2018年01月30日

第15回取材旅行 その7

今朝は9時半にマンジーニの宿をチェックアウトして、
ミニバスで首都のムババネに向かいました。
所要時間33分。約200円也のショートトリップです。

スワジランドの地形は標高が1200メートル以上ある西部の山地から、
150メートル程度の東部の平野にかけて、なだらかに傾斜しており、
マンジーニは518メートルに位置しています。
今日はそこから西に向けてぐんぐん坂を上り始め、
ムババネに着いた時には手元の高度計が1070メートルを指していました。
空は曇天で時おり霧雨が降っています。
長袖のシャツを着ているだけでは少々肌寒いですね。

幸い、本来泊る筈だった宿は配管工事が終わっており、
僕たちは問題なくチェックインできました。

ムババネはさすがに首都だけあってバスターミナル周辺はとても賑やか。
お店や飲食店も揃っており、「こりゃ宿泊日数が減って残念!」
と思いきや、災い転じて福となす、と申しますか、
一回りしてチェックした飲食店は、
フライドチキンやピッツァ、フィッシュアンドチップスなど、
取材対象とはならない店ばかり。

しかも19時頃、夕食に出かけてみると人通りが急に減り、
活気のあった雰囲気が一変しています。
加えてショッピングモールだけではなく、
様子を見ようと思っていたレストランまで、
ことごとくシャッターが閉まっているじゃないですか。

こりゃヤバイ・・・

僕らは素早くプランBに切り替え、
スーパーで食パンとチーズを買ったら宿まで退却!
周辺は外灯も少なく危険な臭いがプンプン漂い始めました。
この辺は20時過ぎて僕らのようなよそ者がうろつく所ではなさそうです。
どおりで宿のセキュリティも厳重なわけだ。

予約をキャンセルされた時はやれやれと思いましたが、
結果的に取材対象の飲食店が多く、
治安もいいマンジーニの滞在日数が増えたのは幸運でした。

ともあれスワジランドの人々はシャイでフレンドリー。
お店の人だけではなく、道を尋ねてもみなさん親切に教えてくれます。
人種の構成は南アフリカと違って白人の数がめっきり減りました。
というかほとんど見かけない。アジア系もまた然り。
当然、僕たちは目立ちます。
ですが、じろじろ見られるわけでもない。

言葉は英語が普通に通じます。
スワジランド人同士が話している時はスワジ語を使いますが、
外国人とは英語で話します。
各種インフォメーションも英語表記ですから不便はありません。

先日一般情報をちらっとお話しましたけど、
経済状況はかなり厳しいですね。
一人当たりの国民総所得だけに着目すれば低中所得国に分類されるとはいえ、
スワジランド経済の内実は貧富の差が激しく,
今でも国民の7割が1日1ドル以下の生活を強いられているそうです。
確かに物乞いの姿は南ア同様めずらしくありません。

なるほど外務省が発表した2014年4月付けの援助方針でも、
失業率は29パーセントを超え、
AIDSの罹患率たるや15歳から49歳までの人口の約26パーセント。
加えて南ア同様、近年干ばつの影響が著しく農業生産性が低下し、
貧困率は63パーセントに達していると報告しています。

しかしですね、『貧困』というと食料不足から、
栄養失調でやせ細った子供の姿が目に浮かぶかもしれませんが、
少なくとも、今までの僕の旅の経験から申しますと、
食料は『ある』んですよ。
『あるんだけど買えなくなっちゃう』のです。

おカネがないから。

現にマンジーニやムババネでもスーパーマーケットはそこかしこにあり、
棚には食料品が溢れている。
きれいな身なりのお客さんたちはカートにいっぱい買っています。
でも、外で物乞いをしている人たちには『買えない』のです。

おカネがないから。

これは日本に目を向けても同じ。
どこのスーパーやコンビニに行っても食べ物はいっぱいあるでしょう?
でも『買えない』人たちがじわじわ増えているのです。

そう、『貧困』というのは自然災害の結果ではなく、
極めて人為的な現象なんですよ。

僕はマルクスやケインズみたいな学者じゃありませんから、
頭を捻ったところで何も出てきませんが、
アフリカに限らず、裸足の子供たちや、
「食べ物を買うおカネを下さい」と言って来る人たちに接するたびに、
僕たちにとって何が一番いい社会システムなのか、
この問いを繰り返さざるを得ません。

僕が長い旅の人生の中でも未だに答えを見つけられないこと。
それは、『物乞いを前にどうすべきなのか?』

なんですよ。

えーじ
posted by ととら at 05:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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