2021年08月05日

僕のトラシュー人生 その4

ふ〜・・・やれやれ。

炎天下のアパート、店舗間3往復を楽しんだ僕は、
汗を拭きながら116番へコール。
状況を伝えると修理チームから折り返しとなりました。
そこで僕は携帯電話の番号を伝え、
再びとぼとぼお店へ歩き出したのです。

IT稼業時代に思い知りましたが、
ネットワーク系のトラシューとは、
まさしくこうした肉体労働の上に成り立っているのですよ。

なぜなら『通信が繋がらない!』となると、
まず机の下から始まり、床下、天井裏を這いずり回る、
ケーブルトレースが待っているからです。
(特にダムHUBで中継されたネットワークは最悪でした)

さて、そんな悪夢の過去を思い浮かべつつお店に戻ると、
ほどなくNTTさんから入電。
さすが大手は対応が早いですね。
そこでもう一度、こちらの状況を説明。

「それでは折り返しテストを行いますので、
 一度電話を切らせて頂きます」

A点とB点の2点間における通信トラシューを行う場合、
基本は両端からどこまで通信できるかをテストすることです。
今回の場合、
1端の僕が終端の子機から壁のモジュラージャックまでを切り分け、
ここからNTTさんが、中継局から建屋の保安器
(家の外壁に取り付けられているベージュ色の長方形のケース)
に向かって回線テストを始めるってわけですね。

して、3分も経たないうちに携帯が鳴り、

「回線テストでも異常が検知されました。
 ここからは現地で調べないと分からないのですが、
 ただいま大変混みあっておりまして、
 最短で明後日の対応となりますが、よろしいでしょうか?」
「結構ですよ」
「また、調査の結果、お客さまの建屋内の障害だった場合は、
 出張費用と、さらに部品の交換が発生した場合は、
 その費用もご負担いただくことになってしまいますが、
 それもよろしいでしょうか?」
「もちろんです。ちなみに概ね幾らぐらいですか?」
「ケースにもよりますが、2万円前後となる場合が多いです」
「分かりました」
「それでは作業員が伺う前に連絡をさせます」

そう、修理作業は時間の確約ができないんですよ。
順番に終わり次第、次へ回ってきますので。

さて、そして当日。
意外と順番が早かったようで、10時半ごろに携帯が鳴り、
その後15分もすると若手のCEコンビが汗だくで現れました。
この酷暑の中、長そでの作業着姿は、
いかに換気システム付きジャケットとはいえ同情を禁じえません、

「そのファンシステムは効果あります?」
「いや、外気温が30度くらいまでですね」

だろうね。
当日は酷暑日一歩手前の34度。

玉の汗をしたたらせたCEコンビは屋内チェックも早々に、
外のポールを確認しに出て行きました。
そして10分もしないうちに戻ってきて、

「どうでした?」
「予備線も全部ダメでした。
 まだ場所は特定できませんが、より上流に問題があると思います」
「なるほど、となると少なくとも建屋内の問題ではない?」
「そうです」

よかった! とりあえず実費負担はなしね。

「大変申し訳ないのですが、
 今日のところはこれ以上の調査ができません。
 日にちをあらためての対応となりますが、よろしいでしょうか?」
「仕方ないですよ。いつ頃の対応になります?」
「最短で明後日です」
「じゃ、それで行きましょう。こちらの立ち合いは?」
「ありません。ポールより先になりますので」

そしてCEチームが撤収し、

「どう? 直った?」
「いや、まだ切り分け中。どうやらポールから局側の問題みたい」
「え〜っ、大ごとね!」
「うん。でも不思議なのはネットワークの枝じゃなくて、
 幹に近いところの障害なのに、
 なんで今まで表面化しなかったんだろう?」
「・・・?」
「ほら、そうなると使ってる人も僕らだけじゃないだろう?」
「そうね」
「なのに近所で電話が使えないって話は聞いてなかったじゃん?」
「ともあれおカネはかからないでしょ?」
「うん」
「あたしはそれだけ聞ければ満足よ!」

というわけで、
お店の電話の復旧は、後日に持ち越しとなったのでありました。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 11:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記