2017年09月07日

僕の小宇宙 その3 神保町1

一昨日の定休日は久し振りに神保町へ行って来ました。
目的は『仕入れ』。
と申しましても食材ではなく、
買ったのは営業中に流している音楽CDです。

JR御茶ノ水駅から靖国通りに南下し、すずらん通りを西に通り抜け、
白山通りを北上して水道橋駅へ抜けるコースには、
中古のCDショップが沢山あります。
しかもその殆どが、いわゆるジャンク系の店ではなく、
しっかりした内容の商品を豊富に扱う一種の専門店ともいえるもの。
中でもジャズに特化したDisc Unionさんは、
必ず足を運ぶ場所のひとつです。
幅広いジャンルを網羅しつつ、
思わぬ掘り出し物が多いジャニスさんも外せません。

僕が中古ショップを巡る理由は価格もさることながら、
新品を扱う店にはない幅広い品揃えにあります。
神保町の中古CDショップは販売のみならず、
買取にも非常に力を入れているので、
amasonさんでさえ見つからないレアな作品ともしばしば出会えるのです。

僕の仕入れ方は殆どがジャケ買い。
それもなるべく聴いたことのないアーティストの作品を手に取ります。
国も多岐にわたり、ジャズでいえばアメリカのメインストリームよりむしろ、
ヨーロッパを始め、南米やアフリカなどのサードワールド系が多いですね。
そして構成はスモールコンボ。
ととら亭で回すには大編成だと少々やかましい。
ですからホーンものも基本はワンホーンです。

こうした情報を得るにはジャケットをくまなく見る必要がありますから、
かなりの時間、僕はCDの棚の前に陣取っています。
そして4〜5軒はショップをハシゴしますので、
なんやかんや半日前後は神保町界隈をうろちょろしていますでしょうか。

これがほんと、実に楽しい。
物理的にはほんの数メートルの世界ですが、
僕には国境を越えた広がりと時間を貫通した奥行きが感じられるのです。
いうなれば音楽を扉にした、
小さな旅の気分に浸っているようなものでしょうか。

ん? なんだこれ?
へぇ〜、こんなアーティストがいるんだ。知らなかった!
おや、この作品はどうだ? なかなかユニークじゃないか。

こんな具合に足を棒にしつつ、気が付けば時刻は夕方。

さて、今回はヴォーカルもので収穫がありました。
普段相場の高い Connie Evingson や Alexis Cole、はてや Jacintha まで、
狙っていた作品が手頃な価格でゴロゴロあるじゃありませんか。
ジャケ買いは Erin MacDougald の自主製作版 The Auburn Collection。
これは当りでした。
Hanna Elmquist の Grund も北欧独特の透明感がいい感じ。
インストでは Cherles Lloyd爺が ECM から出したバラード集 The water is wide。
いぶし銀のプレイもさることながら、
ピアノがなんと Brad Mehldau なんですよ。
連弾かと聴き紛うプレイを一人でこなす技巧派の彼が、
これほどまでに情感豊かな演奏をするとは、正直驚きました。
閉店間際に流すには最適な一枚です。

予想外のハズレは Alexis Cole の A Kiss in the Dark。
あ、いや、プレイは素晴らしいんですよ。
問題はミックス。
場末のカラオケのようにリバーブ(残響)のかかったサックスが、
右から大きく全体を覆い、
肝心のヴォーカルはセンターの奥に小さく引きこもっているじゃないですか!
なんじゃこりゃ? と思ったら、これバイノーラル録音の作品だったのです。

昨今、自宅のステレオより出先のスマホで音楽を聴く人が増えたからか、
イヤフォンでもスピーカーで聴いているようなサウンドで再生できるよう、
楽器からの直接音の他、外耳や内耳の反射や回折音を加えた、
特殊な録音方法が取り入れられることがあります。
なるほどってんでイヤフォンで聴いてみると・・・
やっぱりなんか変だ。ぜんぜん自然じゃない。
という訳で残念ながらボツ。

こうしてゲットした作品を自宅に帰ってライナーノーツを読みながら聴くのは、
読書や映画鑑賞とはまた一味違った面白さがあります。
特に知らなかった名品との出会いは格別ですね。
欲を言えば、かつて時間があった頃のように、
1枚のCDを通してじっくり聴いてみたいものです。

えーじ
posted by ととら at 17:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/180917666

この記事へのトラックバック