2019年11月29日

第7回研修旅行 その4

ヴぃ〜ぃ〜ぃ〜ぃ〜!
ヴぃ〜ぃ〜ぃ〜ぃ〜!

な、なんだ?

ヴぃ〜ぃ〜ぃ〜ぃ〜!

え? 火災警報?

「な、なにこれ? どうしたの?」

ぐっすり眠っていた僕らは未明の警報音でたたき起こされました。

「火災警報だ。起きて、貴重品をまとめて」
「うん!」
「僕は外の様子を見てくる」

手早く服を着て靴を履き、
ドアにそっと手の甲を当てると・・・

大丈夫だ。熱くない。
ってことは廊下は燃えてないな。

次はゆっくりドアを開け・・・

煙はないし焦げた臭いもしない・・・
ここは6階だったな・・・
なら火災は7階以上か、閉鎖された部屋の中か・・・
とりあえず様子を見ながらフロントまで行ってみよう。

僕はゆっくり階段を降り始めました。

4階・・・3階・・・2階・・・

グラウンドフロアまで来ると、
フロントの裏手にあるレストランでは朝食の準備が進められています。
僕はフロントデスクに近づき、

「火災警報がなりましたが大丈夫ですか?」
「え? 何階ですか?」
「5階です」
「ああ、5階でも鳴ってしまいましたか!
 大丈夫、あれはFalse Alert(誤報)です」
「では危険はありませんね?」
「ええ、すみません。お騒がせしました」

「どうだった?」
「ああ、大丈夫、誤報だってさ」

僕はテラスに出て外から各階の様子を見てみました。

煙も炎もなし・・・か。

対面するマンションのベランダでは、
外を見ながら早起きの老人がのんびり煙草を吸っています。

彼も何かに気付いた様子はない。
どうやら本当に誤報のようだな。

「ところでいま何時?」
「えっと、もうすぐ6時」
「やれやれ、目が覚めちゃったな」

こうして幕を開けたベイルートでの2日目。
僕らは旅行中でしかない、ゆっくりした朝食を楽しみ、
昨日下見しておいた観光庁へ向かいました。
ところが・・・

「はぁ〜、やっぱりな」
「ツーリストインフォメーションは開いてないね」

室内をのぞき込むと什器や資料が散らかっており、
さながら夜逃げしたテナントです。

仕方ない。
ダウンタウンに向かって進みながら旅行代理店を探すか。

ほどなく僕らは警備にあたる警察官や軍人の姿に気づきました。
それも進むにつれて数が増えてきます。

なるほど、反政府デモの中心地はダウンタウンの広場だったな。

しかし警察官や軍人の様子から緊張感は見て取れません。
むしろのんびり談笑しているではないですか。
ならば一番治安の情報に詳しい彼らに訊いてみるか。
僕はニカっと笑顔を浮かべ、

「やぁ、皆さん、こんにちは!
 どなたか英語を話す方はいらっしゃいますか?」

突然現れた東洋人に面食らった3人の警察官は、
フランス語で応えてきました。

「すみません、フランス語は話せないんですよ」

するとひとりが偶然通りかかった女性に話しかけ、

「あら、こんにちは、どうしたのですか?」
「突然すみません。
 僕たちは昨日はじめてレバノンにやってきた外国人です。
 もし分かったら教えていただきたいのですが、
 僕たちが公共の交通機関を使ってビブロスやトリポリ、
 バールベックを訪れることは可能でしょうか?」

彼女がすぐフランス語に通訳すると、
彼らのくだけた話しぶりからして、

「ああ、なんだ、そんなことですか、ぜんぜん大丈夫ですよ」

そう言っているのが分かりました。
続けて彼女は、

「もし行くのであれば、まずコラのバスターミナルまで行って、
 目的地に行くバスを探して下さい。
 これは私の意見ですけど、初めてであれば、
 まずビブロスをお勧めしますよ。
 それから念のためにニュースは必ず目を通しておいてください」

気さくなお巡りさんたちといい、偶然通りかかった親切な女性といい、
なんだか皆さんとてもフレンドリーです。
僕たちはお礼を言って先に進み始めました。
そしてエトワール広場に近づくと急に警察官の姿が増え始め、
広場を中心に、いくつかの道路が封鎖されているのが分かりました。
その中に入れるのは住人か仕事の用がある人だけのようです。

「OK、ここで戻ろう。
 どのみちこの先の旅行代理店は開いていないだろうし、
 必要な情報も得られた」

僕らは内戦の跡が今も残る建物の間を抜け、
庶民の街、サーエフ・サラム通りを西に進んで地中海に出ました。

2千数百年前、
フェニキア人はここからレバノン杉で造った帆船に乗って、
オリエントの文化を西に伝えたのか・・・
そう、あの水平線の向こうは南ヨーロッパと北アフリカなんですよ。

旧約聖書で語られた約束の地。
入れ替わる民族と統治者。
そしてその痕跡が凝縮された料理の数々。

僕たちは海を見下ろすレストランで取材を進めながら、
地層のように重なり合う悠久の時の厚みを肌で感じていました。

明日は天気と状況次第で、
別の街まで行ってみようと思います。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 01:21| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2019年11月28日

第7回研修旅行 その3

ボンソワール!(こんばんは!)
僕たちは今、レバノンのベイルートにいます。

今日はアブダビのホテルを朝6時半にチェックアウトし、
眠い目をこすって9時50分発の飛行機でベイルートへ。
フライトタイムは4時間少々。
日本との時差は7時間になりました。

毎回おなじことを言っているかもしれませんが、
外国の空港からさらに別の外国へ移動するときは、
まず他の日本人を見かけませんね。
ま、イギリスやフランスなど西ヨーロッパへ行く便ならいざしらず、
ととら亭の取材対象となるような国の場合は尚更かもしれません。
今回もベイルートへ向かう飛行機の中は、
日本人というよりむしろ東洋人代表になった僕らでした。

ベイルートのラフィック・ハリーリ国際空港は、
いささか年季の入ったこじんまりしたもの。
ハイテク化が進む成田に比べ、
入国審査、税関検査ともにオールドファッションな感じでしたね。
僕らにとってはこうした空港の方が手慣れたものですが、
今回は飛行機を出たところから旅人センサー全開!
そう、政情不安のムードを検知するには、
こうした場所の警備や人々の表情から読むのが一番手っ取り早い。
そこで乗客、空港職員の様子を何気なく伺っていると・・・

フツーです。なんともない。

僕らはあっさり入国審査を抜け、
空いていた所為か、バックパックもさらっと受け取り、
あれよあれよというまにアライバルロビーへ。

そこで無料ピックアップをお願いしていたホテルのドライバーと落ち合い、
移動中に話をしてみれば・・・

「このところレバノンの治安はいかがですか?」
「・・・? 治安?」
「そう、日本の外務省によると、
 現在、レバノンは反政府デモが活発に行われており、
 滞在には注意が必要だとのことでした」
「はっはっは! ぜ〜んぜん大丈夫!」
「本当に? それでは僕らがバールベックやビブロス、
 トリポリに行くのも問題ありませんか?」
「もちろん! 私は昨日バールベックへ行ってきたばかりですよ」

しかし、ここで「はいそうですか」とならないのが僕ら。
重要な判断をするときには、
相手を変えて同じ質問を3回するのがととらルールです。

そこで次はホテルのフロントのお兄さんに訊いてみると・・・

「え? 治安ですか? そうですね・・・」

ここで彼はしばし考えこみ、

「今日のところは問題ありませんでした。
 でも、明日はどうなるか分かりません」

なるほど、そりゃごもっともで。

確かに空港からホテルまでの道中で、
軍隊の姿や警察の検問はありませんでしたし、
デモや道路封鎖もなく、一見したところ平和そのもの。
しかし、それが明日も続くとは限らない。

それでは最後に、
観光庁直営のツーリストインフォメーションで訊いてみよう!

と目抜き通りのハムラストリートを東に向かって歩いてみれば、
反政府活動こそ目に入らなかったものの、
傷んだ街並みや道路の様子は僕らの記憶に照らすと、
中東というより南米やアフリカの都市に近い感じ。
数時間前までいたアブダビとはまったく違います。

その印象に不気味さが加わったのは、
なんと目的の観光庁の前まで来たとき。

「あった、ここだ」
「え? どこ?」
「目の前の建物だよ」
「え〜っ! これ?」

ともこが訝るのも無理はありません。
平日の午後3時だというのに建物にはひと気がまったくないだけではなく、
1階のツーリストインフォメーションと思しき区画は、
さながら空きテナントのような状態です。
しかしよく見ると数カ所の窓から明かりが漏れていました。

「こりゃどうしたことだ?」
「やってないんじゃない?」
「いや、まがりなりにもお役所だよ。やってないってことはないと思う。
 おや、あそこに警察官がいる。ちょっと行って訊いてみるよ」

「すみません。
 ツーリストインフォメーションはもうやっていないのでしょうか?」
「ああ、明日の10時に開きますよ」

とな?

こうして旅行者が集うハムラストリート周辺をざっと歩いてみた限り、
空港からの道中と同じく軍隊の姿はありませんし、
警察が特別な警備態勢を取ってるわけでもない。
むしろ彼らの姿はほとんど見かけませんでしたし、
市民の様子からも緊張感は感じられません。

しかし、旅人の勘が「気を付けろ」と僕に囁きます。

「とりあえず料理の取材を始めて、
 明日の午前中にもう一度観光庁に行ってみよう。
 ベイルート以外の場所を訪れるかどうかはそのあとで判断だ」

僕たちはレストランの下見をしながら、
日が暮れる前にホテルまで帰りました。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 05:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年11月27日

第7回研修旅行 その2

海外旅行をする際、航空会社でUAEのエミレーツや、
エティハドを使う人は少なくないと思いますが、
入国する人はあまりいないのではないでしょうか?
特に観光資源の乏しいアブダビは、
中東ビジネスの拠点にもなっているドバイと異なり、
観光客の姿さえ見かけることは稀です。

そんな場所で僕らは何をうろちょろしているのか?

いや、旅の食堂のネタならあるんですよ。
それもふんだんに。

今朝から僕らが行ったのは、
西部海岸沿いのミーナ地区に散在するスーク(アラビア語で市場)。
特にフィッシュスークはアタリでした。
ペルシャ湾で獲れる魚の種類が分かるだけではなく、
隣接するレストランでは新鮮なシーフードを使った、
いろいろな種類のアラブ料理が楽しめるじゃないですか。
直感で入った店もまた大アタリ。
さっぱりしたタブーレから始まり、
シーフードタジン、シーフードライス、
そのどれもが極上の出来だったのです。

夜は夜でチキンのドネルケバブを添えたフムス、
取材予定だったヒヨコマメとソラマメをブレンドしたファラフェルなど、
思わぬ収穫で取材初日からフードファイトのはじまりはじまり。
アラブ料理ってほんとに美味しいんですよ。
どの経験も皆さんとシェアしたいなぁ。

さて、入ってみたい店はまだまだありましたが、
今回の取材の軸足は念願のレバノン。
いよいよ明朝のフライトでベイルートに向かいます。

で、気になる現地の状況なんですけどね。
なんか、芳しくなさそうで・・・
とりあえず内戦のような状態にはなってなさそうですが、
28日から30日まで全国的なゼネストが呼びかけられているそうな。
やれやれ・・・
飲食店がシャッターを下ろしてしまうと僕らは万事休すです。
でもこればっかりは行ってみないと分かりません。

ま、明日の夕方には詳しい状況が分かるでしょう。
それでは明日5時半起きなのでおやすみなさい。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 03:04| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記

2019年11月26日

第7回研修旅行 その1

アッサラーム・アライクム(こんにちは)!
僕たちはいま、UAE(アラブ首長国連邦)の」首都アブダビにいます。
日本との時差はマイナス5時間。

昨日は珍しくのんびりと出発した僕らでした。
前日はもちろんお店のシャットダウンで遅くなり、
帰宅してからパッキングを始めたので寝たのは3時ごろ。
通常はこの後2時間くらい仮眠しただけでGo! なんですけど、
フライトが17時10分発だったので、6時間以上眠れました。

東京オリンピックを控えて成田空港は変化が目まぐるしいですね。
今年は1月と6月に行っていますが、
その度に保安検査と出国審査のシステムが変わっています。
今回驚いたのは保安検査。
バゲッジクレームのようなラウンド型のテーブルが上下二重構造になっており、
下のテーブルでトレイが戻り、上のテーブルでトレイに荷物を入れます。
更に効率を高めたのは上のテーブル。
これは前後で二重構造になっており、
手前で入れて奥で流します。
こうすると今までは前の人が手間取っている時、
後ろはずっと待つしかありませんでしたが、
これだと手際よく入れたら先に流して前の人をスキップできるのです。
「早くしなくちゃ!」と後ろを気にすることもなりますしね。
それからセンサーに入っての回転ダンスがなくなり、
ただ通過するだけでOK。
非常によく考えられていて感心しました。

出国審査もとうとう完全に自動化されましたね。
これもパスポートをセンサーに乗せ、
カメラを見るだけで終わりますから速いです。
でもちょっと可哀想なのが、
希望で押してくれる証印(出国スタンプ)係のインスペクターさん。
ただスタンプを押すだけですからつまらなそう。
さすがにセルフサービスはまずいでしょうから、
これはやがてロボットがやるようになるのかな?

さて、今回お世話になったのは約8年ぶりのエティハド航空さん。
機材は新しいボーイング787でピカピカ。
でも航空業界のご多分にもれず、
かつて羽振りの良かった中東系も最近は経営が厳しそうですね。
キャビンクルーさんたちのユニフォームはキレイですが、
毛布はくたびれ、機内食は泣けるしろものとなり、
なんとエコノミーではアメニティグッズの配布もありませんでした。
トイレにも歯ブラシは置いてなかったので、
手持ちのない人は約12時間で2食たべて歯磨きなし。
でもエンターテイメントシステムはOKかな?
僕は食後に映画を2本見て爆睡。

そういえば3年前にお世話になったはエミレーツさんですら、
あきらかにサービスレベルが下がってしまっただけではなく、
総2階建て構造のエアバスA380の導入も縮小しちゃいましたからね。
大変そうだなぁ。

飛行機は定刻で現地時間26日0時35分に着陸しました。
以前アブダビ空港でトランジットしたことはありましたが、
ここから入国したのはこれが初めてです。
ま、観光地ではないので当然かもしれませんけど、
乗客のうちアライバルとトランジットの分岐で、
前者に曲がったのはほんの一握りだけ。
後者へ進んだ日本からの乗客は、
モロッコやイタリアへ向かう団体ツアーの方をけっこういらっしゃいましたね。
アライバルへ進んだ乗客のうちアラブ系以外は僕たちだけです。
いかにも観光客って人はゼロ。
ローカルかビジネスマンだけ。
おかげで入国審査からバゲッジクレーム、税関審査はほぼスルー。

アブダビに鉄道はありません。
空港からの移動はバスかタクシーのみ。
僕らはメーター制のタクシーで深夜のアブダビを移動しました。
料金は両替屋のお兄さんに確認した通り、
30キロほど離れた市内中心までおおむね90ディルハム。
(30をかけるとほぼ日本円に換算できるので約2700円)
名前のよく似た別のホテルで降ろされ、
400メートルほど歩いて移動しましたが治安はいいので問題なし。

ホテルでチェックインしている時、
僕らのパスポートにエジプトのビザを見つけたフロントのおじさんが、

「ああ、エジプトに行ったのですね!」
「はい、今年の1月に行ってきました」
「私はエジプト人です」
「やぁ、そうでしたか、美しい国ですよね。
 ぜひまた行きたいと思ってます」
「9階の一番いい部屋を用意しておきましたからね」
「シュクラン(ありがとう)」

そう、アラブ圏でも国家間の経済格差は大きく、
エジプトをはじめとする北アフリカの国々からアラビア半島の国々へは、
たくさんの労働者が出稼ぎに来ています。
話には聞いていましたが、実際に会って話したのはこれが初めてでした。
故郷を離れて働いていて、故国を訪れた人と出会った時、
彼、彼女たちはどんな気持ちがするのでしょうね。

案内された9階の角部屋に入ってみると、
予約したグレードとは全く違う豪華さにびっくり。
寝室のほかに居間があり、各部屋の広さだけでも、
僕らのアパートの二部屋を合わせたくらいあるじゃありませんか。

ほぇ〜・・・ゴージャスだねぇ・・・

熱いシャワーで汗を流し、
ベッドに体を伸ばしたのは午前3時過ぎだったでしょうか。
僕らは1分とかからず深い眠りに落ちていました。

今は現地時間10時10分。
天候は当然晴れ。気温は27度。東京にたとえるなら9月下旬の天気かな?
今日は近辺のスーク(市場)を下見し、アラブ系料理の取材です。
あ、ともこがもう退屈し始めているので、そろそろ出かけるとしますか!

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 15:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年11月25日

第7回研修旅行の準備 その3

というタイトルで進めてきましたが、
現地の情勢がはっきり見えないので、
研修のクッキングクラスはまだブッキングしていません。

もしかしたら第7回研修旅行を改め、
第19回取材旅行になるかも。

レバノンはいま、ほとんど香港状態ですね。
ことの発端は、
政府が財政難から無料通話アプリWhat's upを課税する、
ってことでキレた国民でしたが、
それは単なるトリガーに過ぎず、
政治家の汚職、構造化した貧困、高い失業率など、
さまざまな不満が積もりに積もり、
ここに来てついに爆発と相成ったようです。

だからおっとり刀で課税案を取り下げたものの、
民衆の怒りは収まらず、
矢面に立ったハリーリ首相を辞任に追い込んでも、
振り上げた拳の降しどころは見つからない。

この辺は混迷化を深める香港と構造的にそっくりですね。

と納得しても困るのが僕ら。

はてさて、どうしたもんだろう?
乏しい情報をかき集めても、
交通事情やATMの稼働状況などは分かりません。

そこで予約してあるホテルに連絡してみれば、
場所が爆心地のダウンタウンから離れているせいか、
緊迫感のない回答がさらっときたじゃないですか。
どうやら道路封鎖やデモは限られた地域で行われており、
市民の生活に大きな影響は出ていないようにも思えます。
となると、結局行ってみなくちゃわからない、
ってことか。

そんなわけで、僕らは予定通り、
本日17時10分、成田発のエティハド航空EY871便で、
UAEのアブダビまで移動することにしました。

今回はどんな旅になるかな?
ん〜・・・

えーじ
posted by ととら at 04:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年11月21日

またもや謎の金曜日

「すみません、
 22日、金曜日のディナーはもう満席になっておりまして・・・」

Alas! この1週間で何度このお話をしたことでしょう。

明日のディナーは、
先週末の時点で満席になってしまったのですよ。

商売繁盛! めでたし、めでたし・・・

これがミシュランで星を取ったレストランであれば、
こんな結びで終るんでしょうけどね。

しかし、ととら亭の場合、
先のような電話がかかって来るのは、
きまって昨晩や今夜のようなディナータイム。

そう、外を吹く木枯らしが店内にも吹き込んでくるような、
寒くて静か〜な晩に、電話が鳴るのです。
しかも予約は一番来てほしい『今』ではない。

な、なぜだ?

今夜来てくれればマンツーマンで接客しちゃうし、
料理も怒涛の勢いで出るというのに。

実はこういうの、ほんとによくあるんですよ。
だから明日とその後の成り行きもお馴染みのもの。

明日が、

「すみません、ただいま満席になっておりまして・・・」

で、せっかくご来店されたお客さまを何組もお断りし、

翌日は手持無沙汰な僕らがカウンターの中で、

「ねぇ、昨日はいれなかったお客さん、いま来ないかなぁ・・・」
「はぁ〜、うまくいかないねぇ・・・」

ってな会話をする。

あと3カ月ちょいでととら亭も10周年。
いつまでも変わらないのは、再現度の高い旅の料理だけではなく、
『期間限定の繁盛店』という店舗特性も・・・
デビュー当時のままなんですよね。

えーじ
posted by ととら at 21:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年11月17日

平等という青い鳥 後編

『努力が報われる社会』を望みつつ『格差社会』を否定する。

これを矛盾に終わらせない方法はあるのか?

ありました?

ん〜・・・難しいですよね?

教育に限っていうなら、
日本でもぼちぼち進められている、
『学費の完全無償化』という方法がありますけど、
これとて『公』の部分では平等性が確保されても、
格差の結果としての私財を投じるプラスアルファ、
つまり『民』による高価な教育商品の存在は、
少なからず差を生み出し続けるでしょう。

また、ここでは別の矛盾も伴ってきます。
それは、『税は悪なり』と『豊かな行政サービス』。

言うまでもありませんが、
資本主義社会に『無料』はありません。
学生(もしくはその親)が学費を払わないのであれば、
誰がそれを払うのか?

数万人のボランティア教育関係者と、
教材と場を無償提供する企業がないのであれば、
それは税金で賄うしかない。
(ですよね?)

しかし現状そんな予算がないとなれば、
これまた増税以外に選択肢はない。
(ですよね?)

ところがここで立ちはだかる『税は悪なり』という意識の壁。

先日執行された消費増税でも明らかなように、
与党の増税案は野党による格好の攻撃材料になりますし、
僕ら市井の感覚でも「え〜、税金上がるの? やだな・・・」

でしょ?

暮しが楽になるサービスはじゃんじゃん欲しい。
でも、その費用は負担したくない。

これが『努力が報われる社会』を望みつつ、
『格差社会』を否定する矛盾の前にある、
もうひとつの矛盾なんですよ。

困りました。

たぶん、ここでは社会生活において誰もが例外なく必要なこと、
すなわち子育て(※)、教育、医療、介護は個人が直接費用負担するより、
予め税として徴収し、公の予算から賄う方が、
結果的に個人的なコストも下がる、
という説明のつく社会システムの構築が必要なのかもしれません。

そして収入格差は累進課税率をより上げることで圧縮し、
そこから得られる税収で国民すべてを網掛する、
先の全方位的福祉システムの予算を補完する。

この仕組みには、他にふたつのメリットも考えられます。

子育て、教育、医療、介護の個人的直接負担の解消は、
社会不安の大きな部分の解消にも繋がり、
結果的に「とにかくおカネを貯めなくちゃ・・・」という、
青天井労働からの解放と、
タンス預金による不景気の種が芽を出す前に摘むことも、
けっこう期待できるでしょう。

え? そんな理屈を君が考えたのかって?

白状します。
これは北欧5カ国で実際に稼働している社会システムの、
概略をパクったものなんですよ。

なかなか大したもんだと思いません?

ただ、僕たちが彼らのような社会を実現するには、
もっとより根源的な矛盾と向き合う必要があると思います。

それは、
僕たちが常に他者の存在を前提とした『社会的な生き物である』という事実と、
『自分ファーストが幸福への最短距離である』という幻想の矛盾。

つまり、
アメリカンドリームをいまだ夢見ているうちは道遠し。

ということになるんじゃないのかな?

えーじ

※ 子育ては子供のいない人にも該当します。
  育てられた、のですからね。
posted by ととら at 17:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年11月15日

トルコワインフェアが始まります!

イスラム教の国と言うと、
食の戒律であるハラールを守り、厳しい断食のラマダンを行う、
敬虔な信徒のイメージを思い浮かべるかもしれませんが、
実はコーランの教えにもそれぞれの解釈があり、
けして世界中で統一されているわけではありません。

なかでも分かり易いのは、
飲酒についての違いではないでしょうか?

さすがにお膝元のアラビア半島の国々では、
キリスト教徒の割合が人口の3割以上を占めるレバノンを除き、
かなり厳格に守られています。

しかし、これが同じアラブ系でも北アフリカの国々ではだいぶ緩み、
居酒屋でビールを飲むムスリムが結構いましたし、
民族が異なるトュルク系民族の国々
(トルコ、アゼルバイジャン、ウズベキスタンなど)
ともなると「飲酒はOKなのかしらん?」と思えるほど、
おおっぴらにお酒を飲む光景が見られます。

ま、確かにコーランを読む限り、飲酒そのものを禁止した記述はなく、
(豚は問答無用でNGでしたが・・・)
マホメットが口を酸っぱくして言っていたのは、
「酔っぱらって礼拝にくるんじゃねぇ!」でしたからね。
(ん〜・・・わかる気がします)

むしろ彼は信徒に天国を説明する際、
「いいかい、天国ってのはね、美しい乙女がわんさかいて、
 (文脈からして男性に話していますね)
 いくら飲んでも頭の痛くならない、いい酒が川のように流れているんだよ」
と言っていたのです。

つまり酒を絶対悪とはしていない。

こうした背景からか、
意外にもモロッコ、アルジェリア、チュニジア、エジプト、
そしてトルコなどムスリムの国々で、
質の高いワインが生産されているのですね。

とりわけワイン発祥の地、
ジョージア(グルジア)に近いアナトリア半島に位置するトルコでは、
トュルク系の民族がやって来る、
はるか前の紀元前4000年前後からワインが造られていたそうな。

と、壮大な前置きをしたところで現代の話です。

来春から始まるトルコ料理特集パート2に先立ち、
本日よりトルコワインフェアを始めます!

グラスで気軽にお楽しみ頂けますので、
ぜひこの機会に珍しいワインを味見してみてはいかがでしょう?

期間は11月24日(日)まで。

数に限りがございますので売り切れ御免です!

えーじ
posted by ととら at 14:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年11月13日

平等という青い鳥 前編

同じ人がやっている議論でも、
議題が変わったら、
あれ? さっき言ってたことと矛盾してない?

そんな風に感じた経験はありませんか?

最近、僕が首を傾げているのが、
『格差社会』と『努力が報われる社会』の議論。

さまざまな場面で格差社会、
とりわけ収入格差は「悪いことである!」
というニュアンスで語られていますよね?

なるほど。

方や、どんなに努力しても報われない、
たとえば貧困が構造化している南西アジアや、
サハラ砂漠以南のアフリカ、中南米の社会の話になると、
「ああ、日本に生まれて良かった!」となる。

個人的にがんばったんだから、
その努力に応じて個人的なご褒美(結果)も欲しい。
それが実現している社会は素晴らしい。

なるほど。

なんですけどね、
これが横並びにされると、
僕にはよく分からなくなるんですよ。
(頭悪くてすみません)

だってね、
たとえば収入格差を例にすると、
スタートラインで平等性が確保されていたとしても、
個人的な努力の結果にはとうぜん差が出てくるでしょう?

そして、
その『結果』は基本的に譲渡や相続が可能なものが多い。
となると、努力 → 結果 → 譲渡(相続) → その上で努力・・・
このサイクルが世代を跨いで回れば回るほど、
必然的にスタートラインの平等性はなし崩しになってしまう。

つまり、努力が報われる自由競争社会において、
平等性はスタート時点ですら成立しようがない。

って、ことにならないかしらん?

その格差を『身の丈』として甘受し、
「しょうがないよね〜・・・」と諦める以外に、
何か選択肢はあるのか?

はてさて・・・

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 17:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年11月10日

国際B級グルメ祭にて

今年の酉の市は11月8日(金)と20日(水)・・・か。

ん〜、どっちも営業日だな。
それじゃ前夜祭に行こう!

と調べてみれば、
歩いて行ける練馬の大鳥神社は、
24時近くにならないとやっていないそうな。

そこで木曜日の夜、ワープスピードで店を片付け、
夕方から盛り上がっているらしい、
花園神社に行ってきました。

ti19_shrine.jpg

さすがは新宿。
平日の夜でもすごい人出ですね。
僕らはさっそく古い熊手を奉納し、
今年の神社純正ニューモデル(800円也)をゲット。
これで2020年もセコく儲けようと思います。

ti19_kumade.jpg

そしてふたつめのミッションのはじまり始まり。

昨今、酉の市の屋台も国際色が豊かになりました。
そこで旅の食堂としては、
お好み焼きやおでんなど日本勢ではなく、
外国料理の屋台を調べてみることにしたのです。

ti19_hotdog.jpg

おお、懐かしい!
僕が生まれ育った横浜の本牧では、
日米合同盆踊りの定番だったホットドッグ。
しかし、なぜか他ではほとんど見かけません。
不思議だな、美味しいのに。

ここの屋台のニューヨークスタイルホットドッグは、
スタテン島へ行くフェリー乗り場で食べたものと、
似ても似つかぬものでしたが、これはこれでうまい!
ソーセージは熱々ではじけてるし、
パンもしっかり焼けてて香ばしい。
その上ご覧のとおりのボリュームで500円とは安いじゃないか!

日本はハンバーガーこそ根付いたものの、
ことホットドッグに関してはイマイチなんですよね。
専門店ってぜんぜんないでしょ?

ti19_cheesedog.jpg

次は韓国から来たチーズハットグ。
これ、去年の酉の市で初めて食べたのですけど、
チーズ版コーンドッグともいえるしろもの。
中にソーセージがちょろっと入ってるバージョンもありますが、
今回食べたのはチーズ100パーセントでした。
トマトケチャップの絡んだチープな味わいがマシッソヨ(おいしい)!

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お、トルコか? ドネルケバブがある!
と思ったら早合点でした。
なになに・・・タントゥニ・・・とな?
初めて聞きました。そんな料理あったっけ?
で、調べてみれば、トルコ中南部の街、メルシンの名物料理だって?
おいおい、今年の1月に行ったアダナのすぐ近くじゃん。
食べておけば良かった。調査漏れだな・・・反省。

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タントゥニとは、ほんのりクミンが香るラムやビーフの細切り肉を炒め、
オニオンスライス、パセリ、トマトの角切りとともに、
ラヴァシュ(薄焼きパン)でくるんだストリートフード。
(写真が分かりにくくてすんません)
ここではさすがにラヴァシュが手に入らないので、
既製品のトルティージャで代用していましたが、
レシピはこの料理のお約束をきちんと守っていましたね。
意外とあっさりした味わいでとてもおいしい。

そして締めは中国のシャーピン。
粉モノの連続でもうお腹パンパンです。

酉の市で並ぶ屋台の変遷は時代を反映していて、
いつも勉強になります。
国際社会の縮図が身近なところで感じられますからね。
そういえば今年はタイ料理を見かけなかったな。
浅草では出ていたのかしらん?

酉の市でちょっとした海外旅行を楽しむ。
こんなのも、ととら的にはありだと思ってます。

えーじ
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2019年11月07日

よろず屋ととら

先日の『定休日』。
僕たちは春秋恒例の床のワックスがけをやっていました。

内容が内容ですから、二人とも普段の仕事とは恰好が違います。
ジーンズにTシャツで純粋に肉体労働仕様。
(ま、普段も肉体労働ですが・・・)

ホールのテーブルや椅子を脇に寄せ、
水と洗剤を撒いた床をデッキブラシでゴシゴシゴシゴシ・・・

ようやく終わろうとした夕方、
ふと視線を感じて外を見ると、
年配の男性ふたりが店内をのぞき込んでいます。

「あれ、今日は休みなのかな?」
「お店の人じゃなくて掃除の人がいるよ」

ハズレ〜!
お店の人です。

あ、半分アタリか。
掃除の人でもありますので。

えーじ
posted by ととら at 14:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年11月04日

不都合な事実

正直に言いましょう。

成功。
勝利。

大好きです。
これを目指してあくせくやって来ました。

さらに言いましょう。

失敗。
敗北。

大嫌いです。
これを避けてせこせこ回り道をしていました。

しかし、この歳になると、
認めたくないことも認めざるを得なくなる時があります。

それは忌み嫌っていた、失敗、敗北という相手こそが、
人生における、最も優れた教師だった・・・

ということ。

思い起こせば、
横浜のラオウかデスラー総統のようだった若造が、
ちっとはましになったきっかけは、
おしなべて、

やった〜っ!

ではなく、

な・・・なぜだ?

な時でした。

そう気付いてから、よくよく相手の顔を見てみると、
失敗や敗北ってやつは、意外とやさしい目をしているんですよね。

それにひきかえ親友だと信じ込んでいた成功と勝利ってのは、
一見、頼りになりそうな正義面をしてはいますが、
ときどき、ずる賢い笑い方をするじゃないですか。

いや、僕はここで、失敗と付き合って、
成功に背を向けろと言っているのではありません。

事実と向き合って、
ほんの少し、失敗と成功の評価を変えてみてもいいんじゃないか?

と思ったのですよ。

一昨日行われたラグビーワールドカップの決勝戦。
優勝した南アフリカは、
4年前、日本にまさかの敗北を喫してしまいました。
その苦い経験から彼らは何を学んだのか。
まさしく、それが現れたかのような試合でしたね。

失敗や敗北は、ただそのままであれば、
悲しく、つらい思い出にしかなりません。

でも、彼は何かを僕らに教えようとしているのではないか?

それに気付いた時、
試験の成績が上がることよりも、社会的地位が上がることよりも、
ひとりの人間として、
僕らは成長するチャンスを手にするのかもしれない・・・

これを認めるのに必要なのは、
プライドを脱ぎ捨てた謙虚さと、ほんのちょっぴりの勇気・・・
だけでいいんじゃないかな?

えーじ
posted by ととら at 14:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年11月01日

第7回研修旅行 その2

お約束です。

旅行のブッキングを始めるまでは、
シリア、イスラエルなど周囲の火事場をよそに、
危険情報がレベル1だったレバノンのベイルート。

たびレジに登録していても、
外務省さんからは1通のメールすら届いていませんでした。

ところが!

お約束です。

『10月17日夜、ベイルートのダウンタウン地区を含む全国各地において、
 政府による増税を含む予算案に対する抗議活動が行われました。』

と一報が入った途端、立て続けに道路封鎖や警察との小競り合い、
ヒズボラと反政府グループの衝突など、
不穏なムードのニュースが届きはじめ、
月末には「こりゃ、ほとんど香港じゃん?」な状態に。

空港から市内中心部までの道も、そこかしこで封鎖され、
「どうしたもんだろ?」と、
はらはらしながら情勢を見守っていたのですよ。

さいわい一昨日のニュースではハリーリ首相が辞任して、
事態は沈静化に向かいつつあると結ばれていました。
ま、次の指導者を選ぶのも、
その後の組閣もすんなり行くとは考えられませんが、
とりあえず、いい方向へ進んだ・・・と思いたいですね。

経由地であり1泊2日で下見もするUAEのアブダビは、
イエメンのフーシ派が脅しをかけて来てはいるものの、
実力行使に出る可能性は低い・・・
と考えています。

サウジのコンビナートをドローンで攻撃した件では、
イランの影もちらほら見えているようですが、
アメリカとの緊張が高まる中、
トランプ大統領に武力行使を正当化させるような理由を与える愚策は、
さすがに取らないでしょうね。
(・・・と思いたい)

それからトルコのクルド人に対する越境攻撃は・・・
アメリカのIS指導者の暗殺の余波は・・・
シリアのサダト大統領の動向は・・・
イスラエルとヒズボラの小競り合いは・・・

とまぁ、中近東の旅は毎回こんな調子で、
予断の許されない状態がずっと続いて行くのですよ。

なんとか束の間の平和の間に、
中東の食文化の中心ともいえる、
レバノンの料理を調べて来たいのですけどね。

出発まであと24日・・・か。

Be good guys!!

えーじ
posted by ととら at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記