「こんなことを聞くと失礼かもしれませんが、
どうやって生活しているのですか?」
昨年11月末で野方のととら亭を閉店し、
5月に柴又へ引っ越すまでの間、
しばしばこんなご質問を頂戴しておりました。
疑問に思われるのも無理はありません。
なにせ還暦近くにもなって、
バックパッカーから足を洗えない懐事情は周知の事実。
その二人が働かずして暮らしているのですからね。
更に残念ながら、
僕は打ち出の小槌を隠し持っていませんし、
イーロン・マスクさんの遠い親戚でもありません。
ではどうやって生活していたのか?
答えはごく平凡。
移転プロジェクトの予算として、
生活費を事前にデポしていたのです。
とは申しましても、
これまた屋根裏に札束というわけではありません。
単純に、細々と貯金していただけ。
そんなわけで2021年12月1日から、
通帳の数字はフリーフォールを起こし始めました。
しかも全体としては土地の取得、住宅建設、店舗構築と、
超ド級の出費続きで加速度はさながら21世紀のコンコルド!
そしてその数字は高度計そのもので、
みるみる地表(残高ゼロ)が近付いてくるじゃないですか。
いやはや工事が遅れて予定が体をなさなくなったときは、
正直、どうしようかと思いました。
しかし爆発1秒前で起爆装置を解除するのは、
ヒーロー映画のお約束。
僕らもあわや地表に激突!?
というところで逆噴射(リニューアルオープン)に成功したのです。
めでたしめでたし・・・
は、能天気ハリウッド映画だけ。
逆噴射イコール高度(残高)上昇ということにはなりません。
まずは完全にフリーフォールを止めなければならないのです。
これを阻むのがコロナの第7波と酷暑。
何といってもオープンのタイミングで、
双方がピークを迎えましたからね。
実際はまだ逆噴射しつつも、地表が近付いてきています。
ピーンチ!
しかし、ご安心を。
ヒーローには常に必殺技があるものです。
それは僕らの場合、究極的な対ビンボーサバイバル術。
攻めには弱いととら亭ですが、
セコく生き残るテクニックにかけては誰にも引けは取りません。
(だから野方で12年もやってこれたのですよ)
ギリギリきり詰めて落下速度を落とし、
乏しい逆噴射でピンチを脱出。
これがこの夏のシナリオでございます。
えーじ