2017年02月26日

第13回取材旅行 その10

ブダペストでの2日目。
取材は順調に進んでいます。
心配していた僕らの胃腸の調子は、おっと危ねぇ!
な時も何度かありましたが、
ピンポイントの胃薬ドーピングで辛うじてクリア。

今回は比較的にやり易い取材です。
と言うのも、
ギリシャ、ハンガリー共に郷土料理のバリエーションが多く、
それを提供する店も沢山ありますので。

出発前に心配していた気温は拍子抜けするくらい。
4カ国を通じて東京と殆ど変わりません。
反対にちょっと暖かいくらいな街さえありました。
一番寒かったのは、調子が悪いのに僕らだけバスを降ろされた、
マケドニアとセルビアの国境かな?

治安はとてもいいです。
難民問題で入出国のチェックが厳しくなっているかな?
と旧社会主義国家のレガシーが微妙に残る、
マケドニアやセルビアではホテルの滞在証明もしっかり取っていましたが、
(ウズベキスタンやカザフスタンのレギストラーツィアと同じものです)
先にちょろっとお話しましたように、
僕たちが通過した国境は何れも緊張感が希薄・・・
と言うか、はいはい、いらっしゃい〜、それじゃまたね〜、な感じ。
インスペクターも至ってフレンドリーです。
税関は僕ら程度の持ち物とおカネではスルー状態。
他の人々も頓着していなかったご様子でした。

各国の経済状況は昨今の欧州のそれを反映して厳しい印象を受けました。
特にマケドニアとセルビアは、
公共サービスもかなり草臥れているのではないでしょうか。
ゼネラルインフォメーションを参考にそれぞれの懐事情を算出すると、

ギリシャ
 平均月収約235,000円 世界ランキング31位(日本の約2/3)
 ジニ係数34.3%(93位) 貧困層の割合20.0%(103位)

マケドニア
 平均月収約 40,000円 世界ランキング88位(日本の約1/10 世界平均以下)
 ジニ係数39.2%(65位) 貧困層の割合30.4%(63位)

セルビア
 平均月収約 50,000円 世界ランキング80位(日本の約1/9 世界平均以下)
 ジニ係数38.0%(72位) 貧困層の割合9.1%(140位)

ハンガリー
 平均月収約112,000円 世界ランキング46位(日本の約3/10)
 ジニ係数24.7%(138位) 貧困層の割合14.0%(131位)

データの精度と確度を差し引いても、僕らが見た状況とこれらの数字は、
あながち乖離したものではありませんでした。
実際、ギリシャやハンガリーでも物乞いは少なくありません。
社会的な弱者はどこも老人と身体的ハンディキャップのある人、
小さな子供連れ、そして少数民族です。
僕はマルクス・エンゲルスファンではありませんけど、
凍てつく路上でうずくまる人々の脇を、
高級外車が通り過ぎる光景を目の当たりにしていると、
わ〜い、資本主義の国に生まれて良かった〜!
とは手放しで喜べませんね。

確かに自由競争は文化の発展のみならず、
ミクロな個人の幸せにも大きく寄与していることは事実ですが、
原理的に言って、
一握りの勝者を多数の敗者が支える仕組みであることには、
変わりがないでしょう?
だから先般亡くなったキューバのフィデル・カストロは、
資本主義国、特に先頭を行くアメリカを『帝国主義』と、
呼んだんじゃないのかな?

僕たちは今、産業革命華やかりし時代の経済、
そう、『むき出しの欲望』を原動力とする、
『見えざる手』に再び自らの運命を委ねようとしています。

バルカン半島の国家間の、EU諸国間の経済格差、
これは遠く離れた世界の話ではないのではないか?
僕にはそう思えてなりません。

おっと! また話がマクロになってしまいました。
それでは僕らが下見したマケドニアとセルビアの旅を、
写真を交えながらダイジェストレポートしましょうか。

mc_minibus.jpg

ギリシャのテッサロニキを出発したミニバス。
旧ソヴィエト連邦圏でよく使うマルシュルートカそっくり。
ピカピカでしたけどね。

mc_road.jpg

テッサロニキはギリシャ第2の都市と言われていますが、
バスターミナルを出発して30分もすると、あたりはこんな景色に。

mc_border.jpg

ギリシャの国境。
高速道路の料金所とそっくりです。

mc_square.jpg

マケドニアの首都スコピエの中心部、マケドニア広場。
ここでハイティーンの子たちが片言の英語で、
「写真を撮って下さい!」
と言うから彼女のスマホを受け取ろうとすると、
「いえいえ、一緒に写って下さい!」
東洋人は珍しいのでしょうね。

mc_bridge.jpg

地味ですがスコピエのランドマークの一つ、カメンモスト(石橋)。
この周辺は夜景が美しいと楽しみにしていたのですが、
熱を出した僕はモーテルで沈没。
リベンジの課題がまたひとつ増えてしまいました。
そうそう、この先にあるオールドバザールにも行けなかったんですよ。
うう・・・

mc_station.jpg

驚くなかれ、13時頃のスコピエ中央駅のチケット売り場です。
日本で言ったら東京駅ですよ!
誰もいません。しかも設備はご覧の通り。
待合室は鍵がかかり、ホームに上がれば冷たい北風がひゅ〜・・・
廃線になっちゃったのかしらん?
との印象を抱かざるを得ませんが、一応運行はされているそうです。
という訳で、僕らは選択の余地なく、国際バスを使ったのでした。

mc_motel.jpg

駅から徒歩5分ほどの所にある僕らが投宿したモーテル。
建物よりも周囲の状態にご注目を。
これも日本の場所に例えれば、丸の内か八重洲ですよ。
まぁマケドニアの規模と歴史を考えれば、
仕方のないことなのかもしれません。
面積は九州の約2/3、人口は東京都民の約1/6くらいなのですから。

mc_beans.jpg

代表的な料理と言えば、
白インゲン豆を煮込んだタフチェ・グラフチェ。
じわっと美味しい素朴な料理でボリュームもあります。
これにパンがあれば、一食成立するでしょう。

mc_humburg.jpg

マケドニア版ハンバーグのブリュスカヴィッツア。
スパイス感はありませんが、お肉そのものがジューシーで美味しい。
これはチーズ入りバージョン。お腹いっぱいになります。

mc_bustarminal.jpg

スコピエ中央駅に隣接したバスターミナルから夜行バスで、
セルビアのベオグラードへ。
さて、それでは僕は気絶させて頂きます。

sr_rever.jpg

ふと意識が戻れば5時間前後が過ぎてベオグラード。
旧ユーゴスラヴィアの中心地だけあって大きな都市です。
これはカレメクダン公園の丘から俯瞰した市街。
この上空をNATOの戦闘機が飛んで爆弾を落としたのか・・・
目の前に流れるのはサヴァ川です。
これがすぐ右側でドナウ川と合流します。

sr_street.jpg

地味ですが美しいクネズ・ミハイロ通り。
西側の資本がボチボチ進出しており、
マケドニアでは見かけなかったマクドナルドもありました。
しかしセルビアの人々にとっては少々高級なお店です。

sr_street02.jpg

ここは個性的なお店が集まっているスカダルリヤ。
ランドマークはなくてもこうした街歩きはとても楽しいですよ。
よく見ていると小さな発見が沢山ありますから。

sr_street03.jpg

スカダルリヤ周辺はミニモンマルトルと称せられることもあって、
街中にアート感覚が溢れています。センスいいね。

sr_kaki.jpg

あ、中央市場をぶらついていて驚いたのがこれ。
柿ですよカキ! しかも名前に注目です。
JAPANSKA!
日本から伝わったんでしょうね。
ちなみにカキは日本原産ではありません。
中国の長江流域が原産地と言われています。
本名は『シィ』。韓国では『カム』と変化しているので、
朝鮮半島経由で日本に伝播した可能性が考えられますね。
そしてヨーロッパには日本経由で伝わったのか?
そう言えばトルコの市場では『KAKI』で売っていました。
場所は違いますがブラジルでも同じ。
いずれも熟れ過ぎでぐずぐずが好まれています。
不思議ですね。

sr_room.jpg

夜に熱がぶり返してしまったので、夕飯はホテルで。
取材にはあまりなりませんけど、
僕らはこうした食事が意外と好きでして。
長旅の時には、よくこんな風に食べていたものです。

sr_breke.jpg

バルカン半島一帯でファーストフードと言えばブレキ。
これはチーズやホウレンソウを入れたパイ。
一説によるとトルコのブリックが伝わったと言われていますが、
チュニジアのブリックは、
とろっと卵が溶け出す大型揚げギョーザ風だったので、
変化の大きい料理なのかもしれません。
冷めても美味しいですよ!

sr_hotelstaff.jpg

僕たちが投宿したホテルのラブリーなスタッフと。
彼女はとても親切な人で、
ハンガリーのセゲドへ向けたアクセスを色々調べてくれました。
余談ですけど、ご覧の通り、セルビアは美人が多い!
男性は体格が大きく、僕の身長(176.5センチメートル)で小柄な方。
180センチメートル級はごろごろいるし、
10頭身の190超えも珍しくありません。
サッカーやテニスを始め、スポーツが強い訳ですね。

sr_localhouse.jpg

ベオグラードを出発した僕らはまず北端の街、スボティザへ。
途中は広大な田園地帯。時折、こんな家がぽつぽつありました。
素顔のセルビアのひとつです。

hu_border.jpg

スボティザで国際バスに乗り換えてハンガリーのセゲドへ。
これはハンガリーの国境。
右側にバスが停まっているでしょう?
あそこでインスペクターが乗って来てパスポートを集め、
スタンプ押してを返してくれます。
で、ようこそEUへ!
セゲドの市内まではここから20分ほど。

如何でしょう?
今回は下見だけでしたので、さらっと通り過ぎてしまいましたが、
何だが惹きつけられるものがあると思いませんか?
華やかさこそなくても、西欧とも東欧とも異なる、
バルカン独自の魅力を僕たちは感じました。
でも特に印象に残ったのは、見ず知らずの旅人にやさしい人々の笑顔かな?

ん〜・・・やっぱりもう一回来てみなくては!

えーじ
posted by ととら at 18:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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