2019年11月17日

平等という青い鳥 後編

『努力が報われる社会』を望みつつ『格差社会』を否定する。

これを矛盾に終わらせない方法はあるのか?

ありました?

ん〜・・・難しいですよね?

教育に限っていうなら、
日本でもぼちぼち進められている、
『学費の完全無償化』という方法がありますけど、
これとて『公』の部分では平等性が確保されても、
格差の結果としての私財を投じるプラスアルファ、
つまり『民』による高価な教育商品の存在は、
少なからず差を生み出し続けるでしょう。

また、ここでは別の矛盾も伴ってきます。
それは、『税は悪なり』と『豊かな行政サービス』。

言うまでもありませんが、
資本主義社会に『無料』はありません。
学生(もしくはその親)が学費を払わないのであれば、
誰がそれを払うのか?

数万人のボランティア教育関係者と、
教材と場を無償提供する企業がないのであれば、
それは税金で賄うしかない。
(ですよね?)

しかし現状そんな予算がないとなれば、
これまた増税以外に選択肢はない。
(ですよね?)

ところがここで立ちはだかる『税は悪なり』という意識の壁。

先日執行された消費増税でも明らかなように、
与党の増税案は野党による格好の攻撃材料になりますし、
僕ら市井の感覚でも「え〜、税金上がるの? やだな・・・」

でしょ?

暮しが楽になるサービスはじゃんじゃん欲しい。
でも、その費用は負担したくない。

これが『努力が報われる社会』を望みつつ、
『格差社会』を否定する矛盾の前にある、
もうひとつの矛盾なんですよ。

困りました。

たぶん、ここでは社会生活において誰もが例外なく必要なこと、
すなわち子育て(※)、教育、医療、介護は個人が直接費用負担するより、
予め税として徴収し、公の予算から賄う方が、
結果的に個人的なコストも下がる、
という説明のつく社会システムの構築が必要なのかもしれません。

そして収入格差は累進課税率をより上げることで圧縮し、
そこから得られる税収で国民すべてを網掛する、
先の全方位的福祉システムの予算を補完する。

この仕組みには、他にふたつのメリットも考えられます。

子育て、教育、医療、介護の個人的直接負担の解消は、
社会不安の大きな部分の解消にも繋がり、
結果的に「とにかくおカネを貯めなくちゃ・・・」という、
青天井労働からの解放と、
タンス預金による不景気の種が芽を出す前に摘むことも、
けっこう期待できるでしょう。

え? そんな理屈を君が考えたのかって?

白状します。
これは北欧5カ国で実際に稼働している社会システムの、
概略をパクったものなんですよ。

なかなか大したもんだと思いません?

ただ、僕たちが彼らのような社会を実現するには、
もっとより根源的な矛盾と向き合う必要があると思います。

それは、
僕たちが常に他者の存在を前提とした『社会的な生き物である』という事実と、
『自分ファーストが幸福への最短距離である』という幻想の矛盾。

つまり、
アメリカンドリームをいまだ夢見ているうちは道遠し。

ということになるんじゃないのかな?

えーじ

※ 子育ては子供のいない人にも該当します。
  育てられた、のですからね。
posted by ととら at 17:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記