電話の障害対応がユーザーの僕から支線のCEへ、
そしてついに基幹側に渡ってしまいました。
こうなるともう僕の出番はありませんから、
後はひたすら連絡を待つだけ・・・
そして約束の2日後。
外出先から野方駅に戻ると駅前にNTTの工事車両が停まっています。
ん? あれはもしやうちの件の修理部隊?
そこでお店の前に行くと、
立哨さんの後ろでマンホールの蓋が開いており、
中では何やらエンジニアさんが奮闘中。
そうか、ととら亭の電話線は電信柱からではなく、
地中のケーブルから伸びてるんだな。
う〜ん、これで直るといいんだけど・・・
そう願いつつ、自宅に戻り、
僕は別のペーパーワークをやっておりました。
そこへ携帯が鳴り・・・
「NTTの者ですが、
修理が終わりましたのでテストしていただけますでしょうか?」
「すみません、いま現場にはおりませんので、
30分後くらいになります」
「わかりました。多分これで大丈夫だと思いますが、
何かありましたら再度ご連絡ください」
「原因は何でしたか?」
「ケーブルの不具合です」
「予備線に分岐する前のところの?」
「そうです」
「暑い中、どうもありがとうございました」
しばらくしてお店に戻り、受話器を上げると・・・
「どう? 直った?」
「お〜、クリアだ。なんのノイズもない」
そのあと1時間ほどネットにアクセスしていましたが、
ADSLのリンクダウンも起こりません。
ふ〜・・・一件落着か。
さて、こんなことを年中やっているもので、
度重なる転職もあながち悪いもんじゃなかったな、
と思うことがよくあります。
と、申しますのも、皆さまご存知のとおり、
僕とともこは転職の達人。
(失業の常習犯ともいいますが・・・)
それも同業ではなく、
たいてい未経験の業種に飛び込んでおりました。
そんなことを繰り返していると、見識のある方々からしばしば、
「キャリアを無駄にするべきではない」と忠告を受けたものです。
しかし、少なくとも僕らの経験では、
過去のスキルが完全に無駄になったことはまずありませんでした。
事実こうして、一見まったく無関係の、
IT稼業と飲食業が結びつくこともありますし、
マーケティングやデザイン、
はてや駄文のもの書きまで役に立つことだってあるのです。
とりわけトラブルシューティングを行う場合は、
(特に孤立無援の外国の旅先で!)
それまでに身に着けたすべてのスキルを総動員!
なんてことも珍しくありません。
そういえばこういう通信系のトラシューは、
安宿のしょぼいWi-Fi環境だとお約束なんですよ。
こういう時にYahooあたりのメジャーなサーバに向かってtracertを打ち、
名前解決がされているか、障害のポイントがAPか、ゲートウェイか、
その先かの切り分けをして、
ゲートウェイから手前ならホテルのフロントへ、
その先だったら諦めて別の場所からやってみるなんてのも、
あの業界にいたからこそ身についたスキルでした。
あ、そうか。
IT稼業ってのは、
トラシューそのものが仕事だったりするんですよね。
次は何が起こるんだろう?
いや、実はもう起こっているんですよ。
「えーじ、給湯器がまたエラーコードを出してるよ!
表の電源をリセットしてきて!」
はいはい。
End.
えーじ