2017年07月28日

作れても作れない料理 その1

「ポーランド料理をもう一度やってもらえませんか?」

「これまでやった世界のギョーザを全種類作ってもらえませんか?」

こうしたご要望を頂くことがしばしばあります。
食べ損ねてしまった特集や、
シリーズ化したものをまとめて楽しみたいというのは、
しごくご尤もなリクエストでしょう。

しかしながら、僕たちの回答は、

「すみません。それはできないのですよ」

とまぁ、代替案も提示できないビジネスセンスに欠けたもの。

実はこの理由、やる気がないからではなく、
純粋に調理工程上のものなのです。

『作れるか、作れないか』というのであれば、
実際にやっていたメニューですから、もちろん作れないわけはありません。
にも拘わらず「すみません・・・」になってしまった理由は・・・

その1 レシピ上の問題

飲食店ではその規模に応じて最適化された仕込みのロットがあります。
たとえばととら亭では、ものにもよりますけど、
大体20人前くらいの単位で仕込みをやっています。
これを4人前で作るにはどうしたらいいか?

材料を1/5にスケールダウンして作ればいい?
いや、それでは20人前で作る場合と味や食感が変わってしまいます。

ご家庭での分かり易い例はカレーでしょう。
一般的には4〜6人前で作るレシピが多いと思いますが、
あれを1人前とは言わないまでも、2人前で作ってみたことはありますか?

いかがでしょう? 6人前で作ったものと同じ味になりました?
そう、味に深みがなかったはずです。
こういうのは煮物に多く見られる特徴で、
おでんや肉じゃがなども、
ある程度の量で作った方が少ないものより美味しいのは、
皆さまもご存じの通りです。

しかし、飲食店はプロ。
プロならではのテクニックで小ロットでも美味しく作れるのではないか?

はい。できます。

しかし現実的でないのは、
レシピのチューニングが発生してしまうからなのですよ。
これはかなり手間がかかります。

几帳面なともこ料理長の場合、
「前に食べて美味しいって言ってくれたものと同じにしなくちゃ!」
と確実になります。(そういう人なんですよ)
すると彼女は試作からやり直しますので、
一晩のためだけにこれをやったのでは、
この時点でビジネス的にも労力的にもペイしなくなってしまうのです。

ととら亭は僕たちが現地で食べた料理をアレンジせず、
可能な限り正確に再現して皆さまと経験をシェアするのが仕事。

料理を再現する。

このポリシーは、現地と、ととら亭のみならず、
ととら亭での『前回と今回、そして次回』にも適用されているのですよ。

to be continued...

えーじ
posted by ととら at 09:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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