今月2度目の連休。
7月20日のオープンから1カ月余りが経ち、
ここらで少し体を休めて・・・
と行きたいところですが、
そうはならないのが僕らのお約束。
ほんと、移転だけではなく、転居まで重なると、
それに伴う雑務はときに本業を超えるかも?
とため息の出る時があります。
そう、次から次へとやってくるのがペーパーワーク。
転居についての書類だけでも区役所の転出届に始まり、
転入先での転入届から健康保険証の発行、
印鑑証明の再登録にマイナンバーカードの住所変更、
(相変わらず、ぜんぜんリンクしてない!)
警察署で免許証の住所変更をするのも忘れちゃいけません。
それが終わると郵便局、銀行、クレジットカード会社での手続きなど、
数珠つなぎにやらねばならないことがやってきます。
それに加えて移店でしょ?
これには税務署や保健所に始まり、取引先との再契約など、
さながらゾンビのように、やってもやっても書類仕事がやってくる。
5月初旬に引っ越してから、
今まで何回、住所と名前と電話番号を書き続けたことか。
紙の束を恨めしく眺めながら、
マジでコピペできなかしらん? と思いましたよ。
それから相変わらずぺちぺち押さねばならない、
意味なしの認印。
実印プラス印鑑証明ならいざ知らず、
何の真正性も保証されない形骸化された因習も、
そろそろやめにしてはどうでしょね?
(シャチハタさんには申し訳ありませんが・・・)
と、少々愚痴らせて頂いたところで、
今日もペーパーワークを始めたいと思います。
とほほ。
えーじ
2022年08月30日
2022年08月28日
旅の食堂の小さな旅
思ったとおり・・・と申しますか、
先日の予想どおり、
新しいととら亭のお客さまは好奇心旺盛な方が多いですね。
それもご来店されるのは旅行や外国、
そして食べたことのない料理に興味のある方がほとんど。
まぁ、そうでもなければ、
この入りにくい店の暖簾をくぐるはずもありませんからね。
また、写真のない黒板メニューを恐れもせず、
僕の口車に乗って注文される方が多いのも、
チャレンジャーとしての優れた素質がうかがえます。
なかでも印象に残ったのは、とある中学生の女の子。
見たことも聞いたこともないメニューを前に、
さぞかし戸惑っているんじゃないかな?
と思いきや、まるで図鑑でも見るように目を輝かせていました。
そして料理そのものを目の当たりにしたときの表情は、
まさしく未知の文化とのファーストコンタクト。
いいですね。
こりゃ、旅人の素質十分だ。
そしてかく言う僕も、
逆の立場で初めてのお客さまとの出会いを楽しんでいます。
どこから来た人なのだろう?
どうやってととら亭を知り、なぜ来たんだろう?
ここの印象を聞くのも興味深いものがありますね。
作った本人は主観の塊ですから、
客観的なご意見を聞いていると、反対に新鮮な驚きがあるのですよ。
料理との出会い、人との出会い。
「旅の食堂」とは何かのたとえではなく、
まさしくホントの意味で、「旅の」食堂になったのかもしれません。
えーじ
先日の予想どおり、
新しいととら亭のお客さまは好奇心旺盛な方が多いですね。
それもご来店されるのは旅行や外国、
そして食べたことのない料理に興味のある方がほとんど。
まぁ、そうでもなければ、
この入りにくい店の暖簾をくぐるはずもありませんからね。
また、写真のない黒板メニューを恐れもせず、
僕の口車に乗って注文される方が多いのも、
チャレンジャーとしての優れた素質がうかがえます。
なかでも印象に残ったのは、とある中学生の女の子。
見たことも聞いたこともないメニューを前に、
さぞかし戸惑っているんじゃないかな?
と思いきや、まるで図鑑でも見るように目を輝かせていました。
そして料理そのものを目の当たりにしたときの表情は、
まさしく未知の文化とのファーストコンタクト。
いいですね。
こりゃ、旅人の素質十分だ。
そしてかく言う僕も、
逆の立場で初めてのお客さまとの出会いを楽しんでいます。
どこから来た人なのだろう?
どうやってととら亭を知り、なぜ来たんだろう?
ここの印象を聞くのも興味深いものがありますね。
作った本人は主観の塊ですから、
客観的なご意見を聞いていると、反対に新鮮な驚きがあるのですよ。
料理との出会い、人との出会い。
「旅の食堂」とは何かのたとえではなく、
まさしくホントの意味で、「旅の」食堂になったのかもしれません。
えーじ
2022年08月25日
「ふうん・・・」という姿勢
長らく旅を続けていて身に付いたことがあります。
それは「ふうん・・・」という姿勢。
旅とは基本的に日常から非日常へ入ることを意味します。
それは言い換えると、
確実が不確実になることであり、
場合によっては常識が非常識になることでもある。
そこで想定しうるさまざまなリスクを減らすために、
事前の情報収集は欠かせません。
しかし、手当たり次第にネットを検索しても、
ただ混乱するか、悪くすると誤った思い込みにはまるだけなのですよ。
そうならないために必要なのはニュースを例にとると、
「事実」と「意見」を混同しないこと。
たとえばキーウで、いついつ空爆があった。
これを伝えているのが報道です。
で、この空爆について国際政治学者のA氏がCということを言った。
これはCという発言そのものが事実だったとしても、
情報の種類としては解説であって報道ではない。
一連の新型コロナウイルスの事案でもお馴染みですが、
ニュースサイトのヘッドラインを見ると、
報道より解説が圧倒的に多い。
(その理由は言わずもがなですが)
旅人として重要なのはこの違い見失わないことなんですよ。
意見は個人の考えであって、
事実とか架空とかの評価には当てはまりませんからね。
更に踏み込むと、ドライに事実を伝える報道ですら、
手放しで受け取るわけにはいきません。
なぜなら断片化した事実の組み合わせでも、
フィクションは構築可能だからです。
たとえば韓国や中国で複数回の反日活動があったとします。
そして同時に、同数の親日的な活動もあったとしましょう。
それをあるメディアがどちらか一方だけを取り上げて連日報道し、
僕らがその報道を「素直に」受け取り続けていたら、
中国や韓国についてどんなイメージを持ちます?
こうしたことから僕は、
「誰が報道しているのか?」にも着目するようになりました。
そして「誰が?」によって、
情報確度の評価もさじ加減を変えるようになったのです。
(もしくは情報ソースとしてもう使わない)
最後に重要なのが、経験と情報を混同しないことです。
たとえば政情不安定な国同士の国境を越えるとしましょう。
とうぜん「不安定」ですから、当該国政府のウェブサイトを見ても、
まともな情報は載っていません。
そこで出会った旅人に訊いてみます。
その人が実際にその国境を越えてきたのであれば(経験)、
情報確度はかなり高いです。
しかし、別の旅人の話を又聞きしただけだとしたら(情報)、
その確度は半分以下と言ったところでしょうか?
同じ意味で「事実」と「推測」や「願望」を混同しないことも大切です。
相手は事実としての経験か、それについての情報を伝えているのか?
それとも何かに関する個人的な推測や願望を述べているのか?
そんなわけで、普段でも僕は情報を収集するときに、
(ニュースのヘッドラインを俯瞰するときでも!)
「ふうん・・・」という姿勢を取るようになってしまいました。
たとえ相手がNHKであろうがBBCであろうが変わりません。
お蔭で情報の収集・分析能力は抜群!
には残念ながらなりませんでした。
オチとして白状しますが、
「事実」というのはそこに居合わせて経験しない限り、
なかなか捕まえるのが難しいのですよ。
ですから僕がアクセスできる限界は、
たいてい「このあたりなんだろうな」という点ではなく円の範囲。
それも結構ゆるい。
こういうのも歯切れの悪い大人になってしまった、
大きな理由のひとつなのでございます。
えーじ
それは「ふうん・・・」という姿勢。
旅とは基本的に日常から非日常へ入ることを意味します。
それは言い換えると、
確実が不確実になることであり、
場合によっては常識が非常識になることでもある。
そこで想定しうるさまざまなリスクを減らすために、
事前の情報収集は欠かせません。
しかし、手当たり次第にネットを検索しても、
ただ混乱するか、悪くすると誤った思い込みにはまるだけなのですよ。
そうならないために必要なのはニュースを例にとると、
「事実」と「意見」を混同しないこと。
たとえばキーウで、いついつ空爆があった。
これを伝えているのが報道です。
で、この空爆について国際政治学者のA氏がCということを言った。
これはCという発言そのものが事実だったとしても、
情報の種類としては解説であって報道ではない。
一連の新型コロナウイルスの事案でもお馴染みですが、
ニュースサイトのヘッドラインを見ると、
報道より解説が圧倒的に多い。
(その理由は言わずもがなですが)
旅人として重要なのはこの違い見失わないことなんですよ。
意見は個人の考えであって、
事実とか架空とかの評価には当てはまりませんからね。
更に踏み込むと、ドライに事実を伝える報道ですら、
手放しで受け取るわけにはいきません。
なぜなら断片化した事実の組み合わせでも、
フィクションは構築可能だからです。
たとえば韓国や中国で複数回の反日活動があったとします。
そして同時に、同数の親日的な活動もあったとしましょう。
それをあるメディアがどちらか一方だけを取り上げて連日報道し、
僕らがその報道を「素直に」受け取り続けていたら、
中国や韓国についてどんなイメージを持ちます?
こうしたことから僕は、
「誰が報道しているのか?」にも着目するようになりました。
そして「誰が?」によって、
情報確度の評価もさじ加減を変えるようになったのです。
(もしくは情報ソースとしてもう使わない)
最後に重要なのが、経験と情報を混同しないことです。
たとえば政情不安定な国同士の国境を越えるとしましょう。
とうぜん「不安定」ですから、当該国政府のウェブサイトを見ても、
まともな情報は載っていません。
そこで出会った旅人に訊いてみます。
その人が実際にその国境を越えてきたのであれば(経験)、
情報確度はかなり高いです。
しかし、別の旅人の話を又聞きしただけだとしたら(情報)、
その確度は半分以下と言ったところでしょうか?
同じ意味で「事実」と「推測」や「願望」を混同しないことも大切です。
相手は事実としての経験か、それについての情報を伝えているのか?
それとも何かに関する個人的な推測や願望を述べているのか?
そんなわけで、普段でも僕は情報を収集するときに、
(ニュースのヘッドラインを俯瞰するときでも!)
「ふうん・・・」という姿勢を取るようになってしまいました。
たとえ相手がNHKであろうがBBCであろうが変わりません。
お蔭で情報の収集・分析能力は抜群!
には残念ながらなりませんでした。
オチとして白状しますが、
「事実」というのはそこに居合わせて経験しない限り、
なかなか捕まえるのが難しいのですよ。
ですから僕がアクセスできる限界は、
たいてい「このあたりなんだろうな」という点ではなく円の範囲。
それも結構ゆるい。
こういうのも歯切れの悪い大人になってしまった、
大きな理由のひとつなのでございます。
えーじ
2022年08月22日
D.I.Y. as usual. その10
前回、まだ工事中だとお話しましたが、
工事と言っても大工仕事だけとは限りません。
オープン前にはこんなこともやっておりました。
まずはこれ。

TRePのプランAだった「古民家改造レストラン」は、
内見初日にもろくも崩れ去り、
ボロボロ過ぎた古民家が解体された跡地から出土したのがこれ。
大谷石です。
これは使える!
別途処分費用がかかるという解体業者さんに、
そのままにしておいて下さい!
と、すかさず伝えた僕でありました。
で、次が、

敷石。
野方での街歩きでよそ様の庭を見ながら吟味を重ね、
選び抜いたものです。
しかし見落としたのがお店からの輸送方法。
これ、一袋が10キロもあるんですよ。
ってことは10袋で100キロ、その倍は200キロ!
最低でもそれくらいは必要だよな・・・
と思いつつも、ぐり丸の最大積載量って何キロだったっけ?
で、積んでみたらフロントがだいぶ浮いてしまいました。
対向車の皆さま、すみません。
ハイビームで走っていたわけではないのです。
え? ところで何をしてるんだ?
おっと前置きが抜けていました。

素材が揃ったところで始めたのはファサードの外構工事です。
ともこは右側の砂利撒きから。
僕は塀の看板を下から照らすスポットライト用の穴掘り。

ステップ2は大谷石を配置して全体のバランスを取ります。
ふむふむ、いい感じですね。
そして・・・

どうです? 形になったでしょ?
しかしこれで完成ではありません。
もうひとつ素材を手に入れるために・・・

江戸川まで行って流木拾い!
これも形をよく吟味しなければならないのです。
夕闇が迫るなか、僕らは金町まで探しに行ったのでした。
(ともこの後ろは金町浄水場の取水塔)
そして・・・

じゃぁ〜ん、できましたぁ〜!
旅の食堂ととら亭、手作りなのは料理だけではなく、
お店の随所もこうしてハンドメイドなのであります。
えーじ
P.S.
予算の都合でね。
工事と言っても大工仕事だけとは限りません。
オープン前にはこんなこともやっておりました。
まずはこれ。

TRePのプランAだった「古民家改造レストラン」は、
内見初日にもろくも崩れ去り、
ボロボロ過ぎた古民家が解体された跡地から出土したのがこれ。
大谷石です。
これは使える!
別途処分費用がかかるという解体業者さんに、
そのままにしておいて下さい!
と、すかさず伝えた僕でありました。
で、次が、

敷石。
野方での街歩きでよそ様の庭を見ながら吟味を重ね、
選び抜いたものです。
しかし見落としたのがお店からの輸送方法。
これ、一袋が10キロもあるんですよ。
ってことは10袋で100キロ、その倍は200キロ!
最低でもそれくらいは必要だよな・・・
と思いつつも、ぐり丸の最大積載量って何キロだったっけ?
で、積んでみたらフロントがだいぶ浮いてしまいました。
対向車の皆さま、すみません。
ハイビームで走っていたわけではないのです。
え? ところで何をしてるんだ?
おっと前置きが抜けていました。

素材が揃ったところで始めたのはファサードの外構工事です。
ともこは右側の砂利撒きから。
僕は塀の看板を下から照らすスポットライト用の穴掘り。

ステップ2は大谷石を配置して全体のバランスを取ります。
ふむふむ、いい感じですね。
そして・・・

どうです? 形になったでしょ?
しかしこれで完成ではありません。
もうひとつ素材を手に入れるために・・・

江戸川まで行って流木拾い!
これも形をよく吟味しなければならないのです。
夕闇が迫るなか、僕らは金町まで探しに行ったのでした。
(ともこの後ろは金町浄水場の取水塔)
そして・・・

じゃぁ〜ん、できましたぁ〜!
旅の食堂ととら亭、手作りなのは料理だけではなく、
お店の随所もこうしてハンドメイドなのであります。
えーじ
P.S.
予算の都合でね。
2022年08月20日
まだまだ工事中
柴又で再スタートして1カ月が経ちました。
感覚的には字義通りの「あっという間」であり、
それでいて「1年くらい経ったかな?」の浦島太郎シンドローム中。
ハード、ソフトともに完成度は概ね70パーセントくらいでしょうか。
これ、かつて携わったシステム開発と同じで、
ある程度の丸に収まる状態でリリースし、
後は運用しながらチューニングして行くという手法なんですよ。
と申しますのも、理屈だけで組み立てたものが、
100パーセント現実にフィットするわけではありませんから。
もちろん野方時代の経験から、
業務についてのヴィジョンはしっかり描かれていました。
しかし、市場と店舗というコンテクストが変わると、
それらが融合した状態で生み出されるアウトプットは、
まったく異なったものになり得ます。
そこで設計はガチに固めず、必要十分条件を満たす的を作り、
それに収めることを再起動時の目標としていたのです。
なんていうとすべては折り込み済みだったように聞こえますが、
のしのし出てくる課題の数には正直たじろいでいます。
大工仕事だけでもけっこう残っているので、
当分の間、丸ノコ片手の僕が、定休日の店の前で、
うぃうぃやっていることでしょう。
そんなわけで定休日のほかに、
22日と29日の月曜日もお休みさせていただきます。
えーじ
感覚的には字義通りの「あっという間」であり、
それでいて「1年くらい経ったかな?」の浦島太郎シンドローム中。
ハード、ソフトともに完成度は概ね70パーセントくらいでしょうか。
これ、かつて携わったシステム開発と同じで、
ある程度の丸に収まる状態でリリースし、
後は運用しながらチューニングして行くという手法なんですよ。
と申しますのも、理屈だけで組み立てたものが、
100パーセント現実にフィットするわけではありませんから。
もちろん野方時代の経験から、
業務についてのヴィジョンはしっかり描かれていました。
しかし、市場と店舗というコンテクストが変わると、
それらが融合した状態で生み出されるアウトプットは、
まったく異なったものになり得ます。
そこで設計はガチに固めず、必要十分条件を満たす的を作り、
それに収めることを再起動時の目標としていたのです。
なんていうとすべては折り込み済みだったように聞こえますが、
のしのし出てくる課題の数には正直たじろいでいます。
大工仕事だけでもけっこう残っているので、
当分の間、丸ノコ片手の僕が、定休日の店の前で、
うぃうぃやっていることでしょう。
そんなわけで定休日のほかに、
22日と29日の月曜日もお休みさせていただきます。
えーじ
2022年08月17日
Stop the free fall.
「こんなことを聞くと失礼かもしれませんが、
どうやって生活しているのですか?」
昨年11月末で野方のととら亭を閉店し、
5月に柴又へ引っ越すまでの間、
しばしばこんなご質問を頂戴しておりました。
疑問に思われるのも無理はありません。
なにせ還暦近くにもなって、
バックパッカーから足を洗えない懐事情は周知の事実。
その二人が働かずして暮らしているのですからね。
更に残念ながら、
僕は打ち出の小槌を隠し持っていませんし、
イーロン・マスクさんの遠い親戚でもありません。
ではどうやって生活していたのか?
答えはごく平凡。
移転プロジェクトの予算として、
生活費を事前にデポしていたのです。
とは申しましても、
これまた屋根裏に札束というわけではありません。
単純に、細々と貯金していただけ。
そんなわけで2021年12月1日から、
通帳の数字はフリーフォールを起こし始めました。
しかも全体としては土地の取得、住宅建設、店舗構築と、
超ド級の出費続きで加速度はさながら21世紀のコンコルド!
そしてその数字は高度計そのもので、
みるみる地表(残高ゼロ)が近付いてくるじゃないですか。
いやはや工事が遅れて予定が体をなさなくなったときは、
正直、どうしようかと思いました。
しかし爆発1秒前で起爆装置を解除するのは、
ヒーロー映画のお約束。
僕らもあわや地表に激突!?
というところで逆噴射(リニューアルオープン)に成功したのです。
めでたしめでたし・・・
は、能天気ハリウッド映画だけ。
逆噴射イコール高度(残高)上昇ということにはなりません。
まずは完全にフリーフォールを止めなければならないのです。
これを阻むのがコロナの第7波と酷暑。
何といってもオープンのタイミングで、
双方がピークを迎えましたからね。
実際はまだ逆噴射しつつも、地表が近付いてきています。
ピーンチ!
しかし、ご安心を。
ヒーローには常に必殺技があるものです。
それは僕らの場合、究極的な対ビンボーサバイバル術。
攻めには弱いととら亭ですが、
セコく生き残るテクニックにかけては誰にも引けは取りません。
(だから野方で12年もやってこれたのですよ)
ギリギリきり詰めて落下速度を落とし、
乏しい逆噴射でピンチを脱出。
これがこの夏のシナリオでございます。
えーじ
どうやって生活しているのですか?」
昨年11月末で野方のととら亭を閉店し、
5月に柴又へ引っ越すまでの間、
しばしばこんなご質問を頂戴しておりました。
疑問に思われるのも無理はありません。
なにせ還暦近くにもなって、
バックパッカーから足を洗えない懐事情は周知の事実。
その二人が働かずして暮らしているのですからね。
更に残念ながら、
僕は打ち出の小槌を隠し持っていませんし、
イーロン・マスクさんの遠い親戚でもありません。
ではどうやって生活していたのか?
答えはごく平凡。
移転プロジェクトの予算として、
生活費を事前にデポしていたのです。
とは申しましても、
これまた屋根裏に札束というわけではありません。
単純に、細々と貯金していただけ。
そんなわけで2021年12月1日から、
通帳の数字はフリーフォールを起こし始めました。
しかも全体としては土地の取得、住宅建設、店舗構築と、
超ド級の出費続きで加速度はさながら21世紀のコンコルド!
そしてその数字は高度計そのもので、
みるみる地表(残高ゼロ)が近付いてくるじゃないですか。
いやはや工事が遅れて予定が体をなさなくなったときは、
正直、どうしようかと思いました。
しかし爆発1秒前で起爆装置を解除するのは、
ヒーロー映画のお約束。
僕らもあわや地表に激突!?
というところで逆噴射(リニューアルオープン)に成功したのです。
めでたしめでたし・・・
は、能天気ハリウッド映画だけ。
逆噴射イコール高度(残高)上昇ということにはなりません。
まずは完全にフリーフォールを止めなければならないのです。
これを阻むのがコロナの第7波と酷暑。
何といってもオープンのタイミングで、
双方がピークを迎えましたからね。
実際はまだ逆噴射しつつも、地表が近付いてきています。
ピーンチ!
しかし、ご安心を。
ヒーローには常に必殺技があるものです。
それは僕らの場合、究極的な対ビンボーサバイバル術。
攻めには弱いととら亭ですが、
セコく生き残るテクニックにかけては誰にも引けは取りません。
(だから野方で12年もやってこれたのですよ)
ギリギリきり詰めて落下速度を落とし、
乏しい逆噴射でピンチを脱出。
これがこの夏のシナリオでございます。
えーじ
2022年08月14日
思い出の街 新しい店
移転オープンして3週間余り。
柴又のお客さまだけではなく、
野方方面のお客さまにもたくさん来て頂きました。
(Thank you sooooo much!)
そして意外だったのが、
「元」西武新宿線エリアのお客さま。
前触れは工事中の立哨に来た青年です。

ファサードに掲示したオープン告知のポスターを見た彼が、
「へぇ、野方でやっていたのですか?」
「野方を知ってるの?」
「知ってるも何も、僕は新井薬師から来たんですよ!」
それから大工仕事をしていたときに、
話しかけてきたおじいさんは、
「お、野方から来たのか!?」
「ええ」
「わしゃ、大和町に住んでいたんだよ。ずいぶん前だがな」
「大和町? 何丁目ですか?」
「2丁目だ」
「え!? 僕らが住んでいたのは明正寺川を挟んでちょうど反対側、
大和幼稚園のすぐ近くですよ」
「あそこか!桜がきれいだったな。よう覚えとる!」
それからカウンターに座ったお客さまは、
「野方でやってたんですよね」
「ええ」
「懐かしいな。
俺、育ちが鷺ノ宮なんで、子供の頃よく行ってたんです」
「どこかお店を覚えていますか?」
「焼肉屋の基順館はよく行ったなぁ」
「基順館? オヤジさんは僕らの友だちですよ!」
そんなこんなでその後も、
「以前、都立家政に住んでいたんです」
や、
「実家は田無なので西武新宿線はホームなんですよ」
などなど、移住組の方が次々と現れ始めました。
嬉しかったですね。
さながら故郷から遠く離れた街で同郷人に会ったような気がして。
そういえば、ご来店いただいている方々の中には、
野方から引っ越して、
今は別の街に住んでいる方も少なくありません。
思い出の街から新しい店へ。
時間が交差する旅の食堂でありました。
えーじ
柴又のお客さまだけではなく、
野方方面のお客さまにもたくさん来て頂きました。
(Thank you sooooo much!)
そして意外だったのが、
「元」西武新宿線エリアのお客さま。
前触れは工事中の立哨に来た青年です。

ファサードに掲示したオープン告知のポスターを見た彼が、
「へぇ、野方でやっていたのですか?」
「野方を知ってるの?」
「知ってるも何も、僕は新井薬師から来たんですよ!」
それから大工仕事をしていたときに、
話しかけてきたおじいさんは、
「お、野方から来たのか!?」
「ええ」
「わしゃ、大和町に住んでいたんだよ。ずいぶん前だがな」
「大和町? 何丁目ですか?」
「2丁目だ」
「え!? 僕らが住んでいたのは明正寺川を挟んでちょうど反対側、
大和幼稚園のすぐ近くですよ」
「あそこか!桜がきれいだったな。よう覚えとる!」
それからカウンターに座ったお客さまは、
「野方でやってたんですよね」
「ええ」
「懐かしいな。
俺、育ちが鷺ノ宮なんで、子供の頃よく行ってたんです」
「どこかお店を覚えていますか?」
「焼肉屋の基順館はよく行ったなぁ」
「基順館? オヤジさんは僕らの友だちですよ!」
そんなこんなでその後も、
「以前、都立家政に住んでいたんです」
や、
「実家は田無なので西武新宿線はホームなんですよ」
などなど、移住組の方が次々と現れ始めました。
嬉しかったですね。
さながら故郷から遠く離れた街で同郷人に会ったような気がして。
そういえば、ご来店いただいている方々の中には、
野方から引っ越して、
今は別の街に住んでいる方も少なくありません。
思い出の街から新しい店へ。
時間が交差する旅の食堂でありました。
えーじ
2022年08月13日
ずる休みのいい訳が・・・
台風8号が発生しております。
関東地方には18時ごろ最も接近するそうですので、
通勤の安全性を鑑み、
本日のディナー営業はお休みとさせて頂きます。
と、野方時代は強弁できたのですが、
(通勤といっても徒歩8分程度でしたからね)
柴又では、
階段を降りるだけだろ!
と言われちゃ返す言葉がありません。
困りました。
(文脈が違う?)
そこで、
遠距離の方は交通機関の混乱が予想されますし、
近隣の方もメリーポピンズ事件の被害者になりかねません。
との人道的な配慮で、
本日のディナー営業はお休みとさせて頂きます。
えーじ
P.S.
いや、仕事はしているのですよ。
デスクワークですが。
関東地方には18時ごろ最も接近するそうですので、
通勤の安全性を鑑み、
本日のディナー営業はお休みとさせて頂きます。
と、野方時代は強弁できたのですが、
(通勤といっても徒歩8分程度でしたからね)
柴又では、
階段を降りるだけだろ!
と言われちゃ返す言葉がありません。
困りました。
(文脈が違う?)
そこで、
遠距離の方は交通機関の混乱が予想されますし、
近隣の方もメリーポピンズ事件の被害者になりかねません。
との人道的な配慮で、
本日のディナー営業はお休みとさせて頂きます。
えーじ
P.S.
いや、仕事はしているのですよ。
デスクワークですが。
2022年08月11日
柴又の音
柴又は静かな町です。
主な道路は南北に走る柴又街道ですが、
片側一車線で交通量も少なく、
野方でいうところの環七や新青梅街道のような、
主要道路はありません。
また柴又駅は道路から奥まっているので、
隣の新柴又駅や金町駅のような駅前ロータリーもない。
実際、こうして窓を開けた3階でこれを書いていて、
自動車の音は聞こえないのですよ。
そして驚きはととら亭。
駅のホーム隣接にもかかわらず、
これまた鉄道の音は聞こえてもかすかなもの。
まぁ、それもそのはず、
京成電鉄金町線は高砂、柴又、金町の3駅しかなく、
当然、快速や特急列車は走っていません。
車両も4両編成でスピードは自転車級ですから、
ホーム中ほどともなると、
振動も走行音も微々たるものなのです。
それでも最初は「毎日始発電車で起こされたらイヤだな」と思い、
寝室周りは遮音シートを貼り、窓は2重窓にしたのですが、
住んでみたら日中ですらし〜んとしてしまいました。
この静けさは駅のホームから、
6メートル程度しか離れていないベッドで寝ているとは思えません。
そんなわけで、
営業中もお客さまがホームからの音に気付かれることはないですね。
僕としては、時おり聞こえてくる微かな電車や踏切の音は、
一種の心地よいBGMのように感じています。
これもまた柴又で得た贅沢のひとつです。
えーじ
主な道路は南北に走る柴又街道ですが、
片側一車線で交通量も少なく、
野方でいうところの環七や新青梅街道のような、
主要道路はありません。
また柴又駅は道路から奥まっているので、
隣の新柴又駅や金町駅のような駅前ロータリーもない。
実際、こうして窓を開けた3階でこれを書いていて、
自動車の音は聞こえないのですよ。
そして驚きはととら亭。
駅のホーム隣接にもかかわらず、
これまた鉄道の音は聞こえてもかすかなもの。
まぁ、それもそのはず、
京成電鉄金町線は高砂、柴又、金町の3駅しかなく、
当然、快速や特急列車は走っていません。
車両も4両編成でスピードは自転車級ですから、
ホーム中ほどともなると、
振動も走行音も微々たるものなのです。
それでも最初は「毎日始発電車で起こされたらイヤだな」と思い、
寝室周りは遮音シートを貼り、窓は2重窓にしたのですが、
住んでみたら日中ですらし〜んとしてしまいました。
この静けさは駅のホームから、
6メートル程度しか離れていないベッドで寝ているとは思えません。
そんなわけで、
営業中もお客さまがホームからの音に気付かれることはないですね。
僕としては、時おり聞こえてくる微かな電車や踏切の音は、
一種の心地よいBGMのように感じています。
これもまた柴又で得た贅沢のひとつです。
えーじ
2022年08月08日
空が広い街
柴又に引っ越して感じる贅沢のひとつが空の広さ。
ととら亭から10分も歩けば江戸川の河川敷ですから、
360度の視界が開けています。
土手の上をジョギングしていると、
自分が広大な空の一部になったような気がしてくるんですよ。
この空は、かつて旅した遠い国々まで続いている。
そう思えば、
日常の些事がなんとも小さく見えてくるじゃないですか。
トラブルの連続で、
「まったくどいつもこいつも!」な気分のとき、
広い空はいつも一大事と思いこんでいることの、
本当のサイズを教えてくれます。
そう、大したことではないんですよ。
大抵のことはね。
この空に比べて自分が小さいように、
あれこれ考えあぐねた悩みも、
後になってみれば、小石程度のものでしかない。

これ、
仕事部屋のある3階から見たある日の夕焼けなんですけどね。
(下は柴又駅のホーム)
美しいでしょ?
広い空は、いつも自分の原点を思い出させてくれる。
僕にはそう思えてなりません。
えーじ
ととら亭から10分も歩けば江戸川の河川敷ですから、
360度の視界が開けています。
土手の上をジョギングしていると、
自分が広大な空の一部になったような気がしてくるんですよ。
この空は、かつて旅した遠い国々まで続いている。
そう思えば、
日常の些事がなんとも小さく見えてくるじゃないですか。
トラブルの連続で、
「まったくどいつもこいつも!」な気分のとき、
広い空はいつも一大事と思いこんでいることの、
本当のサイズを教えてくれます。
そう、大したことではないんですよ。
大抵のことはね。
この空に比べて自分が小さいように、
あれこれ考えあぐねた悩みも、
後になってみれば、小石程度のものでしかない。

これ、
仕事部屋のある3階から見たある日の夕焼けなんですけどね。
(下は柴又駅のホーム)
美しいでしょ?
広い空は、いつも自分の原点を思い出させてくれる。
僕にはそう思えてなりません。
えーじ
2022年08月06日
変わって同じのととら亭
柴又で再デビューして半月余り。
所要時間、片道約70分の距離にもかかわらず、
野方時代のお客さまにもたくさん来ていただきました。
皆さん、野方のお店をご存知ですから、
とうぜん入店されてすぐ着席されるのではなく、
しばし新しい店内を観察されます。
そこで「素敵なお店になった」と言われると、
これまでの苦労が本当に報われた気がしますね。
古い家屋を解体するところから、
とにかく山あり谷ありの日々が続き、
最後は僕らが自ら作った部分もありますし。
この印象はファサードからアプローチへ、
ホールからトイレに至るまで、
野方のお店のコンセプトを引き継ぎつつも、
かなり変わったと思います。
しかし、お料理が出始めて気付かれるのは、
実はその本質が、何も変わっていないこと。
そう、ハードはまったく別物になっても、
ソフトの部分は同じなんですよ。
何より僕らがあの頃のままですからね。
変わって同じのととら亭。
それは齢を取っても中身が変わらない、
僕らそのものなのかもしれません。
えーじ
所要時間、片道約70分の距離にもかかわらず、
野方時代のお客さまにもたくさん来ていただきました。
皆さん、野方のお店をご存知ですから、
とうぜん入店されてすぐ着席されるのではなく、
しばし新しい店内を観察されます。
そこで「素敵なお店になった」と言われると、
これまでの苦労が本当に報われた気がしますね。
古い家屋を解体するところから、
とにかく山あり谷ありの日々が続き、
最後は僕らが自ら作った部分もありますし。
この印象はファサードからアプローチへ、
ホールからトイレに至るまで、
野方のお店のコンセプトを引き継ぎつつも、
かなり変わったと思います。
しかし、お料理が出始めて気付かれるのは、
実はその本質が、何も変わっていないこと。
そう、ハードはまったく別物になっても、
ソフトの部分は同じなんですよ。
何より僕らがあの頃のままですからね。
変わって同じのととら亭。
それは齢を取っても中身が変わらない、
僕らそのものなのかもしれません。
えーじ
2022年08月03日
僕らの New Normal
と申しましても、
新型コロナ絡みの話ではありません。
今日からランチ営業が始まりました!
この2年余のあいだ、何かと営業規制に悩まされ、
片や進んでいた移転プロジェクトは、
トラブルてんこ盛りで8カ月間の失業状態。
それがようやくフツーに戻ったのです。
ん〜・・・感無量とはこのことかな?
スリルとサスペンスの人生もいいんですけどね。
それがあんまり長く続くと、
いわゆる平凡な日々が恋しくなるものです。
新しい環境で始まったこの仕事と生活は、
まさしく僕らにとっての New Normal。
いろいろ戸惑いこそあるものの、
新鮮な驚きを楽しみつつ、
生まれ変わったととら亭を育てています。
こうしてみると、
やっぱり僕らは変化を求めてしまうんだなぁ。
え?
だからスリルとサスペンスになるんだ?
そうか、
自業自得のマイライフでございました。
えーじ
新型コロナ絡みの話ではありません。
今日からランチ営業が始まりました!
この2年余のあいだ、何かと営業規制に悩まされ、
片や進んでいた移転プロジェクトは、
トラブルてんこ盛りで8カ月間の失業状態。
それがようやくフツーに戻ったのです。
ん〜・・・感無量とはこのことかな?
スリルとサスペンスの人生もいいんですけどね。
それがあんまり長く続くと、
いわゆる平凡な日々が恋しくなるものです。
新しい環境で始まったこの仕事と生活は、
まさしく僕らにとっての New Normal。
いろいろ戸惑いこそあるものの、
新鮮な驚きを楽しみつつ、
生まれ変わったととら亭を育てています。
こうしてみると、
やっぱり僕らは変化を求めてしまうんだなぁ。
え?
だからスリルとサスペンスになるんだ?
そうか、
自業自得のマイライフでございました。
えーじ