2021年09月07日

楽観論者の悲観論

東京の新型コロナウイルス感染者数がだいぶ落ちてきましたね。
この分だと9月12日は無理でも月末には規制が緩むかな?
めでたし、めでたし・・・

なんですけど、
毎日このグラフとにらめっこしていて、
最近、妙な違和感を覚え始めているんですよ。
とりわけこうしたタイミングで、
「対策が奏功して」なんてフレーズを聞いたりすると。

僕は構造主義者の仏教徒なので、
ものごとを因果律でとらえがちなのですが、
感染者数の推移の説明は、どうも釈然としません。

これってね、
毎回やり玉に挙げられる悪の組織、
僕ら飲食業界や風俗業界、
イベント業者の跋扈でグラフが上がり、
正義の行政が諸悪の根源を規制することでグラフが下がる・・・

本当にそうなのかしらん?

僕が素朴にそう思い始めたきっかけは、
同業者によるモロ営業と闇営業でした。

確かに生活がかかっているとはいえ、
社会的責任を顧みない連中は困ったものです。
しかし見方を変えると、
彼らは疫学的人体実験のボランティアなんですよね。
なぜなら感染力がアップグレードされたデルタ株が蔓延するなか、
やっちゃならねぇ3禁を実践しているのですから。

僕も最初は「あちゃ〜、あれじゃクラスターは避けられないね」
と思っていたのですよ。

ところが!

1週間、いや1カ月が過ぎ、2カ月が過ぎても、
彼らは営業し続けられているじゃないですか!?
それも闇営業の店なんて、
外から見えないようにシャッターを下ろし、
風通しの悪い狭い店内で盛り上がっているんですよ!

もちろん、すべての店が無事に済んでるわけではありません。
野方でも「やっちまった」ところは何軒か聞いています。
しかし、それは要請拒否組全体からみれば、ごく一部なんですね。

なぜ感染しないんだ?
いや、感染しても経路不明にしているだけなのか?

とも考えましたが、お客さんはこれで済んでも、
最も感染リスクの高い店舗スタッフが集団感染した場合、
当然、お店は臨時休業とならざるを得ませんから、
黙っていたってすぐ周囲に知れ渡ります。

しかし、野方、都立家政、高円寺など、
僕らのお膝元を実際に歩いてみた限り、
やっているところは、概ねやり続けられている。

ここで僕は、
「それじゃ、もうみんなで赤信号を渡っちまおう!」
と言っているのではありません。

話を戻すと、感染者数が増減する要因は、
僕らが素朴に信じているシナリオではないんじゃないか?
そう思えてきたんですよ。
つまり、ウイルスは人間の抵抗など意に介さず、
彼ら独自の理由、つまり僕らから見たファクターXに従って、
増減を繰り返している。

これは一見、反対の立場をとる、
懐疑的な陰謀論者にも共通しているのですけど、
僕にはどちらも人間の力を過大評価しているように、
思えてならないんですよ。

人類はウイルスの蔓延を制御できていない。
そして世界規模の陰謀を実行できるほどの技術力と組織力、
資金力を持った組織もまた存在しない。

僕は基本的に楽観主義者ですが、
こと感染者数の増減グラフを見ている時は、
今のところ上のような悲観論しか思い浮かびません。

しかし、どんな状況でも逆転と反撃のチャンスはあるものです。

己の無知と非力を認め、
そこからもう一度やり直してみよう。

僕は個人的にコケた時、よくこのリセット作戦で脱出を試みます。
そしてこれ、意外とうまく行くんですよ。
ま、あくまで実績があるのはミクロな問題だけですけどね。

えーじ
posted by ととら at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記