2017年04月07日

ととらな本 その4

僕が本を書いたのはこれが初めてですから、
他のケースは全く分かりませんが、
この仕事はどことなく、
IT稼業時代のシステム開発と似ている気がしていました。

ITシステムを作る際に要となるのは基本設計。
と言っても、いきなり高度な最新技術が登場するシーンではなく、
大枠で処理の流れをフローチャートに落とすところから始まります。

今回、これに相当する部分が章立て。
『ギョーザを巡る世界の旅』というテーマをどう細分化し、
時系列的に並べるのか?
執筆を始める前に村尾編集長と僕が頭を捻ったのはここでした。

そこで最初にぶつかったハードルが、
無名の二人の旅人と、
得体のしれない『旅の食堂ととら亭』をどう説明するか? です。
唐突に旅の話が始まっても何が何だか分からないでしょう?

勿論、ととら亭にご来店頂いたことのあるお客さまであれば、
この部分は概ねスキップしても差し支えありません。
しかし、これから書く本は、
東京都の中野区だけで販売するものではなく、
僕たちとの出会いが、
北海道や沖縄の書店であることも想定しなくてはならないのです。

これは少々デリケートな問題でした。
全体を限られた紙数に納めなくてはいけませんし、
本編はあくまでギョーザを巡る旅ですから、
前提の説明は可能な限り簡潔にまとめる必要があります。

そこで、登場人物と、旅の食堂の概略を冒頭に置き、
読者に「なるほど、こういう人が、こんなことをやっているんだな」
と知って頂いてから本編がスタート。
細かいところは旅の話を進めて行く中で都度説明する。
こういう構成で始めることにしたのです。

本編は各国にあるギョーザのエピソードを横糸に、
それを僕たちの旅が経糸で編み上げて行く流れをイメージしました。
そして最後に旅のメニューの再現プロセスを入れれば、
一応、起承転結の体裁は整います。

二つ目のハードルは、
ギョーザをテーマにした本と実際のととら亭が乖離しないようにすること。
旅の食堂と言う玉虫色のコンセプトは、
常連のお客さまでさえなかなか分かり難いのに、
これを少ない字数で齟齬なく表現しておかないと、
世界のギョーザの専門店だと思われてしまうかもしれません。
場合によっては、いつでも本の中で紹介されているギョーザが食べられる!
そう期待されて遠路はるばるご来店される方も考えられます。

しかしながら、旅の料理は3カ月前後で切り替える為、
今やっている『世界のギョーザ特集』は6月の中旬で終了ですし、
カザフスタンのチュチュバラ、ドイツのマウルタッシェン、
トルコのマントゥも今月下旬には別のギョーザに切り替えてしまいます。

せっかくご来店されたお客さまが、
「なぁ〜んだ、ギョーザを食べに来たのにないのか・・・」
とがっかりされることは、何としても避けたい。

う〜ん・・・どうしたもんだろ?
基本設計は概ね形になったけど、
詳細設計も慎重に進めないと思わぬ落とし穴がありそうだ・・・

そう悩んでいる僕に村尾編集長から下った最初のオーダーは、

「取りあえず書いてみましょう!」

と言われてもなぁ・・・

to be continued.

えーじ
posted by ととら at 14:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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