そんでもって、
昨日から僕らはどこにいるのかと申しますと・・・
伊勢です。え? そこで何を仕入れているんだ?
いや、これはちょっと寄り道と申しますか、
ともこがずっと前から「伊勢に行きたい!」と言っておりまして。
しかしながら、
JRer(ジェアラーと発音)の彼女が青春18きっぷを使って行くには、
ちと乗り継ぎの悪いところなんですよ。
そこで浜松から渥美半島の国道42号線を伊良湖までひた走り、
伊勢湾フェリーで鳥羽に渡ったのです。

(伊良湖港を出発した鳥羽丸)
いやぁ〜、懐かしかったですよ。
と申しますのも、
このルート、ライダー時代に何度か走ったことがありましてね。
浜名湖大橋から海が見えてきたときには、
なんとも言えない気分になりました。
しかし残念だったのは、
伊良湖のフェリーターミナルで名物の大あさりが食べられなかったこと。
時間が早くてまだお店がやっていなかったようでして。
そこで鳥羽に着けばあるかと思ったら、ここもなし。
なぜだ? シーズンなのに・・・
ここで気を取り直して、二見に向かい、
夫婦岩を訪れるのはビギナーのお約束。
伊勢では近鉄伊勢市駅から1キロメートルほどのところにある、
僕らにしては、やや高級なホテルに投宿。
駐車場無料でダブルが一泊二人6,600円なり。
もちろん素泊まりです。
で、初日にさっそく訪れた伊勢神宮の外宮。
それから駅周辺の商店街をぶらぶらと・・・
今日は朝から歩いて内宮まで行き、
(フツーやらないね、トータル20キロ歩きました)
おはらい町通りで食事と仕入れ。
伊勢といえば、まずはともあれ伊勢神宮。
厳かな森の中に鎮座するシンプルな造りの神々の社は、
何度訪れても、
他の神社とは何かが違うオーラを帯びている気がします。

(森と一体化したかのような社)
ホテルの部屋に置いてあった古事記を開き、
(場所柄ですな)
久しぶりに国生みのくだりを読んでいたら、
あまりに人間臭い神々に罰当たりなシンパシーを感じてしまいました。
さて、ガイドブック通りのルートはここまで。
僕らの興味と趣味の核心は、やはり市井の暮らしです。

まずはこのレトロなムードはどうですか?
消えかかっているけど、左に縦書きで「暖房完備」とあります。
古代ならぬ、人間レベルでタイムスリップの始まり始まり。

そしてちょっと路地を入れば、こんな建物がたくさん残っていて。

ひっそりした鳥居をくぐってみれば、京都の伏見稲荷かと見紛う空間も・・・

驚いたのは、内宮に向かって適当なルートを歩いていたら、
高級老舗旅館の麻吉の横を通っていたこと。
実は今を去ること30数年前、始めて伊勢を訪れた僕は、
気張ってここで一泊したのですよ。(無謀だねぇ・・・)
はて、麻吉はどこだったっけな?
と思っていたら、まるで導かれたように、ここまで来ていました。
思えば当時で一泊1万2千円くらいした宿代は、
今でも僕の予算の最高記録です。
それでも240年くらい前に建てられたという複雑な構造の建物は、
さながら時の迷宮の趣があり、
そこで過ごした一夜は払った金額以上の経験となりましたけどね。

さて、伊勢といえば独特な郷土料理も忘れてはいけません。
今回はビギナーのともこがいることですし、
王道的に行ってみようと思います。
となればまずはこれ、伊勢うどんと手こね寿司。
日本にうどんは数あれど、伊勢うどんに似たものは他にないでしょう。
ふわっとしつつも中心に微妙なコシを残すうどんに絡む、
出汁がきいたたまり醤油のつゆ。
僕は大好きなんですよ。
そしてカツオのヅケを酢飯に乗せた手こね寿司。
ガリのアクセントが食欲をそそります。
このコンビネーションは鉄板だ。
ちなみにここの「名物あわせ」には「さめのたれ」も付いていました。
これはヨシキリザメなどのサメの干物。
ほど良い塩加減でご飯によし、酒の肴によし。

次の料理に移る前にこれもお見せしましょう。
伊勢のローカルスーパーの「ぎゅーとら」!
このネーミング・・・趣味だ。たまらん。
となるとスーパー評論家のともこも黙っていません。
さっそく入ってみれば、やっぱりあった!
伊勢うどんの生めんとたれ。
こうした街中で感じる郷土色。すばらしいじゃないですか。

そして僕の期待を裏切らなかったのがこれ、大あさり!
今回は伊勢といえば必ず訪れている「手こね茶屋」で、
僕らを待っていてくれました。
いやはやフェリーターミナルで食べられなかった時には、
どうしようかと思いましたよ。
(ともこにぜひ食べさせたいと思っていたので・・・)
ちなみにこの店、
過去3回はおはらい町通りにある内宮店に行っていたのですが、
今日は五十鈴川沿いにある本店を訪れてみました。
くつろげる小上がりがいい感じです。

そこでいただいたサンマの炙り押し寿司。
これがまたシャリまで絶妙でチョーうまい!
ああ、ここの食事だけでもまた来る価値はある。
ホント、そう思います。

そしてデザートは赤福で決まり!
もちろん場所はこれまた五十鈴川沿いの本店でなくっちゃいけません。
しかし店の前は春休みのせいか長蛇の列。
ま、斜前の別館でも仕方ないか・・・
とちょっぴり諦めモードだったのですが、
神々へのシンパシーが奏功したのか、
案内されたのは特等の五十鈴川に面した縁側!
実はこの席、25年ほど前に訪れたとき、座った場所でもあるんですよ。
なんたる偶然。
麻吉といい、赤福といい、僕のことを覚えていてくれたのかな?
ありがとう、伊勢の街!
さて、明日は早起きして移動です。
次なる場所は・・・
to be continued...えーじ