2025年02月05日

第25回取材旅行 その5

今朝のマナーマは晴れ。

というか、7日前、
クウェートに着いてからここまで、ず〜っと晴れ。
天候に変化なし。
気温もほぼ変わらず、日中は20度くらいで朝晩が10度前後。

そして変わらないといえば、人。

奇妙に聞こえるかもしれませんが、
クウェートやバーレーンに滞在中、
クウェート人やバーレーン人に会うことは稀なのですよ。
特に公共の交通機関で移動し、
市井の食堂で取材するような僕らの旅の場合はね。

この傾向は今回に限らず、
以前、UAEやカタールを訪れたときも同じで、
僕らが顔を見て話すのは、
バングラデッシュやパキスタン、インドネシアなど、
アジアのムスリムが多い国か、
インド、ネパール、フィリピン、タイなどから来た外国人ばかり。

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ともこがヒジャブを買ったお店で。
スタッフはバングラデッシュ人とインド人。

たまに、「お、アラブ系だ」と思っても、
それはエジプトをはじめとする、
北アフリカから来ている人々だったりします。

で、当該国人と確実に会える場所はといえば、
クウェートのThe AvenueやUAEのドバイモールのような高級モール。
アラブの民族衣装を着て、
ベビーカーを押すアジア系メイドさんを連れたご夫婦は、
ほぼ確実にローカルでしょう。
ま、こういう方々と話をする機会はほとんどありませんけどね。
皮肉なことに、経済的な陰りが出てきたバーレーンが、
一番ローカルと接するチャンスがあったかも。

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やたらおカネがかかっている月面基地のようなThe Avenue

これ、産油国社会の特徴で、
同じアラビア半島にありながらも地下資源に恵まれなかった、
オマーン、レバノン、ヨルダンではまず見られない傾向でした。

そして、この状況は街の作りにも大きく影響しており、
人口の半分前後を占める労働力としての移民が
リトルインディアのようなエリアをそこかしこに作り上げています。

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マナーマのパキスタン人エリア

円安で海外旅行は厳しいといわれて久しくなりましたが、
こうした街で移民がやっている移民のための店に入れば、
ここバーレーンでもかなり安く上げることができます。
たとえばシャワルマ屋だと、ふたりでお腹いっぱい食べて、
概ね3バーレーンディナール前後。(約1,200円)
これがけっこうおいしい!
ビリヤニやカレーを食べてもだいたい同じくらいのコストです。
ま、こういう小さなローカル食堂は、
ハエがぶんぶんで、たいていトイレもありませんけどね。

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僕らが投宿しているホテルに近いケバブ横丁

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バーレーン風スパイシーお好み焼き(?)のマハヤワ

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ジョージェケバブ
これと上のマハヤナにミネラルウォーターを合わせて約1,500円
一人当たり750円で済んでしまいます。

おっと、それから産油国のもうひとつの目立った特徴がこれ。

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ベイエリアに林立する奇抜な形のビル群。
もっとも有名なのはドバイのブルジュ・ハリファでしょうか。
ここバーレーンでも負けじと、
「中はどうなってるのかしらん?」な建物がいくつかあります。

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あ、それと見る人を圧倒する巨大なモスクも定番ですね。

しかし、これらの英華を誇る国々が、
ほんの100年足らずの歴史しか持っておらず、
(最も早かったバーレーン油田でさえ採掘に成功したのは1932年)
それがまた極端なモノカルチャーに支えられているだけだと思うと、
(しかも富は棚ボタ型だし)
なんとも脆い砂の城を見ているような気分になるのは僕だけかしらん?
実際、昨日歩いたムハラク地区はFor Sale For Rent物件の他、
すでに廃墟になった空き家が目立っていましたし。

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いま住んでいるのは・・・

オイルマネーの枯渇と同時に仕事をなくした移民が去り、
電力を中心としたインフラが機能不全に陥れば、
40度を超える厳しい夏をどのように乗り切ったらいいのか?
いや、今は水道をひねれば出てくる水でさえ、
そのほとんどは電力に頼った海水浄化装置で得ているものでしょう?

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都市の生命線、水

ん〜・・・そう遠くない未来に、
僕らはひとつの文明が滅ぶ姿を目にするのかもしれません。
それでもなお、
世界の超富裕層はドバイの高級不動産を買い漁っているそうな。

「人間の賢愚は大金を手にしたときの使い方で分かる」
とは誰の言葉だったかな? ねぇ、トランプさん?

余計なおせっかいかもしれませんが、
アラビア半島が第2のソドムとゴモラにならないことを祈ってやみません。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 03:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記