先日、60歳になりました。
還暦とは、十二支と十干の組み合わせが一巡し、
人生の暦がリセットされる年齢だそうで。
だから赤いちゃんちゃんこは赤ちゃんに戻る意味もあるそうな。
さらに60歳といえば一般的な職業では定年。
そこから先をセカンドライフと称するのも、
的を得た表現なのかもしれませんね。
とはいうものの僕の場合、人生に一巡はなく、
60年前に始まったファーストライフがずっと続いております。
そう、戻ることはなく、直線状に。
それは多分、
ここまで同じ仕事を勤め上げてこなかったことと、
(転職大王でしたからね、ととら亭の13年が最長記録です(更新中))
子どもがいないので、
夫婦の時計が止まったままだからだと思います。
いや、別に若者ぶってるつもりはありませんが、
感覚的には50歳の時や40歳の時と変わらないんですよ。
もしかしたら、
心の一部は未だに30歳代や20歳代と同じかもしれません。
それは格好良く言うと Forever young なのかな?
でも実際は「成長してないので」のような気もします。
だから Boys will be boys の方が近いのかも。
しかし、齢を取ることには肯定的なんですよ。
とりわけ経験を積み、思慮分別をつけることなんかね。
30歳くらいまでの僕は、
それこそ横浜のラオウかデスラー総統だったので、
あれを今でもやっていたらと思うと、本人ながらぞっとします。
それに齢を取ったからこそ見えてきたこともあるし。
たとえば、個人のスペックとされる学歴や職業、職位や年収が、
結局のところ人生においてどんな意味を持つのか?
とか、組織というのが大なり小なりどういうものなのかも。
(それから結婚も!)
いずれも社会に出たばかりの頃には、
誰かの価値観をコピペしただけで、
今と同じ認識は持っていなかったでしょ?
(ね、ご同輩?)
そしてこの認識が本から学べる知識とは別物であることも、
分かっていなかったはずです。
とどのつまり、自分自身で経験しなくちゃ、
分かってないってことすら分からないんですよ。
だから僕が確信しているのは、
たとえばデロリアンに乗って40年前に戻り、
20歳の自分に、
「えーじ、聞け。世の中ってのはな、
お前が考えているようなものじゃないんだよ」
こう言ったとします。
すると20歳の僕は次のように応えるでしょう。
「FxxK off Grandpa!」
そう、確実にね。
(どちらも本人なのでよく分かるのです)
というわけで、60歳というのも、
僕にとって特別な意味があるものではありません。
定年も引退もないし、セカンドライフもない。
60年前に始まった、この長い旅を続けて行くだけ。
終わりの日までね。
えーじ