(注:ネタバレが含まれています)
これまたトップガン・マーヴェリックのお話なんですけどね。
ストーリーは全体的に前作へのオマージュでしたが、
今どきのネタとしてインサートされていたのがスマートフォン。
(1986年当時にはありませんでしたから)
「スマホなくしてわが命なし!」な風潮が世界的に広がるなかで、
アメリカからこんなルールが飛び出したことには、
僕もちょっと驚きました。
マーヴェリックがバーのカウンターにスマホを置き、
ペナルティーを取られたシーンがあったでしょ?
そう、「スマホをカウンターに置いたら全員に一杯おごる」
って壁に大書きされていたのですから。
へぇ〜、アメリカ人も、そういう風に思う人がいるんだ。
何でもそうですが、
僕はモノ自体に良いも悪いもないと考えています。
問題になるのは、
それを「いつ」「どのように」使うか、なんですよ。
その観点からすると僕の感性では、
スマホの使い方のTPOが、
ズレているように見えるケースが珍しくありません。
自動車の運転中や歩きながらはいわずもがな、
映画の劇中にもあったように、
バーは酒を飲み、居合わせた人々が歓談する場所です。
電話でそこにいない人と話したり、
ゲームやネットサーフィンをするところではない。
これはレストランも変わりません。
ここで反論もあるでしょう。
人に迷惑をかけているのではないのだから、
何をしようと勝手だってね。
でもそれは違うんじゃないかな?
人間が集う場には明文化されていなくても、
暗黙のルールがあります。
そしてそれが場の雰囲気を醸成しているのですよ。
想像してみてください。
たとえば、ととら亭に入ってきて、客席を埋めるすべての人が、
うつむいてスマホをいじっていたとしたら・・・
それもお一人さまだけではなく、2人、3人、4人で来ている人まで。
「な、なにしてるんだ?」ってなりません?
かなり異様なムードじゃないですか?
これ、電車では当たり前になってしまいましたけど、
対面に腰掛ける人全員が、同じ首の確度で、同じ手首の返し方で、
スマホをいじっている光景は、
それこそアンドレ・ブルトンやルイス・ブニュエルが見たら、
「トレヴィアン! これぞシュールレアリスムだ!」って叫ぶんじゃないかな?
いや、なにも難しいことを言っているつもりはありません。
逆にシンプルな生き方の提案です。
食べるときは食べ、飲むときは飲み、
人と話すときは、その人を見て話す。
ただそれだけのことですからね。
えーじ