2020年05月26日

脱ファーストフードととら亭

4月11日から続いた長いトンネルの出口が見えて来ました。

僕らとしては、
トンネルを抜けるとそこが雪国ではなかったことが嬉しい限りです。

『自粛』という言葉は耳あたりがいいかもしれませんけど、
多くの飲食店にとって、
それが一種の『営業停止処分』に他ならない現状を鑑みますと、
なんとか最大の難関は通り抜けたな・・・
という安堵の気持ちでいっぱいです。

ランチはともかく、売り上げの軸となるディナーの営業が、
開店から1時間後にオーダーストップ!
そのまた1時間後には閉店しなければならないんじゃ、
(つまり一番稼げる時間に店を閉める)
正直、やるのも微妙だな・・・と思っていました。

特にそれが店のコンセプトともバッティングした、
ととら亭としては尚更です。

日々いそがしい人たちに、
ととら亭に来た時くらい時計から解放されてほしい。

これは僕が会社員時代から思い描いていた、
ひとつの理想でもありました。

だから店内に時計がないでしょ?

ところが!

非常事態宣言下では、
18時の開店と同時にご入店頂いたお客さまですら、

「19時にオーダーストップ、20時には店を閉めますので、
 ご注文は最初に全部まとめてくださいね!」

そして19時半を過ぎると、
『時計から解放されてほしい』なんてコンセプトはどこかにすっ飛んで、

「はいはい食べて! どんどん飲んで!」

な、ファーストフードも顔負けの縦ノリに。

これじゃあねぇ・・・

しかし、とりあえず規制が緩和されたので、
明日からは、21時オーダーストップの22時閉店という、
ほぼ、いつものととら亭に戻れます。

脱ファーストフード。

お客さま以上に、
この日を僕らも待っていました。

えーじ
posted by ととら at 20:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年05月25日

メンタル筋トレ

健全な体に健全な精神が宿る

しばらく前から、
この言葉が正しくないことに僕は気付いていました。

だって格闘家やスポーツ選手の不祥事は珍しくないし、
かくいう僕だって、スポーツ歴は半世紀近いんですよ。
なにの現実はねぇ・・・

じゃ、勉強ができれば健全な精神が宿るのかというと、
これまただいぶ怪しい。
もしそうなら名門校出身のインテリは、
すべからく聖人君子になってるはずなのに、
絵にかいたようなエリートが、その『優秀さ』ゆえに、
世界規模の大迷惑をしでかすのも珍しくないでしょう?

ここから帰納されるのは、
『健全な精神』とスポーツやお勉強は、あんまり関係ない、
という、教育業界では禁句の事実です。

いや、僕は別に教育システムを批判するつもりも、
個人的に偉人賢人のたぐいになろうという企てもありません。
ただ、もうちっとましな人間になりたいと思って、
長らくこの相関関係を考えていたのですよ。
なにせ20歳代の頃は、
横浜のデスラー総統かラオウみたいな若僧でしたからね。

ふふ、みんな燃やしてやる・・・

幸い、そういう自己チューの破滅的な性格が問題だと悟るのに、
それほど時間はかかりませんでした。
なぜならブッダの教えの通り、
良くも悪くもすべての行為はブーメランのように、
やった本人へと戻って来るからです。

で、戻って来ました。
それもどっさりと。

そうなりゃ、いかに僕のような凡人でも学習するものです、

そこで仏教にとどまらず、
哲学やら心理学、はてや怪しい自己啓発本まで読み漁り、
コテコテに理論武装したものの、
何年やってもぜんぜん芳しい結果が出ないどころか、
なんだか悪化してきたような気がしなくもない。

Why?

思えばこのビッグミステイクに気付くのに、
50年以上かかってしまいました。
(不器用ですから)
そう、強い人間のモデルが完全に間違っていたのですよ。

人間の強さとは、
スタローンやシュワルツェネッガー演ずるところの、
マッチョガイヒーローが象徴するものではありません。

むしろ身近にいる、
物ごとに動じず、思いやりを持ち、
他者に寛容な人こそ、あるべき強き人のモデルだったのです。

OK、それじゃトレーニングメニューを変えてみよう。
名付けて『メンタル筋トレ』!

スポーツのトレーニングは基本的に多かれ少なかれ苦痛が伴います。
さいわい、これに耐えるのは僕の得意とするところ。
(マゾヒストじゃありませんが・・・)
で、メンタル筋トレはこの特性を応用し、
ネガティブな感情、たとえば、怒りやイライラ、悲しみ、苦しみ、
嫌悪感などが沸き起こった時、それをエクササイズとして捉え直すのです。

初級編は、『焦りとイライラ』対策用に『走らない』を始めました。
そう、電車が来た! 信号が変わっちゃう!
エレベーターのドアが閉まっちゃう!
こんな時に走らない。
これは「待つ」という僕の最も苦手とするところを直すのが目的。
ですから走ったら負けですね。

中級編は、意見の不一致に出くわした時。
たとえ「そりゃあり得ないね!」と思っても反論しない。
ここではなぜ相手が自分とまったく違う意見を持っているのか、
興味を持って質問できたら僕の勝ち。
否定的な感情に支配されて、
口論してしまったら結果の如何を問わず負けです。
これはちょっと手強かった。

上級編はさらに難しいですよ。
それは非難や敵意を向けられた時ですから。
最初はすぐ反撃してしまいました。
そう、いきなりゲームオーバーです。
しかし負けを繰り返すうちに、
ぼんやりと勝てるチャンスが見えてきたのですよ。
それは怒りに気付くこと。
「あ、僕はいま怒り始めたな」と気付けば勝機があります。
気付かないとネガティブな感情に飲み込まれておしまい。

こうして僕は最近、ダークサイドの感情がこみ上げる度に、
心の中で「Let's exercise!」とつぶやけるようになりました。
すると不思議なことに、
以前は「ユー、サナバビ〜ッチ!」だった相手が、
トレーニングコーチのように見えてきたじゃありませんか。
こうなるとそうそう負けません。

「ふ、そんなんで僕を怒らせようったって無駄さ。
 さぁ、心の腕立てと腹筋100回いくぜ!」

というわけで、
56歳のおじさんが目指すのはマッスルマッチョではなく、
メンタルマッチョなのでございます。

えーじ
posted by ととら at 19:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年05月22日

Don't ask me!

今回は、いきなり究極の真理から行きます。

自分が誰であるかを証明する時、
最も『役に立たない』ものとは何か?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それは自分自身。

え? そんなのおかしい?

では、たとえばお巡りさんに職務質問を受けたとしましょう。
まず言われるのは、

「身分証明書を出してください」

ですよね?

僕ら旅人もなにかといえば、

「Passport,please」

でしょ?

よくよく考えてみると、これは変だと思いません?

本人が目の前にいるのに、
本人が誰であるか証明するのは、
本人の体の外にある、免許証やパスポートだなんて。

さて、
この哲学的な問題を掘り下げるのは字数の関係で今後に譲るとして、
今回も話題はマイナンバーです。

前回お話しましたように、
僕は区が窓口の特別定額給付金のほか、
都の感染拡大防止協力金や、
国の持続化給付金をすべからくウェブ経由で申請しましたが、
(生き残りに必死なのですよ)
訊かれる内容は税務関係のことばかり。

だったらね、国税庁に訊く方が、
お互いの手間も時間もかからないんじゃないかしらん?

そう思いません?

であれば、僕が申請するのは、
マイナンバーと直近の帳簿のコピーだけでOK!
だって確定申告する時にマイナンバーも書いているのですから。

ところが現実は、皆さんもご存知のとおり。

先の究極の真理に照らせば、
国も都も区も僕が自分自身のことを言ったって信用しません。
だから第3者である国税庁の保証が求められる。

こんな時こそ、各省庁のデータベースを連結する、
スーパープライマリキーのマイナンバーの出番だ!

・・・?

じゃないの?

ん〜・・・結果からすると、マイナンバーシステムは、
莫大な予算と時間をかけ、導入から2年以上を経てもなお、
当初の最も重要な目的すら達成していない。

のね。

つまり使われていない、いや、使えない!
と言った方がいいのかしらん?

僕は申請作業中、ため息をつきながら、
IT稼業時代を思い出しました。

どんなに優れたシステムでも、
人間が使いこなせなければ、高価なジャンクでしかない。

だから僕は、
マイナンバーを記入して提出した情報について、
お役所から質問を受ける度に、こう言い続けようと思ったのですよ。

Don't ask me!

えーじ
posted by ととら at 01:17| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2020年05月19日

助けを待つ人たちのために

今どきパソコンは使えてあたり前。

そんな風に思っている方がIT業界に限らず、
今でもだいぶいるようですが、
ITリテラシーは業界によって大きな差があります。

たとえば飲食業界の場合。
日常おこなう酒や食材の発注ですら、
今でも電話かファックスがほとんどなんですよ。

スマホですら、仕事というより、
電話とカメラ、MP3プレーヤーの他は、
SNSで使っているくらいですからね。

たぶん、この傾向はかなり多くの業界でも、
同じようなものではないかと僕は思っています。
たとえひとり1台の端末が配られている会社でも、
分かるのは使い慣れた業務アプリだけ、
予測しない動きをした時はもうお手上げ!
なんてのは、よくある話でしょう?

そこで特別定額給付金です。

出すも受けるも大混乱ですよね?

僕は中野区で電子申請ができるようになってすぐ、
パソコンからやりましたが、
率直な感想を申し上げますと、

「あちゃ〜・・・やっちゃったね」

でした。

何がと言えば電子署名です。

マイナンバーが必要だというから、
僕はてっきりクレジットカードよろしく、
マイナンバーを打ち込むだけかと思っていたのですが、
電子署名となると・・・ねぇ・・・

一般的にはハードル高いと思いますよ。
しかも事前に専用アプリのインストールまであるし。

あれが今回の配布対象になった、
全国民(世帯主)レベルのITリテラシーで可能なら、
(その半分でも!)
それこそ3月中旬の税務署名物のe-TAX騒動だってなくなるでしょう。

ちなみに、僕が申請していた時は、
アクセスが集中していたのか、
最後の署名データ送信でサーバーへの書き込みエラーが頻発しました。
あれを署名エラーと勘違いしてパスワードをいろいろ試し、
ロックされた不幸な人もいたんじゃないのかな?
(解除するのに区役所の仕事がまた増えちゃう!)

更にいうとですね、
国の特別定額給付金や都の東京都感染拡大防止協力金も、
申請方法はバラバラ。
(こっちはマイナンバー不要なんですよ)
そんなわけで身近で訊いた同業者はみな、
「税理士さんにお願いしちゃった!」でした。

さもありなん。

行政関係の皆さま。
いろいろ大変な時期だとは思いますが、
お互いの状況をさらに大変にしないためにも、
救済プロセスは『必要最低限』かつ『迅速に』、
『現実的な方法』で、お願いできませんでしょうか?

ぷり〜ず。

えーじ
posted by ととら at 21:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年05月16日

災い転じて名作を生む

休業期間中は料理の試作がさくさく進み、
めずらしく、ともこも続けてブログを書いていましたね。
ところがいざ営業が始まってしまうと、

「えーじ、書いといて!」

てなわけで、再び僕が料理ネタも担当することになりました。
今回はロシアやチェコなどスラブ圏で有名な、
はちみつケーキのメドヴニーク(Medvnik)です。

cz_medvnik.jpg
試作(スクェアのワンホール。これをカットしてサーブします)

cz_medvnik02.jpg
僕たちがプラハで食べたオリジナル

lt_medvnik.jpg
これはラトヴィアのリガで食べたもの

美味しそうでしょ?

このほっぺが落ちるレイヤードケーキ、
いまでこそヨーロッパではポピュラーな存在ですが、
生れはなんと、
19世紀初頭の第10代ロマノフ王朝アレクサンドル1世の宮廷だとか。

しかも、その誕生秘話がおもしろい。

ある日、新人の菓子職人が宮廷の厨房に雇われました。
彼にとってはハレの舞台です。

「よし、腕によりをかけて傑作を作るぞ!」

そう意気込んだ彼が、
皇后エリザヴェータ・アレクセーエヴナに献上したのは、
はちみつ入りの薄いスポンジにスメタナ(生クリーム)を塗り、
それを何層も重ねた豪華なケーキ。

その手の込みようにいたく感心した厨司長は、
これなら気難しい皇后も気に入るだろうと太鼓判を押しました。
そして運ばれて行くケーキを見送った後、

「君、あのように複雑なケーキは初めて見たぞ。
 いったいどんなレシピで作ったんだ?」
 
菓子職人は意気揚々と、
 
「はい、まずはちみつを入れた生地で薄いスポンジを焼き・・・」

そう説明を始めるやいなや、

「なんだと〜っ!」

料理長の顔色がみるみる真っ青に変わりました。

「いま、なんと言った?」
「は、はい・・・
 まず、はちみつを入れた生地で・・・」
「大変だ! ケーキのワゴンを追いかけろ!」

厨司長は菓子職人の説明を遮り、
キッチンから飛び出して行きました。
そのあとに菓子職人が続き、

「ど、どうしたんです?」
「ばか者! エリザヴェータ様は、はちみつが大嫌いなんだ!
 だから厨房では、
 どんな料理でもはちみつを使わないよう徹底していたんだぞ!」
「そんな・・知りませんでした」
「言い訳はどうでもいい、とにかくあのケーキを止めるんだ!
 さもないと・・・」

広い宮廷内を疾走して息も絶え絶えになった二人が皇后の居室に飛び込んだ時、
彼らの目に入ったのは、
まさしくエリザヴェータがケーキを口に運んだ瞬間でした。

(BGM: バッハ フーガ ト短調)
(照明:暗転 → スポット:厨司長)

お、終わった・・・
これでわれわれはハローワーク行きか、
最悪はシベリア送りだ。

エリザヴェータは突然の闖入者に一瞬驚きましたが、
すぐ威厳を取り戻し、

「厨司長、その若者が新しい菓子職人ですか?」

彼女の冷たい声が広い居室に響きました。

「は・・・はい。この度は、とんだご無礼を・・・」

言葉に詰まった厨司長を横目に、
彼女はもうひときれケーキを口に運び、
満足そうに飲み下してから、

「いい腕をしていますね。
 こんなに美味しいケーキは初めて食べました。
 明日もまた同じものを持ってくるように」

こうして厨房のうっかりから生まれたケーキは、
その材料を隠す必要もなくなり、
ロシア語のはちみつを意味するмед(メド)を冠し、
Медовик(メドヴィク)と呼ばれるようになったそうな。

めでたし、めでたし・・・

P.S.
ちなみに今回再現したのはプラハで食べたタイプ。
名前に”n”が入ってメドヴニーク(Medvnik)となり、
クリームもキャラメルクリームなので、
味わいは、はちみつというよりキャラメルケーキですね。

えーじ
posted by ととら at 21:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年05月13日

気分を変えて、また一歩

5月7日から再開したランチ営業に続き、
今日からディナー営業を始めます。

内容は4月に始まったばかりのギリシャ料理特集パート2と、
アンコールは変わってハンガリー料理のセルテシュペルケルト!
バルカン半島南北の名物をお楽しみ下さい。

と行きたいところですが!

東京都からの自粛要請もまだ継続しており、
19時で酒類の提供を止め、20時に閉店しなければなりません。
(オーダーストップではなく!)

そこで時短期間中のディナータイムは18時のご来店をお勧めします。
2時間あれば、ある程度ゆっくりしていただけますからね。

新緑がまぶしい、さわやかな季節になりました。
解放したドアから入る風に吹かれながら、
小さな旅に出かけてみませんか?

気分を変えましょう!

えーじ
posted by ととら at 00:27| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2020年05月10日

さぁ、やろうか!

この週末はたくさんのお客さまに来ていただけました。
(密にならない程度にね)

取材旅行から帰った時とは違い、

「元気?」
「久しぶり〜!」
「よぉ〜、ひげが伸びてシブいじゃん!」

なんて言葉が行き交い、気持ちのいい五月晴れの風も相俟って、
皆さん、自粛ムードを忘れる明るい雰囲気に。

そんな中で聞こえてきたのが、

「やっぱりととら亭だね」

という声。

待っていてくれた人がいるというのは、
本当にうれしいものです。

まだまだこの長いトンネルを抜けるには道半場だと思いますが、
さぁ、やろうか!
という気持ちになりましたよ。

確かに薬やおカネも必要ですけど、
元気や勇気のもとになるのは、
人間同士のあたたかい気持ちと言葉なんですよね。

えーじ
posted by ととら at 15:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年05月08日

セコさの秘密

あ・・・

最初のタイトルは『強さの秘密』だったのですが、
書いているうちになんだか後ろめたくなってきたので、
改題しました。

ではやり直して、本音で行きましょう。
僕らが今のような逆境に強いそのわけは?

セコイからです。

ああ、すっきりした。
やっぱりウソや誇張はいけません。

で、本題のセコさの秘密です。
ととら亭がつぶれそうでつぶれない、
ミラクルの種明かしをしますと、
それは・・・

価値基準が並はずれて低いから、なんですよ。

そうすると、
生活コスト、つまり固定費を極限的なまでに小さくできますからね。

たとえば食費にしても、
かつてビンボー大爆発だったころ、
僕らは納豆と豆腐と目刺しをおかずに何日もしのいでいました。

気晴らしにしても、
図書館で読書してるかジョギングですから、
これまたオカネがかからない。

実はこのわが家における『非常事態宣言』、
ふたりで暮らし始めて23年余の間に2回(も!)あったのです。

それをくぐり抜けた経験があるから、
今回もそれほど悲観してないんでしょうね。

そしてたぶん、このカラ元気とも映る自信は、
かつて個人的デフォルト状態に陥る寸前の時でさえ、
その生活を楽しんでいられたことに裏付けられているのかもしれません。

そう、緊張感もあったけど、楽しかったんですよ。
ほんとに。

僕らが6畳一間とキッチンだけの一人用アパートで、
(大家さんにナイショで)
キャンプ生活を送っていた時でも、
(家財道具がキャンプ道具しかなかったのです)
そこがバンガローだと思えば、
風呂つきエアコンつきのハイパーリッチルームじゃないですか!

納豆と豆腐と目刺しの食事だって、
好物で今でも普通に食べているくらいですから、
何の苦痛もありません。

誕生日のケーキが、
コージーコーナーのジャンボシュー(当時1個105円)なっちゃっても、
おいしいんだからいいじゃないですか!

ここまで価値基準が低い、つまり志がショボイと、
普通の神経の持ち主だったら、
壁に向かって爪を噛んでしまうような状況でも、
それほどブルーになったりしません。

どこまで切り詰められるかを競う、
いや、楽しむビンボーゲーム。

僕らはかなり手強いプレーヤーなのですよ。

えーじ
posted by ととら at 23:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年05月06日

出口に向かって

さて、明日から段階的に営業再開です。
僕たちもお店の再起動プロセスに入りました。

東日本大震災、ともこと僕、それぞれの入院や手術など、
この10年余の間にいろいろな試練がありましたけど、
25日間に及ぶ強制無給状態は初めてです。

いやはやほんと、先が見えませんよね?

しかしながら仕事だけではなく、
僕らの旅にトラブルはつきもの。
そして「なんでやねん?」続きの旅だって、
悪いことで埋め尽くされているわけではありません。

現にこの25日間にしても、
新型コロナウイルスは蔓延するは、
収入は止まるは、まともに歩けないはで、
気分は南米かサハラ以南のアフリカの旅か?
ってな状態でありつつも、
毎日7時間以上寝て、
風呂に入った後、時計を見ることなく食事をして、
ゆったり本を読んでいた上に、
10年間で溜まった仕事がだいぶ片付いたじゃないですか!

思えばこれ、
ある意味で、ずっと待ち望んでいたことでもあるんですよ。

そのせいか、ふたりともこの『努力しない努力』の軟禁生活を、
楽しんでいたきらいがあります。

そう、じたばたしたってはじまらない。
どうせやるなら楽しい方がいいに決まってる。

でしょ?

さいわい僕のリハビリも順調です。
一昨日からトレッキングポールなしで歩き始めました。
もちろん、すいこら走れるようになったわけではありません。
まずはバランスとフォームに注意しながら短距離をゆっくり歩き、
次が階段の昇降。
そう、病院で松葉杖と格闘していた時と同じです。

出口が見えなくても、その方向が分かれば歩き出せる。

そしてその一歩を踏み出せば、
確実に、一歩ぶん、出口が近付いてくる。

こういう時はね、焦らずに、地味に地道に行きましょう。

えーじ
posted by ととら at 14:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年05月04日

旅の料理のはじまり

ともこです。

5年前の研修旅行で訪れたのはタイとミャンマー。
タイのバンコクは以前行ったことがありましたけど、
チェンマイとチェンライは初めてでした。

なかでもチェンマイは名物料理が楽しみでした。
ハーブたっぷりのスパイシーソーセージ、サイウア、
ココナッツカレー風味の麺料理、カオソイ、
そしてラオスから伝わったといわれる、
ひき肉とハーブのサラダ、ラープ。

どれもタイのビールとぴったり。
暑くても汗びっしょりになりながら、
これらの料理を食べてたら元気が出てきたのを思い出します。

今回はその中からラープを作ってみました。

ttr_larb.jpg
試作

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現地で食べたもの

お肉を使っていますけど、さっぱりしているので、
試作した分はふたりであっという間に食べてしまいました。
あんまり美味しかったから次の日もまた作ったんですよ。
これはこの夏の黒板メニューで出してみようかな。

ととら亭を始めてこの10年間は、
営業の合間の限られた時間の中で試作をしていましたから、
思うように進まなくていらいらしたり、ハラハラし通しでした。
今回、不本意ながらも、
まとまった時間をもらえて思い出したことがあります。

海外旅行に行き始めた頃は、
美味しかったあの料理をもう一度食べたいなーっていう、
純粋な気持ちだけで料理を作っていたんですよね。

本を調べてレシピを見つけて、
アパートの狭いキッチンで作って、
それからそれをえーじに食べてもらって。

あの頃の気持ちを忘れないで、また頑張ろうと思ったことが、
私のこの休業期間の、一番大きい収穫だったかもしれません。

th_cmirst.jpg
チェンマイの食堂で
posted by ととら at 14:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年05月02日

戦略的共存の道へ

皆さんもご存知のとおり、
国レベルでの非常事態宣言は延長の方向で調整に入りました。
さらに自治体の中でも僕らの住む東京都は、
感染者数において最もクリティカルな存在です。

となると、僕らも生き残りをかけて、
次のフェーズに入らなくてはならなくなりました。

そこで僕らが考えた戦略は・・・

ウイルスとの共存です。

こういうシビアな時は、
事実と推測、希望的観測、理想をしっかり区別し、
純粋にファクト主義で行きましょう。

そのためにはまず、ハリウッド映画にあるような、
悪(ウイルス)が滅び、
善(人類)が完全勝利するようなシナリオは捨てることです。

アビガンやレムデシビルの有効性には希望が持てますが、
それらは専用の予防ワクチンや治療薬ではありませんし、
特効薬を作って量産するには、
少なくとも半年から、
1年以上の時間はかかると想定した方が現実的でしょう。

これは言い換えると、それまでの間、
「何かあったらどうする?」という不安の延長にある、
完璧な安全と安心を求める夢を捨てることを意味します。

それは今のところ、地球上のどこにもないんですよ。

これ、ファクトでしょ?

そこで次に個人的な罹患リスクを評価してみました。

2020年1月1日における東京都の人口は13,951,636人。
これを母数にして5月1日のCOVID-19関連の数字で計算すると、

東京都の感染者数 4317人
重症者       97人
死亡        126人

ですから、

東京都の感染率     約 0.031 パーセント
罹患した場合の重症化率 約 5.2  パーセント
死亡率         約 3.0  パーセント

さらに2020年4月における中野区の人口は336,424人なので、
同じように計算すると、

感染者数        151人
中野区の感染率     約 0.045パーセント

なるほど。

このリスクと、
行政による協力金等の援助で経済的な『延命率』を評価した結果、
僕らは5月7日(木)から、まずランチ営業を再開することにしました。

ディナーについては先の罹患リスクの推移と、
東京都による営業時間の規制、そして実際の集客状況を勘案し、
5月13日(水)から再開する方向で調整に入っています。
(詳しくはウェブサイトの営業スケジュールを更新しますね)

このきわどいオペレーションは、
例えるならディーゼル機関の潜水艦で、
多数の駆逐艦や雷撃機と長期間にわたって交戦する状況に似ています。

艦(ととら亭)内の酸素(資金)には限りがあるため、
窒息(破産)する前に浮上(営業)しなければなりませんが、
それは爆雷による被弾(感染)するリスクを伴いますし、
また酸素(資金)を十分に補給するための浮上(営業)時間も、
別の雷撃による被弾リスク(営業時間規制)で十分には取れないのです。

要はトレードオフの関係にある二つのリスクヘッジを、
刻々と変化するリスク評価の結果と照らし合わせつつ、
ヒット・アンド・アウェイで切り抜ける。

これをやろうってわけです。

スリルありますよ。ほんと。

えーじ
posted by ととら at 11:35| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記