3日前、ルクセンブルグを出発した僕らは再びフランスに入り、
ノンシーに2日間滞在した後、
昨日の昼ごろ、ストラスブールに到着しました。


イル川に囲まれた美しい旧市街

赤色砂岩で作られた大聖堂
シェルブールに続いて、フランスでの取材パート2に入ったわけですが、
ここで今更ながらに、この旅の取材方針をご説明したいと思います。
え? ちゃんと仕事をしているってアピールしたいだけだろう?
アタリです。
いや、本当にちゃんとやっているのですよ。
旅の料理のレパートリーが底を尽きちゃいますからね。
まず、いつもながらのととら亭で紹介する料理探し。
ただおいしいだけではなく、何らかの歴史的な背景や、
ストーリーがないと合格ラインは越えられません。
たとえばこの時期、
ベルギーやオランダではムール貝が旬に入りましたが、
ただの白ワイン蒸しでは面白味に欠けるでしょ?
(おいしいんですけどね!)
同様に個人的には大好きなベルリンのカリーブルストも、
料理としては、ひねりが足りない。

名店Curry36のカリーブルスト
そこでこれまでの取材と変更したのは。
特集を組むことへのこだわりを捨てること。
ハードルを越えた料理がひとつしか見つからなければ、
スポットの黒板メニューで紹介し、
3つ以上揃った場合にだけ特集を組めばいい。
こう肩の力を抜いて調べることにしたのです。
これで大分プレッシャーが下がりました。
そしてもうひとつの軸が、ともこの仕事の再チェック。
彼女のバックグラウンドはフレンチとドイツ料理ですけど、
それぞれ修業時代にシェフから習った料理が、
現地のそれと比べてアレンジされていたのか、
それともオリジナルに忠実だったのか、わからなかったのです。
もちろんそれぞれのレシピは完ぺきでしたし、
それを引き継ぐことも弟子であれば当然です。
しかし、旅の料理人として、
経験をシェアする仕事をするとなると、
話が変わってくるのですね。
こうして今回の長い旅でフランスとドイツを回っているときは、
ともこが作ってきた料理を選んで再確認し、
引き継いだレシピと現地の料理を比較していました。
一例を挙げますと、

ベルリンのケーニヒスベルガークロフセ

トゥールーズのソーセージ

ノンシーのキッシュロレーヌ
長い料理人のキャリアの中で、
シェフからレシピを習い、自分で作ってきた料理。
そのオリジナルとの出会いは、
差し向かいで一緒に食べている僕のそれとは、
まったく違う意味を持っているでしょう。
「どうだい?」
「うん、やっぱりシェフたちはスゴイね。
どれも現地の料理とそっくりだったよ」
そんなわけで、今回訪れている国々の中でも、
フランスとドイツは、
僕らにとってちょっと特別な意味を持っていたのでした。
to be continued...
えーじ
