最近、買い物してます?
いや、必要に迫られて行く、
スーパーマーケットやドラッグストアでの買い物ではなく、
『欲しいから買う』場合のことです。
このメンタリティは『必要だから買う』ケースと、
まったく違いますよね?
自分が欲しいものをショーウィンドウ越しに眺め、
「あ〜、素敵だな・・・いいなぁ・・・」と憧れ、
それを手に入れることを夢見ながらお金を貯める。
そしてまるで試験にパスするとか、
試合に勝つとかした時のような達成感をもって、
「これを下さい!」とお店で宣言する。
僕にもそんな経験がたくさんあります。
古くはモーリスのフォークギター。
小学生のころ、
クラシックやジャズ畑の多かった母方の影響で、
僕はフルートを吹いておりました。
ところが中学生になり、最初のクリスマスパーティーで、
友人がフォークギターを弾いているのを目の当たりにしたとき、
僕は自分の人生が音を立てて(字義どおりに!)、
変わって行くのを感じたのです。
なぜなら・・・
フルート → もてない・・・
フォークギター → もてる!
そう、
フォークギターを弾きながら歌う友人を見る女の子たちの眼差し。
こ・・これだぁ〜っ!
僕の人生でいま最も必要なもの、
それは教科書でもバスケットボール(当時バスケ部でした)でもない。
フォークギターだ!
しかし、人生とは常に困難を伴うもの。
中学生の子供とて例外ではありません。
僕に伴っていたのは、おカネを伴っていないという逆説でした。
(両親はこうした要望に不寛容だったのでございます)
とはいえ、そんなことで諦めるほど、
僕の意思とリビドーは軟弱なものではありませんでした。
高校生と年齢を偽ってバイトし、
(同年齢の中では背が高かったのに加え、
今につながる口八丁手八丁の才能のおかげで)
僕は2万5千円の現ナマをゲットし、楽器屋さんに飛び込んだのです。
そして手にしたのはモーリスのフォークギター。
(YAMAHAにするか迷いましたがモーリスの方がちょっと安かったので)
僕の熱意に押されてケースとストラップ、ライトゲージの弦、
カポタストにピックからチューニング用の音叉までオマケしてくれました。
よ〜し、あとはFコードとアルペジオをマスターして、
『なごり雪』がプレイできれば完璧だ!
(そうしたシンプルな時代だったのです)
これは今を去ること44年前の話。
それでもあの時、
楽器店を出た時の感動は昨日のことのように覚えています。
それからオートバイやカメラ、キャンプ道具など、
ああ、いいなぁ・・・欲しいなぁ・・・
と思って買ったものがたくさんありました。
ところがここ20年くらい前から、
それまでにはないメンタリティで買い物をすることが始まったのです。
それは、
ふぅ・・・しょうがねぇなぁ・・・買うとするか・・・
というもの。
これは憧れて楽しみにしながら、
遂に手にした喜びを噛みしめるものではなく、
どちらかというと損をしたような気になるもの。
そう、それはデジタルからくりです。
ととら亭の独立資金の大半を、
IT企業で稼いだ僕が言うのは噴飯ものだと思いますが、
あえて言わせて頂きますと、
僕は新しいPCも最新のOSやソフトウェアも要りません。
若い方には信じられないでしょうけど、
スマホも欲しくて買ったんじゃないんですよ。
(未だにLineはやらないしSNSのアカウントも持ってないし・・・)
ではなぜ大金をはたいて要らないものを買っているのか?
それは使い慣れた、
何の不満もないものが『使えなくさせられてしまうから』です。
ことOSに限っていえば、
さすがにSTOPコードを吐きまくるWindowsNT4.0はご勘弁ですが、
次にリリースされたWindows2000で僕は十分満足していました。
そこから後続のOSは要らない機能ばかりで重くなり、
買わずに済むのなら、そうしたかったんですよ。
スマホも航空会社や宿とのやり取りでどうしても必要となり、
仕方なく買いました。
だから今でも使っているのは、
6年前の2015年に初めて買ったiphone 6sPlus。
え? iphone12に乗り換えないのか?
しません。
今の機種で十分僕のニーズは満たされていますから、
使える限り6sPlusのままでいい。(10年後でも!)
でもね、メーカーさんは、そう言わないでしょ?
こういうところが息の長い仕事をするBMWなんかとぜんぜん違う。
(僕がバイクメーカーでYAMAHAやHONDAよりBMWを選んだのは、
外車趣味だからではなく、サポートの長さからなんですよ)
6sPlusはまもなくサポートを切られてアップデートはおろか、
修理すら受け付けてくれなくなるでしょう。
(というか、IT企業は会社そのものの寿命が短いので、
メーカー自体がなくなっちゃうことも)
そうしたら僕はどうするのか?
買わされるんでしょうね、新しいスマホを。
大金を払って・・・
え? それじゃ今は前向きな買い物はないのか?
そんなことはありません。
以前に比べたら割合は少なくなりましたけど、
いいなぁ〜・・・欲しいなぁ・・・
と指をくわえているものはあります。
たとえばエレクトリックベースの Spector Euro 4 LX NATURAL GLOSS。
Police時代のStingや、
今は亡き元ELPのGreg Lakeが使っていたことでも知られるこのベース。
小柄なボディで扱いやすく、
それでいてジャジーな指引きからゴリゴリのピック弾き、
そしてスラッピングまで幅広くバランスの取れたトーンを弾き出します。
え? で、そりゃいくらするんだ?
あ、いや、その・・・このブログは社長(ともこ)も読んでいるので、
お値段はちょっと・・・
ま、夢は大きい方が実現した時に嬉しいものじゃないですか!
えーじ