2025年02月01日

第25回取材旅行 その3

旅程5日目にして取材は順調です。

毎回苦労するのが、
事前に調査対象料理をリストアップしていても、
それを提供している飲食店がなかなか見つからないこと。
少なくとも同じ料理を別の店で3回食べてみないと、
その本質を理解するのは難しいのですよ。
これが何かとすんなりいかなくてね。
それが今回、幸運にも第1ターゲットの料理から見つかりまして。

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Gaboot

これは珍しい、中東のギョーザともいえるガボート。
他では見かけたことがなかったので、
どうやらクウェート料理と言えそうです。
内容もユニークで、
グリーンドライレーズンとネギを小麦粉の生地で包み、
スパイシーかつ、ほんのり酸味の効いたラムシチューで煮込んだもの。
皮はもちもちで厚く、ニョッキに近い食感です。

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ガボートを分解したところ

3店それぞれのバージョンを比較してみた結果、
シチューの具材やソースの味付けに若干の差異はあったものの、
ダンプリングの中身にグリーンドライレーズンとネギを入れること、
シチューの具材にラムを用いること、
風味はカルダモンとクミン、ターメリックで付けること、
そしてドライライムで酸味を加えることが共通していました。
これまで各地で20種類近いギョーザを探してきましたが、
なかでもこれは異色の存在です。

それから中東のぶっかけ飯ともいえるシャブジー。

shabzi_kw.jpg
Sabzi

豆と肉、葉菜をスパイシーなカルダモン風味のソースで煮込み、
ライスを添えて食べるもの。
肉抜きのベジタリアンバージョンもありました。
全体的にやさしい味わいですが、
グリーンペッパーソースで辛み足すと個人的にはかなりイケると思います。

それから余ったパンを無駄にしないよう考えられたと思しきタシュリーブ。

tashreeb_kw.jpg
Tashreeb

一説によると、サウジアラビアのメッカで生まれた古い料理らしく、
かのマホメットをして最高の料理と言わしめたそうな。
発想と調理方法はパンの文化圏で共通例が見られ、
イタリアのリボリータなどはそっくりですね。
しかしながらパンを煮込むソースはご当地柄スパイシー。
バージョンによってはラムやチキン、シーフードを入れることもあり、
なかなかボリュームがありました。

そして甘みが強すぎて敬遠しがちの中東スイーツで、
パレスチナのクナーファと並び、例外的に僕らが飛びついたデーツケーキ。

datescake_kw.jpg
Dates Cake

しっとりしたデーツ入りのスポンジに、
ピーナッツかキャラメルのソースを添え、熱々を頂きます。
これは南アのマルバプディングと並び、
ととら亭でもウケること必至でしょう。

さて、そんなこんなで短いながらも密度の濃い取材を終え、
明日は午前中にバーレーンのマナーマへ移動します。
そこでクウェートの最後を飾るのはこの風景。

sunset_kw.jpg

先ほど港で見ていたアラビア湾に沈む夕日です。
いかがです? 美しいでしょう?
僕らは旅に出たとき、
どこかでこうして日が沈むのをゆっくり眺めることにしているのです。
世界遺産など、有名観光地も結構ですが、
こうして太陽が沈むひとときを静かに味わうなんて、
東京の日常ではなかなかできませんからね。
ある意味、僕らの旅のハイライトのひとつなのですよ。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 03:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記