ここ数十年、僕はテレビドラマを見ていません。
というか、テレビを見ている時間がないのですよ。
では、日々つまらなく過ごしているのかといえば、
まったくそんなこともない。
なぜか?
ととら亭のテーブルには、
それぞれオリジナルのドラマがあるから。
毎日、カウンターで、テーブルで、ひとりで、ふたりで、3人で、
繰り広げられるドラマは、さながらそれぞれが短編小説のよう。
みな一話完結で、テレビみたいに再放送もありません。
いや、誤解しないで下さい。
僕が横に座ってじっと話を聞いているのではなく、
サーブしつつ感じた断片から、想像しているだけなので。
不思議なのは、こうした個々のストーリーが、
まったく別にもかかわらず、ときにひとつの線で結びつくこと。
それも奇跡的に。
そう、あれは先日のディナータイムで・・・
年配のご夫婦が金婚式のお祝いでいらっしゃいました。
すごいですね、50年間のパートナーシップですから。
僕らも見習いたいものです。
でも、あと23年あるからなぁ。
そのとき僕は・・・84歳か!
まだバックパックを背負えるかしらん?
いや、そもそもととら亭をまだ続けているのかな?
なんて思いつつお見送りし、片付けを終えた後、
同じテーブルに、今度は誕生日のお祝いで3人の女性が。
彼女たちは野方時代からのお馴染みさん。
とはいえ、女性に向かって「何歳の誕生日?」なんて聞くほど、
僕は無粋な男ではありません。
しかし、このときは彼女の方から、
「今日は50回目のバースデーなんですよ!」と。
ここで僕は一瞬、言葉が詰まりました。
あれ? この話、さっきしなかったっけ?
そうか、先のご夫婦が結婚した年に、彼女は生まれたんだ!
50年間のパートナーシップと、50年間の人生。
双方に面識はありません。
しかし、ととら亭という場で、それも同じテーブルで、
それがひとつに結ばれた。
偶然とは、理解できない必然の謂いである。
こんなドラマがしばしばありまして。
ね、短編映画のエンディングみたいでしょ?
ととら亭を映画館にたとえると、僕は観客ではなく、
さながら映写技師になったような気がします。
さぁ、新しいリールを回しましょうか。
今日はどんなストーリーが始まるのかな?
えーじ
2024年06月29日
2024年06月26日
ととら亭再起動202406
そういえば、お店の再起動で、
開店準備の話しかしていませんでしたね。
仕込みやデスクワークなどを黙々とこなしつつ、
ランチの後でやっているのが旅の振り返り。
いや、思い出を語り合っているのではありません。
今回の旅で見つかった課題の洗い出しと、
その対策を検討しているのです。
(まじめに仕事してるでしょ?)
え?
それだけ旅をしていて、今さら課題なんてあるのか?
残念ながら、旅の完成形ってないのですよ。
現地も、こちらも、すべての条件が流動的ですから。
とりわけ著しい変化は、デジタル化。
僕は四六時中スマホを握りしめた人生なんてゴメンですが、
現地では、もはやこれなくして、
個人旅行に行くことが難しくなってきました。
もちろんGoogleマップを使わず移動し、
Trip Advisorにお伺いを立てずレストランを選び、
Booking.comを通さないでホテルに泊まることはできます。
しかし、入出国となると話は別なのですよ。
フィリピンでは入国時、
eGOVphというスマホアプリへの登録が義務づけられていました。
オーストラリアには同様のETAがありましたし。
こうした傾向は以前からじわりと広がっていて、
新型コロナ禍以降に加速した感があります。
あの管理プラットフォームを活かし、
手続きの電子化と効率化をはかっているのでしょう。
ま、日本の Visit Japan のように、
結局また紙に戻り、形骸化してしまうケースもありますけど。
必須ではありませんが、利便性でいうと、
GrabやUberの配車システムはかなり普及してきています。
これは単純に便利だからというだけではなく、
何かとトラブルが絶えないタクシー問題を、
回避できる点が評価されたようで。
また、外国人が泊まるようなホテルでは、
業務そのものがBooking.comや、
Agoraなどのシステムと連動しているケースが増え、
ホテルのフロントに立っていても、
泊まれますか?と聞けば、部屋はあるけど、
Webから予約してくれと言われたことも。
こういう遠回しなやり方は違和感を覚えますが、
時流ということで、仕方ないのかもしれません。
そんなわけで、渡航先で使うかもしれないアプリは、
事前のインストールが必須になってきました。
ま、これを便利というか不便というかは、
そのひと次第でしょうけどね。
さて、それでは営業を再開しましょうか!
えーじ
開店準備の話しかしていませんでしたね。
仕込みやデスクワークなどを黙々とこなしつつ、
ランチの後でやっているのが旅の振り返り。
いや、思い出を語り合っているのではありません。
今回の旅で見つかった課題の洗い出しと、
その対策を検討しているのです。
(まじめに仕事してるでしょ?)
え?
それだけ旅をしていて、今さら課題なんてあるのか?
残念ながら、旅の完成形ってないのですよ。
現地も、こちらも、すべての条件が流動的ですから。
とりわけ著しい変化は、デジタル化。
僕は四六時中スマホを握りしめた人生なんてゴメンですが、
現地では、もはやこれなくして、
個人旅行に行くことが難しくなってきました。
もちろんGoogleマップを使わず移動し、
Trip Advisorにお伺いを立てずレストランを選び、
Booking.comを通さないでホテルに泊まることはできます。
しかし、入出国となると話は別なのですよ。
フィリピンでは入国時、
eGOVphというスマホアプリへの登録が義務づけられていました。
オーストラリアには同様のETAがありましたし。
こうした傾向は以前からじわりと広がっていて、
新型コロナ禍以降に加速した感があります。
あの管理プラットフォームを活かし、
手続きの電子化と効率化をはかっているのでしょう。
ま、日本の Visit Japan のように、
結局また紙に戻り、形骸化してしまうケースもありますけど。
必須ではありませんが、利便性でいうと、
GrabやUberの配車システムはかなり普及してきています。
これは単純に便利だからというだけではなく、
何かとトラブルが絶えないタクシー問題を、
回避できる点が評価されたようで。
また、外国人が泊まるようなホテルでは、
業務そのものがBooking.comや、
Agoraなどのシステムと連動しているケースが増え、
ホテルのフロントに立っていても、
泊まれますか?と聞けば、部屋はあるけど、
Webから予約してくれと言われたことも。
こういう遠回しなやり方は違和感を覚えますが、
時流ということで、仕方ないのかもしれません。
そんなわけで、渡航先で使うかもしれないアプリは、
事前のインストールが必須になってきました。
ま、これを便利というか不便というかは、
そのひと次第でしょうけどね。
さて、それでは営業を再開しましょうか!
えーじ
2024年06月24日
第23回取材旅行 その10 最終回
「今日は予定より1時間早く出よう」
成田とマニラでのチェックイン1時間待ちを思い出し、
僕らは予定を繰り上げてホテルを出ることにしました。
朝食くらい、ゆっくり食べたいですからね。
そこでまず使ってみたのが2017年3月に開通したMRT桃園空港線。
なんでも快速なら台北駅から35分で第1ターミナルに着くそうな。
料金も約750円ほどとお得です。
(最安値はエアポートバスの約600円)

MRT桃園空港線の台北駅
列車は両数が少なく、
荷物スペースが潤沢に取られている分、席数が多くないので、
すぐ満席になってしまいます。

ゆったりスペースで、すぐ前に荷物を置けるから安心。
しかし、15分間隔運行ですから、
1本目に乗れなくても次を待てば座って行けるでしょう。
(往路は第2ターミナルが始発のため、
第1ターミナルからだと空席ねらいは厳しいかも)
なるほど快適かつ迅速に空港までアクセスできました。
で、問題のチェックインです。
今回のフライトはジェットスター。
セブ・パシフィック航空と同じLCCなのでどうかな?
と恐る恐るカウンターを目指すと・・・
誰もいない。
いや、一人だけキューパーテーションの先頭に立っています。
どうなってるんだ?
と近付けば、インフォメーションボードには、
あと5分後の10時10分に受付開始とな。

僕らが抜けた後もこの程度。
そこで待っているうちに、
ぼちぼち僕らの後ろに乗客が並び始めました。
そして定刻になるやいなや、
僕らはバックパックを預け、ボーディングパスをもらっておしまい。
あまりのあっけなさに拍子抜けしてしまいました。
空港が違うからか、それともエアラインの違いか、
この差は大きかったですね。
おかげで僕らは地下のフードコートに行き、
有終の美を飾る台湾メシを楽しめたのでございます。

食事をするなら出国前の方がお勧めです。
選択肢が多いし、なにより同じようなものでも2割くらい安い!
昨日はその後の流れもスムーズでした。
セキュリティチェックはPCをバックパックから出さず、
X線ゲート内での回転ダンスも披露しないままスルー。
イミグレは自動ゲートでスタンプなし。
フライトは満席でしたがオンタイム。

お世話になった機材。
成田から到着して1時間でとんぼ返りの早業。
フライトタイムもやや短めの3時間で、
17時15分には成田の第3ターミナルへ到着したのです。
(ここは相変わらず工場か倉庫のようで殺風景ですなぁ・・・)
さて、この短いフライトで感心したのは、
チーフパーサーの20歳代後半と思しき女性。
日本人の方でしたが、英語が堪能なだけではなく、
流暢な中国語(北京語?)まで自在に操れるではないですか。
この3カ国語を器用に切り替えながら行う機内アナウンスは、
ちょっとした名人芸の域でした。
僕も、もう少し練習しないとなぁ・・・
乗客は半分くらいが日本人だったでしょうか。
これは成田-マニラ間、マニラ-台北間とは対照的でしたね。
先の2便にほとんど日本人は乗っていませんでしたから。
日本発の便にもかかわらず、日本人が少ない現象は、
コロナ禍以降、ずっと続いている傾向です。
長引く不況と泣ける円安、加えて世界的なインフレの三重苦で、
アウトバウンドはあんまり回復していないようですね。
おっと、米ドルはまたしても160円に乗りそうじゃん!
それでも台湾を始め、マレーシアやタイ、ベトナムなど、
LCCで行ける範囲であれば、
あまり費用をかけず、旅ができるようになったと思います。
実際、今回の僕らの旅も、
取り立てて「損した」感はありませんでした。
気を付けなければならないのは経済的な問題より、
むしろ気候変動の方でしょう。
例年であれば、雨期の入り口にあたるこの時期、
フィリピンと台湾は、これほど暑くなかったと思います。
(日本もね!)
そしてこれはニュースでご存知のとおり、世界規模の傾向で、
涼しさが売りのチェンライに移住した友人から、
ここしばらく気温が32度から35度で推移していると、
嘆くメールが届いたくらい。
ともあれ、懲りない僕らは成田から戻る電車内で、
次の旅のことを考え始めていたのですけどね。
ま、旅人というのは、そういう生き物なのですよ。
End
えーじ

See you on the next trip!
成田とマニラでのチェックイン1時間待ちを思い出し、
僕らは予定を繰り上げてホテルを出ることにしました。
朝食くらい、ゆっくり食べたいですからね。
そこでまず使ってみたのが2017年3月に開通したMRT桃園空港線。
なんでも快速なら台北駅から35分で第1ターミナルに着くそうな。
料金も約750円ほどとお得です。
(最安値はエアポートバスの約600円)

MRT桃園空港線の台北駅
列車は両数が少なく、
荷物スペースが潤沢に取られている分、席数が多くないので、
すぐ満席になってしまいます。

ゆったりスペースで、すぐ前に荷物を置けるから安心。
しかし、15分間隔運行ですから、
1本目に乗れなくても次を待てば座って行けるでしょう。
(往路は第2ターミナルが始発のため、
第1ターミナルからだと空席ねらいは厳しいかも)
なるほど快適かつ迅速に空港までアクセスできました。
で、問題のチェックインです。
今回のフライトはジェットスター。
セブ・パシフィック航空と同じLCCなのでどうかな?
と恐る恐るカウンターを目指すと・・・
誰もいない。
いや、一人だけキューパーテーションの先頭に立っています。
どうなってるんだ?
と近付けば、インフォメーションボードには、
あと5分後の10時10分に受付開始とな。

僕らが抜けた後もこの程度。
そこで待っているうちに、
ぼちぼち僕らの後ろに乗客が並び始めました。
そして定刻になるやいなや、
僕らはバックパックを預け、ボーディングパスをもらっておしまい。
あまりのあっけなさに拍子抜けしてしまいました。
空港が違うからか、それともエアラインの違いか、
この差は大きかったですね。
おかげで僕らは地下のフードコートに行き、
有終の美を飾る台湾メシを楽しめたのでございます。

食事をするなら出国前の方がお勧めです。
選択肢が多いし、なにより同じようなものでも2割くらい安い!
昨日はその後の流れもスムーズでした。
セキュリティチェックはPCをバックパックから出さず、
X線ゲート内での回転ダンスも披露しないままスルー。
イミグレは自動ゲートでスタンプなし。
フライトは満席でしたがオンタイム。

お世話になった機材。
成田から到着して1時間でとんぼ返りの早業。
フライトタイムもやや短めの3時間で、
17時15分には成田の第3ターミナルへ到着したのです。
(ここは相変わらず工場か倉庫のようで殺風景ですなぁ・・・)
さて、この短いフライトで感心したのは、
チーフパーサーの20歳代後半と思しき女性。
日本人の方でしたが、英語が堪能なだけではなく、
流暢な中国語(北京語?)まで自在に操れるではないですか。
この3カ国語を器用に切り替えながら行う機内アナウンスは、
ちょっとした名人芸の域でした。
僕も、もう少し練習しないとなぁ・・・
乗客は半分くらいが日本人だったでしょうか。
これは成田-マニラ間、マニラ-台北間とは対照的でしたね。
先の2便にほとんど日本人は乗っていませんでしたから。
日本発の便にもかかわらず、日本人が少ない現象は、
コロナ禍以降、ずっと続いている傾向です。
長引く不況と泣ける円安、加えて世界的なインフレの三重苦で、
アウトバウンドはあんまり回復していないようですね。
おっと、米ドルはまたしても160円に乗りそうじゃん!
それでも台湾を始め、マレーシアやタイ、ベトナムなど、
LCCで行ける範囲であれば、
あまり費用をかけず、旅ができるようになったと思います。
実際、今回の僕らの旅も、
取り立てて「損した」感はありませんでした。
気を付けなければならないのは経済的な問題より、
むしろ気候変動の方でしょう。
例年であれば、雨期の入り口にあたるこの時期、
フィリピンと台湾は、これほど暑くなかったと思います。
(日本もね!)
そしてこれはニュースでご存知のとおり、世界規模の傾向で、
涼しさが売りのチェンライに移住した友人から、
ここしばらく気温が32度から35度で推移していると、
嘆くメールが届いたくらい。
ともあれ、懲りない僕らは成田から戻る電車内で、
次の旅のことを考え始めていたのですけどね。
ま、旅人というのは、そういう生き物なのですよ。
End
えーじ

See you on the next trip!
2024年06月23日
第23回取材旅行 その9
早いですね。
日本を出て14日目。この旅も最終日となりました。
台湾は下見だけでしたから、
自助餐と素食(自助餐のベジタリアン版)や夜市をフリーで満喫。
いやぁ〜、実に楽しめました。
やっぱり中華は本場で、としかいいようがありません。
とにかく直感で食べてハズレなし。まさに美食の国!
とはいえ、皆さんとは行っているところが違うかな?
なにせ台北は5、6回目になるものの、
テーブルクロスのあるレストランで食事をしたことは、
1度もありませんでしたから。
(そこで今回は、初めてちょっと高級な酸菜白肉火鍋の店に行ってきました。
Ai & Aki, Thanks for your recommend!)
基本的に僕らが行くのは、先にご紹介した自助餐のような店が多いです。
たとえば素食(スーシーと発音します)も、こんな感じ。

MRT台北駅と西門駅の中間くらいにある大繁盛店。
イートインのほか、テイクアウトの人もどんどん来ます。

ここから好きなものを好きなだけお皿に取ってレジへ。
お会計は種類ではなく、重さで計算されます。
ですからソロの旅人でもいろいろ食べられてとても便利。

ぱっと見るとお肉を使っているようですが、
これが全部野菜で作られているとは驚きでしょ?
しかも超おいしい! あっさりスープ(中央)は飲み放題。

ふたりでお腹パンパン大満足の価格が225元(約1,183円)!
僕らが毎回足を運ぶ理由がお分かりいただけるかと思います。
見れば見るほど17年ぶりの台北は変わったように思えました。
あの龍山寺界隈ですら、
「あれ、こんなキレイだったっけ、この辺?」という感じ。

夜の龍山寺。20時前ならまだ山門は開いています。
ここの周辺に昔ながらの夜市がずらり。
お参りしてから食事に行きましょう!
確かに台北駅や三越の建物は往時のままでしたけど、
街のそこかしこが新しくなったような気がしてなりません。
今日は午前中、淡水まで足を延ばしましたが、
MRTの駅から渡し船の桟橋までに限っても、
何となく最近リノベーションされたような印象があります。
老街の方もお店は新しい所がほとんどでしたし。
ま、アジアは変化が速いですからね。
この次はいつになるか分かりませんが、
きっとまた「あれ?」っとなるのでしょう。
さて、今日は午前中に空港まで戻り、ランチを食べたら
13:10発のジェットスターで成田へ。
予定通りであれば17時30分ごろには成田に到着です。
東京の天気は曇り時々雨で気温26度くらいか。
だいぶ涼しく感じそうだな。
台北は昨日も日中35度。
ランチを食べてホテルに戻るころには、
真夏のジョギングから帰るのと同じような状態でした。
なので食べまくったわりに体重は・・・変わってないだろうな。
それでは次は梅雨の東京から!
to be continued...
えーじ
P.S.
現地レポートの最後はやっぱりこれ。

スゴイでしょ?
パパイヤではなくマンゴーなんですよ。
大きさからしてタイマンゴーかな?
実はこの旅のあいだ、食べまくっていました。
で、フィリピン対台湾のどちらがおいしかったか?
結果はドロー。
どちらもうますぎて甲乙つけがたし。
マニラの市場で見かけなかったアップルマンゴーも台北で食べましたが、
これがまるでモモと交配させたような香しさ。
胃袋の余裕があったら、もっといろいろ食べ比べたかったのですけどね。
そうそう、こういう楽しみ方をするなら、
ホテルは必ず冷蔵庫付きのところに泊まってください。
それから冷たいものばかりだとお腹を壊すので、
電気ポットもあると熱いお茶が飲めて便利です。
フィリピン、台湾、どちらもお勧めですよ!

ホテルから見た夕焼け
日本を出て14日目。この旅も最終日となりました。
台湾は下見だけでしたから、
自助餐と素食(自助餐のベジタリアン版)や夜市をフリーで満喫。
いやぁ〜、実に楽しめました。
やっぱり中華は本場で、としかいいようがありません。
とにかく直感で食べてハズレなし。まさに美食の国!
とはいえ、皆さんとは行っているところが違うかな?
なにせ台北は5、6回目になるものの、
テーブルクロスのあるレストランで食事をしたことは、
1度もありませんでしたから。
(そこで今回は、初めてちょっと高級な酸菜白肉火鍋の店に行ってきました。
Ai & Aki, Thanks for your recommend!)
基本的に僕らが行くのは、先にご紹介した自助餐のような店が多いです。
たとえば素食(スーシーと発音します)も、こんな感じ。

MRT台北駅と西門駅の中間くらいにある大繁盛店。
イートインのほか、テイクアウトの人もどんどん来ます。

ここから好きなものを好きなだけお皿に取ってレジへ。
お会計は種類ではなく、重さで計算されます。
ですからソロの旅人でもいろいろ食べられてとても便利。

ぱっと見るとお肉を使っているようですが、
これが全部野菜で作られているとは驚きでしょ?
しかも超おいしい! あっさりスープ(中央)は飲み放題。

ふたりでお腹パンパン大満足の価格が225元(約1,183円)!
僕らが毎回足を運ぶ理由がお分かりいただけるかと思います。
見れば見るほど17年ぶりの台北は変わったように思えました。
あの龍山寺界隈ですら、
「あれ、こんなキレイだったっけ、この辺?」という感じ。

夜の龍山寺。20時前ならまだ山門は開いています。
ここの周辺に昔ながらの夜市がずらり。
お参りしてから食事に行きましょう!
確かに台北駅や三越の建物は往時のままでしたけど、
街のそこかしこが新しくなったような気がしてなりません。
今日は午前中、淡水まで足を延ばしましたが、
MRTの駅から渡し船の桟橋までに限っても、
何となく最近リノベーションされたような印象があります。
老街の方もお店は新しい所がほとんどでしたし。
ま、アジアは変化が速いですからね。
この次はいつになるか分かりませんが、
きっとまた「あれ?」っとなるのでしょう。
さて、今日は午前中に空港まで戻り、ランチを食べたら
13:10発のジェットスターで成田へ。
予定通りであれば17時30分ごろには成田に到着です。
東京の天気は曇り時々雨で気温26度くらいか。
だいぶ涼しく感じそうだな。
台北は昨日も日中35度。
ランチを食べてホテルに戻るころには、
真夏のジョギングから帰るのと同じような状態でした。
なので食べまくったわりに体重は・・・変わってないだろうな。
それでは次は梅雨の東京から!
to be continued...
えーじ
P.S.
現地レポートの最後はやっぱりこれ。

スゴイでしょ?
パパイヤではなくマンゴーなんですよ。
大きさからしてタイマンゴーかな?
実はこの旅のあいだ、食べまくっていました。
で、フィリピン対台湾のどちらがおいしかったか?
結果はドロー。
どちらもうますぎて甲乙つけがたし。
マニラの市場で見かけなかったアップルマンゴーも台北で食べましたが、
これがまるでモモと交配させたような香しさ。
胃袋の余裕があったら、もっといろいろ食べ比べたかったのですけどね。
そうそう、こういう楽しみ方をするなら、
ホテルは必ず冷蔵庫付きのところに泊まってください。
それから冷たいものばかりだとお腹を壊すので、
電気ポットもあると熱いお茶が飲めて便利です。
フィリピン、台湾、どちらもお勧めですよ!

ホテルから見た夕焼け
2024年06月21日
第23回取材旅行 その8
あれ? こんなんだったっけ?
17年ぶりの台北はこんな風にして始まりました。
まず当惑したのが空港のターミナルビル。
なんかピカピカなんですよ。
以前来たときは暗くて、古くて、かび臭くて、
いかにも年季の入ったアジアの空港って風情だったのが、
(それはそれで好みなんですけど)
明るい現代建築風に様変わりしているじゃありませんか。
(名称も桃園国際空港じゃなくて中正国際空港だったような・・・)
なるほどターミナル1は2013年に改装されていたとか。
今ではMRTも乗り入れてますしね。
しかし、僕らが選んだ市内へのアクセス方法は、
地下鉄ではなく昔ながらのエアポートバス。
西門の近くに宿を取ったので、台北駅で乗り換えるより、
ダイレクトに行けるバスの方が楽でして。
(値段もこれが一番安いですし)
そこでバスターミナルに行ってみれば、
待っていたのは豪華なリムジンバス。
しかも走るのはごみごみしていた下道ではなく、立派な高速道路。
もうすべてがアップグレードされていたのですね。
ん〜・・・さっきまでいたマニラとの差は大きい。
とにかく街がきれい。
物乞いの数もぐっと減って、東京と変わらなくなりました。
しかし、変わらないのは人のやさしさ。
台湾の人はおしなべてマレー系よりシャイですが、
困っているのかな? というときに、
すぐ声をかけてきてくれるところは同じです。
この1日だけでもバス停や駅で、
「どうしました?」と2回も話しかけられました。
なかには台北駅で出会った20歳代前半の女性のように、
きれいな日本語を話す人も。
そうした意味ではフィリピンにもまして、日本の文化が浸透しているのかな?
ファミリーマート、松屋、モスバーガーなどは、どこでもよく見かけますし、
日本人相手の店ではなくてもファサードや商品に日本語が書かれているのは、
もはや当たり前の光景になっています。
試しに台北駅2階の飲食店街に行ってみてください。
東京駅の八重洲口あたりと混同してしまうかもしれませんよ。
台湾でも今のところ挨拶を除いて英語で話しています。
以前と違い、ずいぶん英語が通じるようになりました。
最初に話しかけた人が分からなくても、すぐ他の話者を連れてきてくれます。
僕は中国語やタイ語のような声調言語が苦手なので、
以前はコミュニケーションに苦労していたのですよ。
こういうのもインターネットの影響でしょうか。
さて、この旅も佳境。
ぼちぼち酷暑の疲れが溜まってきたので、
昨日は到着そうそう歩き回らず、食事もホテルのすぐ近くで摂りました。
いやぁ〜、やっぱり本場はおいしいですね。
しかも安い!
たとえば自助餐(セルフサービス式の食堂)では、
ひとり4品のおかずを選び、ご飯をもらっておなかいっぱい食べても、
ふたり合わせてたった110元(約540円)!

こんな路地裏のお店で、

こういうおかずを指さして選び、

こんな場所で汗をかきかき食べます。
夕飯もホテルの真ん前にあった食堂で食べたら、
大きなトンポウロウの乗った丼ぶりと、排骨入りの汁そば、
青菜の湯がいたものを頼んで、220元(約1,080円)!
ふたりで2食分の食費がたったの1,620円です。

確かに航空機代は相変わらず泣ける価格ですが、
行ってしまえば安くあげられる国はいくらでもある。
(フィリピンもそうでした)
しかし、台北の宿泊相場は確実に上がっていますね。
地の利が悪く、窓のない小さな部屋であれば、
一泊3,000円くらいでもありますが、
ある程度、便利で居心地のいい部屋となると、
やはり8,000円前後はするでしょう。
今回、泊っているMRT西門駅にほど近いホテルは、
週末価格も乗っかって一泊1万円くらいでした。

台北ではこんなホテルに泊まっています。
ま、こういうのもご時世なのでしょうね。
さぁ、疲れも取れた今日は龍山寺界隈を中心に食い倒れの旅です。
街がどうなっているかも楽しみです。
to be continued...
えーじ
17年ぶりの台北はこんな風にして始まりました。
まず当惑したのが空港のターミナルビル。
なんかピカピカなんですよ。
以前来たときは暗くて、古くて、かび臭くて、
いかにも年季の入ったアジアの空港って風情だったのが、
(それはそれで好みなんですけど)
明るい現代建築風に様変わりしているじゃありませんか。
(名称も桃園国際空港じゃなくて中正国際空港だったような・・・)
なるほどターミナル1は2013年に改装されていたとか。
今ではMRTも乗り入れてますしね。
しかし、僕らが選んだ市内へのアクセス方法は、
地下鉄ではなく昔ながらのエアポートバス。
西門の近くに宿を取ったので、台北駅で乗り換えるより、
ダイレクトに行けるバスの方が楽でして。
(値段もこれが一番安いですし)
そこでバスターミナルに行ってみれば、
待っていたのは豪華なリムジンバス。
しかも走るのはごみごみしていた下道ではなく、立派な高速道路。
もうすべてがアップグレードされていたのですね。
ん〜・・・さっきまでいたマニラとの差は大きい。
とにかく街がきれい。
物乞いの数もぐっと減って、東京と変わらなくなりました。
しかし、変わらないのは人のやさしさ。
台湾の人はおしなべてマレー系よりシャイですが、
困っているのかな? というときに、
すぐ声をかけてきてくれるところは同じです。
この1日だけでもバス停や駅で、
「どうしました?」と2回も話しかけられました。
なかには台北駅で出会った20歳代前半の女性のように、
きれいな日本語を話す人も。
そうした意味ではフィリピンにもまして、日本の文化が浸透しているのかな?
ファミリーマート、松屋、モスバーガーなどは、どこでもよく見かけますし、
日本人相手の店ではなくてもファサードや商品に日本語が書かれているのは、
もはや当たり前の光景になっています。
試しに台北駅2階の飲食店街に行ってみてください。
東京駅の八重洲口あたりと混同してしまうかもしれませんよ。
台湾でも今のところ挨拶を除いて英語で話しています。
以前と違い、ずいぶん英語が通じるようになりました。
最初に話しかけた人が分からなくても、すぐ他の話者を連れてきてくれます。
僕は中国語やタイ語のような声調言語が苦手なので、
以前はコミュニケーションに苦労していたのですよ。
こういうのもインターネットの影響でしょうか。
さて、この旅も佳境。
ぼちぼち酷暑の疲れが溜まってきたので、
昨日は到着そうそう歩き回らず、食事もホテルのすぐ近くで摂りました。
いやぁ〜、やっぱり本場はおいしいですね。
しかも安い!
たとえば自助餐(セルフサービス式の食堂)では、
ひとり4品のおかずを選び、ご飯をもらっておなかいっぱい食べても、
ふたり合わせてたった110元(約540円)!

こんな路地裏のお店で、

こういうおかずを指さして選び、

こんな場所で汗をかきかき食べます。
夕飯もホテルの真ん前にあった食堂で食べたら、
大きなトンポウロウの乗った丼ぶりと、排骨入りの汁そば、
青菜の湯がいたものを頼んで、220元(約1,080円)!
ふたりで2食分の食費がたったの1,620円です。

確かに航空機代は相変わらず泣ける価格ですが、
行ってしまえば安くあげられる国はいくらでもある。
(フィリピンもそうでした)
しかし、台北の宿泊相場は確実に上がっていますね。
地の利が悪く、窓のない小さな部屋であれば、
一泊3,000円くらいでもありますが、
ある程度、便利で居心地のいい部屋となると、
やはり8,000円前後はするでしょう。
今回、泊っているMRT西門駅にほど近いホテルは、
週末価格も乗っかって一泊1万円くらいでした。

台北ではこんなホテルに泊まっています。
ま、こういうのもご時世なのでしょうね。
さぁ、疲れも取れた今日は龍山寺界隈を中心に食い倒れの旅です。
街がどうなっているかも楽しみです。
to be continued...
えーじ
2024年06月20日
第23回取材旅行 その7
人生は山あり谷あり。
と申しますが、僕らの旅は、まさしくこの金言のダイジェスト版。
往々にして早朝のチェックアウトはトラブルが付きもので、
・フロントに人がおらず、外に出られない!
・予約したタクシーが来ない!
・外に出てタクシーを探してもつかまらない!
・寝坊した!(これは自爆ですが)
なことがよく起こるのですよ。
ところが今朝はチェックアウトの30分前に起きて、
ロビーに降りればフロントが待っていて、
Grabのタクシーも4時5分前にはホテルの前にやって来て、、
渋滞につかまらず、
予定どおりニノイ・アキノ国際空港第3ターミナルに到着!
お〜、今日は朝からリズムがいいね!
と喜んだのも束の間。
ターミナル内に入ってみれば、
なんじゃこりゃ・・・
朝の4時30分にもかかわらず、
セブ・パシフィック航空のチェックインカウンター前は、
成田で並ばされたとき以上の人でもうぐしゃぐしゃ。
こりゃまた1時間待ちコースだな。
そしてやっとこさイミグレを抜けたころには、
朝食の余裕はまったくなく、
サンドウィッチをパクついてコーヒーで流し込み、
そそくさとボーディングゲートへ。
それでも時刻はボーディングタイムを10分過ぎていました。
ふぅ・・・どうにか間に合ったな。
と思いきや、
ん? まだみんなベンチに座ったままじゃん。
それにカウンターの後ろにいるのは・・・
キャビンクルーとパイロットだ。
イヤな予感がしてきました。
そこへアナウンスが流れ、
「お急ぎのお客様には申し訳ございませんが、
ただいま機材のトラブルで搭乗が遅れております。
今しばらくボーディングゲート前でお待ちください」
おいおい、だったらゆっくり朝食を食べてきたのに・・・
と待つこと1時間。
「ねぇ、まだ乗れないの?」
「ん〜、さっきからアナウンスは同じことの繰り返しだ。
お、待てよ、表示板のメッセージが変わったぞ」
新しいテロップは、
Rescheduled time 9:30
って、予定より2時間半遅れか!
ま、台北の予定がタイトじゃなくてよかったよ。
結局、早朝のフライトはこうなるんだよね。
取り合えず、ゆっくり本でも読みながら待つとしよう。
そうしてようやくボーディングタイムが来たときは、
カウンターでお詫びの、
ミネラルウォーターのボトルとチョコレートバーをくれました。
さんきゅうべりまっち。
しかし、ここでまた潮目が変わり、
台北までのフライトタイムは1時間45分と予定より20分以上短縮。
さらにイミグレはさらっと抜け、
バゲッジクレームに行けば僕らのバックパックがすでに回っており、
現地通貨を引き出すATMは誰も並んでおらず、
バス乗り場に行けば減便されていた西門まで行くバスがすぐやって来て、
予定より1時間半早かったにもかかわらず、
ホテルは部屋に入れてくれて、
アドリブで入った自助餐はめっぽううまい!
そんなわけで、山あり谷ありだったものの、
僕らは予定どおり、17年ぶりの台湾の地を踏んだのでした。
to be continued...
えーじ
と申しますが、僕らの旅は、まさしくこの金言のダイジェスト版。
往々にして早朝のチェックアウトはトラブルが付きもので、
・フロントに人がおらず、外に出られない!
・予約したタクシーが来ない!
・外に出てタクシーを探してもつかまらない!
・寝坊した!(これは自爆ですが)
なことがよく起こるのですよ。
ところが今朝はチェックアウトの30分前に起きて、
ロビーに降りればフロントが待っていて、
Grabのタクシーも4時5分前にはホテルの前にやって来て、、
渋滞につかまらず、
予定どおりニノイ・アキノ国際空港第3ターミナルに到着!
お〜、今日は朝からリズムがいいね!
と喜んだのも束の間。
ターミナル内に入ってみれば、
なんじゃこりゃ・・・
朝の4時30分にもかかわらず、
セブ・パシフィック航空のチェックインカウンター前は、
成田で並ばされたとき以上の人でもうぐしゃぐしゃ。
こりゃまた1時間待ちコースだな。
そしてやっとこさイミグレを抜けたころには、
朝食の余裕はまったくなく、
サンドウィッチをパクついてコーヒーで流し込み、
そそくさとボーディングゲートへ。
それでも時刻はボーディングタイムを10分過ぎていました。
ふぅ・・・どうにか間に合ったな。
と思いきや、
ん? まだみんなベンチに座ったままじゃん。
それにカウンターの後ろにいるのは・・・
キャビンクルーとパイロットだ。
イヤな予感がしてきました。
そこへアナウンスが流れ、
「お急ぎのお客様には申し訳ございませんが、
ただいま機材のトラブルで搭乗が遅れております。
今しばらくボーディングゲート前でお待ちください」
おいおい、だったらゆっくり朝食を食べてきたのに・・・
と待つこと1時間。
「ねぇ、まだ乗れないの?」
「ん〜、さっきからアナウンスは同じことの繰り返しだ。
お、待てよ、表示板のメッセージが変わったぞ」
新しいテロップは、
Rescheduled time 9:30
って、予定より2時間半遅れか!
ま、台北の予定がタイトじゃなくてよかったよ。
結局、早朝のフライトはこうなるんだよね。
取り合えず、ゆっくり本でも読みながら待つとしよう。
そうしてようやくボーディングタイムが来たときは、
カウンターでお詫びの、
ミネラルウォーターのボトルとチョコレートバーをくれました。
さんきゅうべりまっち。
しかし、ここでまた潮目が変わり、
台北までのフライトタイムは1時間45分と予定より20分以上短縮。
さらにイミグレはさらっと抜け、
バゲッジクレームに行けば僕らのバックパックがすでに回っており、
現地通貨を引き出すATMは誰も並んでおらず、
バス乗り場に行けば減便されていた西門まで行くバスがすぐやって来て、
予定より1時間半早かったにもかかわらず、
ホテルは部屋に入れてくれて、
アドリブで入った自助餐はめっぽううまい!
そんなわけで、山あり谷ありだったものの、
僕らは予定どおり、17年ぶりの台湾の地を踏んだのでした。
to be continued...
えーじ
2024年06月19日
第23回取材旅行 その6
フィリピン料理は、
脂っぽくて、塩っぱくて、スパイスが効いてなくて、
甘ったるくて、もわっとしていて・・・
おいしくない!
と、仰るあなたは事実の一面しか見ていません。
まぁ、うまいまずいはあくまで個人的な感覚ですが、
僕らが現地で調べた限り、
フィリピン料理は多様性に富んでいておいしい!
との結論に至りました。
確かに甘さについての評価は、
日本人の感覚からすると甘党といえるでしょう。
たとえばマクドナルドに砂糖が入っていない冷たい飲み物はありませんし、
食事のお供といえば、500mlはあろうシェイクを片手に・・・
なんていうのもごく普通です。
また、マニラのあるルソン島の人々は香りの強いスパイスや、
トウガラシの辛みを避ける傾向がはっきり見られました。
ご飯好きにもかかわらず、インド料理屋やタイ料理屋を、
まったくと言っていいほど見かけませんからね。
(その代わり寿司、ラーメン、天ぷら、牛丼などの日本食はいっぱいある)
しかし!
ミンダナオ島ではスパイスやトウガラシを多用した料理が主流の上、
中国やスペインの料理を換骨奪胎した、さまざまな料理がたくさんあります。
今日はフィリピン取材の最終日。その料理の一部をご紹介しましょう。

ピナクベット
オキアミの塩辛ともいえるバゴンとガーリックで味付けした野菜炒め。
エビやチキンを入れてアップグレードしたバージョンもあり。
この香りを嗅いだだけでご飯がいっぱい食べられます。
ビールのつまみにもグッド!

シニガン
タマリンドの酸味が効いた具だくさんあっさりスープ。
「この酸味がちょっと・・・」という方の多い料理ですが、
試しにレストランManasで、
Sinigang na beef short rib & watermelonを食べてみてください。
スイカの甘みが酸味の角を取り、コムタン風のスープのコクも手伝って、
シニガンの印象が変わりますよ。

バンブーライス
太い竹筒に米とエビやチキン、キノコなどを入れ、
フィリピン醤油で風味付けして焚き上げたもの。
リズミカルに竹筒を叩きながら楽しくサーブしてくれます。
これ、超おすすめの一品なのですが、ソロの旅人には量が多いかな?

ビコールエクスプレス
ルソン島の南部、ビコール地方発祥といわれるピリ辛料理。
バゴンとガーリックを炒め、薄目のココナッツミルクを注ぎ、
軽く具を煮込んだもの。店によってはかなり辛いことも。
エビバージョンが主流ですが、ポークがあったり、
ムスリムはチキンで作ったりしています。
僕らはエビバージョンがお気に入り。

ルンピア
巻いているのは小麦粉の薄皮や米粉の薄皮ではなく、
クレープ状の生地を使った春巻きの亜種。
それで切り干し大根風の具を巻き、甘辛醤油のタレをかけ、
クラッシュピーナッツをちらしたもの。
大きさも普通の春巻きの倍くらいあるので注文するときは個数も指定します。
マレーシアのポピアに似ているかな?

シシグ
フィリピン版スタミナ丼の具のような料理。
細かく刻んだチキンやポークなどの具をガーリックたっぷりで炒め、
仕上げに生卵を落としたものです。
ブタの脂身をカリカリにしたチチャロンを入れるのがお約束。
がっつり食べたいときの定番。ご飯が進みますよ。

イナサル
フィリピン醤油やガーリックに漬けたチキンを香ばしくローストした国民食。
えらい人気でMang Inasalというチェーン店は、マニラのどこででも見られるくらい。
で、もちろんご飯と一緒に食べるのがお約束です。
インドネシアのアヤムゴレンに似ているかな?

カレカレ
甘みのあるピーナッツ風味のソースで肉やシーフード、野菜などを煮込んだ料理。
あっさり仕上げるとスープっぽく、濃厚にするとシチューのような感じ。
バゴンが小皿で付いてくるので、味にメリハリを付けながらいただきます。

チキンとポークのアドボ
フィリピン醤油とサトウキビビネガーでマリネしたチキンとポークを煮込んだもの。
スペイン発アジア行きの料理ですが、ローリエの香りに欧州の名残があります。
とはいえやっぱりこれもまたご飯のおかずですね!

カルデレータ
今回紹介した中ではもっともヨーロッパ色を残した料理。
オーソドックスなビーフシチューといった感じで、
僕は沖縄で食べたオックステールシチューを思い出しました。

マラナオ料理
ミンダナオ島のマジョリティ、マラナオ族の料理です。
ムスリムなのでブタは使いません。
上ー左 ピササティン
スパイシーで辛みのパンチが効いた、魚のすり身の揚げたもの。
場所柄ビールがないのが残念!
下ー左 レンダン
柔らかく煮込んだビーフのシチュー。
八角に似た香りに辛味も強く、スマトラ島のパダンで食べたものに近い。
料理名から双方の関連性が伺えますが、詳細は不明。
今回もらってしまった宿題の一つです。
下ー中 チキンのピアパラン
ココナッツフレークと香味野菜を炒め、
パルパというホットペーストでソースを作り、
チキンを軽く煮込んだもの。辛みはそれほど強くありません。
エビやツナを使った別バージョンもあり。
下ー右 ムカオ
魚の軽いココナッツミルク煮込み。
スパイス感は弱く、あっさりした感じ。

レチェフラン
スペイン由来の濃厚な牛乳プリン。
メキシコで食べたものとそっくりの味でした。

マンゴー
料理ではありませんが、フィリピンに来たらこれを食べなくちゃいけません。
とにかく味が濃厚で、問答無用のうまさ!
しかも市場で買えば、この円安のご時世ですら1個約100円。
よく冷えたマンゴーにカラマンシーを絞ってどうぞ!
これを食べるためだけに、またマニラに来たくなりますよ。
いかがです? どれもおいしそうでしょ?
明日は朝5時前にニノイ・アキノ国際空港にチェックインし、
7時のフライトで17年ぶりの台北へ向かいます。
どんな風に変わっているかな?
Say goodbye to Manila!

to be continued...
えーじ
P.S.
今回取材した飲食店のなかで、おすすめのところをこっそり・・・
マニラの飲食店はチェーン展開しているところが多いのですが、
これがなかなかあなどれません。
イチ押しは、Bistro Remedios
マラテのレメディオスサークルそばの店がお勧め。
店の雰囲気がよく何を食べてもおいしい。
特にバンブーライスとチキン&ポークのアドボは絶品です。
Manam
ここは多店舗展開しているフィリピン料理チェーン店ですが、
コスパの良さはローカルも認めるところで圧倒的な人気でした。
量がSMLから選べるのでソロの旅人にも便利。
Sinigang na beef short rib & watermelonは僕らのお気に入り。
Abe SM MOA
Bistro Remediosと同じ系列でメニューも一部重複していますが、
ビコールエクスプレスはここのものが一番おいしかったです。
P.S.2
キアポでの食事は難易度が高いのでお勧めしません。
特にLRTセントラル駅から歩いて行くのは危険ですからやめましょう。
自分はひとりでインドの安食堂にも平気で入れました、という人でも、
Grabのタクシーで乗り付けるか、
どうしても歩くならLRTカレイド駅からの方が無難だと思います。
気を付けてね。
脂っぽくて、塩っぱくて、スパイスが効いてなくて、
甘ったるくて、もわっとしていて・・・
おいしくない!
と、仰るあなたは事実の一面しか見ていません。
まぁ、うまいまずいはあくまで個人的な感覚ですが、
僕らが現地で調べた限り、
フィリピン料理は多様性に富んでいておいしい!
との結論に至りました。
確かに甘さについての評価は、
日本人の感覚からすると甘党といえるでしょう。
たとえばマクドナルドに砂糖が入っていない冷たい飲み物はありませんし、
食事のお供といえば、500mlはあろうシェイクを片手に・・・
なんていうのもごく普通です。
また、マニラのあるルソン島の人々は香りの強いスパイスや、
トウガラシの辛みを避ける傾向がはっきり見られました。
ご飯好きにもかかわらず、インド料理屋やタイ料理屋を、
まったくと言っていいほど見かけませんからね。
(その代わり寿司、ラーメン、天ぷら、牛丼などの日本食はいっぱいある)
しかし!
ミンダナオ島ではスパイスやトウガラシを多用した料理が主流の上、
中国やスペインの料理を換骨奪胎した、さまざまな料理がたくさんあります。
今日はフィリピン取材の最終日。その料理の一部をご紹介しましょう。

ピナクベット
オキアミの塩辛ともいえるバゴンとガーリックで味付けした野菜炒め。
エビやチキンを入れてアップグレードしたバージョンもあり。
この香りを嗅いだだけでご飯がいっぱい食べられます。
ビールのつまみにもグッド!

シニガン
タマリンドの酸味が効いた具だくさんあっさりスープ。
「この酸味がちょっと・・・」という方の多い料理ですが、
試しにレストランManasで、
Sinigang na beef short rib & watermelonを食べてみてください。
スイカの甘みが酸味の角を取り、コムタン風のスープのコクも手伝って、
シニガンの印象が変わりますよ。

バンブーライス
太い竹筒に米とエビやチキン、キノコなどを入れ、
フィリピン醤油で風味付けして焚き上げたもの。
リズミカルに竹筒を叩きながら楽しくサーブしてくれます。
これ、超おすすめの一品なのですが、ソロの旅人には量が多いかな?

ビコールエクスプレス
ルソン島の南部、ビコール地方発祥といわれるピリ辛料理。
バゴンとガーリックを炒め、薄目のココナッツミルクを注ぎ、
軽く具を煮込んだもの。店によってはかなり辛いことも。
エビバージョンが主流ですが、ポークがあったり、
ムスリムはチキンで作ったりしています。
僕らはエビバージョンがお気に入り。

ルンピア
巻いているのは小麦粉の薄皮や米粉の薄皮ではなく、
クレープ状の生地を使った春巻きの亜種。
それで切り干し大根風の具を巻き、甘辛醤油のタレをかけ、
クラッシュピーナッツをちらしたもの。
大きさも普通の春巻きの倍くらいあるので注文するときは個数も指定します。
マレーシアのポピアに似ているかな?

シシグ
フィリピン版スタミナ丼の具のような料理。
細かく刻んだチキンやポークなどの具をガーリックたっぷりで炒め、
仕上げに生卵を落としたものです。
ブタの脂身をカリカリにしたチチャロンを入れるのがお約束。
がっつり食べたいときの定番。ご飯が進みますよ。

イナサル
フィリピン醤油やガーリックに漬けたチキンを香ばしくローストした国民食。
えらい人気でMang Inasalというチェーン店は、マニラのどこででも見られるくらい。
で、もちろんご飯と一緒に食べるのがお約束です。
インドネシアのアヤムゴレンに似ているかな?

カレカレ
甘みのあるピーナッツ風味のソースで肉やシーフード、野菜などを煮込んだ料理。
あっさり仕上げるとスープっぽく、濃厚にするとシチューのような感じ。
バゴンが小皿で付いてくるので、味にメリハリを付けながらいただきます。

チキンとポークのアドボ
フィリピン醤油とサトウキビビネガーでマリネしたチキンとポークを煮込んだもの。
スペイン発アジア行きの料理ですが、ローリエの香りに欧州の名残があります。
とはいえやっぱりこれもまたご飯のおかずですね!

カルデレータ
今回紹介した中ではもっともヨーロッパ色を残した料理。
オーソドックスなビーフシチューといった感じで、
僕は沖縄で食べたオックステールシチューを思い出しました。

マラナオ料理
ミンダナオ島のマジョリティ、マラナオ族の料理です。
ムスリムなのでブタは使いません。
上ー左 ピササティン
スパイシーで辛みのパンチが効いた、魚のすり身の揚げたもの。
場所柄ビールがないのが残念!
下ー左 レンダン
柔らかく煮込んだビーフのシチュー。
八角に似た香りに辛味も強く、スマトラ島のパダンで食べたものに近い。
料理名から双方の関連性が伺えますが、詳細は不明。
今回もらってしまった宿題の一つです。
下ー中 チキンのピアパラン
ココナッツフレークと香味野菜を炒め、
パルパというホットペーストでソースを作り、
チキンを軽く煮込んだもの。辛みはそれほど強くありません。
エビやツナを使った別バージョンもあり。
下ー右 ムカオ
魚の軽いココナッツミルク煮込み。
スパイス感は弱く、あっさりした感じ。

レチェフラン
スペイン由来の濃厚な牛乳プリン。
メキシコで食べたものとそっくりの味でした。

マンゴー
料理ではありませんが、フィリピンに来たらこれを食べなくちゃいけません。
とにかく味が濃厚で、問答無用のうまさ!
しかも市場で買えば、この円安のご時世ですら1個約100円。
よく冷えたマンゴーにカラマンシーを絞ってどうぞ!
これを食べるためだけに、またマニラに来たくなりますよ。
いかがです? どれもおいしそうでしょ?
明日は朝5時前にニノイ・アキノ国際空港にチェックインし、
7時のフライトで17年ぶりの台北へ向かいます。
どんな風に変わっているかな?
Say goodbye to Manila!

to be continued...
えーじ
P.S.
今回取材した飲食店のなかで、おすすめのところをこっそり・・・
マニラの飲食店はチェーン展開しているところが多いのですが、
これがなかなかあなどれません。
イチ押しは、Bistro Remedios
マラテのレメディオスサークルそばの店がお勧め。
店の雰囲気がよく何を食べてもおいしい。
特にバンブーライスとチキン&ポークのアドボは絶品です。
Manam
ここは多店舗展開しているフィリピン料理チェーン店ですが、
コスパの良さはローカルも認めるところで圧倒的な人気でした。
量がSMLから選べるのでソロの旅人にも便利。
Sinigang na beef short rib & watermelonは僕らのお気に入り。
Abe SM MOA
Bistro Remediosと同じ系列でメニューも一部重複していますが、
ビコールエクスプレスはここのものが一番おいしかったです。
P.S.2
キアポでの食事は難易度が高いのでお勧めしません。
特にLRTセントラル駅から歩いて行くのは危険ですからやめましょう。
自分はひとりでインドの安食堂にも平気で入れました、という人でも、
Grabのタクシーで乗り付けるか、
どうしても歩くならLRTカレイド駅からの方が無難だと思います。
気を付けてね。
2024年06月18日
第23回取材旅行 その5
Morning. Have a good day!
マニラでの取材9日目。
ここでうろちょろしているバックパッカーの日本人は珍しいのか、
道を歩いていると、よく声をかけられます。
場合によっては、英語が話せないローカルから、
笑顔とジェスチャーで挨拶されることも。
僕らは、彼らから、どんな風に見えているんだろう?
大人ですらこうですから、子供たちともなると、
好奇心満々で、じっと見つめてくることがあります。
もちろん言葉は通じません。
でも、そんなときはただスマイルだけで十分。
それで必要なコミュニケーションは取れますから。
マニラの天気は到着日を除いてずっと晴れ時々曇り。
寒暖の差は少なく、29度から34度くらい。
湿度が高いので、
終日、ぬるま湯の中のように、もわっとしています。
朝、近くのカフェで軽い朝食をとり、
その帰り、市場にフルーツを買いに行っただけで、
汗が額を流れ落ちてくるくらい。
で、その環境に慣れている現地の人々はどうかというと、
やっぱり暑そうですね。
素朴に、同じ人間なんだな、と安心しました。

雑然としたエルミタの目抜き通り
エルミタ‐マラテ地区は高級ホテルが幾つかあるにせよ、
欧米人が観光で来る場所ではなさそうです。
そのせいか、これまで白人のバックパッカーは一人も見かけておらず、
彼らに必須のハンバーガー屋も、
ロビンソンズ内の大手を除いてほとんどありません。
僕らが投宿しているホテルにしても、
廊下やロビーで見かける宿泊客は、ビジネスマンばかり。
どおりで街中のお店が風俗も含めて「ビジネスユース」なわけですね。
歴史的建造物が残るイントラムロスでさえ、
観光地にもかかわらず、ローカル以外はほとんど見かけませんでした。
インバウンドで賑わう上野や浅草のような雰囲気はまったくなし。
たぶん、セブ島あたりなら、もっと外国人がいるのでしょう。
フィリピン料理の取材はいい感じでまとまってきています。
マニラのあるルソン島の料理のほか、
ミンダナオ島のマラナオ族の料理が食べられたのは、
思いがけない収穫でした。
また、マラナオ料理が内容だけではなく、
提供の仕方までスマトラ島のパダン料理の影響を受けていることが分かったのも、
現地取材ならではの成果でしたね。
ほんと、料理はやっぱり目で見て、かつ実際に食べてみなくちゃ分かりません。
今回もたいへん勉強になりました。
19年ぶりに訪れたマニラでの取材も今日を含めてあと2日。
しっかり成果を持ち帰りたいと思います。
to be continued...
えーじ

マニラ湾から望む夕焼け
マニラでの取材9日目。
ここでうろちょろしているバックパッカーの日本人は珍しいのか、
道を歩いていると、よく声をかけられます。
場合によっては、英語が話せないローカルから、
笑顔とジェスチャーで挨拶されることも。
僕らは、彼らから、どんな風に見えているんだろう?
大人ですらこうですから、子供たちともなると、
好奇心満々で、じっと見つめてくることがあります。
もちろん言葉は通じません。
でも、そんなときはただスマイルだけで十分。
それで必要なコミュニケーションは取れますから。
マニラの天気は到着日を除いてずっと晴れ時々曇り。
寒暖の差は少なく、29度から34度くらい。
湿度が高いので、
終日、ぬるま湯の中のように、もわっとしています。
朝、近くのカフェで軽い朝食をとり、
その帰り、市場にフルーツを買いに行っただけで、
汗が額を流れ落ちてくるくらい。
で、その環境に慣れている現地の人々はどうかというと、
やっぱり暑そうですね。
素朴に、同じ人間なんだな、と安心しました。

雑然としたエルミタの目抜き通り
エルミタ‐マラテ地区は高級ホテルが幾つかあるにせよ、
欧米人が観光で来る場所ではなさそうです。
そのせいか、これまで白人のバックパッカーは一人も見かけておらず、
彼らに必須のハンバーガー屋も、
ロビンソンズ内の大手を除いてほとんどありません。
僕らが投宿しているホテルにしても、
廊下やロビーで見かける宿泊客は、ビジネスマンばかり。
どおりで街中のお店が風俗も含めて「ビジネスユース」なわけですね。
歴史的建造物が残るイントラムロスでさえ、
観光地にもかかわらず、ローカル以外はほとんど見かけませんでした。
インバウンドで賑わう上野や浅草のような雰囲気はまったくなし。
たぶん、セブ島あたりなら、もっと外国人がいるのでしょう。
フィリピン料理の取材はいい感じでまとまってきています。
マニラのあるルソン島の料理のほか、
ミンダナオ島のマラナオ族の料理が食べられたのは、
思いがけない収穫でした。
また、マラナオ料理が内容だけではなく、
提供の仕方までスマトラ島のパダン料理の影響を受けていることが分かったのも、
現地取材ならではの成果でしたね。
ほんと、料理はやっぱり目で見て、かつ実際に食べてみなくちゃ分かりません。
今回もたいへん勉強になりました。
19年ぶりに訪れたマニラでの取材も今日を含めてあと2日。
しっかり成果を持ち帰りたいと思います。
to be continued...
えーじ

マニラ湾から望む夕焼け
2024年06月16日
第23回取材旅行 その4
フィリピン料理とは?
ごはんです。
え? 意味不明?
すみません、結論を急いでしまいました。
料理は文化、そして文化とは歴史そのものですので、
まずはフィリピンの歴史をさっと概観するところから始めましょう。
フィリピン人は人種的にマレー系。
しかし、マラッカのような東西交易ルートから外れていたフィリピンの群島では、
マレー半島ほどの人種的多様性は形成されませんでした。
確かに近隣の中国や、
ジョホール王国を経由したイスラムの文化に影響を受けたものの、
マレー半島で見られるようなインドの影響が、ほとんどなかったのです。
そうして米食をベースに、
マレー+中華+中東(ミンダナオ島など南部)の食文化が花開き、
16世紀後半、スペインがそれに加わって、現代のフィリピン料理が生まれたのでした。
ここで僕らが着目したのは、その最後のプロセスです。
西洋の文化が合流してからの変化は、
明治以降の日本のそれと、どこか似ているのではないか?
そう、日本の洋食の出自とそっくりなのですよ。
皆さんお馴染みのオムライスにハヤシライス、ドリアにエスカロップ・・・
いずれも調理方法と素材は西洋由来のものですが、
ごはんと結び付けてモディファイされた共通点があります。
片や西洋の料理はパン食と結びついて生まれたもの。
そしてパンは油と結びついた食べ物なので、
塩と結びついた米食と西洋料理は、基本的にそのままだと相性が悪い。
(パンに塩をつけて食べないし、
ご飯にオリーブオイルをかけたら気持ち悪くて食べられないでしょう?)
そこでご飯と合うように変化させるか、
そのままでご飯と相性のいいものが根付いて行った。
これはフィリピンにも当てはまり、
たとえばアドボはチキンやポークを醤油と酢に漬けてから煮込んだもので、
名前こそスペイン語由来ですが、パンと一緒に食べてもイマイチです。
反対に、これがごはんと実によく合うのです。
フィリピン版ビーフシチューのカルデレータも同様で、
これまたスペイン由来といわれつつ、この料理で食事を成立させるなら、
主食はやっぱりごはんなのですよ。
とにかく、すべてはごはんと合うように変えられている。
それがいかにオリジナルとかけ離れようとも気にしない。
だから、フィリピン料理 = ごはん なのです。
え? われわれ日本人だってごはんを愛している?
もちろん、それは否定しません。
ととら亭でも日本のご飯を提供していますし。
でも、フィリピン人以上の情熱を持っているかというと、
残念ながら答えはノーとしか言えないでしょう。
その証拠をいくつかお見せするとですね、

マクドナルド
上 チキンナゲットのライス添え
下 フライドチキンのライス添え

マクドナルド
左 パティにマッシュルームペッパーソースをかけた丼ぶり

ケンタッキーフライドチキン
上 ショウガ風味(?)のフライドチキンのライス添えフルセット
下 フィレバーガーセットなのにフライドチキンの下にはライスが!

モスバーガー
下段左 和牛ハンバーグのライス添え
下段中 牛焼き肉のライス添え
下段右 フライドチキンのライス添え
いかがです?
日本のマクドナルドやケンタッキー・フライドチキンに、
「ごはん」メニューってあります?
モスバーガーにしても、ライスバーガー以外にごはんメニューはないでしょ?
しかも、マニラのマクドナルドやケンタッキー・フライドチキンでは、
ほとんどの人がごはんメニューを食べているのです!
このパッションがあるなら、スペイン由来の料理がごはん向けに変化したのも、
それほど時間がかからなかったのではないか?
この仕事をしていてわかりましたが、
料理というのはオリジナルや伝統に縛られることなく、
食べておいしい方向に、どんどん変化してしまうものなのです。
言い換えると、料理とは、
おいしいものを追い求める人類の歴史そのものなのですよ。
身近でいて、ディープですね。
to be continued...
えーじ
ごはんです。
え? 意味不明?
すみません、結論を急いでしまいました。
料理は文化、そして文化とは歴史そのものですので、
まずはフィリピンの歴史をさっと概観するところから始めましょう。
フィリピン人は人種的にマレー系。
しかし、マラッカのような東西交易ルートから外れていたフィリピンの群島では、
マレー半島ほどの人種的多様性は形成されませんでした。
確かに近隣の中国や、
ジョホール王国を経由したイスラムの文化に影響を受けたものの、
マレー半島で見られるようなインドの影響が、ほとんどなかったのです。
そうして米食をベースに、
マレー+中華+中東(ミンダナオ島など南部)の食文化が花開き、
16世紀後半、スペインがそれに加わって、現代のフィリピン料理が生まれたのでした。
ここで僕らが着目したのは、その最後のプロセスです。
西洋の文化が合流してからの変化は、
明治以降の日本のそれと、どこか似ているのではないか?
そう、日本の洋食の出自とそっくりなのですよ。
皆さんお馴染みのオムライスにハヤシライス、ドリアにエスカロップ・・・
いずれも調理方法と素材は西洋由来のものですが、
ごはんと結び付けてモディファイされた共通点があります。
片や西洋の料理はパン食と結びついて生まれたもの。
そしてパンは油と結びついた食べ物なので、
塩と結びついた米食と西洋料理は、基本的にそのままだと相性が悪い。
(パンに塩をつけて食べないし、
ご飯にオリーブオイルをかけたら気持ち悪くて食べられないでしょう?)
そこでご飯と合うように変化させるか、
そのままでご飯と相性のいいものが根付いて行った。
これはフィリピンにも当てはまり、
たとえばアドボはチキンやポークを醤油と酢に漬けてから煮込んだもので、
名前こそスペイン語由来ですが、パンと一緒に食べてもイマイチです。
反対に、これがごはんと実によく合うのです。
フィリピン版ビーフシチューのカルデレータも同様で、
これまたスペイン由来といわれつつ、この料理で食事を成立させるなら、
主食はやっぱりごはんなのですよ。
とにかく、すべてはごはんと合うように変えられている。
それがいかにオリジナルとかけ離れようとも気にしない。
だから、フィリピン料理 = ごはん なのです。
え? われわれ日本人だってごはんを愛している?
もちろん、それは否定しません。
ととら亭でも日本のご飯を提供していますし。
でも、フィリピン人以上の情熱を持っているかというと、
残念ながら答えはノーとしか言えないでしょう。
その証拠をいくつかお見せするとですね、

マクドナルド
上 チキンナゲットのライス添え
下 フライドチキンのライス添え

マクドナルド
左 パティにマッシュルームペッパーソースをかけた丼ぶり

ケンタッキーフライドチキン
上 ショウガ風味(?)のフライドチキンのライス添えフルセット
下 フィレバーガーセットなのにフライドチキンの下にはライスが!

モスバーガー
下段左 和牛ハンバーグのライス添え
下段中 牛焼き肉のライス添え
下段右 フライドチキンのライス添え
いかがです?
日本のマクドナルドやケンタッキー・フライドチキンに、
「ごはん」メニューってあります?
モスバーガーにしても、ライスバーガー以外にごはんメニューはないでしょ?
しかも、マニラのマクドナルドやケンタッキー・フライドチキンでは、
ほとんどの人がごはんメニューを食べているのです!
このパッションがあるなら、スペイン由来の料理がごはん向けに変化したのも、
それほど時間がかからなかったのではないか?
この仕事をしていてわかりましたが、
料理というのはオリジナルや伝統に縛られることなく、
食べておいしい方向に、どんどん変化してしまうものなのです。
言い換えると、料理とは、
おいしいものを追い求める人類の歴史そのものなのですよ。
身近でいて、ディープですね。
to be continued...
えーじ
2024年06月14日
第23回取材旅行 その3
F1を超えるジプニーのエグゾーストノイズ。
クラクションの大合唱。
24時間鳴りやまないフィリピンポップス。
落ちたら無事では済まないどぶ川。
下水溝からあふれる墨汁のような黒い水。
行き場のないゴミの山。
目にしみる乾いた小便の臭い。
地獄から漏れてきたような腐臭。
街を包む排気ガス。
行列。行列。何かと行列。
悲しげな顔の野良犬。
死んだように眠る猫。
焼けた道を歩く裸足の子供。
そして家族ぐるみの物乞い。
19年ぶりのマニラは、何も変わっていないようでした。
そういえば今のボンボン・マルコス大統領は、
あのフェルディナンド・マルコスとイメルダ夫人の息子でしたね。
なるほど。
でも、この街で変わらないものがもうひとつ。
それは心やさしい人々。
つつましく、礼儀正しく、
年配の人に席を譲り、道路を渡る歩行者を気遣い、
横入りをせず、理不尽な状況でも怒鳴らず、
見知らぬ旅人に笑顔で応え、
自分の信じる何かに支えられて、じっと耐えている。
in God we trust
交差点で信号待ちをしていたとき、
通り過ぎて行ったジプニーのフロントグラスにこう書かれていました。
そこで思わず僕の口から出たのは、
So Lord, what did You do for them?
と同時に頭の中で聞こえたのは、
Hey man,income disparity? That's not my speciality!
そうか、
神様はこの街を見下ろすタワマンの最上階に住んでいないんだな。
そんなわけで、
子供や赤ちゃんを抱えた母親の物乞いと出会うたびに、
(毎日、何度も!)
僕の胸は相変わらず煮え切らない思いでいっぱいになっているのです。
ととら亭で僕らが皆さんに紹介しているのは、
ミシュランの星付きレストランで出てくるセレブ御用達の料理ではありません。
市井の人々が食べてきて、今でも食べているその土地の料理です。
そうなると、自ずと取材先は市井の飲食店になるのですよ。
どの国にも、ツーリストが訪れる表向きの場所と、
外からのお客さんには見せたくない、裏側の場所があります。
たとえば僕らがミンダナオ料理店を探して訪れたキアポのムスリム街は、
けして観光バスが立ち寄らない、典型的なところでした。

そういう意味では僕らが拠点にしているエルミタ・マラテも、
シェラトンから南側はほとんど歌舞伎町ですからね。
そしてそのすぐ東側は、
貧困にあえぐ人々のミニ九龍城的なカオスが広がっているわけです。
まぁ、一般的にフィリピン旅行といえば、セブ島あたりなのでしょうね。
マニラは観光資源が乏しいですから。
僕らがこうした厳しい場所で取材をするとき、
少なくとも宿はぐっすり眠れる場所を選ぶ理由が、これなんですよ。
感情移入し過ぎた心をどこかでリセットしないと、
やりきれなくなってしまうことがありまして。
世界は美しい。
でも、それだけではなくてね・・・
to be continued...
えーじ
クラクションの大合唱。
24時間鳴りやまないフィリピンポップス。
落ちたら無事では済まないどぶ川。
下水溝からあふれる墨汁のような黒い水。
行き場のないゴミの山。
目にしみる乾いた小便の臭い。
地獄から漏れてきたような腐臭。
街を包む排気ガス。
行列。行列。何かと行列。
悲しげな顔の野良犬。
死んだように眠る猫。
焼けた道を歩く裸足の子供。
そして家族ぐるみの物乞い。
19年ぶりのマニラは、何も変わっていないようでした。
そういえば今のボンボン・マルコス大統領は、
あのフェルディナンド・マルコスとイメルダ夫人の息子でしたね。
なるほど。
でも、この街で変わらないものがもうひとつ。
それは心やさしい人々。
つつましく、礼儀正しく、
年配の人に席を譲り、道路を渡る歩行者を気遣い、
横入りをせず、理不尽な状況でも怒鳴らず、
見知らぬ旅人に笑顔で応え、
自分の信じる何かに支えられて、じっと耐えている。
in God we trust
交差点で信号待ちをしていたとき、
通り過ぎて行ったジプニーのフロントグラスにこう書かれていました。
そこで思わず僕の口から出たのは、
So Lord, what did You do for them?
と同時に頭の中で聞こえたのは、
Hey man,income disparity? That's not my speciality!
そうか、
神様はこの街を見下ろすタワマンの最上階に住んでいないんだな。
そんなわけで、
子供や赤ちゃんを抱えた母親の物乞いと出会うたびに、
(毎日、何度も!)
僕の胸は相変わらず煮え切らない思いでいっぱいになっているのです。
ととら亭で僕らが皆さんに紹介しているのは、
ミシュランの星付きレストランで出てくるセレブ御用達の料理ではありません。
市井の人々が食べてきて、今でも食べているその土地の料理です。
そうなると、自ずと取材先は市井の飲食店になるのですよ。
どの国にも、ツーリストが訪れる表向きの場所と、
外からのお客さんには見せたくない、裏側の場所があります。
たとえば僕らがミンダナオ料理店を探して訪れたキアポのムスリム街は、
けして観光バスが立ち寄らない、典型的なところでした。

そういう意味では僕らが拠点にしているエルミタ・マラテも、
シェラトンから南側はほとんど歌舞伎町ですからね。
そしてそのすぐ東側は、
貧困にあえぐ人々のミニ九龍城的なカオスが広がっているわけです。
まぁ、一般的にフィリピン旅行といえば、セブ島あたりなのでしょうね。
マニラは観光資源が乏しいですから。
僕らがこうした厳しい場所で取材をするとき、
少なくとも宿はぐっすり眠れる場所を選ぶ理由が、これなんですよ。
感情移入し過ぎた心をどこかでリセットしないと、
やりきれなくなってしまうことがありまして。
世界は美しい。
でも、それだけではなくてね・・・
to be continued...
えーじ
2024年06月13日
第23回取材旅行 その2
マカティはマニラにあってマニラらしからぬ街。
新しく開発されたエリアなのでしょう。
アヤラ駅から陸橋で連結された巨大なモールがいくつも続き、
高層ビルが立ち並ぶ景観は、さながら東京のお台場あたりと見紛うばかり。
とりわけ最後のグリーンベルトまで行くと、あまりのゴージャスさに、
ここは赤坂か六本木か? と錯覚するくらいでした。

で、なぜそこまで下見に行ったのかと申しますと、
取材の拠点をどこに据えるか、決めかねていたのですよ。
以前はマラテ地区に投宿していましたが、
隣のエルミタも含めて治安の悪化が取りだたされておりまして。
そこへ新興地区のマカティが割って入り、
北部に安宿が集まった新しいバックパッカータウンができたそうな。
そこで実際に行ってみますと、
前評判とは裏腹に、特徴に欠ける雑多な街があるだけで、
あくまで個人的な印象ですが、
マラテ・エルミタを超える魅力はありませんでした。
(何より取材対象となる飲食店が乏しくて・・・)
というわけで、ホテルに帰るなり、
延泊の手続きを始めた次第でございます。
今回、お世話になっているのは、
ロビンソンズから徒歩3分という好立地のこんなホテル。

ダブルで32平方メートルもある部屋が一泊約7,000也。
マニラ標準では中級でしょうか。
かなり年季の入った建物ですが掃除は行き届いており、
セキュリティもしっかりしているので快適かつ安心。
なにより喧騒の街、マニラにあって、静かなのは貴重です。
これ、高級ホテルでさえ安心はできません。
近くの5つ星ホテルの前には、
野外ライブ並みの爆音で音楽を流す24時間営業の飲み屋があり、
高い料金を払って泊まった人の部屋の窓が、
防音型であることを祈るばかりでした。
今回の取材は珍しく移動がないので楽をしています。
マニラではフィリピン各地の料理が食べられるので、
わざわざアクセスの悪い地方まで足を延ばさなくても、
ここでだいたい事足りるのです。
それもあって長逗留ですし、
取材は涼しい午前から昼にかけて、そして夜ですから、
暑い日中を過ごすホテルの部屋は、冷蔵庫と電気ポット、
そしてライティングデスクが揃ったところを選びました。
今日で現地4日目。
毎日たっぷり汗をかきながら料理を探して歩き回っていますが、
環境適応もすんなり終わり、僕らはとても元気です。
次は19年ぶりのマニラの状況をお伝えしますね。
to be continued...
えーじ
新しく開発されたエリアなのでしょう。
アヤラ駅から陸橋で連結された巨大なモールがいくつも続き、
高層ビルが立ち並ぶ景観は、さながら東京のお台場あたりと見紛うばかり。
とりわけ最後のグリーンベルトまで行くと、あまりのゴージャスさに、
ここは赤坂か六本木か? と錯覚するくらいでした。

で、なぜそこまで下見に行ったのかと申しますと、
取材の拠点をどこに据えるか、決めかねていたのですよ。
以前はマラテ地区に投宿していましたが、
隣のエルミタも含めて治安の悪化が取りだたされておりまして。
そこへ新興地区のマカティが割って入り、
北部に安宿が集まった新しいバックパッカータウンができたそうな。
そこで実際に行ってみますと、
前評判とは裏腹に、特徴に欠ける雑多な街があるだけで、
あくまで個人的な印象ですが、
マラテ・エルミタを超える魅力はありませんでした。
(何より取材対象となる飲食店が乏しくて・・・)
というわけで、ホテルに帰るなり、
延泊の手続きを始めた次第でございます。
今回、お世話になっているのは、
ロビンソンズから徒歩3分という好立地のこんなホテル。

ダブルで32平方メートルもある部屋が一泊約7,000也。
マニラ標準では中級でしょうか。
かなり年季の入った建物ですが掃除は行き届いており、
セキュリティもしっかりしているので快適かつ安心。
なにより喧騒の街、マニラにあって、静かなのは貴重です。
これ、高級ホテルでさえ安心はできません。
近くの5つ星ホテルの前には、
野外ライブ並みの爆音で音楽を流す24時間営業の飲み屋があり、
高い料金を払って泊まった人の部屋の窓が、
防音型であることを祈るばかりでした。
今回の取材は珍しく移動がないので楽をしています。
マニラではフィリピン各地の料理が食べられるので、
わざわざアクセスの悪い地方まで足を延ばさなくても、
ここでだいたい事足りるのです。
それもあって長逗留ですし、
取材は涼しい午前から昼にかけて、そして夜ですから、
暑い日中を過ごすホテルの部屋は、冷蔵庫と電気ポット、
そしてライティングデスクが揃ったところを選びました。
今日で現地4日目。
毎日たっぷり汗をかきながら料理を探して歩き回っていますが、
環境適応もすんなり終わり、僕らはとても元気です。
次は19年ぶりのマニラの状況をお伝えしますね。
to be continued...
えーじ
2024年06月11日
第23回取材旅行 その1
Magandang umaga!(おはようございます!)
僕らは昨日、予定より30分ほど早く、16時45分ごろマニラに到着しました。
天気は曇り時々雨。
マラテからエルミタの繁華街をタクシーで通過したときは、
さながら映画「ブレードランナー」の冒頭シーンのよう。
気温は31度で湿度むんむん。
南国に来たぁ〜、っという感じです。
今回の移動は順調。
ま、予想外だったのは日本の空港でチェックインに50分もかかったこと。
LCCは荷物の重量に厳しく、都度超過料金の精算が発生するので、
(皆さん、たっぷりお買い物していましたからね)
人数のわりに時間がかかったのです。
お世話になったのはセブ・パシフィック航空。
乗客はほとんどフィリピン人で、
日本発の便とは思えない雰囲気でした。
キャビンクルーも日本人がいなかったし。
これはコロナ後に顕著な傾向で、
アウトバウンドはまだまだ回復していないのが実感できます。
前回のメキシコ行き、オーストラリア行きも、
まったく同じ状況でしたからね。
マニラまでのフライトタイムは4時間15分ほど。
19年ぶりのニノイ・アキノ国際空港は、
ほとんど記憶に残っていませんでしたけど、
古びた建物の雰囲気と臭いは、どこか懐かしい感じがしました。
入国審査はゆるく、温和なインスペクターから、
「滞在日数は?」
「10日間です」
「フィリピンは初めてですか?」
「いや2回目です。でも前回は19年も前ですけどね」
「そりゃまたずいぶん前だ!」
こんな感じで写真を撮ったらスタンプぽん。
税関も手荷物だけエックス線装置を通してWelcome to Manila!
雑多なアライバルロビーに出ると、
また旅が始まったんだな、という実感がひしひしと湧いてきます。
この感覚に憑りつかれたが最後、
股旅人生から抜けられなくなるのですよ。
きっと寅さんもそうだったのでしょうね。
で、まずは軍資金の調達です。
メキシコでは手持ちのデビットカードが全部失効しており、
うげげっ! なスタートでしたから、
今回は新しく取り直したものを持ってきました。
そこでテストもかねて、2枚を使ってペソの引き出しに成功。
次は前払い制のエアポートタクシーでホテルまで移動です。
これは前評判以上に、ちと割高でしたね。
ま、久しぶりのフィリピンで、
あいさつ代わりのチップをはずんだことにしましょうか。
ホテルはエルミタのほぼ中心、
ロビンソンに徒歩3分という好立地にもかかわらず、
お手頃価格の中級です。
スタッフはみなとてもラブリー。
フィリピンは英語が通じるので会話に不自由はありません。
さて、機内食のないLCCで腹ペコだった僕らは、
さっそく出かけて取材開始!
あまり日本では知られていませんが、
フィリピン料理っておいしいものが多いのですよ。
最初の一品から「これはうまい!」で、今回の旅も始まりました。
今日はこれから新興地区のマカティを下見に行ってきます。
to be continued...
えーじ
僕らは昨日、予定より30分ほど早く、16時45分ごろマニラに到着しました。
天気は曇り時々雨。
マラテからエルミタの繁華街をタクシーで通過したときは、
さながら映画「ブレードランナー」の冒頭シーンのよう。
気温は31度で湿度むんむん。
南国に来たぁ〜、っという感じです。
今回の移動は順調。
ま、予想外だったのは日本の空港でチェックインに50分もかかったこと。
LCCは荷物の重量に厳しく、都度超過料金の精算が発生するので、
(皆さん、たっぷりお買い物していましたからね)
人数のわりに時間がかかったのです。
お世話になったのはセブ・パシフィック航空。
乗客はほとんどフィリピン人で、
日本発の便とは思えない雰囲気でした。
キャビンクルーも日本人がいなかったし。
これはコロナ後に顕著な傾向で、
アウトバウンドはまだまだ回復していないのが実感できます。
前回のメキシコ行き、オーストラリア行きも、
まったく同じ状況でしたからね。
マニラまでのフライトタイムは4時間15分ほど。
19年ぶりのニノイ・アキノ国際空港は、
ほとんど記憶に残っていませんでしたけど、
古びた建物の雰囲気と臭いは、どこか懐かしい感じがしました。
入国審査はゆるく、温和なインスペクターから、
「滞在日数は?」
「10日間です」
「フィリピンは初めてですか?」
「いや2回目です。でも前回は19年も前ですけどね」
「そりゃまたずいぶん前だ!」
こんな感じで写真を撮ったらスタンプぽん。
税関も手荷物だけエックス線装置を通してWelcome to Manila!
雑多なアライバルロビーに出ると、
また旅が始まったんだな、という実感がひしひしと湧いてきます。
この感覚に憑りつかれたが最後、
股旅人生から抜けられなくなるのですよ。
きっと寅さんもそうだったのでしょうね。
で、まずは軍資金の調達です。
メキシコでは手持ちのデビットカードが全部失効しており、
うげげっ! なスタートでしたから、
今回は新しく取り直したものを持ってきました。
そこでテストもかねて、2枚を使ってペソの引き出しに成功。
次は前払い制のエアポートタクシーでホテルまで移動です。
これは前評判以上に、ちと割高でしたね。
ま、久しぶりのフィリピンで、
あいさつ代わりのチップをはずんだことにしましょうか。
ホテルはエルミタのほぼ中心、
ロビンソンに徒歩3分という好立地にもかかわらず、
お手頃価格の中級です。
スタッフはみなとてもラブリー。
フィリピンは英語が通じるので会話に不自由はありません。
さて、機内食のないLCCで腹ペコだった僕らは、
さっそく出かけて取材開始!
あまり日本では知られていませんが、
フィリピン料理っておいしいものが多いのですよ。
最初の一品から「これはうまい!」で、今回の旅も始まりました。
今日はこれから新興地区のマカティを下見に行ってきます。
to be continued...
えーじ
2024年06月10日
第23回取材旅行の準備 その3
柴又から旅に出るのも今回で5回目。
早いものですね。
そして野方時代からのお客さまだけではなく、
柴又のお客さまやフェローたちからも、
「行ってらっしゃい!」と言って頂けるようになりました、
ほんと、嬉しいです。
料理を探すのも、当てずっぽうにやるのではなく、
「ああ、これはあの人なら好きだろうな」
「この料理はきっと彼女が気に入るに違いない」
と個人の顔を思い浮かべながら進められるようになり
イメージの固まり方にだいぶ差が出てきました。
今回の取材地はフィリピンのマニラと台湾の台北。
いずれも何度か行った場所ですが、
料理の取材として行くのは初めてなので楽しみです。
特に取材の軸足を置いているフィリピン料理は、
その歴史的な背景が日本の洋食と共通点が多く、
比較しながら進めてみる予定。
当初は、いろいろ島を巡らねばならないかな、
そうなると交通の便が問題だな、
と思案していましたが、フィリピン人のお客さま曰く、
マニラでも一通り地方の料理が食べられるとのこと。
僕らは、スパイシーなミンダナオ島の料理に注目していたので、
移動と治安のリスクを避けて取材できるのはラッキーです。
ここ最近の取材旅行は移動の連続でしたしね。
さて、時計は零時をまわり、パッキングも終わりました。
今日は9時ごろ柴又を出る予定です。
何ごともなければ現地時間の19時前後には、
エルミタのホテルにチェックインしているかな?
それでは行ってきます!
えーじ
早いものですね。
そして野方時代からのお客さまだけではなく、
柴又のお客さまやフェローたちからも、
「行ってらっしゃい!」と言って頂けるようになりました、
ほんと、嬉しいです。
料理を探すのも、当てずっぽうにやるのではなく、
「ああ、これはあの人なら好きだろうな」
「この料理はきっと彼女が気に入るに違いない」
と個人の顔を思い浮かべながら進められるようになり
イメージの固まり方にだいぶ差が出てきました。
今回の取材地はフィリピンのマニラと台湾の台北。
いずれも何度か行った場所ですが、
料理の取材として行くのは初めてなので楽しみです。
特に取材の軸足を置いているフィリピン料理は、
その歴史的な背景が日本の洋食と共通点が多く、
比較しながら進めてみる予定。
当初は、いろいろ島を巡らねばならないかな、
そうなると交通の便が問題だな、
と思案していましたが、フィリピン人のお客さま曰く、
マニラでも一通り地方の料理が食べられるとのこと。
僕らは、スパイシーなミンダナオ島の料理に注目していたので、
移動と治安のリスクを避けて取材できるのはラッキーです。
ここ最近の取材旅行は移動の連続でしたしね。
さて、時計は零時をまわり、パッキングも終わりました。
今日は9時ごろ柴又を出る予定です。
何ごともなければ現地時間の19時前後には、
エルミタのホテルにチェックインしているかな?
それでは行ってきます!
えーじ
2024年06月08日
旅に出る前は
最近の取材旅行の期間はだいたい1回2〜3週間。
この間、普段と大きく食生活が変わるだけでなく、
安宿泊まりでは生活レベルもかなり落ちます。
そこで出発前は心と体の準備として、
しばらくお預けになる日常を楽しむことに。
まず大切なのがお風呂です。
残念ながら僕らの予算では、
バスタブにお湯が張れるようなホテルに泊まれることはありません。
そこでしばしの入り納めよろしく、
出発前にゆっくりお風呂を楽しむのです。
そういえば帰国後に、
「はぁ〜、帰ってきたぁ〜・・・」と肩の力が抜けるのも、
やっぱりお風呂に入ったときですしね。
10時間を超える復路のロングフライト中、
僕の頭にあるのは「あともうちょっとでお風呂に入れる!」
なんですよ。
それから食事。出発前は和食に尽きます。
いや、僕らは2カ月以内なら、
外国の食事が続いていても苦にならないのですけどね。
ただ同じ系統の料理を延々と食べ続けるのはしんどいので、
(料理の取材とはこういことなんですよ)
現地ではお目にかかれない、
寿司や蕎麦を楽しんでから出かけることが多いです。
いつか外国で見かける「変な日本料理」を中心に取材する企画もありますが、
そのときはまた出かける前の食事が変わるかもしれません。
最後がトレーニング。
日本にいる間は定期的にジョギングや筋トレをやっていますけど、
旅先では時間もなく、なかなかそういうわけにはいきません。
まぁ毎日、市場やおいしそうな店を探して歩き回っていますから、
運動量そのものは変わらないかもしれませんけどね。
そのせいか取材中は普段の1.5倍くらいの量を食べているにもかかわらず、
(しかも脂っこいものも!)
帰国して体重が増えていたことは1度もないのですよ。
反対に減る方が多いかな?
一番ひどかったのはインド、バングラディッシュ、
ネパールを3週間巡った旅で、モンスーン前の酷暑だったこともあって、
帰国したら体重が4キロ以上落ちていました。
(たぶんスリルとサスペンスの心労も影響したと思います)
そんなこんなで、気が付けば明後日はもう出発。
体の調整は万全です。
えーじ
この間、普段と大きく食生活が変わるだけでなく、
安宿泊まりでは生活レベルもかなり落ちます。
そこで出発前は心と体の準備として、
しばらくお預けになる日常を楽しむことに。
まず大切なのがお風呂です。
残念ながら僕らの予算では、
バスタブにお湯が張れるようなホテルに泊まれることはありません。
そこでしばしの入り納めよろしく、
出発前にゆっくりお風呂を楽しむのです。
そういえば帰国後に、
「はぁ〜、帰ってきたぁ〜・・・」と肩の力が抜けるのも、
やっぱりお風呂に入ったときですしね。
10時間を超える復路のロングフライト中、
僕の頭にあるのは「あともうちょっとでお風呂に入れる!」
なんですよ。
それから食事。出発前は和食に尽きます。
いや、僕らは2カ月以内なら、
外国の食事が続いていても苦にならないのですけどね。
ただ同じ系統の料理を延々と食べ続けるのはしんどいので、
(料理の取材とはこういことなんですよ)
現地ではお目にかかれない、
寿司や蕎麦を楽しんでから出かけることが多いです。
いつか外国で見かける「変な日本料理」を中心に取材する企画もありますが、
そのときはまた出かける前の食事が変わるかもしれません。
最後がトレーニング。
日本にいる間は定期的にジョギングや筋トレをやっていますけど、
旅先では時間もなく、なかなかそういうわけにはいきません。
まぁ毎日、市場やおいしそうな店を探して歩き回っていますから、
運動量そのものは変わらないかもしれませんけどね。
そのせいか取材中は普段の1.5倍くらいの量を食べているにもかかわらず、
(しかも脂っこいものも!)
帰国して体重が増えていたことは1度もないのですよ。
反対に減る方が多いかな?
一番ひどかったのはインド、バングラディッシュ、
ネパールを3週間巡った旅で、モンスーン前の酷暑だったこともあって、
帰国したら体重が4キロ以上落ちていました。
(たぶんスリルとサスペンスの心労も影響したと思います)
そんなこんなで、気が付けば明後日はもう出発。
体の調整は万全です。
えーじ
2024年06月04日
遠い国の身近な問題
メキシコの大統領が女性で初となる、
マリアーナ・イマズ・シェインバウムさんに変わりました。
報道では性別がフォーカスされていますけど、
僕は経済政策に期待したいですね。
と申しますのも、
メキシコの近代史は、貧困との闘いとも言い換えられますから。
昨今では北米向け自動車産業の誘致に力を入れ、
(日本からは日産、ホンダ、トヨタ、マツダなど)
政府発表の経済指標も良くなりつつあるようですが、
今年の2月、15年ぶりに訪れたときの印象は、
とても好景気と言えるものではありませんでした。
むしろ前回より悪化したように見えた、
というのが率直なところです。
僕の目で見た現実を最も正確に説明していたのは、
貧困率が50パーセントを超えること、
それから所得格差の指標となるジニ係数が、
なんと48.3パーセント(2008)であること!
(日本は37.9パーセント(2011))
確かに、この数字は最新のものではありませんが、
一部のお金持ちが国の富の殆どを牛耳っている現実は、
市井の人々を見渡す限り、ものすごくリアルです。
で、僕らの日本なんですけどね。
メキシコほどではないにしても、
最近の日銀さんの発言を聞いていると、
他人ごとではないような気がしてならないのですよ。
経済がしぼむデフレはまずい。
だから景気の好循環の落としどころとして、
インフレターゲットを2パーセントに設定!
というのはしごくごもっともなんですけど、
体感的には2パーセントどころか、
20パーセント以上も物価が上がっていることを考えますと、
大企業がベースアップにフル回答!
輸出産業やインバウンドが好調! なんて聞いても、
「そりゃいったいどこの国のお話で?」
と言わざるをえないじゃないですか?
そう、日本の経済格差って、
今どれくらいになっているんだろう?
そしてそれは縮小傾向にあるのか?
それとも拡大傾向にあるのか?
もちろん地域や年齢ごとに細かく数字を出さないと、
全体は分かりませんが、
スーパーマーケットでの価格推移を見ている限り、
(そして見切り商品に殺到する人々を見ていると)
地滑り的に収入格差が開きつつあるような・・・
む〜・・・
これって、個人の努力の結果でしょ!
の一言で片づけていいことなのかしらん?
言い換えると、日本はメキシコのようではなく、
子供の富は親の富の影響を受けない、
と言い切れるのかどうか?
え?
フェアな世の中なんてのが、そもそも青い鳥なんだ?
すみません、まだ頭の中は青臭い小僧のままでして。
えーじ
マリアーナ・イマズ・シェインバウムさんに変わりました。
報道では性別がフォーカスされていますけど、
僕は経済政策に期待したいですね。
と申しますのも、
メキシコの近代史は、貧困との闘いとも言い換えられますから。
昨今では北米向け自動車産業の誘致に力を入れ、
(日本からは日産、ホンダ、トヨタ、マツダなど)
政府発表の経済指標も良くなりつつあるようですが、
今年の2月、15年ぶりに訪れたときの印象は、
とても好景気と言えるものではありませんでした。
むしろ前回より悪化したように見えた、
というのが率直なところです。
僕の目で見た現実を最も正確に説明していたのは、
貧困率が50パーセントを超えること、
それから所得格差の指標となるジニ係数が、
なんと48.3パーセント(2008)であること!
(日本は37.9パーセント(2011))
確かに、この数字は最新のものではありませんが、
一部のお金持ちが国の富の殆どを牛耳っている現実は、
市井の人々を見渡す限り、ものすごくリアルです。
で、僕らの日本なんですけどね。
メキシコほどではないにしても、
最近の日銀さんの発言を聞いていると、
他人ごとではないような気がしてならないのですよ。
経済がしぼむデフレはまずい。
だから景気の好循環の落としどころとして、
インフレターゲットを2パーセントに設定!
というのはしごくごもっともなんですけど、
体感的には2パーセントどころか、
20パーセント以上も物価が上がっていることを考えますと、
大企業がベースアップにフル回答!
輸出産業やインバウンドが好調! なんて聞いても、
「そりゃいったいどこの国のお話で?」
と言わざるをえないじゃないですか?
そう、日本の経済格差って、
今どれくらいになっているんだろう?
そしてそれは縮小傾向にあるのか?
それとも拡大傾向にあるのか?
もちろん地域や年齢ごとに細かく数字を出さないと、
全体は分かりませんが、
スーパーマーケットでの価格推移を見ている限り、
(そして見切り商品に殺到する人々を見ていると)
地滑り的に収入格差が開きつつあるような・・・
む〜・・・
これって、個人の努力の結果でしょ!
の一言で片づけていいことなのかしらん?
言い換えると、日本はメキシコのようではなく、
子供の富は親の富の影響を受けない、
と言い切れるのかどうか?
え?
フェアな世の中なんてのが、そもそも青い鳥なんだ?
すみません、まだ頭の中は青臭い小僧のままでして。
えーじ
2024年06月01日
14年以上続く8つの勘違い
ととら亭を始めて14年余。
無数のお客さまといろいろな話をしてきましたが、
時が流れても、野方から柴又へ場所が変わっても、
解くに解けない誤解がいくつかあります。
ここまで来ると「わかってください!」
といってもそうなるとは思えないので、
今日はお笑いのつもりで続きを読んでください。
1.ととら亭の料理は日本人の口に合うようアレンジされている。
していません。
僕らが食べて「おいしい!」と思った料理をまんま再現し、
その経験をシェアするのがととら亭の仕事です。
強いて変えるとしたら量ですね。
欧米など、白人の食べる量はアジア系の比ではありませんから。
それからたまぁ〜にですけど、オリジナルの盛り付けがあんまりだった場合、
ともこが下手だと思われるのも心外なので、
ちっと小奇麗にして出しています。たとえばトルコのケバブライスとか。
2.取材旅行は現地でコーディネーターを雇っている。
雇っていません。
場所によっては雇いたいのもやまやまですが。
なぜか?
予算がないからです。
3.取材旅行から帰るとすぐその国の料理が食べられる。
食べられません。
レシピを解読し、試作を繰り返し、写真を撮ってメニューを作り、
安定してスピーディーに提供する仕組みを構築するのに、
最低でも4カ月はかかります。
4.ビンボー旅行はえーじの好み。
違います。ともこの趣味です。
僕はラグジュアリーな旅だって大好きですよ。
これまた予算の都合で実現しませんが。
5.えーじはスリルとサスペンスに満ちた旅が好き。
キライです。
そういうのは可能な限り避けています。
それなのに、先方からやって来るのです。
それもひどいときには午前1回、午後2回とか・・・
泣ける。
6.料理はえーじが作っている。
こう仰る方が結構いるのには正直驚いています。
だって料理を持ってきてペラペラ喋り、
ワインをサーブしつつお会計もやる。
それでいて、いつあの手の込んだ料理が作れるというのでしょう?
料理はすべてともこが一人で作っています。
7.ととら亭は儲かっている。
「年に何回も海外旅行に行けるなんて、
ととら亭はむちゃくちゃ儲かっているんだな!」
お客さまのみならず、
商店街のフェローたちからもよく言われておりますが、
残念ながら、一般的にいう、
「儲かっている」とはほど遠い財務状態でございます。
ではなぜお店を休み、年に何回も海外旅行に行けるのか?
この恐ろしい舞台裏は、いずれまた日をあらためてお話しましょう。
8.ととら亭の仕事は楽だ。
「楽しいと楽は同じ漢字でもイコールじゃないんですよね!」
同じく個人事業主のLennさんが以前そう言っておりましたが、
これ、まさしく僕らにも当てはまることでして。
確かに、ととら亭の仕事は楽しいです。とっても!
でもね、とてもじゃないけど皆さんにはお勧めできません。
いや、むしろ「やめましょう!」と言いたいくらい。
では、楽しいのになぜ勧められないのか?
心底きついからです。
長くなるので、ここでは詳細に触れませんが、
心身ともにかなりハードなのですよ。
ですから、もし僕らに子供がいて、その子が継ぎたいと言い出したら、
「父さんと母さんを見て、よく考えてからにしなさい」
と考え直させるでしょうね。
いかがです?
このなかのいくつかは「え?そうだったの?」
な項目があったのではないでしょうか?
まぁ、ぱっと見のイメージは、
たいてい実体とギャップがあるものなんですよね。
えーじ
無数のお客さまといろいろな話をしてきましたが、
時が流れても、野方から柴又へ場所が変わっても、
解くに解けない誤解がいくつかあります。
ここまで来ると「わかってください!」
といってもそうなるとは思えないので、
今日はお笑いのつもりで続きを読んでください。
1.ととら亭の料理は日本人の口に合うようアレンジされている。
していません。
僕らが食べて「おいしい!」と思った料理をまんま再現し、
その経験をシェアするのがととら亭の仕事です。
強いて変えるとしたら量ですね。
欧米など、白人の食べる量はアジア系の比ではありませんから。
それからたまぁ〜にですけど、オリジナルの盛り付けがあんまりだった場合、
ともこが下手だと思われるのも心外なので、
ちっと小奇麗にして出しています。たとえばトルコのケバブライスとか。
2.取材旅行は現地でコーディネーターを雇っている。
雇っていません。
場所によっては雇いたいのもやまやまですが。
なぜか?
予算がないからです。
3.取材旅行から帰るとすぐその国の料理が食べられる。
食べられません。
レシピを解読し、試作を繰り返し、写真を撮ってメニューを作り、
安定してスピーディーに提供する仕組みを構築するのに、
最低でも4カ月はかかります。
4.ビンボー旅行はえーじの好み。
違います。ともこの趣味です。
僕はラグジュアリーな旅だって大好きですよ。
これまた予算の都合で実現しませんが。
5.えーじはスリルとサスペンスに満ちた旅が好き。
キライです。
そういうのは可能な限り避けています。
それなのに、先方からやって来るのです。
それもひどいときには午前1回、午後2回とか・・・
泣ける。
6.料理はえーじが作っている。
こう仰る方が結構いるのには正直驚いています。
だって料理を持ってきてペラペラ喋り、
ワインをサーブしつつお会計もやる。
それでいて、いつあの手の込んだ料理が作れるというのでしょう?
料理はすべてともこが一人で作っています。
7.ととら亭は儲かっている。
「年に何回も海外旅行に行けるなんて、
ととら亭はむちゃくちゃ儲かっているんだな!」
お客さまのみならず、
商店街のフェローたちからもよく言われておりますが、
残念ながら、一般的にいう、
「儲かっている」とはほど遠い財務状態でございます。
ではなぜお店を休み、年に何回も海外旅行に行けるのか?
この恐ろしい舞台裏は、いずれまた日をあらためてお話しましょう。
8.ととら亭の仕事は楽だ。
「楽しいと楽は同じ漢字でもイコールじゃないんですよね!」
同じく個人事業主のLennさんが以前そう言っておりましたが、
これ、まさしく僕らにも当てはまることでして。
確かに、ととら亭の仕事は楽しいです。とっても!
でもね、とてもじゃないけど皆さんにはお勧めできません。
いや、むしろ「やめましょう!」と言いたいくらい。
では、楽しいのになぜ勧められないのか?
心底きついからです。
長くなるので、ここでは詳細に触れませんが、
心身ともにかなりハードなのですよ。
ですから、もし僕らに子供がいて、その子が継ぎたいと言い出したら、
「父さんと母さんを見て、よく考えてからにしなさい」
と考え直させるでしょうね。
いかがです?
このなかのいくつかは「え?そうだったの?」
な項目があったのではないでしょうか?
まぁ、ぱっと見のイメージは、
たいてい実体とギャップがあるものなんですよね。
えーじ