還暦。
個人的には大きな意味を持たないものの、
一般的にはやはり人生の大きな節目でしょう。
先日、これを記念して高校時代の同窓会が横浜でありました。
僕は地元を出て長いため、こうした集まりどころか、
旧友たちと顔を合わせるのも稀だったんですよ。
そこで今回ばかりは予定を合わせて出席したのです。
場所は山下公園にほど近いメルパルク。
元町や山下公園は僕らがティーンエージャーだった頃の、
定番デートコースでしたが、
メルパルクも地元の結婚式場として幾度となく訪れた思い出の場所。
(僕が所属していたラグビー部のメンバーが二人就職していたし)
ちょっと早めに着いたので、
山下公園をぶらっと歩いていたら、
十数年分の記憶がフラッシュバックしてきました。
かわいい彼女。
アホな悪ガキども。
青臭いことを精いっぱいやった日々。
やがて気分が小僧に戻ったところで会場に入ってみれば、
・・・?
なんだ、このおっさんとおばさんの集まりは?
「えーじ! 久しぶり! 覚えてる?」
僕を現在に引き戻したのは、この声でした。
そうか、僕もまたハーフおじいさんだったな。
僕はしばし声をかけるのも忘れ、周りを見回していました。
ああ、あれはあいつだ。
あの子は? ん〜・・・分からないな。
こうして過ごした2時間は、
ある意味、今まで経験したことのないものでした。
みんな変わったけど、みんな変わらないね。
柴又へ戻る電車の中で、対面に座っていたのは若いカップル。
彼らを見ていて、僕はようやく理解できたのです。
時間は前にしか進まない。
同時にふたつの人生を生きることはできない。
そして、すべてには始まりがあり、
始まったものはいつか必ず終わりを迎える。
僕は彼らに向かって、心の中でこういいました。
諸君。
だから人生ってのは、ばかばかしいくらい素晴らしいんだよ。
まだ分からないだろうけどね。
えーじ
P.S.
ブイン、どうもありがとう。ミツ、料理おいしかったよ。