東京の新型コロナウイルス感染者数がだいぶ落ちてきましたね。
この分だと9月12日は無理でも月末には規制が緩むかな?
めでたし、めでたし・・・
なんですけど、
毎日このグラフとにらめっこしていて、
最近、妙な違和感を覚え始めているんですよ。
とりわけこうしたタイミングで、
「対策が奏功して」なんてフレーズを聞いたりすると。
僕は構造主義者の仏教徒なので、
ものごとを因果律でとらえがちなのですが、
感染者数の推移の説明は、どうも釈然としません。
これってね、
毎回やり玉に挙げられる悪の組織、
僕ら飲食業界や風俗業界、
イベント業者の跋扈でグラフが上がり、
正義の行政が諸悪の根源を規制することでグラフが下がる・・・
本当にそうなのかしらん?
僕が素朴にそう思い始めたきっかけは、
同業者によるモロ営業と闇営業でした。
確かに生活がかかっているとはいえ、
社会的責任を顧みない連中は困ったものです。
しかし見方を変えると、
彼らは疫学的人体実験のボランティアなんですよね。
なぜなら感染力がアップグレードされたデルタ株が蔓延するなか、
やっちゃならねぇ3禁を実践しているのですから。
僕も最初は「あちゃ〜、あれじゃクラスターは避けられないね」
と思っていたのですよ。
ところが!
1週間、いや1カ月が過ぎ、2カ月が過ぎても、
彼らは営業し続けられているじゃないですか!?
それも闇営業の店なんて、
外から見えないようにシャッターを下ろし、
風通しの悪い狭い店内で盛り上がっているんですよ!
もちろん、すべての店が無事に済んでるわけではありません。
野方でも「やっちまった」ところは何軒か聞いています。
しかし、それは要請拒否組全体からみれば、ごく一部なんですね。
なぜ感染しないんだ?
いや、感染しても経路不明にしているだけなのか?
とも考えましたが、お客さんはこれで済んでも、
最も感染リスクの高い店舗スタッフが集団感染した場合、
当然、お店は臨時休業とならざるを得ませんから、
黙っていたってすぐ周囲に知れ渡ります。
しかし、野方、都立家政、高円寺など、
僕らのお膝元を実際に歩いてみた限り、
やっているところは、概ねやり続けられている。
ここで僕は、
「それじゃ、もうみんなで赤信号を渡っちまおう!」
と言っているのではありません。
話を戻すと、感染者数が増減する要因は、
僕らが素朴に信じているシナリオではないんじゃないか?
そう思えてきたんですよ。
つまり、ウイルスは人間の抵抗など意に介さず、
彼ら独自の理由、つまり僕らから見たファクターXに従って、
増減を繰り返している。
これは一見、反対の立場をとる、
懐疑的な陰謀論者にも共通しているのですけど、
僕にはどちらも人間の力を過大評価しているように、
思えてならないんですよ。
人類はウイルスの蔓延を制御できていない。
そして世界規模の陰謀を実行できるほどの技術力と組織力、
資金力を持った組織もまた存在しない。
僕は基本的に楽観主義者ですが、
こと感染者数の増減グラフを見ている時は、
今のところ上のような悲観論しか思い浮かびません。
しかし、どんな状況でも逆転と反撃のチャンスはあるものです。
己の無知と非力を認め、
そこからもう一度やり直してみよう。
僕は個人的にコケた時、よくこのリセット作戦で脱出を試みます。
そしてこれ、意外とうまく行くんですよ。
ま、あくまで実績があるのはミクロな問題だけですけどね。
えーじ