というか、場所がら天気予報はず〜っと晴れ。
気温は最低が10度、最高が20度と、
東京の4月中旬の陽気といったところでしょうか。
朝、近くのカフェに行ったときはちょっと肌寒かったくらい。
空気が乾燥しているため、とても過ごし易いです。

日本との時差はマイナス6時間。
僕がこれを書いているのは現地時間9時35分ですから、
日本は15時35分というわけですね。
クウェートといえば日本では湾岸戦争で知られた国ですが、
あれから35年たった今、市内の中心部を見る限り、
戦争の痕跡はまったくありません。
立ち並ぶ高層ビル群がおしなべて新しいことから、
街全体が「再開発」された感じですけどね。

鉄道はなく、完全な車社会。
そのせいか歩行者のことはあまり考慮されておらず、
道路を渡るなら気合と体力が必要です。
ま、そもそも歩道をてくてく歩いていたのは、
一部の労働者と僕らくらいでしたが。
人口構成も湾岸諸国のご多分に漏れず、
クウェート人は45パーセントくらい。
ブルーカラーの殆どは、他の国のアラブ人かインド、ネパールなど、
南西アジア諸国出身の外国人です。
(僕らが入国したときも、
ネパールからの集団就職組と思しき女性たちが列を作っていました)
経済は極端な石油中心のモノカルチャーのため、
スーパーマーケットに並ぶ商品はほぼすべてが輸入品。
食料自給率なんて10パーセント未満ではないかしらん?
それから、今回の出発にあたり、
異口同音に聞いた「大丈夫ですか?」の治安ですが、
この2日間に限って言うなら東京と何ら変わりません。
反対に、日本での生活より強く感じたのが人々のフレンドリーさ。
東洋人の旅行者が珍しいからかな?
とにかくそこかしこで声をかけられます。
昨日1日だけでも何人から挨拶されたか覚えていないくらい。
当然、飲食店のスタッフもおしなべてラブリーで、
とても親切なのですよ。
たとえば昨日のランチで入ったローカル食堂で。
思ったとおり、英語のメニューがなく、
さて、どうしたものかと考えていたら、
スタッフのお兄さんが片言の英語で説明してくれました。
そこでありついたのが、こんな料理。

アラブ風のキーマと、フムス、
そしてシュクシャカと思しきスクランブルエッグ。
これをピタパンと一緒に頂くのですが、そのおいしいことといったら!
そこへ不意にやってきたのが、
ともこの後ろのテーブルで食事をしていた若いご夫婦のご主人。
彼も片言の英語でがんばり、
「どこから来たのですか?」
「日本ですよ」
「やぁ、そうですか、いつか仕事で行けたらと思ってます。
ここの食事はいかがでしたか?」
「どれもすごくおいしかったです。僕らは中東の料理が大好きでして」
「それはよかった!
で、クウェートは初めてでしょう?」
「ええ」
続けてスマホを取り出し、
「メモできますか?」
「・・・?」
「僕の電話番号を教えますので、
もし滞在中に困ったことがあったら、いつでも連絡してください」
こうして彼は最後に名前を告げて去っていったのですが、
本当のサプライズはこのすぐ後でした。
「おいしかったね!」
「ああ、お腹いっぱいだ。食べすぎちゃった。
じゃ、ここはキャッシュで払ってくるよ」
とキャッシャーに行くと、
さっきのスタッフが何やら意味深な笑顔を浮かべています。
「シュクラン(どうもありがとう)。 会計をお願いします」
「終わりました」
・・・? 言葉が通じてないのかな?
僕はもう一度、「Check, please」と繰り返すも、
彼はまだその表情のまま、「It's dune.」
「いやいや、僕はまだお金を払っていませんよ」
「ええ、お金は彼が払いましたから」
と走り去ろうとする自動車を指差したではないですか。
あいやぁ〜、気付かない間にご馳走になってしまったとは!
その後、彼の電話番号あてにWhat's Upでお礼のメッセージを送ると、
「いや、お礼には及びません。
クウェートのホスピタリティを知っていただきたかったでけですよ」
との短い返信が。
僕らが取材先の料理を可能な限りリアルに再現しようとする思いは、
現地でのこうした経験に後押しされているからなのですよ。
ささやかな恩返しとして・・・ね。
さて、今日も頑張って料理を探しに行きますか!
to be continued...
えーじ

ローカル食堂のスタッフたちと。
中央の彼はスリランカ出身で、来月に里帰りするとのこと。
Have a good trip!