っというと、お母さんの場合とは異なり、
何やら歌舞伎町系のむふふなムードが・・・
まぁ、そんなケースもあるかもしれませんけど、
今日の話は違います。
僕が自重筋トレをやっている中野区立大和公園は、
夕方になると幼稚園から小学生までの子供たちでいっぱい。
しかし18時を過ぎれば急にひと気が途絶えて、
ひっそりとしてしまいます。
僕はその頃を見計らって行くのですが、
(そうしないと子供たちが集まってきて大変なんですよ)
時折、木陰のベンチの人影に気づくことがありました。
もう薄暗いし眼鏡をはずしているので顔まではわかりませんが、
どうやらスーツを着た40歳前後の男性のようです。
ん? こんな時間にひとりで何をしてるんだろう?
僕はサーキットトレーニングを続けながら、
ときどきちらっと様子を見ていました。
すると彼はスマホをいじるでもなく、本を読むでもなく、
ただ、ぼ〜っとしている。
そんなことが度々あったある日、
さて、それじゃジョギングに行こうかな?
と筋トレを切り上げた時、彼もまたベンチから腰を上げました。
そして公園を出ると、
すぐ近くのマンションの階段を登り始めたのです。
ああ、あそこに住んでる人なんだ。
僕は走り始めてそのマンションの前を通り過ぎました。
すると頭上から、「ただいま〜」と彼の声が。
そしてそれを追いかけるようにして元気いっぱいの子供の声が、
「おっかえりなさ〜いっ!」
なるほどねぇ・・・そういうことか。
彼もまた儀式のように、自分だけの時間を持っていたのですね。
一日の仕事を終え、夫として、父親として自宅へ帰る前に、
ただの自分自身に戻っていた。
そういえば僕も会社員のころ、週に一度は携帯の電源を切り、
ちょっとリッチなランチを楽しみながら、
「として」という但し書きのない自分に戻っていました。
今ではこうして走っているときが、そうなのかもしれないな・・・
僕は夕暮れの妙正寺川沿いを平和の森公園に向かいながら、
そんなことを考えていました。
えーじ