2017年06月28日

第14回取材旅行 その12

今は日本時間16時32分。
自宅のアパートでこれを書いています。
いやぁ〜、無事に帰ってまいりました!

昨日の朝はビリニュスの空港でチェックインからフライトまで、
何かと待たされたものの、
モスクワでのトランジットタイムが6時間もありましたから、
往路とは大分事情が違います。
僕らは慌てず、それぞれの待ち時間を楽しんでいました。

こうした様々な国籍の人が行き交う場所では、
マンウォッチングしているだけで退屈はしません。
なんてシェレメチェボ空港のトランジットルートをのんびり歩いていたら、
パスポートチェックの手前で後ろから騒がしい足音が近付いて来ます。
振り返えれば息を切らせた20代前半の白人女性が二人。
僕を見るなり「ロシアン?」、
「違いますよ」と英語で応えると、
どうやら共通言語がなさそうな雰囲気です。

しかし、ここはトランジットで悪名きシェレメチェボ空港。
そして逼迫した彼女たちの表情を見れば、状況は自ずと分かります。
さっと彼女のボーディングパスの搭乗時間を確認したら、
13時30分。で、僕の腕時計が指しているのも同じ時間!
で、「お先にどうぞ!」
彼女たちはイミグレーションのブースに突撃し、
ボーディングパスにスタンプを押してもらうと、
「スパシ〜バ〜っ!(ありがと〜!)」との声を残して走って行きました。
ま、いいダッシュしていたから、何とか間に合ったんじゃないかな?

それから僕らは帰国便が出るターミナルDでのんびりしつつ、
取材のノートをまとめたり、
ブログの写真の仕込みをやったりしていました。
そう、最後のリトアニア編です。
これでようやくレポートが追い付きましたね。
では!

lt_busstation01.jpg

ラトビアのリガを出発したミニバスは、
2時間15分でリトアニアの地方都市シャウレイへ。
バスターミナルは商業施設に隣接しており、
ちょっとした買い物や食事にも便利。

lt_hotel01.jpg

そこから10分ほど歩いたところにあるホテル。
まだお昼前でしたが、チェックインさせてくれました。

lt_hotel02.jpg

ホテルは地方都市によくあるタイプ。
部屋は清潔で、質素でも居心地は良かったです。
ちなみに今回の旅ではここが最も低予算でした。
日本円にしてツインで約4,900円。

lt_crosshill.jpg

シャウレイで訪れた十字架の丘。
ご覧の通り無数の十字架で埋め尽くされていますが、
墓地ではありません。
ちょっと特殊なクリスチャンの信仰の場です。
僕らがここを訪れた本当の目的は、
首都と地方の料理の比較だったんですけどね。

lt_station01.jpg

翌朝は鉄道でビリニュスへ。
ここはシャウレイ駅です。
昨日お世話になった切符売り場のおばちゃんは、
あまり英語が話せませんでしたが、とても親切な人でした。
僕に気付くと声をかけてきて、
列車が20分遅れていることを教えてくれたのです。
遅延を告知するインフォメーションボードの表示は、
リトアニア語だけでしたから助かりました。

lt_station02.jpg

さすがは首都のビリニュス駅。
キオスクや食堂も充実しており、それなりの規模です。
と言っても、西武新宿線田無駅より小さいけど。

lt_station03.jpg

着いた頃にはあいにくの雨。それも結構雨脚が強い。
それじゃホテルまではタクシーで行こう。
と思って乗ってみると、
ドライバーはメーターを動かさずに走りだそうとしました。

「あ、ちょっと待って、メーターを動かして下さい」

列車の中で話をしていた、
リトアニア人のエヴェリナからも言われていたのですが、
ここでは外国人をカモろうとするドライバーが多いとか。
するとドライバーは、

「10ユーロでいいよ」

おいおい、ホテルまで2キロちょっとの距離だぜ。
それを約1,200円とは、いい根性してるな。

「駅のインフォメーションで相場を訊いたら4ユーロでしたよ」
「それじゃ8ユーロでいいよ」
「メーターで行きましょうよ」
「ダメだ、降りてくれ」

というわけで交渉決裂。
さて、どうしたものかと空を見上げれば雨が小降りになってきています。
なら全然安いトロリーバスで行きましょう。
初めての街ではどの停留所で降りるべきか分かり難いのですが、
Google MAPで現在位置を確認していればどうにかなるでしょう。
で、ひとり1ユーロでホテルまでアクセス完了。

lt_hotel03.jpg

これがビリニュスで泊ったバックパッカーズです。
え? 写真が間違ってる?
いや、このパルテノン神殿みたいなのでいいんですよ。
実は僕らもこれには首を傾げてしまいました。
見かけだけじゃなく、1階はカジノなんですよ。
それっぽいエントランスを入ると、
安ホテルのフロントというよりカジノのレセプションじゃないですか。

「あの〜・・・ここはバックパッカーズなんですか?」

僕がおずおずとカウンターにいた女性に訊くと、

「はい、そうですよ」

へぇ〜、こいつは驚いた。
これの逆はよくあることなんですけどね。
かなり年季の入った安宿が『グランドパレス』って看板だったり、
なんちゃってゲストハウスが、
『マリオット』や『リッツ』なんてのも珍しくありません。
入り口に鼻高々と星が書いてあることもありますが、
冗談程度に受けとめておいた方が笑えるんですよ。

lt_hotel04.jpg

部屋に入れば、ほぇ〜って感じ。
これはバックパッカーズじゃないでしょ?
よほど自己卑下しがちなオーナーさんなのかな?
それともお茶目な外国人に、
英語で高級ホテルのことをバックパッカーズって言うんだよ、
と、かつがれたのかしらん?
ともあれ手頃なお値段で居心地抜群でした。
旧市街に近い立地もいいですしね。

lt-cityview.jpg

バルト3国の旧市街では最も規模が大きいと言われるビリニュス。
確かにちょいと歩きでのありそうな広さです。

lt_watchtower.jpg

一番目立つランドマークは、小高い丘の上に立つゲディミナス城。
ここから町全体が一望できます。

lt_church.jpg

古い建築物もたくさん残っていました。
聖アンナ教会は、
15世紀末に建てられたちょっと異色のゴシック様式建築。
1812年にロシアへ侵攻したナポレオンがここへ入場した際、
この美麗な建物がいたく気に入ったそうで。
へぇ〜、と眺めていて、
205年前に彼はどの辺に立ってこの教会を見ていたのかな?
と想像してみました。
ヨーロッパの国々を訪れていて面白いのは、
僕らにとって歴史上の人と、
時間を超えてその場を共有できることなんですよね。

lt_people.jpg

僕たちが主に取材を進めたピリエス通り。
いつも沢山の人々で賑わっています。

lt_street01.jpg

lt_street02.jpg

しかし、例によって徘徊するのはこうした裏道。
うまいレストランも大抵こんなところにあるものです。
雨上がりの石畳が美しい。

lt_forest.jpg

首都に流れる河とは思えない清流のビリニャ川。
とにかくバルト3国は緑がいっぱい。
心休まる空間がそこかしこにあります。

lt-lockedbridge.jpg

ムードがあるからか、橋の欄干は『愛の重さ』でこのとおり。
最近これは世界的に流行っているみたいですね。
2月に訪れたブダペストでも見かけました。
一番古い記憶は2007年に行ったフィレンツェかな?

lt_wedding.jpg

週末だった所為か、そこかしこでウェディングを見かけました。
お幸せに!

lt_street03.jpg

日本でいうなら銀座に相当するゲディミノ通り。
お洒落なショップやカフェが軒を並べ、
ここが四半世紀前まで社会主義の国だったとはとても思えません。

lt_restaurant02.jpg

レストランも料理だけではなく、
デザインセンスのいい所が多かったですね。
僕らは入店する時、必ず入り口の禁止事項のサインを確認するのですが、
昨今、マナーの悪いお客が増えたのか、
写真撮影禁止の店も同じく増えてきた気がします。
へたすると断りもなく動画を撮っているからなぁ。
ありゃ、やり過ぎだ。
でもとある落ち着いたレストランでは、
メニューブックにユーモアを交えて書いてあり、
僕は思わず吹き出してしまいました。
タバコやカメラにバツが付いていた隣で、
『KARATE』にもバツが付いていたんですよ。
このセンスがリトアニア流なのかな?

lt_borsh.jpg

ボルシチと黒パンは旧ソビエト連邦圏の西寄りでは、
どこもしっかり根付いているようです。
しかしその味わいは微妙に違います。
とくにリトアニアのパンの旨さは格別でした。
深い香りともっちりした食感が独特なのですよ。

lt_hearingsaladjpg.jpg

ニシンのマリネとビーツのサラダも定番です。

lt_potmeat.jpg

リトアニア版の肉じゃがとも言えるトロスキニュス。
ニンジンと豆、ピクルスも入ってリッチな味わい。
マヨネーズソースを添えるのがご当地流かな?
ところ変われば品変わる・・・ですね。

lt_kordinai.jpg

そしてもちろんギョーザもあります。
でも名前はペリメニではなく、コルディナイ。
ものも微妙に違っていまして、
大きさはペリメニよりやや大きく、
中身の具にしっかり味が付いています。
そしてスメタナを添えるのですが、
ゆで汁が少々入り、ネギを散らすとロシアを始め、
他のバルトの国とも異なる味わいに。
ん〜・・・
もしかしたらペリメニの系列ではないのかもしれませんね。

lt_pancakejpg.jpg

ポテトのパンケーキは今回の渡航国全体にあるものですが、
リトアニアのものが一番大型だと思います。
食べ方もそれぞれで、スモークサーモンや、
ニシンのマリネを添えていたり、
ここのようにスメタナや、
マッシュルームのソースを添えるところも。
焦げ目が香ばしくて美味しい。

lt_zep.jpg

しかし、このツェペリナイだけは、
リトアニアでしか見かけませんでした。
ツェッペリン飛行船の形からその名が取られたこの料理。
してどんなシロモノかと申しますと、
北海道のイモ餅とそっくりの生地で挽肉を包み、茹で上げているのです。
スタンダードなレシピは、
茹でてスメタナとベーコンのクルトンを添えて食べるのですが、
形、中身ともに様々なバリエーションがあり、
この写真のように茹でてから焼いたバージョンもあります。
僕らはこっちの方が好みでした。
味は奇をてらったものではなく、くにっとした食感が独特ですね。

lt_market01.jpg

街の規模にしてはそれほど大きくなかったハレス市場。
もしかしたらMAXIMAやRIMIなど、
スーパーマーケットチェーン店に押されて、
昔ながらの店は減りつつあるのかもしれませんね。
ここでも外周には市場の素材を使った、
美味しそうな食堂が並んでいました。

lt_cake.jpg

今回もお腹に余裕があれば入ってみたいのがコンディトライ。
しかし常に腹12分目の僕らには、なかなか難しい。
そこで毎日平均2万歩くらい歩いて、なんとかクリアしました。
リトアニア名物はスポンジではなく、メレンゲを使ったパヴロヴァ。
キリッとしたエスプレッソがよく合います。

lt_airport.jpg

さ〜て、それでは日本に向けて帰路につきましょう。
ホテルからタクシーでほんの10分の距離にあるビリニュス空港。
国民数が東京都の約1/4しかない小国ですから、
その規模もまた推して知るべし。
僕が知っている所で比べるなら旭川空港くらいかな?
ちなみにチェックインカウンターはひとつの航空会社につき、
たったの二つ!
しかもひとつはビジネス用だから、
100人以上のエコノミー客をひとつのブースで、
ひとりの地上職員が担当しているじゃないですか。
カウンターがオープンする10分前に行った僕たちですら、
ちょうど1時間待っていました。
更に驚いたのは、セキュリティチェックを終えて入った先に、
男性用のトイレがたったひとつしかなかったこと!
女性がトイレ前でずらっと並んでいる光景は見慣れたものですけど、
この逆は僕も初めて。
すいすい入って行く女性たちが物珍しそうに見ていました。
まぁ、これは工事中で今月末には複数が使える状態になると、
張り紙がしてありましたけどね。
(緊急の人には譲って下さい! との注意書きも忘れずにありました)
とにかくこの空港ではよく並びました。

そんなこんなで最後の国、リトアニアの取材も予定通り終わり、
僕たちは機上の人となったのです。
日本までのフライトタイムは約9時間。
思いの外、モスクワって近いんですよ。

えーじ

lt_restaurant.jpg
posted by ととら at 21:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/180187136

この記事へのトラックバック