2015年09月03日

Heroes and Heroines

ととら亭では色々な世代のお客さまと話をする機会があります。
そう前回のブログで書きましたが、
その多様性は年齢に留まらず、職業にも渡っています。

中でも意外と少なくないのがアート系のお客さま。

役者、ダンサー、ミュージシャン、舞踏家、
小説家、漫画家、画家、イラストレーター・・・
一言にアートと言っても様々です。

こうした業界の常と申しますか、
専業で食べて行くにはハードルが高い。
だから殆どの方は、別に仕事を持つ傍ら、
アーティストとしての活動を続けています。

特に舞台関係の方は大変ですね。
映画やCDのように作品をコピーできませんから、
例えば、製作費100万円をかけた一日限りの舞台を上演するのであれば、
たった一日で製作費を回収するだけではなく、
利益も出さないと実質上の赤字になってしまいます。

実は僕も20歳代に、この世界に足を突っ込んでおりました。
ローティーンの頃からバンド活動をしていたのですが、
(女の子にモテたんですよ、バンドやってると!)
そこから枝葉が伸び、演劇関係の友人が出来た後は、
自主製作映画や芝居の音楽から、次第に舞台の音響、はてや照明まで、
ずぶずぶ深みにはまってしまったのです。

いやぁ〜、実に楽しかったですよ。
身体芸術や絵画、言語など、表現の分野が違う人々との出会いは、
音楽の世界にはない刺激に満ちておりました。

ところが、これがキツイ。
昼間は普通に働いて、仕事が終わると稽古場やスタジオに駆けつけ、
深夜に練習が終わればメンバーの安アパートに転がり込んで、
(飲み屋に行くお金がなかったんですよ。)
夜明けまで芸術談義・・・
そして眠気を振り払ってまた仕事に行く・・・

公演が近付けば、
これにポスター作りやチケット売りなどの仕事も加わり、
睡眠不足は限界に。
挙句の果ては舞台がはねた後の打ち上げで気絶・・・
なんてのが珍しくありませんでした。

そして後日やって来る恐るべき請求書。
演劇系は十中八九、赤字。
音楽系も小屋代は何とか払えても、その前のスタジオ代を加えれば、
これまた完全に持ち出し・・・
テクニック以上に体力と愛にも近い思い入れがなければ、
とてもやっていられない世界だったのです。

でもね、みんな輝いていましたよ。
それは今、ととら亭に来ている人たちも同じ。
あれは何というのだろう?
自分の人生に真正面からコミットしている人が放つ、
独特なオーラは。
ほんと、魅力的ですよね。

後々気付いたのですが、
これは何も夢を追いかけるアーティストたちに限ったことではなく、
堅気の人々の間でも感じられるものでした。

具体的にどういう職業というものはないのですけど、
そうした人たちに共通しているのは、
例えば勤め人であれば、雇用条件ではなく、
業務内容に軸足を置いて仕事を選んだ人のような気がします。

そう、見回せば、身近にいるものなのですよ、
ヒーローとヒロインは。

えーじ
posted by ととら at 15:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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