですね。
チャイルドレイバーは深刻な社会問題ですけど、
おじいちゃんに尊敬の眼差しを向けるお孫さんを見ていると、
そこには日本で失われつつある年配の人への敬意が感じられました。

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聖なる池側から遠望したカルナック神殿。
多くの部分が失われたとはいえ、時間を超えた威厳が感じられます。
往時はさぞ美しい建造物だったのでしょうね。

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宝物はすべて博物館に移動されていますが、
随所に残る彫刻やレリーフは、息を飲む完成度を持っています。
なにしろこれが3500年前の作品なのですから。
すごいね人類!

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内部のディティールを細かく見ていると時間がいくらあっても足りません。
シャンポリオンが解読するまでこのヒエログリフも謎の文字だったんですよね。

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ここ1000年くらい前に作られたなら「ふぅ〜ん・・・」って感じにもなりますが、
この精巧な幾何学的建築物を3500年前の人々が実現したのかと思うと、
何か人類の底力みたいなものを感じますね。

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料理取材も初日から全開です。
まずはエジプトの国民食ともいえるコシャリから始めましょう。
これ、究極的な炭水化物の重ね食いともいえるファーストフードでして、
マカロニ、ヒヨコ豆、レンズ豆、米、
フライドオニオンをビビンバよろしくパパッと混ぜ合わせ、
ガーリックの効いたトマトソースをかけて頂きます。
コシャリ屋はたいていこれだけやってる専門店なので、
日本で例えるなら牛丼屋さんでしょうか。
サイズもSMLが選べたりします。(特盛はなかったな)
各素材の食感の違いに意外な面白さがあります。

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エジプトはアラブ文化圏なので、
ここでもトルコと同じくムサッカを試してみました。
内容的には先のそれとほとんど変わりませんね。
ということは、トルコはアラブのオリジナルをほぼ忠実に再現しており、
大きな変化はギリシャで起こったということになるかな?
ん〜、次は本家のアラビア半島で食べてみなくては!

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そしてアルコールがご法度のイスラム教国で飲み物と言えばチャイです。
トルコではロシアのサモワール式で、
2重の円筒形ポットの内側に濃い紅茶、外側にお湯が入っており、
ふたつある蛇口からそれぞれをカップに入れて濃度を調節します。
ここエジプトではポットかカップ単位で個別に淹れていました。
何故かリプトン製のティーバッグが多かったですね。
イギリスの植民地だったからかしらん?

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翌日は早起きしていよいよエジプトでのハイライト、
ルクソールの西岸側へ出かけましょう。
まずは出発前に、お約束のナイル河タッチ!
朝の水はびっくりするくらい冷たかったです。
エジプトは南部と北部で高低差が殆どないため、
ナイル河の流れもゆったりしていました。
川岸から見ているとどちらの方向に流れているか分からないくらいです。

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おお、対岸では熱気球が上がり始めましたよ。
いいなぁ。
僕らは対岸へ渡るフェリーターミナルまで行く間に、
声をかけてきたタクシードライバーと15時までのチャーターで料金交渉。
先にツーリストインフォメーションで訊いておいた、
相場の底値(約1,200円)で手打ちにしました。
ん〜・・ちょっとがっかり・・なドライバーさんでしたが、
昨今のインフレを考えても悪い金額ではなかったと思います。

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ナイル川西岸はかつてネクロポリス(死者の街)と呼ばれ、
あまり人が住んでいなかったせいか、
今でも生活の中心は東岸側です。
河沿いから少し西側に入るとこんな打ち捨てられた集落がありました。

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だけど人も住んでいます。
農地の他、仕事はほとんど東側なので、
ナイル河のフェリーボートは朝、西から東行きが大混雑。
僕らは逆でしたからガラガラでした。

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さぁ、道路沿いにあるメムノン巨像から、
少し奥まったディール・イル・マディーナを周り、
ラムセス3世の葬祭殿へ。
数ある見どころを効率よく、かつ楽に周るには、その順番が大切です。
キーは太陽が昇って暑くなる前に、屋外を歩く遺跡を訪れ、
暑くなってからは王家の谷など、屋内を中心に見学すること。
ちなみに僕らは最初、地図を見る限り、
王家の谷からハトシュブスト女王葬祭殿まで歩いて行けるんじゃないかしらん?
と思っていましたが、これは無謀な試みでした。
費用を節約するためにレンタル自転車を借りるという手段もあるそうですが、
これも土地勘があり、よほど体力のある方以外はお勧めできません。
タクシーをチャーターするのが無難です。
また各遺跡のチケットを購入する場所が、当該遺跡の入り口だったり、
まとめてチケット売り場で買う場合があったりと分かり難いので、
事前に調べておいた方がいいでしょう。
さらに墳墓によっては別のチケットが必要な場合や、
カメラの持ち込みが別料金の時もあります。

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ラムセス3世葬祭殿の北側に広がる廃墟。
建物は泥煉瓦で造られています。
3000年以上前のものですが、この工法は今でも使われているんですよ。
僕たちがカイロに移動していた2月5日、
ルクソール駅の北側でそうした3階建のビルが崩壊し、
大きな事故となっていました。
当時もそうしたことはあったんでしょうね。

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荒涼とした谷合に点在する王家の墳墓群。
別料金で入る有名なツタンカーメンの墓は、
彩色壁画の色も鮮やかで、保存状態の良さに驚きました。
黄金のマスクなど副葬品は博物館に保存されていますが、
発見者ハワード・カーターの意向で、
ミイラはここに戻っています。
個人的には展示されること自体、
ちょっとかわいそうな気がしましたけど。

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これは写真撮影が許可されているサプタハ王の墓で撮ったもの。
石棺が納められた部屋は、かなり掘り進められた通路の奥にあり、
そこに至るまでの壁面にはご覧のような、神々の物語や、
個人のバイオグラフィーが描かれています。
ちなみに墓にはそれぞれ番人のような人がおり、
入り口でチケットのチェックをしていますが、
『なんちゃってガイド』になることもあります。
当然、話し終るとバクシーシになるのでご注意を。

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遺跡間の道路をタクシーで移動していて、
徒歩は言わずもがな、自転車で周るのも現実的ではないな、
と心から思いました。標識が殆どないので道も分かり難いですしね。
さて、この巨大な建築物はハトシェプスト女王葬祭殿。
権力を誇示したいという人間のエゴが原動力だったとはいえ、
重機はおろか鉄器すらなかった時代に、
ここまでそれを実現した技術と執念は脱帽ですね。

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西岸でお世話になったドライバーのカレーさんと。
観光地では何かとトラブルの絶えないエジプトのタクシーですが、
彼はとても誠実な方でした。
安値で仕事を請け負い、
支払いの時にひっくり返してくるケースが多いんですよ。
ま、そんな時はインド作戦でフェードアウトしますけど。

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西岸からの戻りは15時過ぎ。
朝から歩き詰めで結構草臥れました。
川面を渡る風が気持ちいい。
のんびり行き交うファルーカを見ていると、
東岸ですら別の時代のような気がしてきます。

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ルクソール宮殿の東側には市民の憩いの場でもある広場があります。
モスクの入り口もここに面しているので終日賑やか。
日曜日にはお弁当持参でピクニックの家族の姿もありました。

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ウサギのローストとモロヘイヤのスープ。
これはエジプト料理の鉄壁コンビなのですよ。
ウサギは淡白な鳥肉に似た味。
パリッと香ばしく焼けていてとても美味しい。
でも僕たちの取材対象は脇役の方なのですよ。
モロヘイヤはエジプト原産とも言われており、
その所為かマグレブやアラビア半島の国々では、
ほとんど見かけた記憶がありませんでした。
ガーリック風味でとろみのついたスープが胃に沁みます。

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これはカモニアと呼ばれるエジプト版のビーフシチュー。
じっくり炒められた玉ねぎのコクとクミンが香るトマトベースのシチューに、
柔らかいビーフがゴロっと入っています。
これとエイシュ(エジプト版のピタパン)でもうお腹いっぱい!

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さて、料理の取材と遺跡巡りが終わりホッと一息ついたところで、
今回の旅のご褒美です。
それは・・・ナイル川で夕陽を眺めながらビールを飲むこと!
このシチュエーション、たまらんです。
生きててよかった!
ビールはステラ。すっきり切れのいい味わいでこうした気候にぴったり。
コクのあるビールが好きな方にはサカラをお勧めします。
どちらもゴキゲンですよ!

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美しい・・・説明はいりませんよね。
ビールを飲みながら、ぼ〜っと太陽が沈むのを見ていました。
こうした時間の過ごし方に、
旅の歓びのすべてが凝縮されているような気がします。

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ルクソールスーク(市場)で土産物屋を冷やかした後は、
ディナーのレストランへ。
中ほどに入り口の見えるJAMBOREEは僕たちのお気に入り。
ルクソール滞在中に数回通いました。
料理が絶品だっただけではなく、
ここのホールのおじいさん(笠智衆さん似)はとてもいい人だったんですよ。

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このレストランの一押しはフィッシュタゲン。
タゲンはモロッコから伝わったタジンが転訛したものですけど、
チュニジアではスパイシーキッシュに変身し、
さらにエジプトでは鍋焼きシチューとなっていました。
クミンの香りとシーフードの組み合わせが意外でしたね。

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エジプトにも外資系ファーストフードは入っています。
僕らが確認したのはマクドナルドとケンタッキーフライドチキン。
しかし所得(平均で日本人のほぼ1/3で格差大)を考えると、
どちらも『安い』店ではありません。

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食事が終わり、ホテルへの帰り道で、
ライトアップされたルクソール神殿を外から見ました。
日中に中には入りましたけど、こうして眺めるのもいいですね。
治安がいいのでこの時間に歩いていても怖い感じはまったくしません。
人通りも多いですしね。

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せっかくいいホテルに泊まったのだから楽しまなくては!
これはベランダから見たナイル河の夜景です。
夕陽を眺めるのもそうですが、
こうした地味な時間の使い方が僕らは大好きです。

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さぁ、夜行列車でカイロへと向かいます。
これは機内食ならぬ車内食。
寝台列車には夕食と朝食が付いているのですよ。
お味の方はご愛敬ですけど、二人用の個室は居心地も良く、
ここでもちょっと優雅なひと時を過ごせました。
ちなみに料金はernstのウェブサイトから直接購入して、
ひとり約8,800円です。
日本の旅行代理店を通すと13,000円前後だったかな?

eg_train01.jpg

ゆっくり眠れた僕らは室内にある洗面台で顔を洗ってさっぱり。
朝食のパンとコーヒーが美味しかったです。
さぁ、あと1時間でカイロのラムセス駅に到着だ。
準備を整えなくては!

えーじ
posted by ととら at 17:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記