2017年02月20日

第13回取材旅行 その5

島国に生れ育つとイメージし難いのが国境。

場所よっては、ほんの数10メートル歩いただけで、
言葉や通貨だけではなく、時間まで変わることがあります。
そんな体験を味わえる場所の一つが、ギリシャとマケドニアの国境。

朝7時にホテルをチェックアウトした僕たちは、
小雨が降る中、テッサロニキ駅まで歩いて戻りました。
そこでチーズパイとコーヒーの朝食。

8時に昨日チケットを買った国際バスのカウンターに行き、
チケットを提示すると、受け取ってくれたのは昨日と同じ彼女です。
バスは20人ほどが乗れるバンタイプ。
マケドニア人、ギリシャ人、ドイツ人、そして僕たち2名の日本人が集まり、
15人が乗ったところで定刻の8時半に出発しました。
アジアや南米の乗り合いバスと違って皆さんとても静か。
ともこは早々におやすみなさい。

バンは最初寂れた工業地帯を20分ほど西に向けて走り、
やがて北北西に曲がると、
霧の立ち込める幻想的なぶどう畑や草原を縫いつつ、
信号機のない、高速道路のような道を黙々と走り続けました。

出発して1時間が過ぎた頃、前方に見えてきたのは高速道路の料金所・・・
ではなく、ギリシャ側の国境です。街の名前はEvzonoi。

はてさて、ここでの手続きはどうなるのかしらん?

バンがバス用のレーンに入って停まるとドライバーが僕らに向かって、

「パスポート」

乗客全員のパスポートとバスチケットのカーボンコピーを持って、
建物の中へ入って行きました。
そして待つこと15分。
戻って来た彼は最前列に座っていた女性にパスポートの束を渡し、

「自分のパスポートを取ったら後ろに回して下さい」

これでおしまい。
さらばギリシャ。

この建物の出国側には何故か免税品店があり、
そこで15分のトイレ休憩。

次は目の前の同じような建物に進み、
停まるとマケドニアのインスペクターがバンに乗って来ました。
ドライバーと笑顔で挨拶を交わし、
握手している様子から顔馴染みなのでしょう。

彼は全員のパスポートを集め始めました。
その際、一応国籍は見ているようでしたが、
写真と本人を照合している様子はありません。
僕らのパスポートを受け取った時に、

「日本人ですか?」

と訊いてきただけ。
ここでも15分ほど待ってドライバーがパスポートを戻して終了。

ハロー、マケドニア。
ゆ、ゆるいね。

こうしてするっと国境を越えてしまいましたが、
冒頭でお話しましたように、
言葉はギリシャ語からマケドニア語へ、
通貨はユーロからマケドニア・デナールへ、
時間は日本時間マイナス7時間からマイナス8時間へ変わったのです。

もちろん他にも多くの違いがありますけど、
僕たちにとってすぐ影響するのは通貨と時間。
両替はともかく、すぐに腕時計を1時間遅らせました。

道路は長閑な田園地帯を北北西へ伸びています。
ギリシャと同じく信号機のない一本道。
しかしバンはあまりスピードを上げません。

そう、ゼネラルインフォメーション以上に、
その国の経済状態を物語るのが道路事情。
マケドニアに入った途端、路面の荒れ方がはっきり分かりました。
こういうのは以前、ベトナムからカンボジアに入った時もありましたが、
約2.5倍近い差のあるギリシャとマケドニアのGDPは、
こんなところにも表れているのですね。

テッサロニキを出発して丁度4時間。
僕たちは予定通り、スコピエ中央駅に隣接するバスターミナルに着きました。
ここでは2つタスクがあります。

タスク1 セルビアのベオグラードに行く交通手段を確保せよ

選択肢は鉄道かバスのふたつしかありません。
まず鉄道をチェックしようとチケット売り場に行ってみれば・・・

あ、あの〜・・・鉄道は潰れちゃったんですか?

の状態。
乗客はおろか、職員の気配もありません。
あ、誰か来た! と思ったらおまわりさんじゃないですか!
胡散臭い目で僕を見ていますから「ドーバルデン!(マケドニア語のこんちは!)」
と挨拶してバスターミナルまで退却。

OK、プランB。

インフォメーションに行って英語で、

「こんにちは、ベオグラード行きのバスチケットはここで買えますか?」
「はい」

ラッキー、言葉が通じるじゃん。

「タイムテーブルを教えて下さい」

人のいいおじさんが僕のメモ帳にバスの出発時刻を書き始めました。
5時10分の始発から深夜2時の最終まで1日11便あります。

すごいね、全部暗記しているんだ。
っていうか、印刷した時刻表がないのね。

「始発から21時半までの便の所要時間は8時間。
 23時半から最終までは6時間だよ。出発はみな3番トラックだ」
「ありがとうございます」

ここでともこと相談して23時半の夜行で行くことに決定。
この方が時間を有効に使えますからね。
今日はスコピエで一泊しますから明日の便のチケットを購入。
料金は1,450デナール(日本円で約2,900円)/1人。

タスク2 マケドニア・デナールをゲットせよ。

バスチケットはクレジットカードで払いましたが、
当面の現地通貨が必要です。
しかしマケドニアの滞在は2日間だけですから、
多めに両替して残すのは避けたい。
そこでざっと滞在費用を計算して5,000デナールが必要だと分かりました。
で、どうやってそれをゲットするか?
選択肢は3つ。

1.両替の窓口で日本円から両替する。

窓口のお姉さんに訊いたら苦笑されました。
そりゃそうだよね。

2.手持ちのユーロから両替する。

もちろんこれは可能ですが、
既に日本円から両替したものなので2重両替は手数料の面で避けたい。

3.ATMで自分の銀行口座から現地通貨を引き出す。

スキミングやカードを飲み込まれるリスクを避けるため、
僕は基本的に営業中の銀行のATMでしかキャッシュカードを使いませんが、
駅のインフォメーションの目の前にあるものなら大丈夫でしょう。
ってわけで、ここから5,000デナールをゲット。

今夜の宿は駅から徒歩5分ほどの所にあるモーテル。
これがテッサロニキの安ホテルを豪華に見せるようなところでした。
外見だけでも女性の一人旅の人は、二の足を踏むだろうな。
中庭に入ってみれば、僕たちを迎えてくれたのは6匹の野良猫たち。

ん〜・・・ネコ臭い・・・

でもフロントのおじさんはフレンドリーです。
部屋は・・・
ベッドはボヨヨンで少々かび臭く、シャワーは使えるかギリギリの温度。
まぁ1泊ツインで2,790円ならこんなもんでしょ。
2名分の朝食付きだし。それなりにお得ってもんだ。

一番心配だった気温は、それほど下がっていないと思います。
部屋にはヒートパネル1枚しかなく、外に面した部分は全部ガラス張りなので、
(寒さが厳しいところなのに何故だろう?)
ポカポカではないものの着込んでベッドにもぐればOK。

マケドニアは下見だけなので、
ちょっと体を(特に胃袋を)休めようと思っています。

えーじ
posted by ととら at 04:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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