2020年03月10日

火事場のルール

ととら亭ではお馴染みの、
Let's dive into the unknown future.
(未知の未来へ飛び込もう!)

僕らが仕組んだわけではありませんが、
これが世界規模になってまいりました。

そこで今なら、
僕らが取り入れている『火事場のルール』をご紹介するのも、
あながち無駄ではないかと思いまして。

実はこれ、
IT稼業時代からしばしばやっていることなのですよ。

と申しますのも、セキュリティを担当していた頃、
(不本意にも・・・)
もっとも遭遇したのがコンピュータウイルス事案。
偶然クリティカルなインシデントを対応して以来、
ビョーキの事件とあらば「久保を呼べ!」となりまして。
(さらに不本意にも・・・)

そんな時、緊急対応チームをキックするにあたり、
最初にやっていたのが基本ルールの説明と確認です。
それを今回のなまウイルス事案に応用しますと・・・

1.感染者と犯罪者は同義語ではない。
僕たちが意図せずして風邪を引いてしまうように、
コロナウイルスの感染者も自ら望んでなった訳ではありません。
しかもコンゴのジャングルの奥地で、
ゴリラ肉のハンバーガーを食べてきた結果ではなく、
あくまで日本における普通の日常生活を送っていて感染してしまった人が、
今や圧倒的に多いのです。
僕とあなたがそうであるように、
感染した彼、彼女も社会的な懲罰が必要な犯罪者ではなく、
助けが必要な同胞に他なりません。

2.企業や組織から感染者を出すことは不祥事ではない。
あなたの家族のひとりがインフルエンザに罹った途端、
新聞記者が押し寄せて家族や自宅の写真を撮り、
3面記事を飾ることがないように、
企業や他の組織で感染者が出たからといって、
社会的制裁を加える必要はありません。
ひとりの感染者と同様に、
その組織に必要なのはさまざまな形での支援です。

3.電子商業サイトはブラックマーケットではない。
amasonや楽天などの電子商業サイトは、
ショッピングモールや商店街と同じく、
売り手と買い手が共に利益を享受する場であって、
人の弱みに付け込んで暴利をむさぼる人たちの、
ブラックマーケットではありません。

4.SNSは基本的に報道システムではない。
facebookやtwitterなどのSNSは、さまざまな使い方が出来ますが、
発信源が個人の場合(もしくは不明確な場合)は、
基本的にパーソナルなコミュニケーションツール以上でも以下でもありません。
それらを行政機関や新聞社等が発信した情報と同列に受け取ってしまうと、
現実とフィクションの区別がつかなくなる恐れがあります。

5.火事場の責任論はノイズ以外のなにものでもない。
毒矢が体に刺さったとき、
愚か者は矢が刺さったまま「誰がやったんだ!」と叫ぶそうです。
賢者は、いや、普通の人だってそんな時は、
まず毒矢を引き抜きますよね?
僕がコンピュータウイルス事案を担当していた時、
もっとも状況を悪化させた要因のひとつが『火事場の責任論』でした。
こういうのは全てが終わってから、好きなだけおやり下さい。

6.われ先にとわれを失うことが自分の損失を最大化する。
ミクロな話ではマスクや消毒薬を必要以上に買い占めて、
ほんらい必要な人に行き渡らなくしたり、
マクロなケースでは、
国境を直ちに封鎖すれば(特に中国との)、
ウイルスを遮断できるなどと喧伝することは、
現状を正しく理解していないばかりか、
必要以上に被害を大きくする可能性があります。
この両者に共通する『自分さえ守れば大丈夫』という自己チューな考えは、
まさしく『われ先にわれを失う』心理状態に他なりません。
これは言うまでもなく、結果的に自分自身の損失を最大化します。

7.優先順位の過ちが社会主義に後れを取る。
僕は社会主義の国に住みたいとは思っていませんが、
その機能を全面的に否定しているわけではありません。
特に意思決定と行動の速さは民主主義国家の及ぶものではないでしょう。
(日本では移動の自由を保障する憲法第22条があるので都市封鎖はできない)
この点において、民主主義国家ができる最良の対抗策は、
優先順位の過ちを避けることです。
国政から地方まで議員バッジを付けている方は、
議会でいま何を議論すべきか、自分たちの時間をどう使うべきか、
優先順位を念頭に仕事をすることが社会主義のスピードに追い付く、
重要なキーポイントになるでしょう。

8.医療リソースを守れるかが勝敗を分ける。
人類史上最大最悪のパンデミックとなった1918〜19年のスペイン風邪。
被害を大きくした最大の要因は医療体制の崩壊だったといわれています。
武漢での死亡率が他の地域と比較して大きいのも、
この説の正しさを裏付けているでしょう。
これは今回も変わらず、医療体制の維持が、
予防ワクチンと治療薬の開発同様、
人類とウイルスの戦いにおける最も重要な要因のひとつだと思います。

と、こんな話をしつつ、いま僕が一番心配しているのは、
ととら亭の売り上げではなく、南半球の状況です。

COVID19に対抗する予防ワクチンや治療薬がないまま、
医療体制が脆弱な南半球の国々で感染が広がった場合、
その被害は高度な医療システムを持つ北半球の国々に比べて、
想像を絶するものになる可能性があります。

また中東など政情が不安定な国々で権力の中枢がダウンした場合、
感染症とは別の混乱が起こり、
それが周辺国を巻き込むことも十分想定できるでしょう。

それらが現実となる前に、何としても直接的な対抗手段が欲しい。

そうした意味では、先の8項目でお話しましたように、
いまや政府だけではなく、
僕たちひとりひとりが危機対応チームのメンバーです。

そこで僕たちが再認識すべきは、
ウイルスが最も恐れるのは予防ワクチンや治療薬以上に、
僕たち人類の結束力だということ。
やれることは、ひとりひとりにあるんですよ。

ONE TEAM

いま、ここで、一緒にやりましょう。

えーじ
posted by ととら at 11:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記