2020年08月29日

旅人となるために その1

バックパッカーと一般的な旅には、
そのメンタリティに違いがあると思いますけど、
目に見える差はやはり費用でしょう。

そしてその費用を左右するのが旅行中の衛生環境。
とりわけトイレが最も影響を受けると思います。
コストが下がるに比例して『すごい状態』になってきますからね。
そして究極的にはトイレそのものがなくなってしまう。

え? じゃ、自然が呼んでいる時はどうするんだ?

もちろんトイレがない場所で、
その、のっぴきならない要求に応えるんですよ。

と申しましても僕らとて、
生まれつきそうした状況に適応していたわけではありません。
何ごとにも段階というものがあります。

そこで過去を振り返ってみると、
僕の場合、どうやら高校時代の部活に、
その第一歩があったように思えてきました。

最初はバスケットボール部だったんですけどね、
ゴール下のラフプレーで、
ミスターファイブファウル(退場大王!)の異名を持っていたがために、
やがてメンバー不足に悩むラグビー部から移籍のオファーを頂きました。
それにまんまとのったのが運の尽き。
入部の意思を示す前に、部室を見ておくべきだったのです。

初めて入ったその『部屋』は、まことに恐ろしい場所でございました。
僕を待っていたのは、ロッカーの他に、
タックルマシーンやラグビーボールが整然と並べられた部屋ではなく、
嗅いだことのない異臭が漂う、
工事現場の資材置き場のようなところだったのです。

しかもその光景は、
その後に起こる悪夢のイントロに過ぎませんでした。

練習は基本的にラグジャーとラグパン姿で行います。
これは別に問題なかったんですけどね、
その状態がビッグプロブレムだったのですよ。

ラグビーというスポーツは全天候型で、
雨だろうが雪だろうが試合は中止になりません。
行く手を阻めるのは唯一、雷だけ。
となると練習もまた同じ。

そこで雨が降り、水たまりができたグラウンドでも練習となるわけです。
時にはスクラムが田んぼ状になった場所で組まれることもありました。
ウイングデビューにもかかわらず、例によってフォワードの人数不足から、
フロントローにコンバートされた哀れな僕には、
練習、試合ともに泥人形にされる運命が待っていたのです。

で、問題です。
こうした惨劇の後のラグジャーとラグパンはどうなったと思います?

なんと、脱ぎ捨てられたまま、
部室の片隅に積み上げられたままになってるじゃないですか!
そして翌日、僕たちはほどよく発酵したラグジャーを着て、
再びグラウンドに出たのでした。

ご想像頂けますでしょうか?
汗と泥と水でぐちょぐちょのラグジャーを素肌の上に着る時の感覚が!

さらに、中でも比較的にきれいなものから先輩が着てしまうため、
1年生の僕らに残されたのは、涙なくして着れないしろもの。

この時ばかりは移籍という自分の選択を心から呪いましたが、
今から思うと、こうした『訓練』が、
過酷なライダー、バックパッカーとしての旅を可能にする、
ベースになったような気がします。

何ごとも苦労は無駄にならないものなんですね。
(こういうのはお勧めしませんが・・・)

えーじ

P.S.
読み返して思い出しましたが、
悲惨な状態だったのはラグジャーとラグパンだけではなく、
ストッキング、スパイクからキャップ(ヘッドギア)まで、
身につけるものすべてがそうでした。
ま、最悪の状態は毎回ではありませんでしたが、
キャップは頭に被るものだけに泣けましたね。
あ、それでやばいヘルメットも被れるようになってたのか。
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2020年08月26日

言えないニッポン

先日、ととら亭のある野方商店街で、
同じく事業を営む商店主の方と話していた時のこと。

「ととら亭さんはコロナの影響でてる?」
「そりゃ出てますよ。
 4月以降、まったく姿を見せなくなった常連さんだっているし」
「ほんと、こっちも厳しいよ。
 でもさ、なにより野方の第一号店にだけはなりたくないよね」

こんな会話、
皆さんもしたご経験があるのではないでしょうか?
実のところ、業種の異なるお客さままで交えて、
僕は何度したか覚えていません。

そしてそのすべてに共通しているのは、
この会話が僕の中で素朴な疑問に突き当たって止まること。

新型コロナウイルスは感染症、つまり病気です。
ならば、不安や心配の対象は健康のはず・・・

でしょう?

しかし、多くの人が抱いている不安、
もしくはそれが進行した形での恐怖とは、
新型コロナウイルスに感染した結果の健康被害に関するものではありません。

野方の第1号店にだけはなりたくない。
これは換言すると、
『学校の、会社の初感染者にだけはなりたくない』であり、
組織を運営する立場からは、
『第1号校、第1号企業にだけはなりたくない』ということ。

これはどういう意味か?

つまり僕たちが恐れているのは、
新型コロナウイルスに感染することによる健康被害ではなく、
社会的制裁なのです。

だいぶ前に『火事場のルール』のお話をしましたが、
たいへん残念なことに、僕たちはどうやら、
感染者は犯罪者であり、感染者を出すことは組織の不祥事である、
というネガティブな認識に染まってしまったようです。

故に奇妙な、
いや、滑稽ともいえる対象の置き換えが起こっているのですよ。

そう、いま僕たちが恐れているのは、
ウイルスではなく人間なのですから。

でしょ?

コロナウイルスは、
『東京都民おことわり』なんて言いませんし、
『この街から出て行け!』なんてネットに書き込みもしません。

これをやり合っているのは、僕たち人間同士なんですよ。

だから感染の可能性があっても怖くて言えないし、
相談することすら憚られる。

感染経路不明のケースが増えた時も、
僕はそれが本当に『不明』だとは思っていませんでした。

言えないんですよ。
言いたくてもね。

だってカミングアウトしたが最後、
あとに待っているのは、立ち回り先を巻き込んでの公開リンチでしょ?

それじゃあねぇ・・・

確かに、感染症としての新型コロナウイルスは、
これまでにない疾病ですし、亡くなった方も大勢いらっしゃいます。
しかし、直接はなした人たちの意見を聞いていると、
現状は病気による1次被害より人為的な2次被害の方が、
はるかに大きくなっているのではないか?

僕にはそう思えてなりません。

それでも視点を変えれば、
ここには一縷の望みがあります。

人為的な原因であるならば、
これまた人為的に解決できる可能性があるじゃないですか。
しかもそれは多大なコストと労力を要するものではない。

それは僕らがみな幼稚園の庭で教わったように、

困った人は助けよう。
自分がされて嫌なことはやめよう。

このふたつを実行するだけで、
コロナ騒動のみならず、社会不安の多くは解消されるのですよ。
そう思いません?

え? じゃ、君が感染したらどうするんだ?

もちろん公表してお店を休業しますよ。

それで風評被害やバッシングに遭ってもいいのか?

いや、そうはならないと思っています。
なぜなら、先のふたつに加えて、もうひとつ、
僕は子供のころの教えを守っていますから。
それは、

仲間(同胞)を信じよう。

そう、僕はこれを読んでくれている、
あなたを信じている。

だから、そうした不安はないのです。

えーじ
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2020年08月23日

暑かった旅 海外編

一口に日本と言ってもオートバイで旅してみると、
想像をはるかに超えた広さがありました。
気候ひとつをにしても、
北海道と沖縄ではまったく違いますしね。

そしてその地域差による驚きは、
ライダーからバックパッカーに変わって、
さらに大きなものとなりました。

確かに日本の夏の旅は暑かった。
しかし!

国境を超えた、その先には、
現代の東京の酷暑ですらかわいく思える場所が、
いくらでもあったのです。

そう、それを体感するのも旅人の務め・・・

とは思っていません。

いや、できれば避けたいくらいだったのですが、
『知らない』とは怖いものです。
僕は前述の通り、暑い場所は暑い時期に行くものだ、
と、モンスーンが吹く前の、
東南アジアや南西アジアに行ってしまったのでした。

で、現地はどうだったかというとですね、
たとえばタイやベトナム、カンボジア、バングラデッシュでは、
暑さが厳しくなる11時から17時くらいまで、
戸外を長時間トコトコ歩くような酔狂はあんまりいません。

そこを僕らはビザを取るために大使館を探して歩き回ったり、
はてや炎天下の屋外イミグレーションで延々と待たされたりと、
暑さを十分以上に味わう破目となったのでございます。

なかでもウズベキスタンからカザフスタンへの国境越えはひどかった!

詳しくはこのブログの『第12回取材旅行 その9』に譲るとして、
端的に申し上げますと、僕らを待っていたのは、
たとえるなら酷暑日に乗った朝8時の山手線が線路上で止まり、
エアコンが切れ、窓も開かない車内で、
1時間以上、バックパックを背負ったっまま立ち続ける状態。

ほかにも6月のヨルダンや8月のパラグアイも堪えましたが、
僕が体験した最高気温は、
やはりモンスーン前に訪れたインドのブッダガヤ。
ここでお釈迦さまは悟りを開いたそうですが、
あまりの暑さに僕にもニルヴァーナが見えそうになりましたよ。

火星を思わせる乾いた大地は、日中の最高気温が日陰でも44度。
とうぜん、昼飯を食べに出た街は、
さながらゴーストタウンのようにひっそりしていました。

持っていたミネラルウォーターはいつしかお湯に。
深呼吸などしようものなら熱気で咳き込んでしまいます。
こうして日が高い間は何もできませんから、
僕は天井の高い仏教寺院に逃げ込み、夕方までぐだ〜っとしていました。

夜は夜で、ファンしかない安宿の部屋は深夜ですら36度。

これじゃ眠れん!

そこでぬるい水シャワーを浴び、
びしょびしょのままベッドではなく床に寝転がって眠るしかない。

いやはや万事こんな調子でさすがに食欲も失せ、
(毎日朝からカレーというのもきつかった!)
3週間の旅が終わって帰国した時には、
矢吹ジョーと戦う前の力石徹のようになっておりました。

この次は、どこで何が待っているのか?

コロナ後の旅に思いを馳せ、
僕は熱中症の厳重警戒が出た野方を走っています。

バックパッカーというのは、
なかなか楽をさせてもらえないのでございます。

えーじ
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2020年08月20日

暑かった旅 国内編

関東地方は晴れ。

朝8時。
アパートの部屋の気温はすでに31度を超えていました。
これがまだ数週間続くとは・・・

はぁ〜・・・どうしたもんだろ?

と思いません?

僕も思います。

そこで考えたのが、
避暑地に行く、プールに行く、冷房の効いた映画館に行く・・・
という納涼系ではなく、その真逆。

せっかく暑いんだから、暑さを楽しもうじゃないか!

というわけでやっているのが、
気温が最も上がる15時頃のジョギングと、
それから帰って室温37度前後のアパートで(サウナ)メディテーション。

これ、水を浴びたほどの汗だく状態になり、
(減量中の力石徹みたいに)
ときどきニルヴァーナがかすかに見えてまいります。
(あぶないから皆さんはやめましょう)

え? やっぱり君はマゾヒストだ?
いやいや、これには訳があるんですよ。

寒い季節は暖かい場所へ、暑い季節は涼しい場所へ。
これが一般的な旅行の基本ですけど、
僕が若かりし頃に学んだのは、
寒い場所は寒い時期に、暑い場所は暑い時期に行かなければ、
その土地の本質は理解できない、という原則。

そこで環境適応のトレーニングとして、
いちばん暑い時間にもっとも暑いことをやっているわけです。

思えばこれは、
オートバイで国内を旅していた頃から始まっていました。

暑かった思い出と言えば、
やはりこの時期に九州や沖縄を目指した旅。

初日のこと、当時、住んでいた横浜の実家を早朝に出て、
箱根を三島側へ下るのが昼少し前。
ご存知のように予算はしょぼしょぼでしたから、
東名高速ではなく国道1号線をひたすら西に向かって走ります。

まもなく沼津あたりで昼食を摂ると、気温はもう30度超え。

「お兄ちゃん、バイクで旅行か? 涼しそうでいいな!」

駐車場で出発しようとしていた際、よくこんな声を掛けられましたが、
これはほんと〜にビッグな誤解なのですよ。
ライダーの現実というのはですね・・・

真夏、日向に停めておいたバイクに乗る。
だいたいにして、まず素手ではバイクに触れません。
よくガソリンタンクが爆発しないな、と思うくらいに熱い。
それに気合を入れて「えいやっ!」と跨ると、
お尻からじわぁ〜っと焼かれてきます。
男性はほとんどゆで卵状態(失礼!)

そしてヘルメットがまた泣ける。

これは熱くありません。
反対にひんやり冷たい。

なぜか?

暑い道路をひたすら走ってかいた汗を吸い込んだインナーが、
お店のエアコンで冷えているからです。
このぐちょっとしたのを被る。
自分の体から出たものとはいえ、悲しいものがございます。

さらにこれを数日繰り返すと、
哀れなヘルメットは毒ガス発生装置と化し、
あまりの臭さに被れなくなってしまうんですよ。
しかし安いヘルメットのインナーは脱着式ではありません。
そこでキャンプ場や宿に着いたらヘルメットに水を注ぎ、
シャンプーも入れてじゃぶじゃぶごしごし洗うのです。

翌日には乾いていますから、その後の半日は快適。
しかし午後からはまた、ぐちゃっとひんやりするのでございます。

そして食後は西日を正面から受けながら名古屋を目指しますが、
この状態を端的に申しますと、
ストーブを抱いてフライパンの上を走っているようなもの。

更に出発当時は白かったTシャツがトラックの排気ガスを浴び続けた結果、
豊橋あたりまで来るとグレーの霜降りに染め上がり。

この頃、もう僕の頭にあるのは、
どこかの安宿に飛び込んで浴びる水シャワーだけ!

そこではっと息を飲むのは浴室で裸になって鏡を見たとき。

露出していた二の腕から手首までと、
アスファルトの照り返しを浴び続けた首下だけが焼けているのです。
おまけに首にはストラップの白い跡がくっきり。

ん〜・・・ライダーが絶滅危惧種となった理由も分かりますね。

こうして旅した真夏の西日本。
四国や九州から沖縄、八重山諸島まで、
なんともまぁ暑い旅でございました。

でも、そんな中で涼しかった思い出もあります。

あれはあまりの酷暑に辟易した天竜川沿い。
誰もいない山道でバイクを停め、
トランクス一丁になり、飛び込んだ清流の冷たさは今でも忘れられません。
そして河原の岩の上で大の字になっての甲羅干し。
自動車一台通り過ぎることもなく、聞こえてくるのは蝉しぐれだけ。

こうした水浴びを九州の南部でもやったことがあったなぁ・・・
あれは大隅半島の山中で道に迷った時のことだったけど、
なんという川だったんだろう?

そんな旅から25年以上が経ちましたが、
炎天下の野方の道を走っていると、
ふと、あの頃の旅が頭に浮かびます。

真夏の旅は、
僕の中でいつまでも終わらないのかもしれません。

えーじ
posted by ととら at 14:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年08月17日

From two to four

「そのバインダー、見てもいいですか?」

archivebook.jpg

カウンターに立てかけてあるこの赤いバインダー、
ととら亭10年余の旅のメニューが集められています。
ある日のディナータイムで、
これを手に取ったのは二人の姉妹。

「あ、これ食べたよね?」
「うんうん、覚えてる」

これまでやった旅の料理の特集は42回。
僕たちにはそれぞれ、
取材の旅の思い出がぎゅっと詰まっていますが、
ととら亭という場で流れた時間は、
作り手側だけのものではありません。

姉妹が初めて来店したのは、
2010年の4月、お姉ちゃんの中学校入学式の帰りでした。
妹さんはまだあどけない小学生。
緊張して席についた姿を僕は今でも覚えています。

そして月日と共に成長していった彼女たちは、
いつしか『かわいらしい女の子』から、
『美しい女性』へと変わって行きました。

「これおいしかったなぁ」
「わたしはこっちが好きだったよ」

彼女たちはどんな思い出として、
かつて食べた料理を見ているのでしょうか。

10年前と同じ、和やかな家族のテーブル。

ワイングラスの数がふたつから4つに変わったことが、
この場にあって僕らとは違う、
もうひとつの時の流れだったのかもしれません。

それぞれの旅が、ここにもありました。

えーじ
posted by ととら at 14:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年08月14日

免疫力を高めよう!

って、コロナウイルスに対する免疫力を上げるには、
今やっているレバノン料理とお酒がいい!
なんて言おうとしているんだろう?

違いますよ〜。
売り上げがイマイチでも、
そういう姑息なマーケティング戦略は使いません。
それに僕は医療に関して素人ですから。

にもかかわらず、このタイトルで始めたのは、
僕の専門でも免疫について語れることがあったからです。

それは『情報免疫』。

IT業界、
とりわけネットワークやセキュリティを担当していた経緯から、
インターネットを構成している各技術に信ぴょう性を期待しても、
それは四辻で悪魔に道を訊くようなものだと僕は悟りました。

ネットを流れる情報に真実や事実がないとまではいいませんけど、
それを特定することは極めて難しいんですよ。

だから僕はたとえ政府が発表したものでも、
額面通りに受け取ることはまずしません。

ふぅ〜ん・・・あっそぉ〜・・・って感じ。

ましてやSNSで飛び交う匿名の情報は、
トイレの落書きと同じレベルだと見なしています。
(つまり読まない)

実はこの疑り深い性格、仕事以前に身についたものなのです。

そのきっかけは旅。

特に海外を単独で旅していると、限られた情報をもとに、
重要な判断をその場でしなければならないことがよくあります。
そんなとき、怪しい話を真に受けて、いいことがあったためしがない。

たとえば初対面の相手がにっこり笑って、
「いいレートで両替しますぜ」とか「お得なホテルを紹介しますよ」
なんて言ってきたのに「わぁ〜、ホント!」ってついて行ったら・・・

どうなるか、お分かりになりますよね?

もちろんここでも本当のことを言っている人だっています。
しかし、先のネットの世界の話と同じく、
その場で真偽を見抜くのはとにかく難しい。

そんな『やられた!』ケースを積み重ねて身につけたのが、
今日、お話する『情報免疫』です。

まず、テレビやインターネットなどの媒体系の場合。

1.匿名の情報を判断材料に使わない。
  (どうせ役に立ちません、というより害になりますよ)

2.情報ソースを確認して発信者の利害とイデオロギーを嗅ぎ取る。
  (これでバイアスがある程度わかります。
   右派は左派が嫌いですし、その逆もまた然り。
   労使も基本的には対立しているものです。紛争を抱えた国家間もそう)

3.単一の情報だけで判断しない。
  (情報ソースのあきらかな、
   できれば利害の対立するソースの情報を突合して、
   浮かび上がる像に着目する)

4.情報確度を判断する。
  (ソースが経験を伝えている一次情報なのか、
   それとも伝聞を伝えている二次、三次情報なのか、
   それを判断することはとても大切です)

次に相手が目の前の人間だった場合。
基本的には媒体系とかぶりますけど、

1.相手の言っていることが、
  経験なのか、伝聞情報なのか、推測なのか、意見なのか、願望なのか、
  これを弁別しましょう。混同すると危険です。

2.ノンバ―バルなメッセージに着目します。
  嘘というのは基本的にコトバで出来ています。
  行動で嘘をつくことは詐欺師にも難しいですからね。
  そこで僕は相手の本質を行動から読み取るようにしています。
  
3.相手の本質を現在と未来ではなく過去から理解する。
  目の前の相手がよく分からない場合、明日の予定(願望、約束)ではなく、
  過去にやってきたこと(ファクト)から本質を求めます。
  暴君が一夜にして博愛主義者になることはまずありません。

そして情報免疫力を高める上で最も大切なのは、
繰り返し自己チェックプログラムを走らせること。
何より一番怪しいのは情報の受け手である自分自身なのですよ。
(特に僕の場合ね)
で、迷った時にやるべきチェックのポイントは、

1.情報と経験の区別はついているか?
  別の言い方をしますと、『思考』と『行動』を混同していないか?
  経験は行動の結果なんですよ。
  しかるに『思考』は『現実』とも違う。 でしょ?

2.判断基準にしている『価値観』は、本当に自分のものか?
  コピペした価値観を自分のオリジナルだと錯覚しているケースはとても多いです。
  マーケティングのテクニックは、これを逆手に取ったもの。
  星の数でホテルや飲食店を選ばせるのも同じ手口です。

3.自分自身のバイアスを認められているか?
  偏見と先入観から完全に開放されている人はまずいません。
  かくいう僕だって偏見のかたまりです。(イヤですけど・・・)
  でも、その傾向を理解していれば、落とし穴を回避できます。

いかがでしょう?
こうして情報免疫力を高めると、旅で役に立つだけではなく、
コロナ騒動も人災部分がだいぶなくなるんじゃないかな?
最近、恐ろしいのはウイルスより僕ら人間の方ですからね。

え? だから君の言っていることも疑ってる?

Good!!

えーじ

P.S.
ひとつ追記です。
ニュースはヘッドラインだけで『分かった』つもりにならないように。
報道機関も資本主義社会のお仕事のひとつなので、
買ってもらって、アクセスしてもらってなんぼで食べています。
そのベイト(餌)がヘッドライン。
刺激的でファッショナブルな表現であなたが食いつくのを待っています。
ですから本当に興味があるなら、
本文まで読んでみないと、とんでもない誤解をすることになりかねない。
これ、怪しい通信社だけではなく、ビッグネームも(公共放送ですら!)同じです。

posted by ととら at 12:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年08月12日

アナクロ野郎を動かす力

「どうして旅に出ようと思うのですか?」

ある日のディナータイムで。
今どき珍しい20歳代男性の旅人の卵から、
そんな質問を頂きました。

む〜・・・ディープなことを訊くね。

ライダー、バックパッカーで旅を続けて35年余。
僕はなぜ旅を続けているのか?

そもそも僕にとって旅とは、手段でも目的でもない。
自分自身の『在り様』なのではないか?

そんな風に以前から感じていました。

そして今あらためて考えるに、
僕を旅へ突き動かす力とは、
たぶん、純粋な『好奇心』ではないかと思うんですよ。

だから国内を旅していた時も、日本100名山登破!
とか、全都道府県走破!
というスタンプラリー的な動機は、まったくありませんでした。

これはバックパッカーになってからも同じで、
マーケティング戦略として渡航国数をあげる時もありますけど、
世界一周! とか、世界遺産全制覇!
というのも実は興味ありません。

あの地平線の向こうに何があるのか?
誰がいるのか?

知ってどうこうなるというものではありませんが、
知ろうとせずにはいられない。

この延長線上に、ととら亭の仕事があるんですよ。

ギョーザやカツレツ、南蛮漬けなど、
料理の伝播ルートと起源探しで、
明確な答えに到達するのはおそらく不可能でしょう。
でも、旅を続けることで少しずつ見えてくるものがある。
(謎もまた増えてしまいますが・・・)

料理は食べてみなければ分からない。
それと同じように、
ここではない場所は行ってみなければ分からないし、
人もまた会ってみなければ分からない。

つまり僕は、情報化とは無縁の世界で、
自分を見つけてしまったのでしょうね。

えーじ
posted by ととら at 15:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年08月09日

ないないづくしの夏の旅

関東地方も長い梅雨が明け、
だいぶ遅れて夏本番となりました。
ここから1カ月半は厳しい暑さが続くと思うと、
げんなりしてきますね。

でも、僕らにとって、こんな時に思い出すのは夏の旅。

とりわけ沖縄から八重山諸島をオートバイで巡った旅は、
20年以上を隔てた今でも、
「米原キャンプ場を思い出すね」とか、
「公設市場で食べたソーキソバは絶品だったよ」なんて、
まるで先月行ったかのように話題に上ることがあります。

しかし、あの一か月半に渡る旅は、
皆さんの感覚からいうと考えられないものかもしれません。

お金を貯めて、仕事を辞めて、帰ってからのことはおろか、
明日のことすらまともに考えることなく出発してしまったのですから。

で、当然のことながら、懐具合はトホホにショボイ。
いくら持って行ったのか、もう忘れてしまいましたが、
移動手段はフェリーとオートバイ、
宿泊の3分の2がキャンプだったことからすると、
滞在中に使えた1日の平均予算は、
たぶん二人合わせて5,000円くらいだったかもしれません。
(いや・・・もうちょっと少なかったかも)

装備も1台のオートバイに積めるだけですから、
キャンプ道具のほかは着替えと文庫本、それにカメラくらい。
時代からして当然スマホもPCもなし。
あ、クレジットカードも持っていませんでした!

たまの贅沢が暑い日中に、
石垣島のモスバーガーでアイスコーヒーを飲むことだったな。

え? そのどこが贅沢なんだ?

いやいや、テント暮らしだとですね、
エアコンと冷たい飲み物は、ホント〜に貴重なんですよ。

ホットシャワーも贅沢品のひとつ。
普段はヒルの這うコンクリートの壁に囲まれた、
キャンプ場の水シャワーだけ。

とにかく、ないないづくしの夏の旅。

それでも、あんなに楽しかった旅はありませんでした。

美しい海。
雄大な夕陽。
夜空を覆う星の天幕。
そして、心やさしい旅人たち。

思えば、おカネこそありませんでしたけど、
僕らの旅に必要なものは、すべて揃っていたのです。

あれから20数年。
あの当時から比べれば、僕らはいろいろなモノを手に入れ、
銀行預金の残高だってずっと増えました。(当人比)

でもね、旅に必要なものは、あの頃と何も変わっていないんですよ。

言い換えると、
僕たちがハッピーでいるのに必要なものは、あんまりない。

ランチタイムが終わり、
照りつける太陽の下、アパートに向かって自転車をこぎながら、
僕は遥かなる南の島の道を思い出していました。

えーじ

P.S.
じゃあ〜ん! 本邦初公開写真です。

taketomi01.jpg
ともこ 28歳! ひっそりとした竹富島で。

ishigaki03.jpg
えーじ 35歳! よく見ると分かりますがロン毛です。
この通りの風体でしたので、
海外に行った時の機内や空港で日本人とは思われませんでした。
石垣島の平久保崎で。

yonehara01.jpg
1998年6月〜7月 石垣島の米原キャンプ場で。
右側のドームテントが『わが家』。
僕たちの旅の原点です。

ishigaki02.jpg
僕の愛車、フリート(BMW R100GS)と。
実家で眠っています。いつか復活させてやるぜ!
posted by ととら at 16:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年08月06日

Peace and safety for Lebanon!

いま特集しているのはレバノン料理。

営業中、「そもそもレバノンってどこですか?」
とよく訊かれるように、
日本では一般的に近しい国ではありません。

それでも昨今、
ゴーンさんの逃亡先として注目を集めましたが、
まもなく世界規模のコロナ騒動の影でかすんでしまい、
今年の3月にデフォルトを起こしたことですら、
ニュースの国際欄の片隅で報じられた程度。

深刻な不況と広がる経済格差。
構造化した政治腐敗。
南部でくすぶるイスラエルとの問題。
そしてパレスティナ難民の問題すら未解決のままなのに、
追い打ちをかけたシリア難民の流入・・・

たった岐阜県程度しかない小国家が背負うには、
重すぎる課題が山積するなかで、今度は大きな爆発がありました。

現場は僕らがトリポリ行きのバスに乗った、
シャールヘロウバスターミナルから北東500メートルくらいのところ。
何の変哲もない、ごちゃっとした港湾地区でしたが、
まさかあそこにあんな物騒なものがあったとは・・・

滞在中、治安状況を確認するたびに、異口同音で返ってきた、
「今日は問題ないけれど、明日はどうなるか分からない」
という言葉が頭をよぎります。

乏しいリソースで生活を守りつつも、
笑顔を忘れない、外国人の僕らにも親切だった人々。

一日も早く、この傷が癒えますように。

そして今の困難に取り組むプロセスが、
別の問題を乗り越える礎となることを願ってやみません。

Peace and safety for Lebanon!

えーじ
posted by ととら at 15:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年08月04日

待ってくれた人

朝8時半。

僕が出勤する時に横切る本町通り商店街は、
よぉ〜く、注意しなければなりません。

と申しますのも、
開かずの踏切でストレスエナジーが120パーセントに充填された、
自転車、バイク、自動車が、
デススターに突入するXウイングよろしく、
幅4メートルの狭い道路でデッドヒートを繰り広げているからです。

その日の朝も、僕はいきなり渡り出すという自殺行為はせず、
そ〜っと路地から顔を出して、彼らが突撃してくる左側を見てみました。
(一方通行なんですよ)
すると・・・

お〜、来た来たぁ〜っ!

先陣を切って来たのは、いつものように原付バイクと自転車。

すごいね、あの立ちこぎチャリ、人力でもバイクと競ってる。
きっと彼はプロの競輪選手なんだ。

続くは自動車。
わずかに開けた車間距離に、微妙な間隔で自転車が入り込んでいますから、
さながらブルーインパルスの編隊飛行みたいです。

うん、見かけは学生さんやお母さんなんだけど、
もしかしたら航空自衛隊の精鋭パイロットなのかもしれない。

なぁんて、寝起きのぼ〜っとした頭で妄想していたら、
目の前の喧騒が突然、静寂に変わりました。

はっとわれに返ると、
白い軽自動車が停まってくれています。
そしてそれに同調した自転車やバイクも、
同じように停まってくれているじゃないですか。

軽自動車のフロントガラスが朝日を反射していて、
ドライバーは見えません。

僕が一礼して急いで道路を渡ると、
その途端、背後はまたデッドヒートが再開されました。

あのドライバーは、どんな人だったんだろう?

この通勤ルートを歩き始めてかれこれ8年半。
実は、ここで自動車が停まってくれたのは、これが初めてだったのです。

うん、今日はきっと何かいいことがあるぞ。

僕は爽やかな気持ちで、またお店に向かって歩き始めました。

えーじ
posted by ととら at 11:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年08月01日

1300円からのスタート

今日は月初。

ランチタイムにレジを打った時、
さぁて、ここから今月の始まりだ、という気分になります。

前月の結果がどうであろうと、それはそれまでのこと。
今月もまたランチの価格の1300円が仕事上の第一歩なんですね。

飲食店のビジネスはある意味、小学生でも分かるシンプルなものでして、
ととら亭の場合、ランチの1300円からスタートし、
日々こつこつと売り上げを積み上げ、まず目指すのは損益分岐点。

これは家賃などの固定費と、
損益分岐点までを稼ぐための食材費や水光熱費などの、
変動費を合わせたもので、
単純に超えれば黒字、切れば赤字ということになります。

しかし実際のゴールはもうちょっと上でして、
先の数字に自分たちが生活するうえでの固定費、
たとえばアパートの家賃や健康保険税などと変動費の食費などが加わり、
その合計が正味の損益分岐点を決めます。

実はこの高さが、昨今のような厳しい経営環境下で、
生き残る最重要ポイントになっているのですよ。

つまり、正味の損益分岐点が低ければ低いほど生存率が上がり、
高ければ・・・ニュースをご覧の通り、というわけですね。

そう、皮肉にも、多くの人々に働く場を提供し、高い家賃を払い、
高額の税金を納めている、社会貢献度の高い店ほど、苦境に陥っている。

僕には、競争相手というより、同じ業界で生きるフェローとして、
他の経営者にいつもシンパシーを感じています。

損益分岐点を超えてすべての支払いが終わったとき、
ああ、今月も人さまに迷惑をかけずに済んだな、と胸をなでおろし、
正味の損益分岐点が見えたところで、
さぁ、あの向こうが自分の給料だ、と姿勢を正す。

同業者諸兄。

今月も厳しい戦いになりそうですが、
攻守を臨機応変に切り替えて、
達成感のある、ハッピーな月末を目指しましょう!

えーじ
posted by ととら at 15:35| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記