2017年10月07日

一皿が結び付けた記憶

「おいし〜!」
「へぇ〜、こんな料理があるんだ!」

お客さまからそんなお言葉を頂戴すると、
ああ、地の果てまで行った甲斐があったなぁ・・・
そう、しみじみ思います。

ところがこの仕事を始めて暫くすると、
当初は思いもよらなかった、
もうひとつの嬉しいリアクションがありました。

それは紹介した国の人々から頂いた言葉。

これまでも、ぱっと思い浮かんだだけで、
ポルトガル、デンマーク、ドイツ、オランダ、ポーランド、
スロバキア、フランス、イギリス、イタリア、ベラルーシ、
トルコ、ジョージア(グルジア)、アゼルバイジャン、イラン、
バングラデッシュ、パキスタン、インド、ネパール、ウズベキスタン、
韓国、中国、台湾、タイ、シンガポール、ニュージーランド、オーストラリア、
アメリカ、メキシコ、プエルトリコ、ブラジルなど、
様々な国からお客さまがご来店されました。

そして彼、彼女の、
「美味しかった!」
「自分の国で食べたのと同じ味だ!」
という言葉は、売り上げ云々ということ以上に、
僕たちの仕事の大きな励みとなっています。

先日も、南アフリカ特集が終わろうとしていた時、
同国から来日中の留学生が来てくれました。

音楽が趣味という快活な彼は、
僕たちの取材地ケープタウン出身ということもあり、
南アの料理、音楽、はてや地元のレストランなど、
あれこれローカルな話が弾んでそれは愉快なひと時に。

しかし、デザートのマルヴァプディングをサーブした時、
ふと彼の表情が曇ったのです。

ちょっと心配になった僕が、
「いかがでしたか? 今日の料理はお楽しみ頂けましたか?」
と訊けば、彼はしばしの沈黙の後、

「うん・・・なんだか、うちに帰りたくなっちゃった・・・」

僕たちがケープタウンに滞在したのはほんの数日でしたが、
一皿の料理で、そこで生まれ育った彼と、
あの街の記憶の一部をシェアできたのかもしれない。

あれは、そんな風に思えた一瞬でした。

えーじ
posted by ととら at 16:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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