
新しいととら亭はまだご覧のとおり。
まさに嵐の海を航海中です。
とにかく次から次へと立て続けにやってくるトラブル。
たとえば引っ越し本番の13日のこと。
トラックが到着する30分前に・・・
「ちわぁ〜っす!」
1階の工事現場から元気な声が聞こえてきました。
急いで降りてみると、そこには4人の職人さんの姿が。
「おはようございます。今日は何の作業でしょうか?」
そう、実は作業工程表がないのですよ。
ですから当日ふたを開けなければ何が起こるかわからない、
びっくり箱式の毎日。
「ガスの配管です」
「うちは外壁です」
「え? あと30分ほどで引っ越しの荷物が届きますから、
そのあと2時間くらい、ここを人が通りますよ」
「え〜っ!聞いてないっすよ!」
そうして不穏な幕が上がり・・・
「給排水管の工事は終わってないんですか?」
とガス屋さん。
「そうみたいですね。まだやっていません」
「え〜っ!それじゃオレたち仕事できないじゃん!」
「そうなんですか?」
「順番ってものがあるんですよ」
そこへ外壁屋さんの叫ぶ声が・・・
「あ〜っ!おいおい、部材が割られちゃってるじゃないか!」
「え? そうなんですか?」
「端ならともかく真ん中からバッキリやられちゃ使えねぇ!
今日は仕事にならねぇぞ!」
引っ越しの荷物が届くまであと20分。
僕が時計をにらみつつ、収拾を試みようとしているところへさらに・・・
「ちわぁ〜っす!」
「あ、なんでしょう?」
「キッチンパネルを持ってきました」
「え?大きさと量は?」
「けっこう大きいですよ。20枚あります。
どこに置いたらいいですか?」
って、急に言われてもさ。
憤慨する職人さんたちを横目に僕はあれこれ置き場を探し、
なんとか、
「ここに置いてもらえます?」
そしてキッチンパネルの搬入が終わり、
職人さんたちの怒りの主張に耳を傾け、雨の降る外に出て、
引っ越しのトラックが来ていないか見ようとしたら・・・
What a hell...?
わが目を疑うとはこのことです。
そこには搬入トラックが出るときにまき散らした、
工事現場の泥が長い帯を描いていたのです。
場所は野方と同じ商店街。
恐る恐るトラックが走り去った方向に目を移せば、
泥の帯の先で、おでん屋のおかみさんが、
掃除を始めているじゃないですか!
「す、すみませ〜ん!うちがやりました、僕が掃除します!」
降りしきる雨の中、ありあわせの道具で泥を片付け始めたときに、
やってきたのが引っ越しのトラック。
無理だ、もうひとりじゃどうにもならん!
僕は携帯電話でホームメーカーさんをコールし、
至急、掃除部隊を派遣するよう手短に要請。
の、呪われたか・・・
そしてほとんど掃除が終わりかけたところへ・・・
「すみません、遅くなりました!」
と、おっとり刀で駆け付けつけてきた騎兵隊。
っとまぁ、こんな一日でございました。
しかし、これは壮大なこの物語のほんの一幕でしかありません。
これ以上の涙なくして語れない事件が、
一昨日も起こっていたのです。
その話はまたいずれ・・・
あっ! また業者さんの車が来たぞ。
うあ〜、今日は何が起こるんだろう?
えーじ