2017年06月07日

抜き打ちテスト

ととら亭は旅の食堂。
色々な国の料理をアレンジしないで再現し、
僕たちの旅の経験をシェアするのがミッションです。

であるからには、
いらっしゃるお客さまの殆どが日本人・・・

という訳ではありません。

しばしば思いもよらない国から来日したお客さまが、
僕らにとって微妙なタイミングでご来店されることがあります。

先日の夜、少々混雑したディナータイムで、
カウンター奥の席(僕の目の前)に、
日本人と白人の女性のお客さまがいらっしゃいました。
彼女たちがオーダーした料理のひとつは、
世界のギョーザ特集でやっているスロバキアのピロヒー。

もしや・・・? と思い、訊いてみれば、やっぱり・・・
白人の女性はスロバキアの東部出身で、
いま野方の近くに住んでいるとのこと。

スロバキアの面積は北海道の3/4くらい。
人口は東京都民の半分以下、542万人ほどの国です。
そのレアな国民の一人がいま僕の目の前にいます。

ちょっとアンニュイな雰囲気の彼女。
実はピロヒーを作ったことはないそうで。
お婆ちゃんが作ってくれたものをよく食べていたそうです。

さて、僕がピロヒーをサーブして数分。
ほぼ食べ終っていた彼女に感想を訊いてみました。
すると意味深長な眼差しで・・・

「正直に答えた方がいいですか?」

だって。

イマイチだったのかしらん?
再現度は高い筈なんだけどな・・・
む〜・・・それでも本家の人のご意見はぜひ聞いておきたい。

「ええ、率直にお願いします」

「私のお婆ちゃんが作ったものより美味しいわ!」

はぁ〜、合格か!
いやはや僕たちなりに納得して出してはいるものの、
こうした抜き打ちテストはやっぱり緊張しますね。

ホント、いろんな意味で気が抜けない仕事なんですよ。

えーじ
posted by ととら at 16:36| Comment(6) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
ととら亭の味が国際的に認められてよかったですね。ご同慶の至りです。えーじさんが胸をなでおろした様子が伝わってきました。

以下、関係あるようなないような話ですが…

私は大学時代に自分の大学のオーケストラに所属していまして、そのオーケストラの西ドイツ(当時)海外演奏旅行に参加しました。取り上げた曲の中に、オケの中で私がかなり長いソロを吹かないといけない曲がありまして、恐ろしく緊張しました。

おまけに最初の演奏会がベルリンのフィルハーモニーホールで行われることになり、ますます私にプレッシャーをかけることになりました。フィルハーモニーと言えば、ベルリン・フィルハーモニーの本拠地のホールです。普段カラヤンとベルリン・フィルの演奏を聴いている人たちの前でソロを演奏しないといけないとは!

終演後のレセプションにベルリン・フィルのメンバーが何人もいらしていて、演奏会もお聞きになったと言うので自分の音をこの人たちに聞かれたのかと私は冷や汗をかきました。

極め付けが当時コンサートマスターをしていらしたミシェル・シュヴァルベさんで、レセプションで私に声をかけてくださりソロについてアドバイスをくださったのです。もちろん感激しましたが、聞きにいらっしゃることを事前に知っていたら怖くてとても演奏できなかったですね。何しろレコードのジャケットにお名前が出て世界中に知られているヴァイオリニストですから。

ブログを拝読してこの時のことを思い出しました。長々と失礼しました。
Posted by にじゅうにばん at 2017年06月07日 19:37
にじゅうにばんさま

いつもコメントありがとうございます!

素晴らしいご経験をお持ちですね。
ベルリンにあるフィルハーモニーホールの響きはどんなものだったのでしょう?

スケールは小さなものですが、僕がバンド小僧になったきっかけは、
小学生の時、横浜市が主催(?)した音楽会に参加し、
神奈川県立音楽堂で演奏したことです。
その時はリズムセクションでボンゴを叩いたのですが、
イントロ部分は僕たち3名ほどのメンバーが4小節プレイし、
その後で他の楽器が加わるアレンジでした。
神奈川県立音楽堂は当時、音の良さで地元に知られており、
静まり返った場内に僕たちだけの音が響いた時のインパクトは、
半世紀近くたった今でも鮮明に覚えています。
あれはまさに『音が見えた』瞬間でした。

客電が落ちたホール、暗転したステージ、
眩しいスポットライト、
タクトを上げた指揮者のアクション、
あの何とも言えない緊張感。
これに魅せられたひとは、幾つになっても何らかのきっかけがあれば、
あの時の、あの瞬間に戻って来ると思います。

ああ、いい音でしたね!
Posted by えーじ at 2017年06月10日 14:28
神奈川県立音楽堂はいい音のホールですね。あのホールで何回も演奏しました。

戦後の音楽ホールの草分けで、当時の建築基準法の関係でその後法律が変わってから建てられたホールより木が多く使われているんですね。

それを売り物に何年か前から「木のホール」と言うキャッチフレーズを使うようになりました。

私が自分で演奏したホールでは、神奈川県立音楽堂、ベルリンフィルハーモニー、サントリーホール、浜離宮朝日ホールの音がよかったのが印象に残っています。
Posted by にじゅうにばん at 2017年06月10日 15:07
にじゅうにばんさま

いうなればホールとは最も大きい楽器ですから、
場所によって音は大きく変わりますよね。
一般的にクラシック系は中高域の残響がやや長めの方が、
いい感じに響くような気がします。
反対にそうしたホールだと、僕がやっていたような野蛮な音楽は、
低域が回ってしまい、混沌としたサウンドになってしまいます。
やはりアンプりファイアされた音楽は、デッドな環境の方が合っていますね。
音の世界は本当に奥が深いと思います。
Posted by えーじ at 2017年06月11日 11:56
全くおっしゃる通りで、アンプを通さない音楽はホールの残響が長くないとダメですね。返ってくる響きがないととてもさみし〜感じになって演奏できないです。逆にポピュラー系の音楽はデッドな響きでないとうまく行きませんね。

大阪の「ザ・シンフォニー・ホール」はクラシック専用ホールとして残響2秒を目指して設計されましたが、あそこでロックなりジャズなりをやったら何を演奏しているのか全くわからなくて悲惨なことになるでしょう。

今の日本の音楽ホールはどれも水準が高いので良いですが、私の経験でも昔のホールはすごいのがありました。日比谷公会堂がえらくデッドで往生したのを覚えています。日本の音楽ホールの草分けですが。あと、ドイツのケルンに日本文化会館と言うのがありまして、全然響かないので大変です。

でもこう言う残響に対する好みも時代と共に変わるようで、昔のクラシック音楽の演奏家は長い残響の場所を「風呂で演奏しているみたいだ」と嫌ったそうですから不思議です。
Posted by にじゅうにばん at 2017年06月11日 14:22
僕の場合、ホールと言うより小屋と言った方がいい場所ばかりでしたが、
音量が大きい場合が多かったので、実は客席での聞こえ方より、
モニターの方が重要でした。
体育館のように並行した硬い壁面がある環境だと、
返りの音が大きく、ドラムスのクレッシェンドからちょっと遅れて、
他のメンバーがエンディングになだれ込んだ、
なんてしょうもない終わり方もしばしば。

最近はモニターもインナータイプのイヤフォン型が主流になっているようですね。
羨ましい。あれならハウリングの心配がありませんし、
モニターバランスも細かく取れるでしょう。
バンド小僧だった頃の『原始的な』ステージを思うと、
技術の進歩は大したものだとため息が出ます。
Posted by えーじ at 2017年06月11日 16:16
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