2015年09月28日

Made in Japan …?

早いですね。
3カ月で切り替えている旅のメニュー。
つい最近、始めたばかりと思っていたインドネシア料理特集も、
本日が最終日です。

今回もいろいろなエピソードがありました。
今日はその中から僕の印象に残っているもののひとつをお話しましょう。

「お待たせしました。
 ジャワ島発祥の料理、ガドガドです。」

http://totora.jp/info/2015/jny_smr_2015/jny_smr_2015.htm

この料理、一番目立つところに鎮座しているのはエビセンベイ。
そして、その隣には・・・

「ご覧の通り、厚揚げが乗っているのですが、
 代用品ではなく、インドネシアは豆腐を食べる文化圏なのです。」

更に続けて、

「ちなみに豆腐はトーフとかタウフと呼ばれています。」

すると殆どのお客さまの反応は、

「へぇ〜!日本から豆腐が伝わっていたんだ!」

実はこれ、僕が全く想定していなかった反応でした。

日本からインドネシアに豆腐が伝わった、
いや、豆腐は日本で生まれた食材・・・
そう思われているのかもしれないなぁ。

確かに和食のお店で豆腐が登場しないことは、
まずありませんからね。

しかしながら諸説あるとはいえ、豆腐の起源のもっとも有力な説は、
紀元前2世紀の前漢もしくは8世紀から9世紀にかけての唐で考え出され、
日本には奈良時代に遣唐使が伝えたというもの。
つまりオリジナルは、Made in China 。

これを裏付けるのが原料のダイズの原産地。
最も支持されている説は、
中国東北部からシベリアにかけての地域ですから、
この線で行けば、少なくとも豆腐の生みの親が日本人だとする説は、
少々分が悪い気がします。

とはいえ、販売権は製作者の独占にあらず。
伝えた役目は別の国ではないか?

なるほど。

ところがアジアにおける交易ルートの一大中継地であったインドネシアには、
スペイン、イギリス、ポルトガルを始め、
古くから中国との太いパイプがありました。
一例をあげると、モルッカ諸島原産のクローブ(漢名で丁子、丁香)は、
古代中国の官吏たちに口臭消しとして使われていた歴史もあります。

そうなると、地理的にも近い、中国からインドネシアへの伝播ルートが、
何らかの事情で永きに渡ってブロックされ、
豆腐は1942年から1945年の日本軍統治時代に伝わったとする説もまた、
信憑性の薄いものでしょう。

オッカムのカミソリ(※)ではありませんが、
ここはシンプルに、
中国で生まれた豆腐を現在でも人口の5%を構成する華僑や華人が伝えた、
と考えるのが順当なようです。

さて、僕が豆腐の話で面白いと思ったのは、
ものは何であれ、そのオリジナリティの認識のされ方。

これは所謂「常識」の認識とも共通していて、
僕たちは結構単純に、
生まれた時に自分の周りにあったものが「世界標準」で、
普遍性を持って「ずっと前から」あったのだと、
素朴に信じる傾向があります。

現代に生きる日本人が「豆腐は日本で生まれた」と考えるのも、
無理からぬ話かもしれませんね。

そういえば、イギリスに留学していた女性が、
同じドミトリーに住む中国人の留学生と、
喧々諤々の議論をしたことがあったとか。

その争点とは、
キティちゃんの生まれ故郷は日本か中国か、だったそうで。

多分、中国人の少女の生まれ育った環境には、
オリジナルか、違法コピーかは別として、
ずっとキティちゃんがあったのでしょうね。

えーじ

※オッカムのカミソリ
「ある事柄を説明するための仮説が複数ある場合は、
 最も単純な仮説を選択すべきである。」
 
 14世紀の哲学者・神学者 オッカムの立てた指針。
posted by ととら at 15:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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