4月になりました。
始まりの季節ですね。
今年は僕らにとっても新生活の門出です。
これまでも何度か大きな人生のリセットを経験しましたが、
今回の移転は12年前の独立に匹敵するか、
もしかしたら、それを超える変化になると覚悟しています。
確かに、ととら亭の仕事そのものは基本的に変わりません。
ある意味、僕らには慣れたものです。
しかし、それを構成する要素が大幅に変わるのですよ。
そこでまずやっているのが、パートナーとなる仕入れ先さがし。
これは飲食店にとって、とても大切な要素で、
単純な底値狙いではなく、
納得できるものを、妥当な値段で、
信頼できる相手から、安定して仕入れなければならない。
その選定は思いのほか時間がかかるものなのです。
次なる大きな変化がキッチンやパントリーなど舞台裏の環境。
動線も野方の店とはまったく違うので、
仕入れたものの搬入や保管から、仕込み、調理とサーブ、
洗浄と収納、最後は廃棄までの流れを組み立て直さなければなりません。
これは考えに考えて設計したとはいえ、
実際に体を動かさないと分からない部分が多いのですよ。
ですからスタート時は営業をディナーのみに絞るなど、
少しずつ慣らしながら、フル稼働を目指そうと思っています。
そして最大の変化はお客さま。
一般的に、飲食店の移転というのは、
既存のお客さまが来店しやすい範囲で行いますよね?
ところがととら亭の場合、野方から柴又ですから、
同じ都内とはいえ、今までどおりお待ちしております、
というわけにはいかないでしょう?
加えてその柴又は、商圏特性が野方とは微妙に異なります。
野方は純粋な住宅地型商店街。
対する柴又は帝釈天の存在が大きく、半分観光地型の傾向を持っています。
また、隣接する鉄道駅も、西武新宿線の都立家政駅と沼袋駅から、
京成本線高砂駅とJR金町駅に変わる影響も小さくはないでしょう。
(さらに柴又はたった3駅しかない京成金町線の真ん中ですし)
というわけで、独立12年目にして気分は再びルーキー。
初心に戻って、一から学び直すつもりで行きたいと思います。
えーじ