2019年06月19日

第18回取材旅行 その2

ハルビンは中国最北に位置する黒竜江省の省都。
日本でいうなら札幌に相当すると思いますが、とにかく大きい。
とても地方とは思えない規模です。

その印象を増幅しているのが街の作り。
そもそもただの漁村だったところを都市化したのがロシアだったので、
ベーシックな造りはアジアというよりまさにヨーロッパ、
それも何かと建物や道路、区画を大きく作る社会主義仕様なのですよ。

普通の道路ですら片側3車線は当たり前。
建物は四角く巨大で仰々しい。
なんか人間が小さく感じます。

こんな風景どこかで見たな、と記憶をたどれば、
それはカザフスタンのアルマトィやアルメニアのエレバン、
そしてご本家のサンクトペテルブルグでしょうか。

そんな訳で、ちょっと2ブロック先まで行くにも、やたらと距離があり、
道路を渡るのもちょっとした気合が要ります。

英語はやっぱり通じませんね。
いま泊っているホテルですら、
フロントでも英語で話しかけるとスマホをかざしてきます。
なんだろう? と思って見たら翻訳アプリが起動していました。
「これに向かって話して」っというわけですね。

でもさぁ、
予約サイトでは使える言語が中国語と英語ってなってたんですよ。
人間のナマのスキルではなく、からくりものまでカウントするのなら、
それこそ『全言語対応』くらい謳っちゃえばいいんじゃないかい?

む〜、そこで頑張る僕のなんちゃって中国語ですが、
今のところコミュニケーション成立率35パーセントくらい。
練習しなくちゃ!

さて、午前中は重要なミッションがありまして、
ウェブ経由で購入しておいた鉄道チケットの受け取りに、
ハルビン駅北口まで行ってきました。
ここで興味深かったのは、ローカル同士のやり取りです。

日本でも中国人観光客の『マナーの悪さ』が指摘されて久しくなりましたけど、
ここで気を付けなければならないのは、
マナーとは純粋に文化的なものであるということです。
つまり世界にはさまざまな文化があるように、
ワールドスタンダードなんてものはありそうでない。
事実、ほんの数時間前に僕らがハルビン駅で見た光景は、
ある意味、日本はもとより、ほかの国でもあまり見かけないものでした。

僕がインフォメーションカウンターの前で並び、
自分の番になってさぁ話そうとした瞬間、
50歳代と思しき女性に横からどすんと押しこまれ、
力技で横入りされたのです。
そしてそれを目の前で見ていたインフォメーションの女性は、
何事もなかったかのように、その女性の質問に答え始めました。

なるほどね〜、この辺はまだ変わってなかったか。
でも、一応列があり、横入りは『たまに』ですから、
列すらなく、カオスにしか見えなかったインドの鉄道チケット売り場より、
だいぶ旅がしやすいと思います。
(ま、それも15年くらい前の話ですけど・・・)

次はチケット売り場で並んでいた時。
隣の列の様子を見てたら、
日本でなら大クレームになりそうなことが普通に繰り広げられていたのです。

乗客が列に割り込むならスタッフも負けちゃいません。
窓口のスタッフが相手も見ずに、
チケットやお金をポイっと投げてるじゃないですか!
ところがここでは「おい、ちょっと待てよ! なんだその態度は?」
なんてことにはなりません。
投げられたお客さんは何事もなく、
お金とチケットを受け取って去って行くのです。
あ、もちろん、この間どちらもスマイルなんてなし。

この観察は興味深かった!

で、僕の番になったので、
試しにローカルとは違うアプローチを試してみたのです。

「ニイハオ!」(これは100パーセント通じます)

僕は『笑顔』で『明るく』窓口の女性スタッフに挨拶してみました。
これまでまったくと言っていいほど、
お客さんに顔を向けなかった彼女がはっと僕の方を見ました。

よ〜し。

次はともこ語の要領で、
「トリップドットコム! トリップドットコム!」
(この中華系旅行サイトで鉄道チケットをブッキングしたのです)
次にメモ帳に書いた5路線分の予約ナンバーとパスポートを見せました。
すると彼女は頷いて、それらを受け取ろうと手を伸ばしてきたのです。

すべてのチケットを受け取った後、
僕はまた最初と同じように「謝謝!」
ここで彼女はようやく、はにかむような笑顔を浮かべたのでした。

そう、それが見たかったんだよ。

彼らには彼らのやり方があり、僕には僕のやり方がある。

自分が今いる文化圏でNGにならないなら、
僕は基本的に自分のスタイルで振舞っています。
そう、それはもちろん、日本の文化をベースにしたもの。

明日は午前中にローカル鉄道で吉林省の省都、長春に移動します。
この移動中もまた、とてもいい観察の機会に恵まれることでしょう。
それではおやすみなさい。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 22:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記