2019年10月01日

高税率は悪なり! ・・・かな?

10月10日(木)から始まるスウェーデン料理特集。
料理を再現し、オーダーラインを作るという、
ともこのパートはおおむね目途が立ちました。
ここからバトンは再度、僕の方へ。

そこでキャプション書きを始める前に、
もう一度、取材ノートや資料を読み返していたのですが、
スウェーデンのみならず、北欧5カ国は、
いろいろな面で、『先進国の中の先進国』なんだよな・・・
という思いをあらたにしました。

以前、このブログでもお話しましたように、
北欧の国々は、よく知られた福祉のみならず、
環境、経済、政治、教育、人権など社会の基本を成す部分で、
だいぶ僕らをリードしているように見えます。

その結果の一端が、
世界幸福度ランキングの上位を独占する形にも表れていますが、
こういうことを言うと、
「だって税金が高いんでしょ?」と眉をひそめる人もいますよね?

確かに高いです。
消費税(付加価値税)に限って言えば、

スウェーデン  25%
デンマーク    25%
ノルウェー   25%
アイスランド  24%
フィンランド  24%

ほぇ〜・・・

これは当然、物価にも反映されており、
卑近な例では、ととら亭の取材予算で比べると、
北欧旅行1回につき、東南アジアであれば3回以上行けます。

しかし、当のローカルには
日本比較で平均1.2倍はある(ノルウェーは1.7倍!)、
平均収入が後ろ盾になっており、
重税にあえいでいるという印象はありません。

むしろ誰もが支出を迫られる教育や医療、
可能性の高さで言えば子育てや介護などの費用が、
税の一部で先払い的に確保されているので、
個人的にやりくりする必要が基本的にない、
安心感のアドバンテージが高い。

ここではたと思うのですよ。
日本との税率の差は今日の時点で15パーセントでしょ?
その差から享受できるサービスって、
逆にすんごく割安だと思いません?

もちろん、この手厚いサービスは、
消費税だけで賄われれているわけではありません。
これに加えて強烈で抜け道のない累進課税制度も動いています。
だから財源を確保するだけではなく、
別の文脈で社会問題化することの多い収入格差もずっと少ない。

全国間税会総連合会の
『世界の消費税(付加価値税)152ヵ国』平成30年4月版を眺めていると、
消費税率が1桁台というのは、
152ヵ国中、日本を含むたった9カ国しかありませんでした。
ほとんどは20パーセント前後なのですよね。
そしてその顔ぶれを見ていると、この程度の税率(つまり財源)では、
貧困、犯罪、衛生、教育など、
未解決の社会問題を抱えた国がだいぶ混ざっている。

しかし、24パーセントを超えると、
クロアチア、ハンガリー、ギリシャを除けば、
自他ともに結果を出していると認められるメンバーが揃っているじゃないですか。

旅を通して自分の目で見たその国の様子と、
こうした一般情報を重ね合わせてみて、
僕が何を言いたいのかと申しますと、

高税率というのは必ずしも国民を苦しめるものではない。

ということ。

税は日本の庶民的イメージとして年貢に結び付き、
強欲領主と苦しめられる民という、
ステレオタイプの対立構造を想起させるのかもしれませんが、
いまさら封建主義ではないのだから、
そのへんはもうちょっと民主主義を評価してあげてもいいのではないかしらん?

現実的な財源と、フェアなその運用。

自滅的ポピュリズムに陥ることなく結果を出すキーは、
そのへんにあるのではないかという気がしてきました。

で、その観点に立つと、
消費税率10パーセントと今の累進課税率で得られる程度の財源で、
何をどこまで出来ると思います?

ん〜・・・

消費増税に伴う議論のベクトルが、
僕はにちょっとぶれているように思えるんだけどな。

えーじ
posted by ととら at 12:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記