2024年05月29日

優先順位を変えて

旅行前に必ず調べるのが渡航先の天気。

ここ10数年、
この段階でブルーな気分になることがあります。

それは気候変動。

干ばつに洪水、そして異常な寒波や熱波。

そのせいか最近は、
「地球温暖化」という単語が使われなくなってきました。
「温暖」という表現では穏やかな感じがするでしょ?
でも、実際は気象の「過激化」ですからね。

ここ3カ月間に限っても、
砂漠のドバイで大雨が降って空港が水没したり、
ブラジル南部でも大洪水が発生。
そして緯度が北緯10度前後にあたるタイやベトナム、カンボジア、
メキシコなどを襲っている熱波のニュースは、
皆さんもご存知のことと思います。

さらに遡ると、10年ほど前からさまざまな国で僕らが耳にする、

「あななたちはついてないですね」
「なぜですか?」
「例年ならこの時期はすごく過ごし易いのに、
 こんなに暑い(寒い)でしょ?」

この言葉。

春と秋が短くなり、極端な気温の冬と夏が長引いている。
地球上のいたるところで、みんなが同じことを言い始めている。

空港で見かける「一滴の水も無駄にはしないで!」のポスターは、
珍しいものではなくなってきました。
日本でも猛暑が当たり前になってきています。

これはマジでヤバイと思いません?

そろそろ本気で取り組まないと、
とんでもない代償を払うことになりそうな気がして・・・
僕はグレタさんの友だちではありませんが、
気候変動対応は、待ったなしの状態だと思います。

世界の指導者の皆さま。
いろいろご多忙とは存じますが、
この辺で他国の土地や海の侵略や資源の収奪、
他民族の弾圧やよそ様にミサイルを撃ち込むのをやめて、
頭と大気の温度を下げませんか?

いいかげん、優先順位を変えるべき時だと、
平凡な一市民の僕ですら、そう考えざるをえない、
今日この頃でございます。

えーじ
posted by ととら at 00:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年05月26日

お色直ししました

先日、「まだまだ成長中」と題して、
ファサードの塗り替えをお伝えしましたが、
実はこれ、次に続くお色直しの伏線でした。

ととら亭のアプローチ通路の外壁部分や塀は木製ですので、
3年前後たったら再塗装が必要なのですよ。
特に初年は時間の都合で2度塗りができなかったことから、
今回はちょっと早めの2年目にお色直しをお願いしました。

基本は初回と同じ。
でも、この前やった変更と同様に、
脱「山小屋イメージ」として塀のポールを黒に塗り替えました。

paint202405-01.jpg

いかがです?
ちょっと絞まったイメージになったと思いません?
これでだいぶ印象が変わったのではないかな?
写真左側の柱と手すりが塗装前で、右側の壁が塗装後です。

それでもまだ完成ではないのですよ。
塀の下を中心に植栽を植える計画もありまして。
これは時期を考えると来春あたりになりそうです。

ま、気長にじっくり育てて行こうと思っています。

えーじ

paint202405-02.jpg
posted by ととら at 16:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年05月23日

レバノン料理特集が始まります!

中東。

距離的には欧米より近いにもかかわらず、
日本人にとって縁遠い地域。

これは観光に限らず、
アカデミズムもまた関心が薄いのですよね。
この事実に今更ながら愕然としたのは、
取材前の下調べで書籍を探していたときのこと。
食文化系はいわずもがな、
本の数そのものが欧米関連に比べて、
お話にならないくらい少ないじゃないですか。

これ、図書館に行けば、一目瞭然でお分かりいただけます。
ヨーロッパに関する本、たとえばフランスやイタリア、イギリスであれば、
これらの1カ国だけで、(場合によってはパリやローマに関する本だけで!)
書架の半分前後が埋まっていますけど、
中東関連はどうかといえば・・・

ね? サウジアラビアとかイラクなんて国別カテゴリーはなく、
中東という地域名で十羽ひとからげにされちゃってるでしょ?
しかもその総量が先に挙げた欧米1国の半分もない。
当然、バーレーンやクウェートに特化した本なんて、
まず置いていないし。(というかほとんど存在しない?)

だから今のパレスチナ・イスラエル問題のフォーカスが、
メディアも含めてぼやけているのも無理からぬ話なんですよ。
そもそも興味が薄いのですから。

かくいう僕も、
実は現地へ行くまで同じような認識レベルでした。
そして行って何かが分かったかというと、
余計「む〜・・・」という感じに。

とにかく砂漠と島国という自然環境の差もさることながら、
文化の土台がまったく違うのですよ。
中央集権型の農耕文化と、
部族社会の遊牧文化とでは社会構造がかけ離れていますからね。

だから日本人の僕らに当たり前の民主主義と資本主義は、
彼らにとって感覚的にかなり異質な思想なんですよ。
僕らにとっての一神教がそうであるように。

と、長い前置きになりましたが、
そんなこんなで近くて遠い中東でも料理となれば話は別。
レバノン料理を入り口に、遊牧文化の世界へ踏み出してみませんか?

レバノン料理特集

難しいことは抜きにして、まず一口食べてみて下さい。
文化の違いを体で感じられますよ。

えーじ

P.S.
ネタニヤフさん。
イスラエル建国時のことを思い出すと、
イスラエルが国家であるというなら、
同じようにパレスチナもまた国家であると認めるのが、
フェアではありませんか?

バイデンさん。
いまパレスチナで行われているのは、
どこをどう見ても国家の防衛ではなく、
民間人を殺しまくるジェノサイドとしか思えないですけどね。
だから関係者にICCから逮捕状が出ても当然ではないですか?
あ、アメリカは、
「国際刑事裁判所ローマ規程の締約国」じゃありませんでしたね!
なるほど、プーチンさんと話が合うわけだ!
はらしょ〜。
posted by ととら at 18:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年05月21日

香りが変わって

「看板料理は何ですか?」

お客さまからしばしば頂くこのご質問。

期待された答えは「ジョージアのスペアリブ」とか、
「ジャマイカのジャークチキンです」などと分かっていつつも、
僕の答えは毎回、

「ありません」

さらに質問した方を困惑させる、

「看板料理がないのが看板です」

と続けるのが、お約束なのですよ。

飲食店の成功How-To本に、
必ずといっていいほど書かれている「看板料理」がない。
これは確かに業界の掟破りです。

して、そのココロは?

旅の料理の特集が切り替わってしまうから。

これをちょっとマーケ的に捕捉しますと、
ととら亭は飲食店ですが、いわゆる料理(モノ)ではなく、
「僕らの旅の経験をシェアする」(コト)を売り物にしています。
ですから、看板料理、すなわちメニューを固定してしまうと、
コンセプトが崩れてしまうことになるのですね。

一昨日の夜でプラナカン料理特集が終わりました。
そして今日からキッチンでは、
レバノン料理の仕込みが始まっています。
それはさながらお店そのものが変わったかのように、
店内全体に漂う香りがまったく別になりました。

これまではベラチャン(発酵エビみそ)やバイマックル(こぶみかん)の、
いかにも東南アジアの香りだったものが、
ガーリックやクミン、シナモンなど、中東系に変わりましたからね。
まぁ、こういうのは一般的な飲食店ではまずあり得ないでしょう。

さて、変わるのは、
いや、変わらねばならないのは料理だけではなく、僕の頭の中も同じ。

メニューを書き替えるにあたり、
マレーシアからレバノンに意識を振り替えなくてはなりません。
文化や自然のみならず、旅の経験そのものがぜんぜん別物でしたから。

あ〜、ベイルートは、今どうなっているだろう?
バールベックはヒズボラの訓練キャンプがあったそうで、
先日、イスラエルが爆撃していましたが・・・

次に行けるのは、だいぶ先になりそうだなぁ・・・

古のフェニキア人が地中海へ漕ぎ出した、
ビブロス港の美しい夕日を思い出しながら、
仕事を進めようと思います。

えーじ

bibrossunset_lv.jpg
posted by ととら at 10:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年05月18日

時代遅れの僕なので

かろうじて身体能力がキープ出来ているからか、
はたまた時の流れを感じさせる子供がいないせいか、
僕は感覚的に実年齢よりだいぶ自分を若いと思っています。

しかし、ときには、
「そうか、僕はもう60歳なんだ!」と、
実感せざるを得ないことも。

それはスポーツをしているときや、
鏡をのぞき込んだときではありません。

そのひとつが音楽鑑賞。
柴又に引っ越してオーディオ機器を刷新しようとしたのですが、
なんと、CDプレーヤーが売っていない!
いや、そもそもヨドバシカメラなどの家電量販店に行っても、
オーディオ機器売り場が存在しないか、
あってもフロアの端に追いやられちゃってる。

さらにCDに至っては、
僕がしばしば徘徊している中古屋が減り続けているだけではなく、
Tower RecordやHMVなどの、
新品を売る大型店が軒並み閉店してしまいました。
さらにこれは日本のみならず世界的な傾向で、
床面積の規模を誇るドバイのショッピングモールですら、
もはや往時のCDショップは出店していなかったのです。

こうなると当然、
バンコクのカオサンやクアラルンプールの夜市などでよく見かけた、
怪しげな違法コピーの屋台も完全に姿を消していました。

そこではたと気付いたわけです。
「CDを買い、ステレオで音楽を聴くなんてのは、
 おじいさんの趣味なんだ!」
と。

なるほど新宿や神保町のディスクユニオンに行っても、
お客さんは僕と同世代か、それより上の人ばかり。
反対にスタッフさんはみな若い方たちなので、
さながら介護施設のような雰囲気に!

む〜・・・・

と思っていたら、先日、別件でもこの事実を突きつけられました。

ととら亭の掃除分担はファサードとキッチンがともこ、
ホールとトイレが僕なのですが、
この前、ハタキが壊れてしまいまして。
こりゃ修理しなきゃ、とやってみたのですが、
どうも布の固定がうまく行かない。
そこで近くのイトーヨーカドーや100均ショップに行ってみたら、

ハタキが売ってない!

どこを探しても、いわゆるオールドファッションな、
赤い布の付いたハタキが見つからないじゃないですか。
あるのは今風のホコリがたたないハンディモップ型ばかり。
ということは、
今どき、ハタキでパタパタ掃除をする人なんていないのか?

これには愕然としてしまいました。

僕は自分で認識している以上に、古臭い人間なんだ。

そういえばバックパッカーなんてのも、
若い人には流行っていないしなぁ・・・

ああ、時は流れて行くのでございます。

えーじ
posted by ととら at 09:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年05月15日

まだまだ成長中

柴又のととら亭は2年前の7月にオープンしていますが、
実はまだ完成していません。
住宅部分も含めると完成度は70パーセントくらいでしょうか?

そんなわけで先日も、
店内のディスプレイフラグフォルダーのお話をしましたけど、
昨日やっていたのはファサードのペンキ塗り。

ここについて申しますと、
まず、当初のデザインはこうだったのですよ。

fasadeimage_original.jpg

で、現状がこう。

fasadepainting03.jpg

ま、こうなったのは理由がありまして、
僕はゼロから何かを創る場合、
ディティールまで明確なイメージを持っていて、
それを形にすることにこだわるタイプ。
いろいろ制約はあったものの、
そうして出来たのが野方のととら亭でした。

ところが自分の発想というのも限界がありまして、
ギョーザ本を書いたときに知ったのが、
チームで作ることで生まれる意外性の妙味。

これ、音楽に例えますと、
ソロとバンドの違いになりましょうか。
異なる感性からのアイデアは、
作品に思わぬ深みや彩を与えるものです。

そんなわけで、柴又のととら亭を創っていたとき、
内装会社の社長さんや大工さんに、
「原案はこうなんですけど、あなたならどうやります?」
とよく質問していたのです。
ですから今の状態はコラボレーションの結果なんですね。

しかし、なかにはやっぱり違うな、と思いつつも、
時間切れでリリースしてしまったところもあります。
そのひとつがファサードなんですよ。
現状は茶色ばかりで、
「山小屋風」といわれることもあるくらいですから。
これはやはりイメージと違う。

で、原案に近付けるべく取り掛かったのがペンキ塗りなのです。

fasadepainting02.jpg

まず大切なのがマスキング。
これは塗る面の周辺だけではなく、
ペンキが垂れることも想定して、下までしっかり養生します。

fasadepainting01.jpg

さぁ、準備ができたら塗り始めましょうか!
今回の塗装面は高さがあったので、
右側から塗り始めた僕が上の部分を、左のともこが下を担当。

fasadepainting05.jpg

天気に恵まれ風も乾いていたからすぐ2度塗りも出来ました。
いやぁ〜、こういう作業をしていると、
大工仕事に没頭していた2年前の今ごろを思い出しますね。
そこで今日のランチはあのころ作業の合間によく食べた、
イタミリオさんのから揚げ弁当とのり白身魚弁当。
ん〜、初心に帰るなぁ。

fasadepainting04.jpg

夜、営業灯をつけて暖簾を出すと、
ほら、当初のイメージにかなり近いでしょ?
感動しました。うん。

えーじ
posted by ととら at 00:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年05月12日

第23回取材旅行の準備 その2

今回の取材旅行は、
企画した段階からとても楽しみにしていました。

まず台湾は、僕が2000年にソロで行った以来の大ファンで、
会社員時代には毎年訪れていたこともあったくらいなのですよ。
とにかく料理が素晴らしく、
それも高級店に入らずとも、屋台でさえ十分満足できますから。

なかでもランチタイムのお気に入りは自助餐と素食。
自助餐は指さしオーダー型の食堂で、
台湾語が話せなくても問題なく食事が楽しめます。
店内には保温された料理がたくさん並んでいますから、
好きなものを指さし、盛ってもらった皿を持ってお会計するだけ。
たいていご飯とスープはお変わり自由です。

台北市内には何軒もの自助餐があり、
どの店に入るか迷ってしまいますけど、
そこでスマホをのぞき込まなくても、
ローカルで混んでいる店に入ればまずハズレなし。
ねらい時は店が混雑する12時の少し前がベストです。

素食は英訳するとベジタリアン。
店のシステムは自助餐と同じで、料理も一見すると変わりありませんが、
驚くべきは肉としか思えないものがすべて野菜で作ってあること。
これはビジュアルにとどまらず、
口に入れても食感といい味といい、ブタ肉やトリ肉そのもの!
タネを明かせばたいてい湯葉などでシミュレートされており、
そのテクニックたるや芸術級といっても差し支えありません。

そして日が暮れたら夜市に出かけましょう。
屋台で埋め尽くされた路地を徘徊し、
前菜からデザートまで目星を付けたらハシゴの始まり始まり。
立ち食いもよし、ローカルと相席で食べるもよし。
にっこり「好食!(ホージャー)」というだけで、
フレンドリーな雰囲気に包まれるでしょう。

お気に入りのエリアは龍山寺界隈でした。
ここは変化の目まぐるしい台北にあって昔日の面影を色濃く残すところで、
裏通りなんかは昭和っぽいムードが漂っているじゃないですか。
一歩入ると子供時代にタイムスリップしたようで、
最初は初めて行ったにもかかわらず、どこか懐かしい感じがしました。
そんなわけで今回も投宿するのはこの辺です。

フィリピンもまた思い出深いですね。
あれは17年前、ともこが最初の大病で3カ月ちかく入院した後のこと。
旅の勘を取り戻す、リハビリを兼ねて行ったのがマニラだったのです。
彼女が病院のベッドで読んでいたのは、旅行と料理の本ばかり。
退院してやっと旅に戻れたときは、
コロナ禍後の旅のように実に感慨ふかいものがありました。

そのとき訪れたのはマニラのエルミタ地区。
あの雑然とした安宿がひしめくバックパッカー御用達のエリアは、
東南アジアが海外旅行の原点である僕らにとって、
「戻ってきたぜ〜!」なところのひとつでね。
あれは偶然、時期が今回と同じ6月。
パパイヤやマンゴーなど、フルーツが美味しい季節です。

期間は6月10日(日)から19日(水)までがフィリピン。
で、20日(木)の早朝に移動して、23日(日)の昼までが台湾です。
今回は近場なのでフライトタイムも短いから楽。
問題は、マニラやバンコク、プノンペンなど、
あの辺の緯度のあたりがいま異常な猛暑なんですよね。
ぼちぼちモンスーンの時期なので、
僕らが出発する頃までには涼しくなりますように。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 16:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年05月09日

第23回取材旅行の準備 その1

ゴールデンウィークが終わり、今度は僕たちの番が来ました。

次の取材先はフィリピンと台湾。
いずれも初めて行く国ではありませんが、
前者は19年ぶり、後者ですら17年ぶりですから、
マニラや台北はだいぶ変わったことと思います。

それに料理の取材としては初めてなので、
気分はとても新鮮ですね。
とりわけフィリピンは、かつての宗主国スペインの影響が、
非常にユニークな形でローカライズされているようなのですよ。

たとえばスペイン語のasadoはローストを意味し、
本国や南米では一般的に肉のオーブン焼きが出てきますけど、
フィリピンでは中国の影響も大きいことから、
又焼(チャーシュー)までそう呼ばれているそうな。
これはチャーシューメンに親しむ日本人の感覚からも、
「・・・?」となるでしょう?
だってこの定義からすると、
ローストチキンレッグをラーメンに乗せても、
チャーシューメンですからね。

またペルーやメキシコにもあるadoboは、
元来、調理法の「マリネする」の意であるadobarが語源ですが、
同じく影響を受けたペルーとメキシコの現物が別物であったように、
フィリピンのadoboも他とはかなり違うようです。
これらの比較がまたおもしろい。

料理というのは理論や規則ありきではなく、
極めて恣意性が高いもので、ひとたび伝わったが最後、
呼称もレシピも勝手に変化してしまいます。

ものによっては日本のトルコライスやマカオのポルトガルチキンなど、
国名を冠しつつも、
実はその名の場所には存在しない料理なんて幾らでもありますしね。

この「いい加減さ」が僕には何ともおもしろい。
反対に、これほど人間臭い文化の側面というのはあまりないのではないか?

そう、人間のやることというのは、
真面目な顔をしていても、結局のところ、いつまでも子供っぽいものです。

え?
最後は自分のすちゃらかさのいい訳をするつもりだな?

アタリです。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 11:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年05月06日

春らしい春

「あれは現実のことだったのだろうか?」

最近、ドラッグストアやコンビニの棚に、
安価なマスクがたくさん並んでいるのを見ると、
僕は自分の記憶に自信がなくなります。

自粛警察やらワクチン陰謀論者が跋扈した日々は現実ではなく、
あれは出来の悪いディストピア映画を観ていただけなのではないか?
それくらい、このゴールデンウィークの柴又は、
かつての社会に戻っていたように見えました。

もちろん円安と物価高の逆風は吹いていますけど、
それでも行き交う人々の表情には、
季節だけではなく、心の春が感じられたのです。

そう、あれはもう過去のことなんだ。
いま僕らは、その先へ進んでいる。

この明るさは若者たちの笑顔にも現れていて、
最近、増え始めた20歳前後のお客さまから、
「外国はまだ行ったことがないけど、興味があるんです!」
そんな声を聞くようになりました。

「それじゃ、最初に行きたい国はどこだい?」

タイ、シンガポール、イタリア、イギリス・・・

まだ見ぬ夢のような国を思い浮かべて答える彼、彼女たち。

そう、春はね、はじまりの季節なんだよ。

連休が終わり、また日常が始まります。
でもそれは、同じことの繰り返しに戻るのではなく、
誰にとっても、何かの、
新しい世界へ踏み出すきっかけになり得るのではないか?

実際、僕らはみな、
あの息詰まるコロナ禍を乗り切り、
マスクを外して街を歩けるようになったのですからね。

規制が解除されて1年。
やっと春らしい春になりました。

えーじ
posted by ととら at 20:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2024年05月03日

評価を評価してみれば

いよいよゴールデンウィークも後半に突入。
そこで皆さま、
訪れるお店や泊まるホテルはどうやって決めてます?

GoogleマップやTripadvisorの星の数?

ん〜・・・最近はそれが主流かな?

でも、それで選んだ結果に満足(納得)してます?

たとえば、星の数が4.6だから入って(泊まって)みよう!
しかし、いざその場になってみると、
「・・・・?」なことってありません?

そして逆もまた然り。
偶然、直感で入ったところがすごく良くて、
後で評価を見てみたら2.3しか付いてない!

そんな経験がおありなら、ちょっと試して頂きたいのが、
知らないお店やホテルではなく、
自分がよく知っているところの評価やレビューを読んでみること。

それもあなたのお気に入りのところのひとつ星レビューと、
もう行くことはないな、と思っているところの5つ星レビューを。

いかがです?
「桜レビュー」は不問にするとしても、
「この店をこんな風に評価するとは!」ってなりません?

少なくとも、僕は自分の評価が、
数あるレビューと一致したケースはほぼありませんでした。
そこで評価を評価した結果、
グーグル君やトリアドちゃんを擬人化してみると、
僕とはだいぶ感性の違う人なんだな、という結論に至りまして。

それにそもそも論で申しますと、
味覚や心地良さは極めてパーソナルなものです。
にもかかわらず、
食べてもいないものを、また泊まってもいないところを、
顔も知らない人の言葉で判断するのは、
合理的なようでいて非合理的だし、
何より判断を依託してしまうのですから、
自らの選ぶ権利を放棄することになると思いません?

自由を標榜するバックパッカーとしては、
これを看過するわけにはいきません。
というわけで、どこへ行くのも、何を食べるのも、
他人に耳を貸さない頑固な僕らでありました。

えーじ
posted by ととら at 16:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記