先日、
ジョギング中に柴又公園でストレッチしていたときのこと。
いかにもコーチっぽい男性が、
年齢の異なる小学生のグループを何やら指導していました。
まもなく始まったのはサーキットトレーニング。
僕の横を子どもたちが元気よく走り抜けて行きます。
Oh, kids, nice run!
2周目に入ったところで気付いたのは、
小太りの低学年の男の子。
全体からすでにだいぶ引き離されています。
意気込む顔の表情は一等賞ですが、いかんせん体が前に出ていない。
先頭が3週目に入るころには、早くも周回遅れとなってしまいました。
必死で走る彼を他の子たちは涼しい顔で追い越して行きます。
僕は心の中で話しかけました。
Hey Kid.
そんな顔しなくたっていいんだよ。
自分のペースで走ればいいのさ。
君の年齢でも、人生はすでに競争だ。
でも、それがすべてじゃない。
競争というゲームに参加しない選択肢だってある。
そして、それを楽しんじゃいけないってこともない。
今日はいい天気だ。
桜も咲いている。
素晴らしい一日だろう?
ならば誰かと競い合うのではなく、
ただ走ることを楽しむってのはどうだい?
河原はこんなに広いんだからさ。
ストレッチを終えた僕は軽いフットワークで体を整え、
自宅に向かって走り始めました。
子どもたちがすれ違って行きます。
Hey kids,
周りや後ろを気にして走らなくたっていいんだよ。
いつもトップでなくたっていい。
ただ、みんなで走ることを楽しむのもありじゃないか?
こんなに気持ちのいい春の日に、
仲間たちが一緒なんだからさ。
やがて僕は河川敷に出ました。
気付けば周りにはもう誰もいません。
眩しい光を全身に浴びて、
僕は空に向かって微笑みかけました。
だって、こんなに気持ちのいい、春の日なんだからさ。
えーじ